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報告書
平成16年12月 (平成17年3月 一部訂正及び修正)
原子力安全委員会は、放射性廃棄物・廃止措置専門部会において、
IAEA安全指針RS-G-1.7 (付属資料-1)に示された規制免除レベルの適用概念及び評価方法
から、最新知見など、委員会報告書に反映すべき事項を抽出し 委員会報告書のクリアランスレベル
の再評価を行った。 その結果として、今般、本報告書をとりまとめた。
※ IAEAは、世界保健機関(WHO)等と共同で、1996年に「電離放射線に対する防護と
放射線源の安全のための国際基本安全基準」(BSS)を出版し、規制除外、規制免除及び
クリアランスの概念を示すとともに、中程度の量(トンオーダー)までの放射性物質に対する
規制免除が適用できる放射能濃度と放射能量を示した。
また、「TECDOC-855」に示した クリアランスレベル について、見直しを行うための検討を
開始し、2004年8 月に「規制除外、規制免除及びクリアランス概念の適用」(IAEA安全指針
RS-G-1.7)として出版。
※ TECDOC-855 : IAEAが平成8 年(1996)に出版した技術文書
として取り扱う必要のないものの放射能濃度について
(付属資料) 委員会報告書では、以下の条件及び方法でクリアランスレベルを導出した。 P12
(1) クリアランスレベル を算出するための線量の目安値は、「 自然界の放射線レベルに比較して 十分小さく、又 人の健康に対するリスクが無視できる 」線量として、放射線審議会、原子力
安全委員会、国際放射線防護委員会(ICRP) 及び IAEA等がまとめた関連文書を参考として、
実効線量10μSv/y (=0.01m㏜/年) とした。 この線量の目安値に相当する放射能
濃度(Bq/g)及び表面密度(Bq/cm2)を クリアランスレベル とした。
(2) クリアランスレベル については、 クリアランス された (「放射線防護の規制体系から外された」) 物質 の用途 又は 行き先を限定しない クリアランスレベル とした。
(3) 対象物は、施設の解体及び運転(以下、「解体等」) に伴って大量に発生する金属 及び コンクリート (保温材等を含む)(以下「金属及びコンクリート等」) であり、可燃物は含まれていない。
クリアランスレベル の評価にあたっては、BWR 及びPWR の場合、110 万kW 級の原子炉が1基
解体されることを想定した。 この際、
①「放射性廃棄物でない廃棄物」、②放射能濃度がクリアランスレベル以下である「放射性物質
として取り扱う必要のないもの」、③低レベル放射性廃棄物 が発生し、
①と②を合わせて、約50 万トンが発生するとして想定した。
(4) 評価対象核種は、原子炉施設 及び 核燃料使用施設の解体等に伴って発生する廃棄物に 含まれ、かつ 人体への影響度 及び 対象廃棄物中での存在量の相対的に大きな核種として
合計58 核種を選択した。
(5) 線量評価を行う評価経路は、対象物に起因して現実的に起こり得ると想定される全ての 評価経路 (埋設処分、再利用) を考慮した上、他の経路と比較して 線量が十分小さいと判断
される経路、及び、他の経路の評価結果に包含される経路を除いたものを選定した。
(6) 経路ごとに被曝線量を評価するための計算モデルを構築し、評価パラメータを設定した。 評価パラメータは、日本における社会環境、日常生活の態様等を考慮して、標準的である人を
対象に現実的と考えられる値を選定した。
(7) 核種ごとに、評価経路について計算を行った結果を集約し、その中から最小の濃度を示す 決定経路の放射能濃度を クリアランスレベル の算出結果とした。 クリアランスレベル は Bq/g 又は
Bq/cm2 で示しているが、少なくとも 10 トン程度の物量ごとに平均化された濃度であるとして
算出したものである。
・・・・ 2.2 IAEA 安全指針RS-G-1.7 について P15
・・・
規制免除レベルの検認 :規制免除レベルは、大量の均質な物質に対して算出されているため
平均放射能濃度の評価方法について十分考慮するべきであり放射能濃度を満足させるため
の意図的な希釈は、通常の操作で起こる希釈は別として、規制当局の事前の許可がない
限り行うべきでない・・・。 表1 委員会報告書におけるクリアランスレベルの算出結果 P38
