|
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
“ぶぶ”最新号が発行になってました。今回の主題は、「ナビと地図」。こんなことからも人間一人ひとりの違いや思い込みといった藻を感じさせられます。面倒でもありますが、だからこそ楽しい(笑)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ナビと地図
子供のころから地理・地図好きで、地図は必ず「北が上」(最近はノースアップと言うらしい)が当たり前と思っていて、新聞広告などに記載されている地図が「北が上」を無視した地図であった場合などは、なぜか不愉快になったものだった。当然自分自身で地図を描く場合には「北が上」以外の地図はあり得なかった。
ところが、自動車のナビゲーションシステムが売り出され、あっという間に普及した。どの車にもいわゆる“ナビ”が必ず搭載されているようになり、決して新もの好きでもないのに車を購入するとナビ付きなった。恐る恐る使い出してみるとなるほど便利で、重宝するようになった。するとあろうことか地図は必ず「北が上」という常識が自分自身の中でも揺らぎ始め、間もなくナビの地図は進行方向が上(ヘッドアップ)に設定するようになってしまった。利用は簡単でノースアップよりもヘッドアップのほうが断然見やすいからだ。それまで地図と言えば北が上、そうでないと位置関係が把握できず地図の役目を果たせないとまで思い込んでいたのが、ナビの登場で180度の宗旨転換、その変貌には我ながら驚かされた。 ある日、知人乗せて仕事先に出かけた。しばらく走っているとその彼が「えーっ、○○(私)さんまでナビをヘッドアップにしている。」とたいそう落胆し、地図は絶対にノースアップと持論をひとくされ。もちろんずっとノースアップ信奉者であったのだから耳タコである。「どうして?」と問われても「こちらの方が見やすい」からと答えるしかなかった。 その後、他人の車に同乗するたびにナビがどちらの設定かを観察するようにした。いいかげんな私的統計では、ノースアップで運転している割合は1割程度に感じた。WEBで調べてみてもヘッドアップが8割+であった。ノースアップ派は絶滅危惧種なんて記載も(笑) 双方の考えは、ナビを地図として考えるノースアップ派。道案内として考え、進行方向に向かって右・左というのがヘッドアップ派だろうと思う。改めてノースアップ派の彼を考えると、行き先はだいたいが大きな会社や観光施設だった。これなら大きく縮小された地図で間に合う。間近に行けば目的地が分かってしまう。だが、とても美味しいのだが小さな店、今はやりの住宅のような隠れ家レストランに行きたい場合にはノースアップでは役に立たない。ぐっと拡大したヘッドアップで正確に誘導してくれないことには目的地まで行きつくとはできない。 そうは言ってもやっぱり地図は「北が上」が正しい。学校でもどんな本でも、ありとあらゆる地図は生まれてこの方、北が上以外のものを見たことがない。どんなものでも決まりを共通認識として作られたものでないと誰もが同じように理解することができない。そのために「地図は北が上に描くべし」という決まりがあるように思った。 ところがどっこい、調べてみると地図は北を上に描くなんていう国際基準はどこにも無いようだ。オーストラリアやニュージーランドでは南を上に地図は描かれているらしい。北半球は北が上、南半球は南が上というのなら、地図では高緯度を上に描くのが決まりかと言えば、こちらもそうでもないらしい。ということは何の決まりも無し、ならば、それまでの「北が上」のこだわりはなんだったのだろうかと今度はそちらが気になりだす。ただの暗黙の了解なのか。ナビまでノースアップにこだわる彼はどんな理由でそこまでかたくなになるんだろうかと。 改めて考えてみると世の中にはこんなことが意外に多いのかもしれない。はるか昔に、どちらでも良いことにもかかわらず、誰かが偶然選んだことで正誤を決めているなんてことが・・・ 面白いことに、日本では○が正、×が誤が常識だが、これも国によって異なるらしい。台湾のテストでは正しいものに または×、違うものに○だそうだ。 老い先短い今日この頃、出来ることならつまらない決まりや常識に振り回されるのは金輪際にして、気ままに楽しく暮らしてみたいものである。 |

- >
- 芸術と人文
- >
- 文学
- >
- ノンフィクション、エッセイ



