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政府事故調査・検証委員会の中間報告
(8)
3 住民の避難
(2) 長期的な避難措置の決定、指示・伝達及び実施 (資料Ⅴ−1 参照) (つづき)
c 生活物資の停滞
3月15日の屋内退避指示以降、同区域内で 自主避難する住民が増加し、また 屋内退避 区域内の スーパー や銀行等の 生活に必要な店舗が撤退しつつあった。 そのため、区域に残って 屋内退避していた住民のみならず、区域外で生活する住民の生活が困難な状況が生じた。
例えば、いわき市では、15日以降、北部の一部地域に屋内退避指示が出されたが、いわき市 全体に屋内退避指示が出されたとの誤報が広がったことなどから、同市内全域で、コンビニや
スーパーの店員が避難して閉店状態となった。 また、物資輸送のトラックも同市内に入って
来なくなったため、大型免許等を有する消防署職員等が 郡山まで出向き、 タンクローリー を運転
していわき市内まで運ぶ など しなければならない状況であった。
また、南相馬市では、屋内退避区域内の住民が 自主的に避難したことに伴い、市内の店舗が相次いで閉鎖したこと、トラックなどが 屋内退避の30km圏内に入ってこなくなったこと などが原因で 物流が止まり、生活が困難になった。 そのため、同市は、住民の自主避難を
支援するため、18〜20日 及び25日に、バスを用意した上で集団避難を行った。
このような状況を受け、25日 枝野官房長官は、記者会見で、屋内退避区域において物流が
止まるなどし、社会生活の維持継続が困難となりつつあり、また、今後の事態の推移によっては、放射線量が増大し、避難指示を出す可能性も否定できないとして、区域内の住民に対して 自主避難を呼び掛けるに至った。
また、同日 枝野長官は、現地対策本部において、屋内退避の指示が出ている区域をもつ 市町村と 十分な意思疎通を行い、要望を踏まえた上で、 「生活支援」 と 「退避準備」 の
いずれに比重を置くべきかなどについて適切に対応するよう指示をした。 この指示を受け、
現地対策本部長は、対象区域を訪問することとし、25日、南相馬市長 及び 浪江町長を訪問
したのを始めに、以降、避難区域の市町村長を訪問し、避難等に関する説明 及び 情報交換
を行った。
さらに、現地対策本部は、26日から27日までの間、南相馬市 及び相馬市の現地調査を
実施し、物流の停滞状況について調査を行うとともに、26日、現地対策本部職員を国の
連絡員として南相馬市に常駐させることとした。
d 計画的避難区域及び緊急時避難準備区域の設定措置
防災指針は、屋内退避を長期間にわたって行うことは想定されていない中、 モニタリングや SPEEDI の逆算結果から20km以遠でも放射線量の高い区域が把握されたこと、屋内退避区域内で物流が止まり、生活が困難になる地域が出たことなどを受け、原災本部は、3月31日
以降、関係閣僚等の下で、安全委員会の助言を踏まえながら、文科省が作成した年間の
積算線量の推計結果を基にした 新たな避難区域の検討を開始した。
この場での検討の結果、測定開始日から最新の測定日までの積算線量は実測値を用い、 測定開始日以前の積算線量は SPEEDI による シミュレーション 結果で補正した値を用い、最新の
測定日以降の積算線量は 最新の実測値が減衰せずに継続するという安全側に立った推定
で 最新の実測値を用い、事故発生後1年間の積算線量を推計し、その結果をマップ化する
こととした。
また、防災指針の指標「屋内退避指示は10mSv以上、避難指示は50mSv以上で行う」
は、一事故当りで 比較的短期間に放射性物質が放出される場合の対応策であり、今回の
ような、地面に累積した放射性物質による長期にわたる影響を防止するための避難指示の
指標としては必ずしも適切ではないとの考え方により、国際放射線防護委員会(ICRP)が
定めた緊急時被曝状況における放射線量の基準値である年20〜100mSvのうち、最下限
の20mSvを指標とし、年間20mSvを超える地域については、計画的に住民の避難を実施
すること、一方、この数値を下回る区域については、窒素の注入等により 水素爆発の可能性
