黒木昭雄の「たった一人の捜査本部」

小原勝幸を容疑者とするこの事件は、言いようのない不正義な社会構造を見せつける事になった。遺作小説『神様でも間違う』完成。

ブログの中のBLOG

[ リスト ]

率直に9月9日

昔々、私がまだ中学生だったころ
夜な夜な友人の兄貴のバイクを乗り出して
警察に捕まったことがあります。

子どもは親の目を盗むというけど、
まさしく私もオヤジのいない隙を狙ったのです。


検問に引っかかったとき
口から心臓が飛び出すかと思うほど過呼吸になりました。


「んん、免許証は? 無免だろコラッ!」
お巡りさんは瞬時に見破りました。

「名前は? ウソをつくんじゃねぇぞコラ!」
「で、バイク、どこでカッパラった?」

矢継ぎ早の質問でした。


あの・・・
本当の事を言ったら友達に迷惑がかかります。
空き地で私の帰りを待つ彼が、バイクを乗り出した張本人だからです。

「吐かねぇと逮捕するぞ、コラ!」

・・・・・・ ・・・・・・

その時でした。

「アキオ!」

パトカーから降りてきた警察官が私の名前を叫んだのです。

―――バレた

ほどなくすると、交番のドアが乱暴に開きました。
後ろ手で手荒にドアを閉めた鬼の形相の男が
「この野郎、何をしやがった」
とも言い終わらぬうちに、いきなりバシバシと殴りつけたのです。

当時私は12歳、刑事処分は逃れました。

「後ろに乗れ」

私は、男が命じるままに後部座席にまたがりました。
そして走り始めて10分ぐらいしたころ、「痛かったか!?」と聞くのです。
「そりゃ痛いよ」

男は、声を低く言いました。
「よく聞け昭雄。親はな、ああいうときは殴らなきゃならねぇんだ。他の警察官に示しがつかねぇだろ、ん?」
その時、私のまぶたから涙がこぼれ落ちました。


当時、親父は警視庁亀有警察署の刑事でした。
私は、親父が宿直でいない留守の日を狙ったのです。
私の名前を叫んだのは、「亀警」で子どもに柔道を教える警察官。
以後の稽古が厳しくなったことは言うまでもありません。


「今日は何日だ?」

自宅に向かう道すがら親父が聞きました。

「9月9日だよ」
「そうか、汲々(9.9)の日か―――」

その言葉が忘れられません。
何を思ってそんな事を口にしたのか。
毎年この日になると、親父は「99の日か」と、その言葉を口にし続けたのです。
戒めなのでしょうか。


天国の親父に率直に聞いてみたいです。
「俺の生き方、どう思う?」

「バカ野郎だ」
そう、笑うかも知れませんね。

.
検索 検索
黒木昭雄
黒木昭雄
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事