|
(1) 農業生産(とうもろこし、大豆等)
①国土利用状況 ・国土面積 : 60,355千ha (60万3,500km2 日本の約1.6倍) うち農用地 : 41,266千ha(68.4%) うち 耕地面積 : 32,434千ha(53.7%) 1 k㎡= 1 000 000 ㎡= 100 ha
・西部の高原、東部の丘陵、北部の湿地を除く 国土の大半が平野。 ・中部、南部に広がる肥沃な黒土地帯は、ロシア帝政時代から 「欧州の穀倉」と 呼ばれており、農業は 今でも 主要産業の1つ。
②生産品目・生産量
・ 1991年以降、計画経済から市場経済への移行に伴う混乱 や ハイパーインフレーション等 のため、補助政策に依存してきた集団農場における農業生産は大幅に低下。
これが主要因となって、1990年から2000年までの間に農業総生産は 46.6%減少。
・ 農業生産額については、旧ソ連時代の 1990年と同水準まで回復していないものの、 2007年の農業生産は 1990年の 60.9%にまで回復。
・ 穀物生産額については、年によって ばらつきはあるものの、近年は2000年と比較 して、倍増。
※ 穀物生産量は,92年では 36百万トンだったが,2000年には 24百万トン
に落ち込んだ。その後回復し,豊作であった 08年の穀物生産量は 53百万
トンだった。 内訳は,小麦が 26百万トンで 5割を占め,大麦 13百万トン,
トウモロコシ 11百万トンである。
・ 近年、とうもろこし、大豆ともに 生産量が大幅に増大。
とうもろこし : 385万t (2000年) → 717万t (2005年) → 1,049万t (2009年) 大 豆 : 6万t (2000年) → 61万t (2005年) → 104万t (2009年) ③ とうもろこし 及び 大豆の品質
・ 現在、とうもろこしが 約360種類、大豆が 約150種類登録されており、そのうちの 主要品種の特性は(参考1・2)に示すとおり。
④ とうもろこし 及び 大豆の主要生産地
・ とうもろこし: ポルタヴァ州、チェルカースィ州、ヴィンニツァ州、チェルニーヒフ州、 キエフ州等を中心とした 国内中部・北部諸州。 黒海に面するクリミア自治共和国
では 面積は少ないものの効率よく生産。
・ 大 豆 : ヘルソン州、ポルタヴァ州、キエフ州、ヴィンニッツァ州、キロヴォフラード州 等の国内中部諸州。
チェルノブイリ原発事故によるセシウム汚染地帯
http://cnic.jp/files/event/che25/novozybkov.gif
*1キュリー/k㎡=370億ベクレル/k㎡=37000㏃/㎡ ⑤ 肥料の使用量及びとうもろこし・大豆の単位収量
・ 肥料の使用量は、1990年から大きく減尐しているものの、2000年から2007年まで の間に、約4倍に増加。
・ とうもろこしの単位収量は 1995年以降増加傾向。 ただし、州別には ルハンスク州 の 2.4 トン/haから クリミア自治共和国の 7.7トン/haまで大きな開きがある。
・ 大豆の単位収量は、2000年から2008年の間に 約5割増加。 ・ 米国、フランス、ウクライナの とうもろこしの単位収量について、
米国は 概ね 9〜10トン/ha、フランスは 概ね8 〜9トン/haで推移している。
他方、ウクライナは、2009年には 5トン/haと改善したものの、2007年以前は、
2.5〜4 トン/haで推移しており、米国、フランスといった農業先進国の1/3〜1/2程度
の単位収量に留まっている。
・ 米国 及び フランスの大豆の単位収量は、年によって変動はあるものの、概ね2.5
トン/ha前後で推移している。 他方、ウクライナの大豆の単位収量は、近年 若干改善
しているものの、概ね 1〜1.5トン/haで推移しており、ウクライナは、米国、フランス
といった農業先進国の 1/2程度の単位収量である。
⑥ 農薬 及び 肥料の輸入額の推移(万ドル)
・ 農薬の輸入量は、過去8年間に4倍近く増加している。 12,420万ドル (2000年) → 33,772万ドル (2005年) → 40,372万ドル (2008年) ・ 肥料の輸入量は、2000年には ほとんど輸入されていなかったが、過去8年に激増 している。
