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キャリアとノンキャリアはこんなにもちがう【2】p173-177
前に述べたように、キャリアは警察庁に入庁した時点で警部補になり、警察大学校に人る。警部補という階級はノンキャリアなら少なくとも十年はかかる階級だ。警察大学校では、三ヶ月間、初任幹部課程教育を受け、その後、第一線の警察署で九ヵ月間の見習いを経て、警部へ昇格。ふたたび警察大学校で一ヵ月半の補習課程を受けてから、二年間警察庁で勤務して、またまた警察大学校で一ヵ月過ごすと、早くも一人前の警視となる。つまり、採用後わずか三年あまり、弱冠二十五、六歳で百人以上の部下を指揮監督することになる。
キャリア警察官は国家機密にアクセスする立場にいる関係上、不祥事の発覚によって失脚しでも、必ず「国家的な救済」がある。
一例をあげると、一連の警察不祥事の発端となった神奈川県警の前本部長、深山健男氏を覚えていられるだろうか。不祥事発覚のたびにマスコミの前で頭を下げた人物だ。東大、京大出身者が大多数を占める警察キャリアのなかで、数少ない私大(早稲田)出のキャリアだったが、結局、謝罪会見でウソをついたことがバレて県警本部長を辞任し、平成十一年十月七日に警察庁を依願退職した。
ところが、それから約七ヵ月後の平成十二年六月一日、深山氏は「社団法人全国警備協会」に再就職したのだ。全国警備協会といえば警察庁傘下の外郭団体である。しかも、ポストは「専務理事」という要職だ。
全国警察の組織スキャンダルの火付け役となった責任をとって辞職したはずの人間が、いとも簡単に警察庁関連団体に返り咲いていたのである。このことからも、キャリア警察官にはまさしく国家的救済があると言える。
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