は 相当程度低減されたものの、安全側に立ち、プラントにおいて発生し得る最悪の事態を想定
し、緊急時に避難のための立ち退き 又は屋内への退避が可能な準備を行うことが決めら
れた。
4月10日、原災本部は、正式に、安全委員会に対し、第一原発から半径20km以遠の地域
ではあるが、 ①放射線量の高い区域 や ②放射線量は高くないものの、緊急時に高くなる
可能性のある区域における避難等の在り方について助言を求めた。
同日、安全委員会は、原災本部の要請に応じ、 ①については、第一原発から半径20km以遠 (30km 以遠を含む) の周辺地域で、事故発生
から 1年の内に積算線量が 20mSvに達する恐れのある区域を 計画的避難区域とすること、
半径20〜30km の屋内退避区域で 計画的避難区域に該当しない区域 を緊急時避難準備
区域として、常に 緊急時に屋内退避や避難が可能な準備をすることを提案した。
※ この20mSvを基準値とする計画的避難区域 と プラント状況に対応するための
緊急時避難準備区域の コンセプト は、関係閣僚等の下での検討内容を広瀬研吉内閣府
参与がまとめながら作成されたもの。
又、緊急時避難準備区域においても 自主的避難をすることを求め、特に 緊急時に迅速な 避難を行うことが困難であることが予想されるため、子ども、妊婦、要介護者、入院患者等は、
この区域に入らないように強く求めた。
4月11日、枝野官房長官は、安全委員会からの助言を踏まえ、これら 計画的避難区域 及び 緊急時避難準備区域の設定の基本的考え方を発表した。
その後、対象自治体に 政府から事前説明を行った上で、22日 原災本部は、4月10日に文科省が作成した 第一原発から20km以遠の区域についての 「実測に基づく積算線量の推定値」 等を踏まえ、原災法第20条第3項に基づく指示として、計画的避難区域及び緊急時避難準備
区域を指定し、前者については、原則として おおむね 1か月間程度の間に順次当該区域外
への避難のための立ち退きを行うことを、 後者については、常に緊急時に避難のための
立ち退き 又は屋内への退避が可能な準備を行うことなどを指示した。 また、あわせて
第一原発から半径20〜30km圏内に指示していた屋内退避の指示を解除した。
※ 計画的避難区域 : 葛尾村、浪江町 及び 飯舘村 並に 川俣町 及び南相馬市
の一部(既に 半径20km圏内の避難が指示された区域を除く)
緊急時避難準備区域 : 広野町、楢葉町 及び川内村 並に田村市 及び南相馬市 の一部(既に 半径20km圏内の避難が指示された区域を除く)
e 避難区域に対するモニタリング活動
原災本部は、事故状況の全体像の把握、計画的避難区域等の設定等のため、 「環境 モニタリング強化計画」 を策定し、4月22日、これを発表した。
この計画に基づき、現状の線量分布状況を把握するための「線量測定マップ」、事故発生後 1年間の推定値としての積算線量分布状況を把握するための「積算線量推定マップ」等を作成
することとなり、その 取りまとめ と 公表 を文科省が担当することとなった。
本計画以後、第一原発から半径20km圏内については、 モニタリング地点を増加して、文科省は、
50地点を モニタリングカーで モニタリング することとなった。 以後、定期的に線量測定マップ
及び積算線量推定マップが公表され、特定避難勧奨地点の設定等のために用いられている。
また、内閣府原子力被災者生活支援チーム 及び 文科省は、6月13日、「警戒区域及び
計画的避難区域における詳細 モニタリング 実施計画」 を策定し、警戒区域 及び 計画的避難区域
を対象にした詳細な空間線量率の調査を実施することを決め、8月下旬までの間、警戒区域
及び計画的避難区域を 2kmメッシュに区切り、1メッシュ当たり20地点程度をモニタリング
地点として選定し、順次計測する 「広域モニタリング」 を実施。さらに、この 広域モニタリング
結果を踏まえ、これら区域の環境改善のための基礎 データ を得るため、10月末までに、住宅、
道路、校庭等の詳細調査を行うこととした。
f 特定避難勧奨地点の設定措置 P28
g 警戒区域の設定及び一時立入措置 P29
(3)各市町村における避難状況
