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翌日、渡瀬満の処刑される日である。
そして、渡瀬は、処刑された。
及川は、処刑される渡瀬を見ながら、心の中で、( 今度は、一緒に野球をしような、満 )と叫んだ。
及川は、その日に、1人の家を訪ねる事にした。
それは、若林という人の家だった。
若林は、及川の先輩刑務官であって、いろいろな面倒を見てくれた人であった。
及川は、若林に自分の大切な人をこの手で殺してしまったと、言った。
若林は、誰だかは、想像できた。
及川は、死刑執行について、死刑についての考えを語り始めた。
被害者の家族等の想いを考えると、必要な感じもする、また、死刑制度では、冤罪で亡くなったりする人もいる事を考えると、複雑な気持ちなると述べた。
死刑囚には、反省する者と反省しない者がいる、反省しない者は、教誨等をして罪に対する考え方を変更させて、反省している者は、別の場所に置く事や、死刑執行の日を教えて、それまでの日々をどうすか考えさせるのが、良いと思うと、述べた。
若林は、及川の話を黙って聞いていた。
及川は、自分の気持ちを話す事で、少し落ち着きを取り戻せた。
及川は、休暇の最後の日に、小春に会いにいった。
小春から、兄満の遺骨が届いた事を聞いた。
及川は、小春に対して満についての事を話し始めた。
小春に対して、君の想いを踏みにじってしまい、と謝った。
そして、最後に、僕は、満とって良い思いでが出来たのだろうか、僕は、満に死刑を突きつけてしまった、僕は、満に会わない方が良かったのだろうか、と質問した。
小春は、その言葉に対して、及川の手を握った。
及川は、小春の顔が満の顔に見えた。
及川は、目を閉じた。
そうすると、直樹に会えて良かったや、という満の声が聞こえる感じがした。
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