黒木昭雄の「たった一人の捜査本部」

小原勝幸を容疑者とするこの事件は、言いようのない不正義な社会構造を見せつける事になった。遺作小説『神様でも間違う』完成。

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警察の掟 1

警察の掟
服務規程(正法)と掟(外法)
 
次ページに書いたのが警視庁警察職員服務規定という内規である。
書かれている事の大部分は公務員として当然の事ばかりだ。
だが、この服務規程が警察官個人を縛り付ける掟となる。
服務規程の真の目的がこの条文を守らせるためにあるのではなく、いざという時に、合法的に組織に都合の悪い人物を退職させたい時など、口実を設けるための内規として存在していると言っても過言ではない。
 
たとえば、民間で以下のような規定があるだろうか。
 
1 外出、旅行の承認=休日でも管轄地域外に外出する時や、日帰り旅行は届け出が必要。
2 外泊承認=休日でも自宅以外に泊まる時や、2日以上の旅行の時は所属長の承認がいる。
3 車両保有届=車を購入する前に上司に相談し、購入後速やかに届けることが義務づけられている。
4 車両利用届=休日でも、車で旅行するときには、所属長の承認が必要。
5 携帯電話番号の強制的な届出
6 電子メールアドレスの強制的な届出
7 資格試験の受験=所属長に届出(運転免許を含む)
 
さて、ここに警察を辞めさせたい警察官がいるとする。
その時内規に照らして辞めさせるには、以下のような項目をチェックする。
すると、誰でも強制的に退職に追い込めるのだ。
 
◇朝、家を出る=届け出通りの通勤コースで出勤したか否か、定期券で乗車したか否かをチェック
 
◇制服に乱れがないか=頭髪が伸びているかどうか、髭を剃っているか、アイロンをかけているか、靴は磨いているか、姿勢態度は良いか、チェック
勤務表通りの勤務をしているか=見張り所で帽子を取っていないか、警ら中にサボっていないか、巡回連絡にいったかをチェック
 
◇退庁時間を守ったか、届け出通りの帰宅コースを守ったか、飲酒を届け出か、梯子酒ではないか、節度ある飲酒だったか、立ちションベンをしていないか、身分相応の店で飲んだか(高級店は不可。ただし身分相応かは監察が決める)。同伴の女性は誰か、午前零時を過ぎたとき、外泊許可をとっているか、無断外泊をしたか、チェック
 
◇休日=東京都から離れた場合、届け出があったか、車は保有届け出があったか、車両を利用届けがあったか、外泊、旅行の承認をとっていたかをチェック
◇ふさわしくない交友関係があるか=みだらな男女関係かをチェック
 

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