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7日の株式市場は見慣れた光景の繰り返しだった。日経平均株価は反発したものの、取引時間中は乱高下が目立った。中国景気と米金融政策の2つの不安材料を前に一般投資家のリスク選好は急速にしぼんでいる。短期の投機マネーの支配が一段と強まり、株価の「適正水準」がみえにくくなっている。
前週末の欧米株安を嫌気し、7日の日経平均は取引開始後に下げ幅が300円を超えた。その後、上海株相場が小動きで始まると一転して買い戻され、安値から一気に500円超戻す目まぐるしい展開だった。
「企業業績も国内景気も考慮されず、ジェットコースターのように相場が上下する」(国内証券トレーダー)。最近は高値と安値の差である日経平均の日中値幅が500円を超えるのはざらだ。
「(8月は)元気のいい押し目買いが目立った。最近は慎重な押し目買いに変わった」。ある大手証券の首脳は個人投資家の変化をこう語る。顧客の個人全体ではいまだ買い越し。だが日経平均が2万円を割り込む場面で旺盛に買い向かったときの勢いはない。
みずほ証券は世界の株式や債券、円の対ドル相場の予想変動率などをもとに「リスク選好指数」を算出している。指数が低いほどリスク回避が強まっていることを示す。この指数が、直近で65前後と欧州の債務問題に揺れた2012年6月以来の水準に下がった。米量的緩和の縮小懸念から日経平均が急落した13年5月の「バーナンキ・ショック」よりも「萎縮」の度合いは大きい。
代わって市場を席巻しているのが投機マネーだ。7日は2倍の値動きを目指す「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(日経レバ)の売買代金が約3300億円と断トツの首位。2位のトヨタ自動車の4倍近くを記録した。
嵐のような値動きが続くなか、下値のメドはどこにあるのか。「日経平均で1万7000円近辺まで調整する可能性がある」(みずほ証券の三浦豊氏)。節目とみられた8月下旬の安値を先週末に下回り、「チャート上は二番底形成による本格回復が見込みにくくなった」(三浦氏)。半面、底堅い企業業績を考えれば「1万7500円を割り込むことは考えにくい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)との指摘もある。
カギを握るのは、16〜17日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)だろう。世界的な金融市場の変調もあり、9月の利上げはひとまず見送りになるとの観測は根強い。
だが8月の米雇用統計は総じて良好な内容だった。「労働市場の引き締まりを考えれば、9月利上げは現実的な選択肢」(JPモルガン証券の足立正道氏)との声もある。市場が十分に織り込んでいない局面で利上げが決まれば、株価の下押しリスクが高まる。
中国では景気の下支えに向けた政府の財政出動の道筋もみえていない。日本企業の業績は底堅いものの、外部環境を見渡せば気がかりな材料が多い。投資家の憂鬱は深まるばかりだ。
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