227万ドル (2000年) → 7,097万ドル (2005年) → 37,984万ドル (2008年) ⑦ 農業機械(トラクター)の輸入額の推移(万ドル)
・ トラクターの輸入額は、過去8年間で約20倍、増加している。 1,999万ドル (2000年) → 7,860万ドル (2005年) → 41,684万ドル (2008年) (2) 生産コスト
・ インフラの未整備と市場の非効率性により 流通・取引コストが高いものの、生産コスト が低いため、輸出競争力が存在。
(3) 農業構造 ・ 農業経営体(農家)全体の 99.1%を占める 約 621万4千戸の家庭農園が 農地面積 の 10.9%を保有。 企業体農場は、全農業経営体の 0.3%の 約1万6千戸だが、農地
の 77.6%を保有。
(4) 農業技術普及
・ ソ連時代には、各農場が経営・技術それぞれの分野を担当する専門家を有しており、 制度としての普及事業は存在しなかった。
・ 2004年、村落レベルの普及事務所の設立を含む普及制度の設立が立法化され、政府
は民間のアドバイザーを養成・認定しているものの 公的普及体制は 極めて不十分 。
他方、民間の有料助言サービス等が 各州において機能。(2004年現在)
(5) 集荷・輸送・輸出ルート及び施設
① 国内輸送ルート ・ 内陸の穀物エレベーターより、鉄道輸送、トラック輸送、ドニエプル川を利用した はしけ輸送等により、オデッサ港 (ウクライナ最大の港湾、取扱量 3,000万t)、イリチェフスク港
(取扱量1,500万t)等に輸送。
② 穀物エレベーター ・ 穀物エレベーターは、政府に登録されている施設だけで国内に約750カ所(総施設容量 31百万t)存在するものの、大部分が老朽化。
・ 穀物エレベーターの約2割が 国営で、残りの約8割が民営。
③ 国内輸送インフラ
・ 鉄道輸送は、主として 輸出港まで 比較的遠距離の輸送に利用。 (鉄道総延長 21.9千km、うち 電化区間9.6千km(44%)、2007年)
・ 道路(トラック)輸送は、主として 輸出港や鉄道輸送の拠点地までの比較的近距離
200〜300km程度の輸送に利用。 (道路総延長169.4千km、うち 舗装区間 165.6千km(97.8%))
・ 近年、自ら河川エレベーターを建設し、河川(はしけ)輸送に取り組み始めている民間企業 も出てきている。
④ 港湾設備
・ 国内に 18の国営港湾施設が存在するほか、民間企業が所有する港湾施設も存在。 ・ パナマックス船による輸送が可能なオデッサ港、イリイチョフスク港、ユージニー港が 穀物輸出の主要港。
・ オデッサ港等より黒海、スエズ運河を経由して日本へ輸出。 (6) 輸出
・ ウクライナは、世界第7位の とうもろこし輸出国であり、世界第9位の 大豆輸出国。 ・ 近年、とうもろこし、大豆ともに 輸出量が大幅に増加。
とうもろこし: 16万t (2000年) → 123万t (2004年) → 281万t (2008年) 大 豆 : 1万t (2000年) → 4万t (2004年) → 20万t (2008年) ・ 2009年に ウクライナから日本向けに輸出されている農産物は、
とうもろこし(45億円、55%)、大麦 及び裸麦(29億円、36%)、小麦(7億円、9%)等
米・小麦の生産国 【2011年】
(7) 日系企業等の動き
・ 2005年8月に、ウクライナ政府と丸紅株式会社が覚書を締結。 農業分野については、穀物の輸出拡大と物流に関するソフト面の改善について協力
を行う内容。
さらに、2009年3月に、ウクライナ農業政策省と丸紅株式会社が、覚書を締結。 日本含む東南アジア市場への油糧種子・穀物輸出とウクライナ国内の穀物関連インフラ
の整備について協力を行う内容。
・ 伊藤忠商事は、穀物の調達先の多様化を図るため、2009年度に ウクライナから数十万トン 規模のとうもろこしを輸入。
・ 2008年に、日本人農業専門家が大豆栽培の指導、試験栽培を開始。 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト 2013年9月25日 ロシア・ウクライナの農業・食料 - 農林中金総合研究所 2010・3
2008年では 137Csの汚染が 40 kBq/m2 以上の地域は 25 500 km2,
しかし 放射能汚染の地域は 53 000 km2。被災者は 250万⼈、事故直後は 300万⼈
