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(続1) のつづき
西尾正道氏の講演
国立病院機構北海道がんセンター名誉医院長
放射線健康被害の真実と今後の対応 2012年9月23日
泊原発廃炉の会十勝連絡会
2時間余り
要約
3.
急性・全身被曝時の身体影響
一回 ドンと放射線を浴びたら どういうことになるか?
原爆の時のデータで、7〜8㏜を浴びると ほとんど死亡する。米国は 原爆
投下1週間後の議会で 7㏜をが致死線量だ と 公式見解を述べ、残留放射線
はない とウソをついた。
4㏜では 3〜4週間で 骨髄死、 5㏜では 数日〜2週間で 腸管死。
原爆投下後 人々が水を求めて 川に入って行ったのは、腸がダメになって
脱水し、下痢し 嘔吐して 電解質のバランスが崩れて 死んでいった。
それから、少し遅れて 3〜4週間後に バタバタ死んでいったというのは、
骨髄がダメになって 血液が作られなくなり、血小板が少なくなり 出血傾向が
出てきたりして 死んでいった。
大量に15㏜位を イッペンに浴びると、痙攣を起こして 中枢神経がダメになり、
意識障害を起して死んでいく。
1㏜では、悪心・嘔吐・全身倦怠感・放射線宿酔。
( 放射線の人体への影響 帝京大医学部 )
――― こういうことが 原爆被爆者の調査からわかった。
こういうのは、浴びたら ほぼ全員に起こる。これを確定的影響という。
しかし、
250m㏜以下では さし当って 臨床症状は まったく呈せず、長期間の経過後
に発がん・不妊・遺伝的影響が、全員には起らないが ある確率で起きる
(確率的影響)。
ところで、悪性リンパ腫や白血病などの骨髄移植の前処置として、日常臨床
で 全身に 12㏉を照射する (2㏜を日に2回、3日にわたってかける) が、誰も
死なない。
ということは、アメリカの 7㏜かけたら全員死ぬというのとは、チョット 乖離する。
そのギャップは何かというと、結局 (アメリカのは)内部被曝を全然 計算して
いない。放射線治療のときは 内部被曝は まったくしないで、放射線は 身体
を 1回 突き抜けるだけ。
放射線影響研究所
はじめに〜「残留放射線」のデータは本当に考慮されていないのか?
広島・長崎に投下された原子爆弾の放射線被曝線量については、公益財団 法人放射線影響研究所(放影研)やその他多くの研究者によって解析されて
きました。その結果、「残留放射線」の関与は 「初期放射線(直接放射線)」の
被曝線量推定値の誤差範囲内にあることが示されております。
放影研は 以前より このことを公表し、説明してまいりましたが(第2章参照)、
残念ながら 一部の方々から「残留放射線のデータが考慮されていない」との
批判や疑問が繰り返し提起されてきました。本稿は、そうした批判と疑問が誤解
に基づくものであることを述べ、皆様に正しい知識を提供することを目的とする
ものです。・・・
放射線による人体影響
確定的影響というのは、ある線量を浴びると 誰にも 確実に起こる影響で、
これは 絶対 起さないというのが原則。
それから もう一つ、確率的影響に関しては、基本的には しきい値がないと
考えようというのが、今の考え方。
↑の確率的影響の図の実線の部分は、ヒロシマ・ナガサキのデータ。
それ以下の線量の所は 低いけれども確率があると考えるのが妥当だろう
ということになっている。この場合は、社会全体で許容できる確率に抑えよう
という話になる。
例えば、自動車の利便性を考えて、毎日 我々は それを使っているが、
交通事故で死ぬ人もいる。‘社会全体として これ位の確率だとしようがないね’
と、その発生確率を どこで 社会全体として許容するかという話になる。
また、飛行機に乗る場合、ある確率で墜落して死ぬリスクを背負って 飛行機
に乗る。 ただ、飛行機は、自分で乗って 死ぬんだから、自分の責任。
しかし、原発は 全然関係ないのに ヘンな所から放射線が飛んできて、
がんになったりする確率が増える。ずいぶん割に合わない。社会全体で許容
するといっても、ちょっと違うような気がする。
※ ↑ 原発と飛行機or自動車と どう違うのか?
―――これに答えられなくては、我々は 原発から手を切れないだろう。
果して 我々は これに答えられるだろうか? また、どう答えるだろうか?
「しきい値なし直線仮説」モデル
「しきい値なし直線仮説」というのは 原則だが、ヒロシマ・ナガサキのデータ
によって作ったモデルで、線量が大きくなればなるほど がんの発生が高くなる。
それで、実際に 2007年にICRPが勧告したのは、
1㏜浴びると 5.5% 過剰発がんが起るというのが、今 国際的なコンセンサス。
これを計算してみると、1億人が 1m㏜浴びたら、総被曝量は 10万㏜で、
過剰発がん(放射線を浴びたことによる発がん)は 5500人。 10万×0.055=5500
今、福島で許容されている 20m㏜/年だと 11万人(1年間だけ被曝環境に
あった場合の過剰発がん 200万×0.055=11万)。 因みに、10m㏜だと 5.5万人。
これを 政府は許容している。
実際、100m㏜では 発がんのリスクはないと、政府は言っている。
これは 本当か?!
