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2 恐るべきキャリア制度の実態
洗脳と服従がつくりあげた独裁体制
脈々とつづく内務官僚人脈p148-150
皇居桜田門の正面に威風堂々とそびえ建つのが、おなじみの警視庁である。
桜田通りを西に進むと、そのすぐ隣に古ぼけた人事院ビルがある。(執筆当時)
警視庁の物々しい警戒態勢にくらべると、衛視が一人立つだけのこの庁舎は、きわめて地昧な感じがする。というよりも、広々とした桜田通りと官庁街の大きな建物に目を奪われて通り過ぎてしまう。そんな寂しいたたずまいだが、じつはこれがすべてのキャリア警察官にとっての古巣、警察組織の総本山「警察庁」なのである。
人事院ビルは昭和八(一九三三)年に建設された老朽化の進むビルで、戦前までは「内務省」が入っていた「旧内務省ビル」である。警察社会にとっていわくつきの「旧内務省ビル」に警察庁が現在も居を構えているのだから、旧内務省と警察庁の血流がいまも脈々とつづいていることをあらためて感じさせる。
新潟県警不祥事で発覚した「カラ監察」以来、とかく話題にのぽる国家公安委員会と警察庁との関係をご存じだろうか。
警察法の第四条には、「内閣総理大臣の所轄の下に、国家公安委員会を置く」と記され、同法第一五条には「国家公安委員会に、警察庁を置く」と、それぞれの関係が明記されている。
この条文は、警察庁は国家公安委員会の管理下にあり、他のいかなる機関からも指揮監督を受けないという独立権をうたっている。
しかし、同法七一条には緊急事態の特別措置として、「内閣総理大臣は、大規模な災害又は騒乱その他の緊急事態に際して、治安の維持のため特に必要があると認めるときは、国家公安委員会の勧告に基き、全国又は一部の区域について緊急事態の布告を発することができる」ことになっている。
警察庁長官は国家公安委員会が内閣総理大臣の承認を得て任命するシステムとなっているから、日本の警察は、緊急事態に対しては内閣総理大臣が直轄する「国家警察」となるわけだ。
法律上、警察は国家公安委員会の管理のもとに運営され、政治的にも中立であることとされている。しかし、このタテマエは虚構と言わざるを得ない。警察機構の実質的トップである警察庁長官および警察庁次長が、国家公安委員会と同じビルで、屋根をひとつに同居していることからもそれは明らかだ。
ためしにNTTの電話番号案内で、国家公安委員会を調べてみるといい。
教えられた番号に電話をすると、「はい、警察庁です」と出る。つまり、国家公安委員会は警察を管理するのではなく、警察に管理されているというわけだ。
そもそも国家公安委員は警察庁が人選しているというのも常識なのだ。こうした名誉職的お飾りに税金から高額の報酬が支払われていることに、国民の理解が得られているとは思えない。
いずれにせよ、その国家公安委員会を実質的に「管理」している警察庁の長官は内閣総理大臣の承認を得て任命される。それが政治的に中立だとは、とても思えない。
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連載 警察はなぜ堕落したのか
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