a 大熊町 における避難状況
大熊町は、11日 21:23の福島第一原発から半径3kmの避難指示を受け、防災行政無線で住民に避難を呼びかけるとともに 避難誘導を実施し、12日0:00頃までに避難を完了した。
12日 5:44の半径10km圏内の避難指示を受け、国交省が手配した避難用バス等を用いて10km圏内の避難を開始したが、同日18:25の半径20kmの避難指示を受け、町全域に対して避難指示を出し、田村市、郡山市、三春町 及び 小野町へ避難した。
その後、4月3日から、会津若松市への移転を開始し、役場機能を移転した。 大熊町は、全域が警戒区域に指定されており、9月30日現在、7,734 名が福島県内に 避難、3,757名が県外に避難している状態である。
@ 「12日 6:00 細野首相補佐官から電話を受け、前日から用意していたバス70台
で避難 」したと 渡辺町長は述べています。
b 双葉町 における避難状況
双葉町は、半径3Kmの避難指示を受け、防災行政無線で住民に避難を呼びかけ、避難を 実施した。 翌12日5:44 半径10km圏内の避難指示を受け、10km圏外も含め、町全域
に対して川俣町に避難するよう避難指示を出した。双葉町役場は、第一原発から3km程の
場所に位置しており、避難区域内にあるものの、役場職員の一部は、避難誘導等のため、
役場に残っていたところ、同日15:30過ぎ頃、ドーンという爆発音とともに、第一原発のある
方向から白煙が上ったため、騒然とした中で、残った職員が川俣町に避難した。その際の状況
について、双葉町の井戸川克隆町長は、断熱材等が上空から雪のようにふわっと落ちてきた
と説明している。
川俣町での避難生活後、町長の判断で、19日、さいたまスーパーアリーナに役場機能を移す ことを決め、移転を開始した。 その後、30、31日の2日間をかけ、さいたまスーパーアリーナ
から埼玉県加須市(旧騎西高校)へ移転した。
双葉町は、全域が警戒区域に指定されており、11月22日現在、3,319名が福島県内に
避難、3,694名が福島県外に避難している状態である。
@ 基調報告 福島県双葉町長・井戸川克隆氏
「反面教師にしてほしい...」双葉町井戸川町長インタビュー 1月15日
(つづく)
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2012年01月19日
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政府事故調査・検証委員会の中間報告
(7)
3 住民の避難
(1) 事故初期における避難措置の決定、指示・伝達及び実施 (つづき)
c 避難指示の伝達状況
避難指示の伝達は、原災マニュアル上、現地対策本部長が各市町村に伝達することとなっている。 実際には、震災直後から電話連絡が取りにくくなっていたこと、現地対策本部に要員が参集でき ないでいたことから、この現地対策本部ルートに、福島県庁を経由するルート と 原災本部事務局
から 直接連絡するルートを加えて行うこととした。
しかしながら、電話がつながるまでに時間を要するなどしたため、対象自治体が 実際に避難指示 を認知したのは、ほとんどの場合、テレビ等の報道によってであり、その他、パトカーなど警察車両による対象自治体への口頭示達により認知した自治体もあった。
※ 避難対象自治体のほとんど全てで 原災本部事務局、福島県 又は 現地対策本部から
避難指示の伝達を受けた との確認は取れていない。
この理由の一つとして、オフサイトセンター から 市町村への連絡は、避難指示発出から相当の
時間をおいて ようやくつながり、 既に テレビ等の報道で 避難指示が発出されたことを
知って避難が開始されていた場合には、改めて 避難指示の連絡はせずに 避難状況の
確認をするにとどまったため、市町村側においては、避難指示の伝達を受けたとの認識
がないことによるものと考えられる。
市町村から 住民への伝達は、防災行政無線による呼びかけ、市町村の広報車・パトカーなどの警察車両による広報、消防団による全戸訪問等の手段を通じて行われた。
