●復興は安全で安心、環境に配慮した 持続可能なまちづくりのグランドデザインから
青山貞一、池田こみち
ここに示す提案は、復興のための各種のインフラ整備はじめ巨額の資金がともな
うものであり、ここで間違えると将来に大きな禍根を残すこともある。さらに平地にまちを復興する場合、将来、再度大きな津波がきた場合にどう物理的に対応するかという大きな課題がある。
青山貞一、池田こみちは、この重要課題について、瓦礫処理に連携し、海岸側に
20−30mの防波堤(防潮堤)を構築する政策提言をしている。この政策提言は、
欧州諸外国における実例をもとに、日本の廃棄物処理法、沿岸法など現行法とも
齟齬がない形で構築が可能であり、費用対効果にも優れた方法であると考えている。
東日本大震災の瓦礫の処理に関連し、日本政府(環境省)は、私たちが30年間
批判してきた燃やして埋めるやり方を瓦礫に適用しようとしている。
だが、この「燃やして埋める方式」は、汚染を大気、水、土に広げるだけで、本質的な問題解決にならないことは間違いありません。ましてや放射性物質を含む場合は論外である。
また瓦礫処理を廃棄物処理という範疇だけで、目の前の瓦礫をなくすだけの処理では今回、まちづくり、とくに津波対策との関連では問題解決にならない。
津波対策を考慮した瓦礫処理として私はひとつの大胆な計画を提案する!
それは沿岸域の陸側最先端部分に、コンクリート構造物で管理型処分場に類する堰堤、防波堤型の処分場をつくることである。
まず、提案する防波堤型の瓦礫処理の概念図を以下に示す。
なる。 規模は、たとえば堤防ブロック一つ当たり、幅(30m〜50m)×長さ(50〜
クリートのフタを付ける。福島県内の海岸では、放射性物質を含む土砂、瓦礫が多
くなるので、遮断型とすれば万全である。
また瓦礫は分別し、この処分場に処分するのではなく、仮置し、将来、リサイクル
なりリユースできるものはすればよい。
こうすることで、ほとんど瓦礫類を遠隔地に運ぶ必要も、燃やす必要もなくなる。
環境汚染は通常の管理型処分場と同じであるから、2次処理まですれば排水を公
共用水域に流すことも可能である。
ただし、福島県の場合は、放射性物質を含む瓦礫となる可能性が大なので、遮断
型とし内部に雨水、海水が入り込まないような構造とし、放射性物質を含む排水が
外部に出ない構造とする。
一方、宮城県、岩手県など、放射性物質を含む瓦礫がほとんど存在しない場合は、コンクリート構造の管理型処分場とし、コンクリートのフタを付けない場合は、2次
処理まで可能な水処理施設を50〜100mの間隔でつける。
コンクリート構造物は汚染水の重力浸透を防ぐので水処理装置を常時モニタリン
グしながら監視すれば汚染の問題は深刻にならないであろう。
10年以上経ったら、小高い古墳状の緑地でありスーパー堤防となる。もちろん、
のペッテンの堤防では、それより海側の波打ち際は散歩道や犬の散歩道、ドッグラ
となっていた。その外側には、以下のようなかわいらしい住宅がたくさんあった。
オランダ・ペッテン地区にある防波堤の内側の住居 撮影:青山貞一
費用対効果(費用対便益、B/C)は計算していないが、従来の日本の運んで燃
やして埋める方式に比べれば環境負荷、環境汚染は大幅に少ないし、もとより大
津波を考慮したフリーハンドのまちづくりが、震災以前の従来の平場で行えること
になる。となれば高台を造成したり、隣地開発し大規模な住宅地を造成する場合に
比べ、B/Cは絶大だと思う。
なお、防波堤(防潮堤)の高さは、明治三陸津波及び東日本大津波の各地の波
高を考慮すべきである。以下の表によれば、波高の高さは地形などの条件で、地
域により異なるが、およそ15m〜30mとなろう。
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