(単位:Bq/kg)
Cs−134 500 再利用 駐車場(スラグ)・外部
Cs−137 1000 再利用 駐車場(スラグ)・外部 Sr −89 600000 再利用 居住・経口
Sr −90 1000 埋設処分 跡地利用(農作物摂取)
Pu−238 200 再利用 積み下ろし・吸入
Pu−239 200 再利用 積み下ろし・吸入 ☝ ベクレル数は、 kgに換算
少なくとも10トン程度の固体状物質ごとに平均化された濃度として算出
表2 皮膚被ばく線量の評価結果 P39 被曝線量の評価結果 (Sv/y)
埋設処分 作業
積み込み 埋立 建設
Cs-134 6.5E-06 6.5E-06 5.9E-08
Cs-137 1.0E-05 1.0E-05 2.1E-06
Sr-90 2.0E-05 2.0E-05 4.2E-06
Pu-239 5.7E-09 5.7E-09 1.5E-09
Pu-238 1.1E-08 1.1E-08 2.6E-09
※ 6.5E−06 とは、 6.5×[10のー6乗] =0.0000065
従って、 6.5E−06㏜/y = 6.5μ㏜/y
再利用 作業
スクラップ スクラップ 溶融・鋳造 スラグ 加工 コンクリート
輸送積下し 前処理 再処理
Cs-134 1.8E-04 2.5E-05 2.5E-05 1.8E-05 2.5E-08 7.5E-06 Cs-137 2.8E-04 4.0E-05 4.0E-05 2.7E-05 4.0E-08 1.2E-05
Sr-90 2.0E-05 2.0E-05 4.2E-06 5.5E-04 7.9E-05 7.9E-05
Pu-238 1.2E-07 1.7E-08 1.7E-08 2.9E-09 4.2E-08 5.0E-09
Pu-239 5.7E-09 5.7E-09 1.5E-09 1.6E-07 2.2E-08 2.2E-08
・線量の目安値は、皮膚の等価線量限度である 50mSv/y とした。
・評価にあたっては、クリアランスされた物に触れることにより、手等の体表面へ放射性物質
が付着する被曝経路を想定することとした。 表3 線量換算係数改訂後の成人に対する埋設処分経路の10μSv/y相当濃度 (Bq/g)
P40〜47
操業 ( 被曝線源: 廃棄物 )
積み込み作業 輸送作業 埋設作業
被曝 外部 内部 外部 内部 外部 内部
Cs-134 1.6E+00 5.1E+03 7.2E-01 X 6.8E-01 5.1E+03
Cs-137 4.2E+00 6.3E+03 1.9E+00 X 1.9E+00 6.3E+03
Sr-90 X 5.5E+02 X X 3.1E+07 5.5E+02
Pu-238 1.8E+05 1.4E+00 8.2E+04 X 1.4E+04 1.4E+00 Pu-239 3.6E+04 1.3E+00 1.6E+04 X 2.8E+03 1.3E+00
※ 1.8E+05 とは、 1.8×[10の5乗]=180000
従って、 1.8E+05 ㏃/g=180000000㏃/kg
1.6E+00 ㏃/g=16000㏃/kg
跡地利用
建設 跡 地
居住 農作業 牧畜作業 収穫食物(内部)
被曝 外部/内部 外部/内部 外部/内部 外部/内部 農作物/畜産物
Cs-134 6.1E+01 8.9E+00 5.0E+01 5.0E+01 3.0E+02
/5.7E+05 /4.8E+06 /9.5E+05 /9.5E+05 /2.9E+02
Cs-137 7.6E+00 1.1E+00 6.2E+00 6.2E+00 1.6E+01
/3.0E+04 /2.7E+05 /5.1E+04 /5.1E+04 /1.6E+01
Sr-90 1.2E+08 1.7E+07 1.1E+08 1.1E+08 1.2E+00
/2.6E+03 /3.3E+04 /4.4E+03 /4.4E+03 /1.1E+01
Pu-238 4.0E+04 5.7E+03 3.3E+04 3.3E+04 1.1E+02
/5.0E+00 /1.9E+01 /8.3E+00 /8.3E+00 /1.6E+06
Pu-239 6.2E+06 8.8E+05 5.1E+06 5.1E+06 9.9E+03
/4.6E+02 /1.8E+03 /7.6E+02 /7.6E+02 /1.3E+08 (つづく)
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