なお、11日に第一原発から半径3kmの避難指示が出された時は、既 に対象住民は、津波への 対応のため、おおむね3km圏外へ避難しており、翌12日0:30、3kmの避難圏内における住民避難が完了済みであることが、緊急参集チームにおいて確認されている (1:45 再度確認) 。
d 避難用バスの調整状況
11日の第一原発に係る原子力緊急事態宣言以降、危機管理 センター は、住民避難が必要 になることを想定し、避難のために必要なバスを手配する必要があることから、21:00頃、国交省
自動車局旅客課に対して、避難用のバスを 100台ほど 貸し切るよう依頼した。
同旅客課は、具体的な派遣場所、派遣時間、業務に携わる期間等が分からなければ バス会社 に手配を依頼できないことから、官邸の危機管理 センター との間で必要事項を調整した上で、東北・関東エリアのバス会社に手配の依頼を行った。
※ 原災 マニュアル では、事故時に参集すべき省庁等が規定されているが、その中に国交省
自動車局旅客課は含まれていない。 そのため、原子力防災訓練も 旅客課が訓練に参加
することはなかった。
手配されたバスは、大熊町にある オフサイトセンター に集められ、そこで、現地対策本部の職員に よって、必要な自治体へ割り振られ、 12日 5:44 に出された第一原発から半径10km圏内
からの避難の際に使用された。
但し、現地対策本部に 必要な要員が集まらなかったこと等により、バスの割り振りは スムーズ には行われず、また、地震による道路の損壊や避難車両による道路渋滞などの影響で、バスを
必要とする全ての自治体に 必要台数が行きわたることはなく、結果としては、ほとんどのバスが、大熊町等の一部の自治体の避難に使用されることとなった。
(2) 長期的な避難措置の決定、指示・伝達及び実施 (資料Ⅴ−1 参照) a 避難範囲外における高線量地点の発見と政府の対応
安全委員会は、16日以降、文部科学省が取りまとめた モニタリングデータ の評価作業を行っていたが、その結果、30km圏外に、スポット的に高い放射線量( 防災指針の屋内待避基準10mSv を 超える数値 ) を計測する地点が存在することが確認されたため、 18日、保安院に対して、
当該地点周辺における民家の有無等の調査を行うよう要請するとともに、文科省に対して、当該
地点に 固定の積算線量計を設置し、当該地点を中心とした環境 モニタリング を実施することを要請
した。
※ 保安院は、18日 当該地域の住宅地図等で民家の有無について回答、
文科省は、23日、当該地域に積算線量計を設置し、計測を開始(3月25日公表)。
しかし、20日、安全委員会は、この時期の高線量地点の発生は、3月15日夜半から16日未明 にかけて 放射性雲( プルーム )が通過し、更に 降雨で 地表面に放射性物質が沈着した影響によるもので、放射線量は 放射性物質そのものの減衰や雨水等によって低下すること、高い放射線量
を計測した地域は 限定的であることから、直ちに 屋内退避地域を変更する状況にはないものと
判断した。
この間、安全委員会は SPEEDI による放出源情報の逆推定を試みており、23日、限られた数点の モニタリング 結果を基に、SPEEDI による小児甲状腺等価線量を試算した結果、 第一原発から避難範囲を越えて 北西方向 及び 南方向に高い等価線量の地域があることが推定された。 安全委員会は、この結果を重大なものと受け止め、官邸に報告したが、
① このSPEEDI の逆推定結果は、24時間屋外に居続けた場合の評価で、過大評価であること
② 前記推定の根拠としては、福島2か所 及び 茨城(東海村)1か所のデータを用いているに
過ぎず、精度に問題が残ること
③ 避難の実施には 事前の準備に時間を要することなどから、直ちに避難範囲を拡大せず、
小児甲状腺被曝調査を行い実測値で確認するなど、更なる追跡調査を踏まえて検討すること
とされた。 なお、当該逆推定結果は、同日中に発表された。
SPEEDI 逆推定結果を受け、24日小佐古敏荘内閣官房参与は、官邸に対し「 避難区域および
ヨウ素剤服用の考え方に関する助言 」 を出し、直ちに ヨウ素剤の服用や避難を実施する必要は
ないが、当面の対応策として、20〜30km の屋内退避区域の住民についても 自主避難させる
