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日本の放射能水準調査は 1963年から ようやく始めましたが、
それは、すでに 米ソ それぞれ 193回と 142回も 大気圏での核実験を行い、1962年に
やめた後のことでした! ※ 大気圏内核実験の回数と規模
そこで、1963年大気圏核実験禁止条約締結までの経緯の一端を見ておきます。
国連放射線影響科学委員会第7回会議について 原子力委員会 1960
国連放射線影響科学委員会第7回会議は 1月11日から22日にわたり開かれた。これには 15ヵ国
(アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チェッコスロバキア、フランス、インド、日本、メキシコ、スウェーデン、
ソ連、アラブ連合、イギリス、アメリカ) の代表が参加、わが国からは 政府代表として ・・・。
この国連科学委員会の任務は 放射線が 人体とその環境に与える影響を討論し評価することである。
同委員会は1958年8月 この問題についての最初の報告書を 国連総会に提出した⋆。
しかし この方面の学問研究の歴史が浅いために、同報告書は なお 数多くの解決すべき重要な問題を
残していた。 国連総会も この点を認め、1958年報告書を さらに完全なものにし、学問研究の進歩と
ともに 内容を 常に新しいものとするよう、委員会に要請をしたので、委員会は それに応えて 1962年に
2回目の報告書を提出することを決めた。・・・
⋆ 1958年の第1回国連原子放射線科学委員会の決議
「 わずかずつであるが、世界中で、核爆発実験による放射性降下物による汚染が増えている
ことは、最終的には 多くの人に かなりの障害を与える可能性がある。過小評価している可能性
があるので、人類は 慎重に対応しなければならない。 しかし、我々は 低線量放射線の危険を
過大評価している可能性も否定できない。将来の科学的研究が真実を告げるだろう。 」
↑「 X線で起こる突然変異の頻度は 線量に直線比例する 」という ショウジョウバエの実験結果が、
人類にも適用できると考えたからだ。この決議は、「放射線のリスクは 被曝量に直線比例し
どんな徴量でも安全量は存在しない」 という仮説 (直線しきい値なし仮説) を世界的に受け
入れさせる根拠になった。やがて、この LNT仮説は国際放射線防護委員会 (ICRP)に受け継
がれた。LNT 仮説は 「放射線使用の法的規制」 の基本原理に採用されている。
(序章 放射線を正しく怖がろう ) この委員会の中心議題の一つは 原水爆実験による放射性fall-outによる影響の問題であって、
これを解明するには 次の3段階に分けて 議論を進めることができる。
(1) 原水爆の実験によって、対流圏 または成層圏中に放出された放射性物質の物理的性質 と 地上
に降下してくるまでの機構について
(2) 地上に降下した放射性物質が、人間に放射線を与えるまでの問題、特に 降下した放射性物質が
人間の食物循環(food−chain)に入って 人体内に入る過程について
(3) 放射性物質から 人体が放射線をうけた場合に いかなる影響があるかという問題
・・・
降下物の物理的、気象学的問題
(1)対流圏 における放射性塵埃の動き
対流圏には 赤道近くで上昇し、中緯度で下降する空気の流れがあり、このため 赤道近くで行なわれた 原水爆実験で 対流圏に放出された放射性塵埃は、中緯度に多く降下することになる。
赤道地方では 上空3kmまでは 南北両半球間の空気の混合は行なわれていない。 それ以上の所については わかっていないが、あっても あまり重要ではないと思われる。
(2)成層圏における放射性塵埃の動き
成層圏内では、対流圏に比較して 垂直方向の動きは小さい。 成層圏内の様子は 夏と冬とでは異なっており、特に 極地方で著しい。即ち、冬では 極の成層圏の温度
は非常に低いが、春になると急に上昇して夏型となる( 夏は 成層圏の温度が 赤道地方より 極の方が
高くなる )。 この温度の急激な変化が 成層圏の空気の上下の移動を促進し、放射性塵埃は 圏界面
( 対流圏と成層圏の境 )のギャップに達し、塵埃は 対流圏に入る。 このことが おそらく、降下量の観測
で 春に多くなるという季節変化の認められる原因だろうと考えられた。・・・
以上のことから、成層圏に 塵填が滞留する期間は、放射性塵埃の放出が 赤道近くの場合とでは
かなり異なることが考えられ、測定の結果では 赤道近くの場合には 1〜2年、極近くの場合には 約半年
の滞留期間となっている。なお、1958年の報告では 10±5年。
委員会は、これらの点について はっきりした結論は出さなかった。これは 1958年10月以来原水爆実験 が行なわれていなかったので( 最近 サハラ砂漠で行なわれたが )、今後 半年間 或は1年間観測を続ける
ならば、もっと確かな結論に達することができると考えられたからである。
(3)90Srの存在量
世界の各地で測定された 1959年の土壌中の 90Srの量をもとにして、地上に蓄積した量の推定が 行なわれ、その結果は 1959年夏において 3.7mc、また 90Srの蓄積量は 降雨量に ほぼ比例する
という考えから、降雨量を考慮して行なわれた結果 5.1mcとなり、1958年までの蓄積量に 1959年に
加わった量を加算すると 3.8〜4.0mcとなっている。
また一方、成層圏にある 90Srの量は HASP Projectの測定では 0.7mc、Ashcan Projectによれば 1.1mcであり、対流圏には 0.1〜0.3mcの 90Srが存在している。従って、1959年夏においては 地上
