黒木昭雄の「たった一人の捜査本部」

小原勝幸を容疑者とするこの事件は、言いようのない不正義な社会構造を見せつける事になった。遺作小説『神様でも間違う』完成。

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 三点セットを改善しないかぎり刷新はあり得ないp217-218
 
 
 
 たとえ警察刷新会議がどれほど素晴らしく実態に即した解決策を生みだそうとも、この制度そのものを刷新しないかぎり、つねに幻影に怯え、みずから声を上げることを知らない警察官は「笛吹けど踊らず」ということになりかねないのだ。
 
 仮に時代が変わって警察組織が改革されたとしても、子供さえあきれるこんなばかげた内規がある以上、現在の警察体質は絶対に変わらないだろう。このことは、実際に警察官を経験したものでなければわからない。つまり刷新会議のメンバーで、このことを知っているのは後藤田氏だけなのだ。
 
 しかし、警察キャリアの右代表でもある後藤田氏が、この制度に手をつけるとは考えにくい。逆に言うと、こうした部分に手をつけるかどうかが、刷新会議が本物かどうかを見分けるリトマス試験紙になるともいえる。
 
 警察改革のためにまず必要なのは、末端警察官の人権の回復と、安心して職務に邁進できる職場環境の確保である。その実現のため、警察官が労働組合をつくってはどうかという意見もあるが、たとえ組合があっても、組織に染みついた縦割り命令杜会では十分に機能しないだろう。そこで重要になるのが、警察的洗脳敦育の抜本的見直しと、幻影を生みだす監察制度の改革、警察内規の総点検だ。
 
 この三点を警察構造の患部と認定し、改善しないかぎりは、たとえいかなる外科的手術を試みたところで、警察社会は立ち直ることはできないだろう。
 

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