ことが望ましいことなどを提案した。
安全委員会は、官邸から、小佐古参与の助言を踏まえて安全委員会としての考え方をまとめる
よう指示を受け、25日 「 緊急時モニタリング 及び防護対策に関する助言 」 で、現時点において、
現在の避難・屋内退避の区域を変更する必要はないものと考える とする一方、
20〜30kmの屋内退避区域の内、線量が比較的高いと考えられる区域に居住する住民について
は、 積極的な自主的避難を促すこと、同屋内退避区域のうち 線量が高くない区域についても、
予防的観点から 自主的避難をすることが望ましい と 原災本部に対して助言した。
@ 25日午前 「20〜30キロ圏内の自主避難呼びかけ 枝野氏」
http://blogs.yahoo.co.jp/kyomutekisonzairon/64582424.html
また、安全委員会は、29日、官邸からの検討依頼に基づき、30km以遠の高線量地域 (浪江町、飯舘村) についても、 3月15日から28日まで屋外に居続けたとした場合の積算線量が 約28mSv、木造家屋の遮蔽効果を考慮しても 約21mSv となり、防災指針の基準値である
屋内退避レベル10mSv を既に超えていると考えられると判断、当該地域の住民は できるだけ
屋内に滞在することを推奨するとの見解をまとめ、官邸に報告した。
その後、官邸からの指示で、保安院は、浪江町及び飯舘村に対し、第一原発から30km圏外
であっても、無用な被曝を避けるという観点から、できるだけ屋内に滞在するよう連絡した。
b IAEA による見解の公表
こうした中、30日 IAEA は、IAEA の避難の基準値を超える放射線量が飯舘村で観測された旨 を発表した。 IAEA の基準は、7日間で100mSv の被曝が予測されるときは避難すべきであると
しているところ、 IAEA が その基準値を超えたとしているのは、測定点9点のうち1点のみで、
日本が 測定・公表している土壌のデータを IAEA の基準に換算して発表したものである。
同じ データ を用いながら、我が国 と IAEA とで矛盾するかのような結果となった原因は、
IAEA は、前記の 「7日間で 100mSv」 という基準に相当するものとして、これを土壌における
放射性物質の面密度に換算した値を基準にして 避難基準を超えたと分析しているのに対し、
我が国は 空間線量を基準にして 避難基準を分析していること
IAEA は 1点のみで避難の必要性を判断しているのに対し、我が国は 1点のみで放射線量が
高くとも 必ずしも生活空間全体が高いことにはならないので、面的な広がりを考慮していること
が挙げられる。
※ IAEA 基準は、放射性ヨウ素131 で 10MBq/㎡としている。 問題の1地点で
計測・換算された値は、3月19日から27日までに 実際に測定した土壌における
放射性ヨウ素の濃度(Bq/kg)の平均値を、土壌における 放射性ヨウ素の面密度
(Bq/㎡)に換算した値と認められ、それは 約20MBq/㎡ だった。
@ M(メガ) : 106 20MBq/㎡ =20000000㏃/㎡ = 2000万㏃/㎡ なお、安全委員会は、4月1日、空間線量率は 日々低下しており、その時点で 防護区域等の
設定を変更する必要はないと判断し、その旨の見解を発表した。
(つづく) |
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武田邦彦氏 日本人には良いも悪いも、他国とは違う特徴があります。読者の方からもメールを頂き、日本人の特徴 と よい子の関係をまとめたく
なりました。
「日本人は融通無碍」とか「曖昧な国、日本」などと言います。
確かに、年末になると、12月24日には クリスマスイブ を祝い、イエス様に信仰を誓います。そして 6日たつと 大晦日に神宮に行って初詣をして 八百万の神様に感謝し、ほどなく 仏教の観音様に お参りに
行ったり、仏様のお話を聞いたりします。「いったい、あなた、
どうなっている?」と聞くのも失礼なぐらい、イエス様も 神様も 仏様も信じているのです。
私は キリスト教でもない若い二人が 教会で 「永遠の愛を誓いますか?」
