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接待・ゴマすりがあたりまえの選考・選抜試験(2) p182-183
たとえ新米警察官でも卒配後は地域係の交番勤務員となって激務に明け暮れることになる。地域課の動務はあらゆる一一〇番通報に対して迅速に対応しなくてはならない。そのうえ、「目標」という名の交通違反取り締まりノルマや巡回連絡の実施ノルマ、さらには地域課の柱でもある職務質問による検挙活動は毎日数字に表れるから、経験のない新米警察官にとってはひじょうにつらい毎日だ。
ひとり立ちするまでのあいだは、指導巡査と呼ばれる先輩に付き添われて、一つひとつのハードルを越えていくが、それがいつまでもつづくわけではない。警察官として生き抜いていくためには、早く自立し、あらゆる警察事象に対応できる「その道のプロ」にならなくてはいけないのである。しかし、新米警察官は古参の先輩を見て、こう考えるのだ。「このまま交香勤務に埋もれるのは嫌だ。勉強しよう。そして旱く偉くなって命令する立場になろう……」
そうなると、地道に現場経験を積むことがばからしくなる。そんな時間があったら参考書のひとつも読んだほうがいい。そのせいか「俺は子供のころから警察官になりたかったんだ。だからがんばって勉強したんだ」という警察官適格者が、最近ひじょうに少なくなってきたように思う。
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