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もしも、
セシウム137 10㏃/kgの食べ物を、毎日200gずつ食べ続けるとすると・・・。
【 準備 】
微小時間dt における低減ベクレル数dN(t)は ある時刻 t におけるベクレル数N(t)に
比例する。 これを式で表せば、 λ:核種に固有の低減定数
これは、独立変数 t に関する常微分方程式 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/math/b/a/b/bab3a193e8aef1e7ab817cb04ae31356.png すなわち、 LogN(t)=−λt+C (C:積分定数) となる。
ここで、 初期条件を t=0とすると、 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/math/4/5/c/45c10a8724e0ebdee95dcf619200cf34.png
つまり、 t 秒(日)後の ベクレル数は
半減期 は、 時間 t にベクレル数が半分になる時間 t1/2 を代入すれば、その時間での
残留ベクレル数は初期値の半分であるから、 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/math/4/7/9/479b39597a2177e8a3508b0a64ec7bfa.png となる。
両辺の自然対数をとって、 Log 1/2=−λ×t1/2 、 t1/2 = (Log2)/λ
対数表 より、 Log2=0.693・・・ だから、 t1/2 ≒ 0.693/λ である。
【 本論 】
セシウム137の生物学的半減期 t1/2は、
0〜1歳:9日、 2〜9歳:38日、 10〜30歳:70日、 31〜50歳:90日とされる。
※ 以下、セシウム 137の物理学的半減期は 30年なので、物理学的半減期は無視する。
■ 今、30歳の人が、 毎日 セシウム137 10㏃/kgの食べ物200gを、
食べ続けるとした場合の 体内残留ベクレル数を計算してみる。
※ t1/2=70日 だから、 70 ≒ 0.693/λ ∴ λ≒ 0.698/70=0.0099・・・
N(0)=10÷(1000/200)= 2 ㏃
初日に食べたものの n日後の残留ベクレル数は、上の結果から
N(n)=N(0)e^−λn @ e^−λn : e の −λn乗
m日目に食べたものの n日後の残留ベクレル数は、 N(n−m+1) であるから、
2日目、3日目、・・・、n+1日目に食べたものの 初日から n日後の残留ベクレル数は、
それぞれ N(n−1)、 N(n−2)、 ・・・、 N(0)
すなわち、 N(0)e^−λ(n−1)、 N(0)e^−λ(n−2)、・・・、N(0) となる。
そこで、 n日後の体内蓄積量(ベクレル)を S(n)とすると、
S(n)=N(0)e^−λn+ N(0)e^−λ(n−1)+N(0)e^−λ(n−2)+・・・+N(0)
=N(0)( 1 + e^−λ + e^−2λ + ・・・ + e^−nλ )
=N(0)・{1−e^−(n+1)λ}/(1−e^−λ)
したがって、
1日後(n=1) S(1) =2(1−e^−2λ)/(1−e^−λ)=2(1+e^−λ)≒4㏃
注。 2日目に食べたものも 加わっている。以下同じ。
20日後(n=20) S(20)=2・(1−e^−21λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.81)/(1−0.99)=0.38/0.01=38㏃ 30日後(n=30) S(30)=2・(1−e^−31λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.74)/(1−0.99)=0.52/0.01=52㏃ 35日後(n=35) S(35)=2・(1−e^−36λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.7)/(1−0.99)=0.6/0.01=60㏃
60日後(n=60) S(60)=2・(1−e^−61λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.54)/(1−0.99)=0.92/0.01=92㏃
70日後(n=70) S(70)=2・(1−e^−71λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.5)/(1−0.99)=1/0.01=100㏃
80日後(n=80) S(80)=2・(1−e^−81λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.45)/(1−0.99)=1.1/0.01=110㏃
100日後(n=100) S(100)=2・(1−e^−101λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.37)/(1−0.99)=1.27/0.01=127㏃
150日後(n=150) S(150)=2・(1−e^−151λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.22)/(1−0.99)=1.56/0.01=156㏃
200日後(n=200) S(200)=2・(1−e^−201λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.14)/(1−0.99)=1.72/0.01=172㏃
250日後(n=250) S(250)=2・(1−e^−251λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.08)/(1−0.99)=1.85/0.01=185㏃
300日後(n=300) S(300)=2・(1−e^−301λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.05)/(1−0.99)=1.90/0.01=190㏃
400日後(n=400) S(400)=2・(1−e^−401λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.02)/(1−0.99)=1.96/0.01=196㏃
450日後(n=450) S(450)=2・(1−e^−451λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.01)/(1−0.99)=1.98/0.01=198㏃ ・・・
以下、200㏃を超えることはない。
( なぜなら、
1−e^−λ≒ 0.01 、0<{1−e^−(n+1)λ}<1
S(n)==N(0)・{1−e^−(n+1)λ}/(1−e^−λ)<100・N(0)=200 ) @ A= e^a とおくと、 LogA=Loge^a=aLoge=a