と言われて キリスト教の神の前で誓っている姿を見ると、どうも
「愛していると言っているけれど、最初からウソかな?」 と意地悪に
思ってしまいます。でも、誓っている二人は真剣だというところが日本人のおもしろいところです。
先日、国際学会で話をしたときに、「本音と建て前」について、
英語で どのように言ったらよいか を専門家と話してみましたら、「日本語で honne, tatemaeといって、その意味を説明する」ということになりました。
「原発は安全」というのが建前、「原発を僻地に作る」というのが本音です。二枚看板といっても良いかも知れません。
また、読者の方からは、日本人は 「見て見ぬふり、聞いて聞かぬ
ふり」ができるという指摘がありました。確かに、街に立っている電柱と絡み合った電線は 日本人の目には入らないと言います。
日本の伝統芸能であり人形浄瑠璃は 黒子が舞台の上で 人情を操り
ますが、日本人は 黒子に存在を見ないで、人形の動きで 涙を流し
ます。「見ざる、聞かざる、言わざる」の3匹のサルも同じこと
なのかも知れません。
・・・・・・・・・
戦前には 野球をやる子は悪い子、戦後は 野球をやる子はよい子。
終戦前までは アメリカ は鬼、終戦の翌日には アメリカ は善意の国。
高度成長期には 大量生産が三種の神器、成長期が終わったら 大量生産は悪い子。1970年までは 寒冷化が悪い子、1990年からは温暖化が悪い子。前は 害虫駆除がよい子、今は 生物多様性がよい子。
3・11までは 被曝は悪い子、以後は 被曝を避けるのが悪い子。
融通無碍で 何でもOK。首相が 首相になる前には「公約を死守する」と言い、首相になったら「公約は破る」と言っても さして問題にはならないということです。そういえば、あれほど 自衛隊に反対していた社会党が政権を取ったら すぐ自衛隊の観艦式に 社会党の
党首が出席して敬礼したのを見て ショックを感じたことを思い出します。
・・・・・・・・・
どうやら、これまで日本人を信頼し 信じてきたのですが、ひょっとすると 日本人は 「 得になれば 神様は何人いても良い(魂より
お金)」、「 本心を隠したいから建前を言う 」、「 都合の悪い
ことは見ないようにする 」、「 言うことは いつ変えても良い 」という情けない民族なのかも知れません。
「よい子」が ぐるぐる代り、それが 一日にして変わって、前の日まで「よい子」だった人が、「悪い子」として バッシングを受ける
、そのことを朝日新聞は良く計算にいれて、いつも「よい子」側に就くか、もしくは 自分で「よい子」を創作しているのではないか
とも思います。
それに加えて、どうも「ウソつき」という感じもします。ネット
などで「ウソをついて 他人をバッシングする」という人が多いのも気になります。
この前、東大で講演したときの質問の半分ぐらいが、私が言って
いないことをネットで 誰かがねつ造したものが多く、それを根拠に質問される。だから「私は そんなことを言っていません」というのを繰り返すことになりました。
人を批判するときに、批判する人が本心から違うことを考えているのではなく、事実や考え方ではなく、ある特定の人間をつぶしたいという希望だけが先行しているようにも思えるのです。これも
「よい子」は グループを作り 「悪い子」をいじめるという 「事実や考え」ではなく 「人」を的にするからでしょう。
あるテレビで、私が 石油や石炭の埋蔵量は多いから心配することはないと発言したら、朝日新聞の解説委員と紹介された人が
「武田さんは論文をどのぐらい出していますか」と間髪を入れずに質問したのには驚きました。もちろん 見当外れの質問だから答え
ませんでしたが、埋蔵量が多いという考えに異論があるなら、
そのことを質問すれば良いのです。
私も 日本人ですから、日本人を批判するのは 自分自身にムチを
打っているようで気分はよくありませんが、今回の福島原発のようなことが起こった原因が、日本人の悪いところに原因があるなら、それを直す良い機会なのかも知れません。
そして それは「よい子の生産」に大きく関係しているように感じられます。
(平成24年1月18日)
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