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ちょっと前のブログで、買った本の感想を書くと書いたことを思い出したので、久々に更新がてら書いて見る。
読みました、石井光太さん著『レンタルチャイルド』。
インドの都市、ムンバイを舞台に物乞いの子どもたちを追ったノンフィクション作品。
とにかく読みごたえのある本でした。
時々、描写がすごすぎて何度も読んでる途中に本を閉じてしまいました。
でも何とか読み切りました。
自らの体を傷つけてでも物乞いをする。一日を生き延びるために。
そんな厳しく酷な現実がそこには描かれていました。
自分が認知していないだけで、世界にはもっとおぞましい現実が無数に存在してるはず。
ここに書かれているのは、そのほんの一部。
でも、そのわずか一部を知ることだけでも、こんなに重いものなのか、と改めて思いました。
この本に主に書かれていることは子どものことだったので、
読み終えた後、しばらく経ってからユニセフハウスに行ってみました。
とある疑問がわいたから。
「こういう現実に置かれている子どもたちの存在をユニセフは果たして認知しているのか?そしてその現実もユニセフは宣伝しているのか?」
というもの。だいたいの答えは分かってたけど・・・。
基本的にユニセフの対象にしている子どもは、アフリカなどの絶対的貧困に置かれている「農村部」の子ども。
あるいは、農村から「出稼ぎ」にきたストリートチルドレンの子ども。
他方で、この本に書かれていた子どもは、「農村」の子どもではなく「都市」の子ども。
しかも農村から「出稼ぎ」に来た子どもではなく、最初から帰るべき故郷や家族がなく、都市に生まれ都市貧困の環境下で生きてきた子どもたち。
部外者がそんなこと言うのもおかしいのは甚だおかしいのですが、
全く想定している子どもの実態が異なっていると思いました。
そして後者の子どもたちっていうのは、基本的に戸籍も何もあったものではないので、その国の国家の保護対象となるかも微妙なのだろうと思います。
しかしだからといって国家の承認によって初めて介入できるユニセフなんかは、そういった子どもたちの人権を保護するための直接的な行動は取れない・・・はず。
だから、レンタルチャイルドで書かれているような子どもたちは、
いわば子どもの人権の「真空地帯」とも言えるのでしょう。
でもそういった「真空地帯」をいかに認知し、そしてそういう現実があることをユニセフとして広報していくことはユニセフのミッションであるはずだ、と思って行ってみました。
が、やっぱり基本的にはそういったユニセフが対象とできない現実についての紹介や広報はほどんどありませんでした。
だからといって、ユニセフの広報体制や方法をとやかく言うつもりはありません。
この問題は、一義的にはその国の政府の保護責任であるから。
主権国家体制の国際社会システムにおいては。
でも、主権国家というバリアーがあるからこそ、市民社会がtransnationalに国際世論を積極的に形成していくことが必要なのだろうとも思います。
だから、立ち戻ってこの本の内容は知っておく必要があると改めて感じました。
この現実は、完全に国家の保護を得られない「人間の安全保障」の真空地帯をリアルに描写するものだから。
感情的な感想を持ったり、あるいは自分の生活と比較して明日から自分の日常に感謝して丁寧に生活しようと感じたりすることも、この本の価値であると思います。
しかしそれだけでなく、
そういった真空地帯の子どもをクローズアップすることで国際社会の在り方やそのために自分達の有する潜在的な役割についても考えさせられるところに、この本の特段の価値があるように思いました。
著者の方がそういったメッセージを投げかけるために書いたかどうかは別として。
なんとも勝手な感想なので。
まとまってなくてすみません。
ただ、『レンタルチャイルド』、良い本でした。
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