不刀 庵 閑話 シーズン2

剣道の故きを温ねて、新しき人生を知るブログ

無くて七癖

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 黒船を見てからの龍馬は、とてつもないカルチャーショックに襲われている。
土佐人としての海洋民族の血が騒いでいる。
 
 「あレバーの太い 舟に大砲ば積んじょったら、刀がなんちゃ使いモンになりゃせんろう」
 
 龍馬は夜も寝れなかった。日本がやられる。自分は剣の修行だけしとっていいものであろうか?
 日本人のこのころの平均寿命は驚くほど短い。
 
 寝ぼけた頭で、翌早朝に龍馬は稽古に出た。一人長刀を持った少女が近づいてきた。
師範の重太郎の妹、佐那であった。 いわゆる異種稽古であった。
佐那は道場の切り盛りやほかの稽古事も多く、稽古は毎日というわけではなかった。
この年、重太郎は鳥取藩の馬回りとして仕官していた。
自然、佐那も忙しくなった。道場を守っていかなければならない。
道場主 定吉も体調を崩していた。
ほとんど重太郎が道場の指導にあたっていた。 
本家お玉が池も代が移り、道三郎が指揮をしているが・・・おとなしい仁徳の士で
ブレーンとして良い人材はそだてていたものの、マリスマ性に欠けていた。
この時、重太郎の名声は結構江戸では有名であった。
佐那は色白で、顔は丸く、眉毛が少し目立つ、童顔であるが凛として美人の誉れが
高い。この時まだ16歳で、顔には少しニキビがあった。
佐那の指示で、脛あてをつけさせられた龍馬は、長刀に対する、ある種の
病的なトラウマを感じていた。それは姉、乙女の長刀が原因かもしれない。
(長刀はちーと苦手じやき。)
そう思いながら、指導者としての存在感を持ち始めている、少女にたいして
参りましたと断るわけにもいかぬ。
龍馬は剣を交えた。
 
最初は龍馬の繰り出す、力任せの剣に少したじろぎながらも、
龍馬の息が乱れ出してからの佐那の繰り出す、長刀の切っ先はいずれも
たがわず命中する。突きを入れると同時、体を入れ替え、手を持ち替えた
脛をはたった。甲高い竹をはじく音が道場に鳴り響いた。
 
「参りました。」
龍馬は声を張り上げた。 19歳の龍馬が面目を保つためにはむしろ、
そういうほかはなかった。
重太郎はにただにこにことほくそ笑んでいるだけだった。
 
佐那は静かにそんきょをする。
 
練習が終わって、龍馬が井戸端で汗を拭いている。
剣友たちが、いった。
「龍馬、お佐那様の突きは気持ち良かったか?」
「てんご イイナヤ。あればのハチキン、江戸にいるとは思わなんだき。
しかもー。こじゃんと太い足で、踏み込んでくるき、ホラー。たまーるか。
土佐の姉ヤンを超えちゅう。」
「おい。」
剣友の顔が一瞬強張っかと思うと・・・道場の入り口へ目線をそらした。
入り口で、佐那が睨みながら・・・
「太くありません。 足を見てもいないのに。 」
「ア、えらいことを−−−−。」
龍馬は背を丸くすると、頭をかくそぶりをした。
 
 
 
 

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