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キャリアはどのように洗脳されていくか p157-159
では、キャリアはどのように洗脳されていくのだろうか。
全国の有名大学を優秀な成績で卒業し、国家公務員試験Ⅰ種に合格した新米キャリアは、はじめからキャリア世界に毒されているわけではない。テレビのインタビューに答える彼らの姿はみな希望にあふれ、「社会正義実現のために一生をかけて働く」という気概を感じさせる。 しかし、その新米キャリアも超スピードで飛び級を重ねて出世を果たしていくうちに、初心を忘れ、権力意識に目覚め、庶民感覚を失う。 現場の警察官のなかにキャリア警察官を仲間だと意識するものは少ないが、その理由は、ただたんに飛び級の出世を果たすからだけではない。 最大の理由は、一般警察官が各自洽体の採用であるのに対し、キャリアは警察庁採用の国家公務員であるからで、キャリアには、前述した警察官僚OBを頂点にした彼らの牙城があるからだ。 キャリア候補生が警察庁に採用されるとまず警部補に任官し、警察庁の付属機関である警察大学校で三ヵ月間の初任幹部課程教育を受ける。 その後、大きな警察署の第一線(の安全なところ)で約九ヵ月間の見習い期間を過ごすが、その修了時にはめでたく警部に昇任する。さらに実務にもとづいた補習課程を受けるため、ふたたび警察大学校に戻り一ヶ月半の時を過ごすが、キャリアヘの限りない「洗脳」教育はこれで終わるわけではない。 その後二年間の警察庁勤務を終え、三度目の警察大学校入りとなり、一ヵ月間におよぶ最終教育を経て一人前(洗脳済み)の警視に昇任するのである。 日本の最高機密に直接かかわる彼らキャリアに警察的洗脳教育が必要であることはいうまでもない。 さしたる機密にアクセスすることのない一般警察官にさえ執拗な洗脳教育が繰り返されるのだから(これについてはあとの項目でふれる)、みずからの体制維持のためにキャリアに洗脳教育がおこなわれたとしても、なんら不思議はない。 過去に不正行為をおこなったキャリアの実例がすべてを証明しているように、キャリアたるものには、ありあまる地位と名誉、そして権力を与え、国家が最大限その身を守る。そして将来は破格の天下り先を準備し、経済的富を約束する。 では、現場の警察官として各地方自治体に採用された一般警察官はどうかというと、ある意昧では彼らにもそれなりのコースが保証されている。 巡査という地位からスタートした一般警察官は、警視までは各都道府県警の職員だが、警視正に昇任した時点で国家公務員の身分となる。同一の都道府県警に所属して、外見上は警視と警視正とはわずかな階級のちがいにしか見えないが、ここには見えない厚い壁がある。 地方採用のノンキャリアも、警視正に昇任した際には、いったん都道府県警を退職し、退職金の支給を受ける。そして、新たに警察庁に採用され、国家公務員となるのである。つまり、この時点で一般警察官もキャリア警察官の仲間人りを果たすわけだ。 もちろん、警視正昇任時の年齢からして、飛び級で昇任する本来のキャリアと性格はまったく異なるが、少なくとも退職金の二重取りがあり、天下り先についても、地方公務員である警視との差は大きく、歴然としたちがいが発生する。 これが、キャリア世界に身を投じた者への契約事項である。 しかし、その代償として、この世界の掟に背き、裏切り行為(秘密の暴露)のひとつでも組織が認めれば、本人は当然のこと家族、親族の身さえ保証はできないと言わんばかりの幻影を抱かせるのが、警察的洗脳教育の大目的なのだ。 有名大学を卒業し超難関試験を突破したにもかかわらず、謝罪会見に立つキャリアや国会で答弁を求められた歴代警察庁長官が子供にもわかるようなウソを平然とつくのは、この警察的洗脳教育のなせるワザとしか言いようがない。 |

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