および大気圏に存在する量は 4.5〜6.5mcと推定される。
・・・
(5)粒子の大きさ
粒子の大きさは 人体障害の立場から重要で、Jungeが成層圏における粒子の大きさを測定したところ、 その大部分は 0.1μm以下であり、また Mineapolis、Minesota、Sioux City、South Dakotaにおける測定
では、上空 15kmから 28kmの間で 塵埃の量が かえって高さとともに増大しているという結果を得ている。
1958年7月の測定によると 地上の空気に含まれている塵埃填の全β放射能のうちで、50%は 1μmより
大きい粒子に、40%は 0.1〜1μmの粒子に、10%が 0.1μm以下の粒子に付着していた。
食品の汚染問題
Fall-out中の放射性物質で、人間の障害に最も重要なものは 90Srと137Cs。 これに次いで 89Sr、131I、
239Puなどが問題となる。( 14Cについては 別の議題で討議予定)
90Srは Caと化学的性質を同じくし、新陳代謝の過程においても ほぼ同じ行動するので、ストロンチウム単位
が意味がある( 1pCの90Srが 1gのCa中にあるとき 1ストロンチウム単位)。また このことに関連して
人間が摂取するCa源となる食品の種類や、その割合が重要となる。
欧米各国の国民にとっては Caの摂取を 主としてミルクによっているので、ミルクの90Srによる汚染が
重要となる。ミルクの汚染は 牧草の汚染につながるが、その牧草の汚染の経路について 二つが考えら
れる。その一つは 土壌に蓄積した 90Srが根を通して汚染する経路と、他の一つは 上から降下して 90Sr
が直接に植物に付着する 直接汚染の経路とである。 ここで、根を通しての汚染経路が重要なら、土壌中
の蓄積量が決定因子となるし、直接汚染が重要ならf all−outの降下率が決定因子となる。
この点について、イギリスのS.Russellが 直接汚染が重要であることを主張した。 これに対して 委員会は 必ずしも全員一致した意見には達しなかった。なお、1958年の報告では、むしろ
蓄積量が重要な役割をしているという見解に立っている。
Fall-outの問題は 最終的には、それらが 人体内に入る量が問題となるのだから、各国国民の食事の
(汚染の)調査が必要なことが強調された。イギリス、アメリカ および日本の調査では、1日の食事に含まれる
量は ストロンチウム単位で、近似的に それぞれ 6(1957)、12(1958)および 11〜15(1959)であった。
人骨中の 90Srの実測値は かなり集積されてきたが、それによると 0〜4才までの小児の骨の90Sr量は 大人のそれに比して かなり高く、また、その値が逐次増加していることも報告された。 環境の汚染から
将来の骨の中の 90Srの推定については触れなかった。
137Csは 90Srと異なって 土壌中で植物に吸収されるより 直接汚染が主であると考えられる。 また、一度
Csが植物中に取り入れられると、比較的 植物の中を移動しうるということも 90Srと異なっている。
137Csは Kとともに 第1族に属するが、新陳代謝における両者の行動は まったく異なるものと考えられる。
したがって、137Csの濃度を示すのに Kの量に関連さして示すのは 測定のための便宜上の理由によること
が確認された。
公衆衛生院の山県氏による人骨中の137Csの測定結果が発表され、委員会の注目をあびた。骨中の 137Csが 90Srに加えて 骨髄に線量を与えるかどうかで議論された。137Csの生物学的半減期は短いが、
大気中から降下し続けるものと仮定すれば、137Csを無視しえないことが指摘された。なお、1958年の報告
では 137Csは 軟組織にだけ線量を与え、骨には 線量の寄与はないものとしていた。
低線量とその効果
今回は 主として身体的影響に関して討論が行なわれた。
しかし、ここでは低線量とは何かという議論から行なわれるという状況で、この方面の学問が、委員会の 望むところから遠いところにあることがわかった。
討論は事務局で作った報告をもとにして行なわれた。 急性死と放射線量の関係が直線関係にある場合が しばしば観測されているが、この関係は そう簡単な ものでなく、幾つかの要因が組み合わさって 偶然的に直線関係が現われたのではないかとみるべき理由
があることが指摘された。
分裂作用の低下は 吸収線量の最も鋭敏な指示の一つであって、この方面の研究は 大いに進められる
べきで、特に 細胞以下の単位で、DNAばかりでなく RNA、たんばく合成に関する研究も行なわれなけれ
ばならない。
放射線により発生する白血病に関する資料は 1958年の報告以後、目新しいものが得られてはいない。
一方、日本の広島、長崎の原爆被災者に関する資料が集積されているのに、あまり広く知らされていない。
委員会は 広島のABCC の報告をうけていないので アメリカ代表に依頼して アメリカのNational Academyに
善処してもらうこととした。・・・ < ホールボディーカウンタについて(23)
(つづく) |
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1960 核実験 で プログ検索中です。争いのない 平和な地球になるといいなぁ.衣食住の 技術発展 〜
政治研究会(名前検討中 軍事
2013/2/13(水) 午後 0:03 [ 村石太マン&消費税減税ダー ]