|
★ 原子力資料情報室からのメッセージを、2回に分けて 抄略転載させていただきます ★ * * * * * * * * * * * =脱原発を実現する原子力資料情報室(CNIC)のメールマガジン= 【2010年1月1日】 原子力資料情報室(CNIC)Citizens' Nuclear Information Center ―――――――――――――――――――――――――――――― ■[1] あけましておめでとうございます ―――――――――――――――――――――――――――――― あけましておめでとうございます 2010年が みなさまにとって良い年でありますように メルマガをご愛読くださり、ありがとうございます。 旧年の大きな出来事は なんといっても民主党政権が発足したことだと思います。大変革が 静かに行われたといえましょう。 自由民主党は 1955年の結党以来、93年に一時野党に 転落したことはありましたが、それでも衆議院では 第一党を守り続けていました。 昨年の 選挙ではその座も失ったからです。 新政権が試される2010年です。「コンクリートから人間を大切にする」政策への転換は、 それまでの 生産を中心とした供給側の政策 から 生活を中心とした需要側の政策への 転換と言い換えることができると思います。 しかしながら、この転換は それほど容易に出来る とも思われません。 変革の端緒についた といったところだと思います。 それを思うと、 私たちNGOが「 あきらめから希望へ 」つなげていく役割を果たし、いっそう努力していくこと が重要ではないでしょうか。 コンクリートの塊のような原子力発電、これまで 供給側の利益を中心に建設が推し進められ てきましたし、政権交代の後も 残念ながら、この政策が すぐには変わる気配はありません。 使用期間を30年として設計した原発を、40年50年と運転し続けることの危険は 言うまで もありません。「 想定外 」の地震が多発する時代にあって、既設原発の運転継続のための 活断層過小評価や機器の安全余裕を頼みにした「健全性」評価には いよいよ寒さを感じず にはいられません。 そんな中、新政権のマニフェストに掲げられた 推進行政と規制行政の分離は ぜひとも進めて いかなければならないことでしょう。‘10年を展望した時の 最大の政策的課題だと言えます。 原子力産業界は、「 原子力ルネッサンス 」を掲げて 活発な宣伝活動を行っていますが、 その実態をみてみると、「 空騒ぎ 」だということが分かります。 ヨーロッパでは、わずか2基の建設が その中身です。 その一つ、フィンランドでは建設工期 が大幅に延びて 訴訟問題に発展しています。 スウェーデンが 脱原発政策を転換したと いわれます。 ところが、原子力に対する補助などの優遇策は 一切なく、具体的な建設計画に 進んでいない事実は、日本では なかなか報道されません。 ブッシュ政権時代に 政府の補助政策に押されて 比較的多くの建設計画が出たアメリカでも オバマ政権に交代した後、計画は 大きく後退しています。 「 原子力に 国民的合意が得られていない 」と福井・福島・新潟の3県知事が、当時の橋本 龍太郎総理大臣にモノ申したのが 1996年のこと。 以来、いまだ 「合意」なき原子力推進が 交付金だのみで続けられているのが日本の現状です。 とはいえ、原発建設の強硬な動き に対しては、上関原発計画にみられるように 激しい反対の動きが出ているのも現実です。 私たちは、いまだ 温暖化防止策のリストから原子力を外させることができていませんが、 しかし、原子力は 対策としては、コストが高く、かつ 間に合わない! と多くの人が指摘 しています。 近い将来には、省エネや再生可能エネルギーが本流となっていくと考えられます。 新しい年に、この流れが はっきりと定着できることを願っています。 前代表の高木仁三郎は 97年のライトライブリフッド賞に輝き、受賞講演でプルトニウム の最終章を書きたいと述べました。プルトニウムは、グレン・シーボルクによって 1940年 の暮れに 初めて世に作り出されました。この70年の間に 世界は プルトニウムを利用する 発電炉から撤退していきました。 日本では 事故で 14年の停止を余儀なくされた原型炉 「もんじゅ」が運転再開を予定しています。 「 一周遅れのトップ 」と言われる日本の高速増殖 炉開発ですが、日本だけが 例外的に成功するとも思えません。 六ヶ所再処理に見られる日本 の技術レベルを見れば、これは 明らかなことと言えます。 原子力資料情報室は 設立から35年が経過しました。高木前代表が没してから 10年に なります。何とか続けてこられたのは、会員の皆さん、通信やメルマガの読者の皆さんの支えが あったからと感謝しております。 とはいえ、当室の経営は 大変厳しい状態が続いています。 新しい年も暖かいご支援をよろしくお願いします。と同時にみなさまのご多幸をお祈りします。 2010年元旦 原子力資料情報室共同代表 伴英幸 (つづく) ■ 参考: 九電で 日本初のプルサーマル開始(2) |