λ≒ 0.698/70
対数表から
e^−λ = e^−0.698/70 = e^−0.0099 ≒0.99
e^−21λ = e^−21×0.698/70= e^−0.209 ≒0.81
e^−31λ = e^−31×0.698/70= e^−0.299 ≒0.74
e^−36λ = e^−36×0.698/70= e^−0.359 ≒0.7
・・・
■ 次に、 9歳の子供が、毎日 セシウム137 10㏃/kgの食べ物200gを、
食べ続けるとした場合の 体内残留ベクレル数 上の式 t1/2 ≒ 0.693/λ
S(n) =N(0)・{1−e^−(n+1)λ}/(1−e^−λ)
から、 9歳の子供の生物学的半減期 t1/2 は 38日だから、
38 ≒ 0.693/λ ∴ λ≒ 0.698/38=0.018・・・
したがって、
1日後(n=1) S(1)=2(1−e^−2λ)/(1−e^−λ)=2(1+e^−λ)≒3.96㏃
20日後(n=20) S(20)=2・(1−e^−21λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.68)/(1−0.98)=0.64/0.02=32㏃
30日後(n=30) S(30)=2・(1−e^−31λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.57)/(1−0.98)=0.86/0.02=43㏃ 35日後(n=35) S(35)=2・(1−e^−36λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.52)/(1−0.98)=0.96/0.02=48㏃
38日後(n=38) S(38)=2・(1−e^−39λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.49)/(1−0.98)=1.02/0.02=51㏃ ・・・
100日後(n=100) S(100)=2・(1−e^−101λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.16)/(1−0.98)=1.68/0.02=84㏃
・・・
250日後(n=250) S(250)=2・(1−e^−251λ)/(1−e^−λ)
≒ 2・(1−0.01)/(1−0.98)=1.98/0.02=99㏃
・・・ 以下、100㏃を超えることはない。 ( なぜなら、
1−e^−λ≒ 0.02 、0<{1−e^−(n+1)λ}<1
S(n)==N(0)・{1−e^−(n+1)λ}/(1−e^−λ)<50・N(0)=100 ) @ A= e^a とおくと、 LogA=Log e^a=aLoge=a
λ≒ 0.698/38
対数表から
e^−λ = e^−0.698/38 =e^−0.018=0.98
e^−21λ = e^−21×0.698/38= e^−0.386 ≒0.68
e^−31λ = e^−31×0.698/38= e^−0.569 ≒0.57
・・・
■ 50歳の場合 1000㏃を超えることはない
300日後 ―― 900㏃、 500日後 ―― 980㏃、・・・
( なぜなら、
90≒0.698/λ λ≒0.0078 、 e^−λ =e^−0.0078<0.998
1−e^−λ>0.002 、0<{1−e^−(n+1)λ}<1
S(n)==N(0)・{1−e^−(n+1)λ}/(1−e^−λ)<500・N(0)=1000 )
「2.汚染地域における生活 2.2被曝の特性 7」 P28 では、
※ 毎日、100㏃/kgのものを 200g食べたときは、 ↑の数字を 10倍すればよい。
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λとかθとかκとか、夢に出て来そうです。
痺れてしまう計算ですねぇ、ご尊敬申し上げます。
血液に取り込まれ、内蔵に蓄積した放射能は体外に
排出され難いので、体内に留まり放射線を出し続けるので
細胞を激しく破壊するのですよねぇ。
細胞は再び再生しますが、その時点で染色体が壊れていたら
間違った情報から細胞が作られてしまい、それが悪性の腫瘍に
なってしまったり、遺伝情報が壊れた侭で増殖すると
致命的な病に罹ったり、子孫に受け継がれたりするのですよね
放射能が崩壊する時に放たれる放射線の量をベクレルの
単位で現しているのですよねぇ。体内で弾けるなんて
考えただけで、非常に身体に悪そうですよね。
こんな無学な私で、ごめんなさい。ポチッ
2012/8/23(木) 午後 7:15
sukisukiscript さんへ。こんばんわ。
どうも、放射能で もうコリゴリなのに、数学でも悪夢にうなされるような
ことを仕出かして、申し訳ありません。
計算間違いor思い違いがあったら指摘して欲しいのですが、ちょっと、昔のことを
思い出しながら、計算してみました。
生物学的半減期というのが、セシウムの食物摂取による内部被曝のミソになり
ますね。 もう少し、このことを追求してみたいと思っています。合掌
2012/8/23(木) 午後 11:42 [ kyomutekisonzairon ]
【ICRPの資料について】
1日10㏃を摂取し続けた場合、ICRPの資料では、600日後に 約1400㏃で
飽和するとされています。ところが、私の計算では、1000㏃です。
これは、私は 一日分のCs137の食物摂取量を200gとしていますが、ICRPは
摂取量が示されていず、より多くの量を摂取しているためと思われます。
以下、興味深い資料の記述を 少し引用します。
> チェルノブイリ事故から20年後、チェルノブイリ周辺の汚染地域における成人のCs137
の典型的な平均日常摂取量は 10〜20㏃の範囲である。
また、付加的なより高い一回摂取は、例えば 野生キノコやベリー類の経口摂取
による数100㏃の範囲が一般的である。これによる年間実効線量は 0.1m㏜
程度である。
しかしながら、情報をほとんど得ていない一部の者や非常に特殊な食習慣を
もつ者は 100㏃から数100㏃の範囲の日常摂取量を示す場合がある。
これは、1m㏜〜数m㏃の範囲の年間実効線量に相当する。
2012/9/3(月) 午後 5:39 [ kyomutekisonzairon ]
↑のICRPの資料と私の計算の齟齬についての記述の訂正。
>これは、私は 一日分のCs137の食物摂取量を200gとしていますが、
ICRPは 摂取量が示されていず、より多くの量を摂取しているため・・・
――― この記述は、ピントがずれて不明瞭です。
根本的には、ICRPの資料には 摂取者の年齢が記されていないことでしょう。
私の計算では、1日2㏃ずつ摂る場合の計算で、ICRPのものは10㏃ずつです。
したがって、私の計算結果の値の5倍の数値で ICRPの資料を見なくては
なりませんでした。
そこで、私の計算を見ると ICRPのものに一番近いのは 30歳の人の場合
ということになります。合掌
2012/11/4(日) 午前 9:53 [ kyomutekisonzairon ]