に上った。
・・・
ウクライナは 91年に独立するが、それ以降についてはFAO(国際連合食糧農業機関)
がウクライナ農業についてのデータを公表している。チェルノブイリ原発事故から5年も
経過した後であるが、放射能汚染の長期影響を見る上では参考になろう。
ウクライナで最も重要な作物は穀物であるが、最も古いデータとなる92年の作付面積は
1250万ヘクタール、生産量は3550万トンである。それが2009年には、1510万ヘクタールで
作付けが行われ、生産量は4540万トンにもなった。
作付面積も生産量も増えていることが分かる。
又、92年には 穀物を180万トン輸入していたが、2008年には 1640万トンを輸出している。
92年には輸入していた穀物を、年間1000万トン以上も輸出するようになったのだから、
ウクライナ農業は ここ 20年ほどで強くなったと言っていい。
ウクライナは 穀物をどこに輸出しているのだろう。2008年に、ウクライナが最も小麦を多く輸出
しているのはスペインである。スペインには 190万トンも輸出している。それに、エジプト、
イスラエル、韓国、チュニジア、イタリアが続いている。
もし、ウクライナの土壌が汚染されており、そこで生育した穀物に放射性物質が含まれて
いるのならば、外国が そのような穀物を買うことはないだろう。輸出量が順調に増加した
ことからも、風評被害を含めて、現在、ウクライナ農業はチェルノブイリ原発事故の影響を
完全に払拭していることは明らかだ。
ただ、残念ながら、韓国が ウクライナから 60万トン(2008年)もの小麦を輸入しているのに、
日本は輸入していない。
今後、日本の農作物が風評被害に遭う可能性を考えると、日本はウクライナから積極的
に 小麦を輸入して、ウクライナの農民を助けるべきだったと思う。これまでの日本は、食物
の安全と安心について少し過敏に反応し過ぎていたようだ。
1000万トン以上の穀物を輸出するようになったウクライナだが、92年の段階では穀物を
輸入していた。ただ、それは 原発事故の影響ではない。旧共産圏の農業が効率的では
なかったことが理由だ。ソ連は 広大な農地を抱えながら、当時、世界最大の穀物輸入国
になっていた。そのために、ソ連を継承したロシアも、当初は穀物の大量輸入国であった。
そう考えれば、ウクライナが独立当初、穀物を輸入していたことも納得できる。
その後、ウクライナが穀物の輸出国に転じた理由は、農業にも市場主義経済が浸透し、
効率が高まったためだ。
その輸出額の増加傾向は、ほぼロシアと同様である。国レベルで見れば、ウクライナも
ロシアと同様に 「チェルノブイリ原発事故の影響を受けていない」 と考えていいだろう。
チェルノブイリ原発から半径30キロメートル以内は、現在でも、立ち入り禁止になっている
から、そこで穀物を生産することはできないが、それ以外の地域が長い間汚染に苦しむ
ことはなかったのだ。 ・・・
ウクライナ調査報告 いわき市議会議員 佐藤和良 2012年5⽉
ジトーミル州のナロージチ地区⾏政庁前の空間放射線量は 0.163μSv/h。
ナロージチ地区は、1 町64 村で構成され、汚染地帯の第1〜4 ゾーンまでがある。
(未完成)
|
全体表示
[ リスト ]





虚無さん。元に帰ることをお勧めします。
2014/3/19(水) 午後 11:16 [ 白鳥座X−1 ]
「白鳥座X−1」さんへ。お早うございます。お久しぶりです。
「元に帰る」というのは、仏教のことでしょうか?
私としては、仏教のことを もっぱら語りたいのですが、それだけの力が
ずいぶん不足しているようです。
たとえば、人間やその人生、そして この社会の事を、それぞれ 仏教では
「煩悩具足の凡夫」、「生死」、「五濁悪世」と言いますが、人間の営みを
このような言葉に納めて見、考え、行動するというのは、とても たいへんなこと
で、特に 福島で原発事故が起きて以降、私自身のあり方を この言葉で考える
には 現実が 私からはみ出てしまうのです。
どうにか、現実を 仏教の言葉で語られるようになりたいと思っています。合掌
2014/3/20(木) 午前 9:11 [ kyomutekisonzairon ]
そうですか。
2014/3/20(木) 午後 10:48 [ 白鳥座X−1 ]