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
全1ページ
[1]
不可欠となる消費構造の変革このように、1990年以降のEUにおけるGHG削減は、偶然の要素や目的を異にする政策 の結果によるところが大であり、京都議定書が合意された1997年には こうしたトレンドが 明確であったにもかかわらず、したたかな外交によって 1990年比マイナス8%削減という 甘い目標で切り抜けたのである。 もう覚えている人は あまりいなくなったが、そもそも京都会議までEUは、他国が追随する なら マイナス15%削減を行うという交渉ポジションを取っていたのである。すなわち EU は、本当は マイナス15%削減を実現する自信があったのだろうと考えられる。 そのポジションからすると、2007年で −4.3%削減に止まっているのは、もともと 約束してもよいと考えていたレベルから10%ポイント以上削減が不足しているのである。 日本は マイナス6%どころか +8%も増加していて、約束から −14%ポイント削減が 不足しているという批判があるが、実は EUも自ら削減可能だと考えていたレベルからは、 同程度削減が不足しているのである。 EUの温暖化対策が効果を上げているように見える第3の理由が、産業構造の変化に よる排出の海外移転( オフショア・エミッション )である。 特に 英国は、経済が脱工業化 し、金融などのサービスを中心とする産業構造に変化したが、消費構造は 工業製品中心 のままであったため、製品輸入が増加する形で CO2の排出が輸出国に海外移転された。 現在、日本では、今後の中期目標を検討していく場合、現在の産業構造を前提に考えるから 削減目標が野心的でなくなるという批判がある。 しかし 逆に、産業構造を低炭素型に変革 しても、消費構造が低炭素化しない限り、炭素集約・エネルギー集約型製品の輸入が増える だけで、その生産に伴うCO2の増加を輸出国に押し付けるだけだということを認識しなければ ならない。 まさに その例が、「 環境先進国 」の英国である。 本質的な外交交渉の始まりとはオックスフォード大学他の研究者たちが、そうした英国のオフショア・エミッションを分析 した論文が、「Too Good To Be True? The UK’s Climate Change Record」(2007)である。 その論旨は、次のような諸点である。 1.英国の2005年までの削減は 2つの大きな要素によってもたらされている。 (1) 1990年代に 石炭から天然ガスにエネルギー転換が起きたこと。 (2) 1970年代から継続する英国経済の脱工業化により、エネルギー多消費型産業が 海外に移転したこと。 2.国内生産活動によるGHG排出は確かに減っている。しかし 一方で、英国は 脱工業化 の結果、膨大な工業製品を輸入・消費しており、こうした製品は英国内外の生産活動で GHGを排出している。 3.英国の温暖化防止の責務の対象が「 英国の消費活動によるCO2排出 」にあるとした場合、 2003年の英国の排出量は 1990年比19%増となる 4.英国が 脱工業化して、工業製品を輸入に切り替えた結果、よりCO2効率の悪い生産方式 の国に生産移転が進み、結果的に英国人の消費活動によって排出される地球全体のGHG 排出量は増加する結果となった。 こうした分析結果に対して、英国内の環境派も同調し、さらに 中国は分析結果をもとに、 「 自分たちの排出増加は、先進国の消費活動を支えるために否応なくもたらされたものだ 」 と主張している。 こうした議論を見てみれば、日本一国が 産業構造を変えれば より大きな削減が可能と考え ている人々も、 消費者の消費構造 と 全世界的な産業構造 を変えない限り、 自分の考えは 成立しない ということに気づくのではなかろうか。 ☝ ここまで見てきたように、EUの温暖化対策は、統計上のトリックを使ったり、偶然の産物を いかにも努力の結果のように見せたりすることによって、往々にして 過大評価されていること に注意しなければならない。 ただ、EUのしたたかなところは、メディアの情報伝達量の制約を逆手にとって 都合のいい 数字や事実のみをコンパクトにまとめて流すところにある。 何度も何度も同じメッセージや データの発表が繰り返され、それらを引用する報道が積み重なれば、毎日注意して温暖化対策 をフォローしているウォッチャーでもない限り、自然に頭に刷り込まれていくのである。 温暖化を巡る外交交渉は、こうした認識形成、世論形成から始まるといっても過言ではない。 ちなみに、環境NGO(非政府組織)のWWFも最近になって、「 EUの中期目標は、 海外クレジット購入などを除けば 国内削減分は実質4〜5%しかない 」と批判的にコメント しており、EUの温暖化政策の実態に ようやく気づいたようである。日本でも そのような 客観的な評価が行われることを期待したい。 以上
|
全1ページ
[1]




