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東京新聞 2012年3月17日
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働に関して、藤村修官房長官が16日、了解を得る地元自治体に
隣県の滋賀県を含めない見解を示したのは、「 地元 」の範囲を絞り込み、再稼働のハードルを下げるためだ。
藤村氏は 地元の範囲について「 数値的、機械的ではなく、政治レベルで判断する 」と、客観的な基準は示さない
方針も表明。 政府に都合の良い自治体だけ選ばれる懸念もある。 政府は 福島第一原発事故後、原発の緊急防護措置区域(UPZ)を、従来の半径8〜10km圏内から30km圏内
に拡大した。 新たに滋賀県の一部も 大飯原発のUPZに含まれたため、同県の嘉田由紀子知事は再稼働手続き
の「 地元 」に該当するとして、政府の説明を求めていた。 しかし、藤村氏は 記者会見で「 再稼働と 防災の30km
とは内容的に違う 」と、嘉田氏の要求を拒んだ。 嘉田氏は 藤村氏の会見後、「 UPZを 30kmに広げて、再稼働と関係ない とするのは理解できない 」と記者団
に述べ、「 地元 」に位置付けるようあらためて求めた。 政府は 再稼働に関する「 地元 」の定義を明らかにしていない。 基準の候補としては 各原発事業者が 原発事故から住民の安全を確保するための原子力安全協定を結んでいる
自治体が考えられる。 大飯原発では、福井県 と おおい町 が関電と締結している。 ただ、中国電力の島根原発
(松江市)では 隣県の鳥取県とも結ぶなど、統一的な基準はない。 野田佳彦首相らが 大飯原発の再稼働の是非を判断するのは「 時期尚早 」と指摘した 民主党の原発事故収束
対策プロジェクトチームの提言でも、政府が 地元の範囲を明示しないことを、「 尚早 」と判断した理由に挙げた。
朝日 2012年3月16日
脱原発を訴える福井県の市民団体「 原発問題住民運動県連絡会 」と滋賀県の市民団体「 ばいばい原発
守ろうびわ湖 3・11共同行動実行委員会 」は 15日、大飯原発3、4号機の再稼働に同意しないよう西川一誠
知事宛てに申し入れた。
申し入れ書で、 (1) 福島第1原発事故の原因究明が不十分な現状で 大飯3、4号機の再稼働に同意しない
(2) 原発依存政策を改めて 自然エネルギーに転換する (3) 高速増殖原型炉「もんじゅ」を廃炉にする
(4) 40年以上経過し老朽化した原発を廃炉にする −− ことを求めた。
対応した 県原子力安全対策課の岩永幹夫課長は「 福島の事故の知見を反映した安全対策を事業者にお願い
しており、(安全の)レベルを上げている。 そういう形で進めていることを理解してほしい 」などと応えた。
大飯原発:再稼働、政治判断へ 安全委が審議終了 3月14日
県安全環境部 石塚博英部長は12日、国が原発の再稼働を地元自治体に要請する際は、短期、中長期的
なエネルギー事情との関連など、要請理由を明示すべきとの認識を示した。 国の原子力政策の見直しが 今夏
をめどとする一方、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に向けた手続きが着々と進んでおり、国に対してくぎを
刺した格好だ。
県議会原子力発電・防災対策特別委員会で 石橋壮一郎委員(公明党)の質問に答えた。
石橋委員は「 夏に 原子力の基本的な方向性が出る前であっても、別の問題として原発再稼働を考えなくては
ならないのか 」と質問。 国が 原子力の将来像を示す前に、県が再稼働の判断を迫られる事態を憂慮した。
石塚部長は「 この夏や、この2、3年のエネルギーをどのようにし、原子力をどう位置づけるかについて、色々な
判断の方法がある。 それを 国が議論し、原発立地自治体に示してほしい 」と述べた。
定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機について、滋賀県の住民らが 「 福島第1原発事故で、
定期検査の判断の前提となる安全設計審査指針が失効している 」として、国を相手取り、定期検査終了証を
交付しないよう求める行政訴訟を近く大阪地裁に起こす。
滋賀県や同県周辺に住む約10人。 福島第1原発事故の詳しい原因が解明されていないと指摘、「 従来の指針
には 多くの誤りがあり、指針を改定せずに終了証を交付するのは違法 」などと主張している。
大飯3、4号機を巡っては、関電が再稼働に必要な安全評価(ストレステスト)の結果を経産省原子力安全・
保安院に提出。 保安院は 評価を妥当と判断しており、原子力安全委員会がこの判断を適切と評価すれば、
経産相が定期検査終了証を交付する。
原発再開:国がまず安全確認 責任明確化し地元説得へ 毎日 3月8日
http://mainichi.jp/select/biz/news/images/20120309k0000m020090000p_size5.jpg
原発再稼働までの流れ
政府は、定期検査で停止中の原発の再稼働について、原発の地元自治体への要請に先立ち野田佳彦首相と
枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚で 安全を「確認」する手続きを踏む方針を決めた。政治的な手順を経ることで
政府が再稼働の責任を負う姿勢を明確にし、地元の不信をぬぐう狙い。 安全を「 確認 」した場合、地元自治体に
説明し、地元の「理解」を得て再稼働決定を最終判断する。
再稼働について 政府は これまで地元自治体の同意を前提に 首相と官房長官、経産相、原発事故担当相が
総合的に判断すると説明。 地元への要請と同意取り付けは 最終判断の段階としてきた。
新たな手順は、再稼働の判断に向けて 最も手続きが進んでいる関西電力大飯原発3、4号機が念頭にある。
原子力安全委員会が近く評価を出す見通し。 大飯原発が立地する福井県の西川一誠知事は再稼働に関して
「 国からの明確なメッセージがない 」などと 国の対応に不満を示していた。
藤村修官房長官は 8日の記者会見で「 安全性について確認し、地元の理解を得られることを含め最終判断する。
それぞれで 4大臣で判断する 」と指摘。 枝野幸男経済産業相は 同日夜のNHK番組で「 政治がしっかりと判断
するということでは 2段階になる 」と述べた。
小浜市が 関西電力と結ぶ安全協定を立地自治体並みに見直す要望について、市議会の原子力発電所
安全対策特別委員会は 7日協議したが、「 時期尚早 」などと慎重意見が相次ぎ、16日に再協議すること
になった。 2月の前回会合では、関電に対する要望決議を、定例市議会に提案する方針を決めていた。
関電への見直し要望について、議長や委員長が 立地、隣接地の各市町議会に打診した結果、「 市議会
としての判断 」と 特に異論は出なかったことが報告された。 しかし、一部委員から「 立地自治体の立場も
あり、早急に事を運ぶと 摩擦を生じて嶺南一体となった活動に支障が出かねない 」など反対意見が出た。
おおい町の時岡忍町長は 1日開会した定例町議会で施政方針を表明し、県内の14基全てが停止して
いる原発問題に言及。 関西電力大飯原発3、4号機のストレステスト(安全評価)結果を 国が「妥当」と
判断したことについて、「 原子力政策は 国が一元的に責任を負うもの 」と述べた。
時岡町長は、過酷事故を起こさないために、福島第1原発事故の知見を踏まえた安全基準の明確化を求め
、これに基づいた安全対策について 国が住民に説明し、理解を得ることが必要との認識を示した。
その上で 「 町民の安全安心の確保を第一に、国に対して 立地市町への財政支援と地域振興策を求めて
いくことが重要 」と述べた。
記者の目:「ウソ」で原発交付金、福井おおい町=古関俊樹(大阪社会部) 毎日 2月24日 |
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