ところが、これに対する反論は たくさんある。
ABCC〜放影研(米日共同研究)の疫学研究での問題点
1.「被爆者」の定義は、爆心地から 2km以内で被爆した者。2km以上離れ
ていたら被爆者ではない。しかし、実際には 11km離れても、15km離れて
いても 脱毛が起っている。これは 被曝以外の何ものでもない。
※ 2km・・・ 放影研によれば 2.5km(↓の欄外参照)
2kmは 厚労省の「入市被曝者」の定義
ところが、定義が 「2km以内の所で被爆した者」となっている。この2km
の推定線量が丁度 100m㏜に当る。 ということは、2km以上離れた所の
データは 作ってないので、100m㏜以下で 影響が出るというデータはない。
被爆者の比較対照群になっている。
こんなことが 現実にやられている! こういう理論が まかり通っている!
2.しかも、調査を開始したのが 1950年。生存していた「被爆者」を対象とし、
それ以前の死亡者は除外。
原爆投下後 数日のうちに雨(黒い雨)が降って、広汎な地域に 沢山な
放射性物質が播かれた。これによって たくさんな人が影響を受けている。
しかし、黒い雨は 問題ないと放影研は言っている。
中国新聞、2010年7月7日
3.また、調査対象は 1950年10月1日に 広島・長崎に在住した者に限定し、
爆心地近くからの移住や就職で 市外に在住していた人を除外した。
4.調査対象は 12万人と称しているが、28万人以上いた原爆被爆者手帳
保持者の 1/4に過ぎない。
5. 癌以外の障害の研究を軽視し、また遺伝的影響を否定。
このようなことをやって、(原爆の)被害を隠蔽するということが行われて
いるので、実に 被害の分析自体が 科学的でもないし、デタラメ過ぎる。
こういうデータをもとに、今のICRPは 報告書を作って、(世界の)原子力政策
を進めてきているわけである。
(つづく) しきい値なしのモデルとリスク受容の課題 - 日本学術会議 2013年9月5日
「うちのリスクデータには、内部放射線のことは勘案してありません。」
「黒い雨の方は、これは当然、上から落ちてきた放射性物質が周りに
あって被曝するのですから、今の福島とまったく同じですよね。それは
当然あると思うのですよ。それについては 実は、黒い雨がたくさん降った
ところについては、調査の対象の外なんですよ。」
――― 放影研理事長・大久保利晃
広島・長崎放射線影響研究所コホート研究 2008
寿命調査集団は 被爆後 5 年が経過した昭和 25年(1950)の国勢調査をもとに
設定された.本国勢調査の附帯調査で, 全国に原爆被爆者が 約284,000人生存
していることが確認され,このうち 広島・長崎に本籍がある約 195,000 人について
基本標本が,さらに この基本標本をもとに 約 93,000人の被爆者と約 27,000 人の
対照者の合計約120,000 人からなる寿命調査集団が設定された.
寿命調査集団の一部で,爆心地から 2 km 以内で被爆し 急性放射線症状を 有した約 5,000 人,2km 以内での被爆で 急性放射線症状のなかった約5,000 人,
3 km 以遠での被爆者約 5,000 人,原爆投下時広島・長崎市内にいなかった
約 5,000 人の合計約 20,000 人からなる成人健康調査集団も同時に設定され,この
集団については 被爆者の罹病状況把握のために 昭和 33 年(1958)より 2 年を
1周期とした定期健診が実施されている.
・・・
寿命調査では死亡調査が 1950 年から,がん罹患調査が広島では1957 年から,
長崎では 1958 年から実施されている.さらに,成人健康調査では 循環器疾患の
罹患もエンドポイントとして,初回健診時に循環器疾患を有さなかった者を,あらたな
疾患発生,死亡または最終診察まで追跡し,罹患率を求めてきた.
・・・
がん罹患調査は,放射線影響研究所が広島市,広島県,長崎県から委任・委託
を受けて実施している地域がん登録の資料を利用して行っている.
放射線影響研究所が 地域がん登録の実務を行っているが,研究の目的で資料を 使用する場合は,広島市地域がん登録,広島県腫瘍登録,長崎県がん登録に
かならず資料利用の申請をして許可を得ている.
死亡やがんの発生を長期にわたって追跡調査するための調査集団を設定すること
を目的として、1950年10月の国勢調査時に広島市または長崎市に住んでいた約20万人
の被爆者の中から、約9万4千人が選ばれました。このうち約5万4千人が 爆心地 から
も遠方での被爆のため、被曝線量は極めて低いと考えられています。
1950年の国勢調査で「被爆した」と答えた人は約28万人に上っています。これらの人の
遠距離被爆者 (爆心地から2.5 km以遠で被爆)については およそ25%が調査対象に
なっていると考えられています。しかし、国勢調査は被爆地点を記入するようにはなって
いなかったので、正確なことは明らかではありません。
このほかに、戸籍が広島市か長崎市のどちらかにあり、1950年の国勢調査時にどちら
かの市に住んでいたが 原爆時には 市内にいなかった2万7千人も、被爆していない
比較群として調査対象になっています。以上のグループが 12万人から成る 寿命調査
(LSS)集団 を構成しています。
「被爆者の子供(F1)の集団」があります。AHS集団は 1958年以来 2年ごとに放影研が
実施している健康診断の参加者で、寿命調査集団の中から選ばれた約2万3千人から
成る集団です。胎内被爆者集団は 原爆投下時に母親の胎内で被爆した約3,600人から
成る集団です。被爆者の子供の集団は 1946年5月1日から1984年末までに広島市または
長崎市で生まれた約7万7千人で、被爆した親、および被爆していない親から生まれた
子供の両方が含まれています。
※ 0.005 Gy(5m㏜)以上の放射線被曝は、広島では 爆心地 から約2,500 m
以内、長崎では 約2,700 m以内に相当。0.005 Gy以上の放射線に被曝した被爆者
の平均線量は約0.2 Gy(200m㏜)です。被曝線量は、爆心地からの距離が200 m
増えるごとに約2分の1に減少します。
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