混沌の時代のなかで、真実の光を求めて

現代に生きる私の上に 仏法は何ができるかを 試そうと思い立ちました。//全ての原発を 即刻停止して、 別の生き方をしましょう。

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生態系異変(2)

  The biological impacts of the Fukushima nuclear accident on the pale grass blue butterfly
(英語) - Scientific Reports(8月9日)
                                                           

the F2 generation(第3世代)に遺伝した異常

Figure 3: F2 abnormalities.
                                                         「いわき」F2        |  「高萩」F2 
 
  我々は、第2世代の異常個体の繁殖力 と 異常な特徴の遺伝を調べた。
異常な特徴を持つ第2世代のメス10匹( 異常を検出できない「白石」由来のメスを除く )を
選び、「筑波」由来の異常がない第2世代の個体と交け合わせた。
 オスの予期しない不妊による失敗を避けるために、 一つのケージに 1匹のメスに対して
3匹の正常なオスを入れた。
我々の交配システムは、ほとんど 常に成功し、オスとメスどちらも 繁殖力をもてば、メス1匹に
つき100匹以上の子を産むけれど、10匹のうち3匹のメスは 限られた数 ie.せいぜい 2匹の
成虫しかできなかった。 
  それにもかかわらず、我々は 他のメスから 適当な数の卵を得ることができ、これらを うまく
成虫にまで育てた。
 
   a‐ 第3世代は 比較的高い異常率を示し、成虫の全異常率は 33.5%だった。 Table 1
      横軸ー親世代の捕獲地点に 斑点名(数)を付したもの 
                            
   ‐ 第2世代と 同一 及び 相同の異常率
          @ Identical :同一の  homologous:相同の 
      重要な発見の一つは 第2世代に見られたある特徴が 第3世代に遺伝していたことだ。
                                     
   ‐ 斑紋の変異が 比較的頻繁だった。   スケールバー 1.0cm
      上段: 左から右へ〜 いわき、高萩、いわき、福島 の個体
         最左‐ 「いわき」第3世代ー斑点の伸長
                〜 Fig. 2g. で示した第2世代の親と同じ表現型
      下段: すべて 福島の個体
         真ん中と最右の翅は 後翅の変形を示す。 これは、小さな後翅をもった第2世代の
         親Fig 2f. から得たものだ。
 
      翅の斑点の拡大は、上述の「いわき」第2世代と同様、特に 「いわき」第3世代でも
     明瞭だった。 「いわき」の系統の第3世代のメスの52.4%が この特徴を継いでいた。
     この遺伝特質は メスに偏向していた。  (Supplementary Table 6).
  
   ‐ 触角と脚の奇形                スケールバー  0.5mm
       左のパネル: 「いわき」第3世代 〜左の触角( 短く 叉になっている ) 
       右のパネル: 「高萩」第3世代  〜左後脚の腿節.
       
      付属肢の異常もまた、比較的頻繁だった。 著しい触角の奇形、叉になった触角が
     高萩由来の第3世代の個体で見られた。この異常は 第2世代や我々の実験室で
     育てた個体には 決して見られなかった。 
 
  これらの結果は、第1世代に観察された異常が 第2世代に遺伝すること、そして おそらく
 第一原発事故による 親の生殖細胞への遺伝的なダメージが これらの特徴を引き起こしたこと
 を実証した。
  
 
事故から6か月、より激しい異常                
Figure 4: Abnormalities in the adult samples collected in September 2011 and in their F1 offspring.
 
  福島第一原発事故のヤマトシジミの個体群への遺伝学的・生態学的影響を評価するために、
最初のメスから 実験室で生まれた第2・第3世代に見られるのと同じ異常が、事故後6か月の
現地で どう観察されるかどうか調べた。
我々は 再び ヤマトシジミの成虫を 7カ所で捕獲した。即ち、福島、本宮、広野、いわき、高萩、
水戸、筑波(以上は 2011年9月18〜21日)。そして 神戸(2011年10月3〜4日)で・・・。
They were probably the fourth- or fifth-voltine individuals.
  全部で 238個体(オス:168、メス:70)
 
 ‐ 翅の斑紋の異常のみならず 脚や触角の奇形が たくさん見られた。
   7カ所( 5月のものと比較するため、神戸は除く )についての全異常率は 28.1%で、
   5月に捕獲したものの異常率の2倍以上であった。 Table 1.
    
  左から右へ   スケールバー 1.0mm (最右: 1.0cm)
   左の後脚の付け根の異常(広野)右の前脚の付け根の未発達(福島)右の触角〈矢印〉
   が構造と色の異常を伴う巨大化(本宮)翅の斑紋と形の変形〈矢印〉(いわき、福島)
 
 ‐ 9月捕獲成虫の全異常率(Abnormality rate)は 捕獲地点の放射線量(Ground radiation
   dose) と相関関係にあった。
   r = 0.84, df = 6, p = 0.13, Holm-corrected by 14 pairs
   {ground radiation dose and distance from the NPP} versus {abnormality rates of adults,
    wings, colour patterns, appendages, and others, and wing sizes of males and females}
 
 ‐ 左の3つのパネルの 上から       スケールバー 1.0mm
     左前脚の付け根〈矢印〉の奇形(高萩)胸部の腹側に腫瘍状の固形の突起(高萩)
     凹んだ目(福島)
    右のパネル :翅の斑紋の異常     スケールバー 1.0cm
      上 〜 いわき、いわき、本宮、広野、高萩
      下 〜 高萩、本宮、本宮、福島、本宮、本宮     
 
外部被曝と内部被曝の影響 
 
 現地で得られた異常な表現型を 人工的に再現するため 繁殖実験において、我々は 沖縄で
捕まえたメスから生まれた幼虫と蛹を、福島第一原発から放出された主要な核種の一つ 137Cs
の放射線に、55m㏜(0.2m㏜/h) 又は125m㏜(0.32m㏜/h)まで晒した。
  どちらの暴露でも、メス・オス共に 照射されていないもの(control)と比べて、異常な特徴
 (Fig. 5a) と前翅のサイズの縮小が見られた(Fig. 5b).。 
 
 - 外部被曝による異常。 
    左図: 左後脚の膝と脚の付け根、触角、触鬚、目の異常〜 125m㏜(触鬚:55m㏜)                                             スケールバー  1.0mm
    右図: 翅の斑紋の異常〜 左: 55m㏜、 右: 125m㏜  スケールバー  1.0cm       
 - 55m㏜を照射された個体に 前翅のサイズの縮小
       左:オス、 右:メス   青: control、 黄: 照射したもの  
 c- 外部被曝の生存率
    我々は、また 55m㏜ と そのcontrol(基準)、125m㏜とそのcontrolとのカーブの間に、
   深刻な違いを観察した。 また、生存率のカーブは、外部被曝が 前-蛹( prepupal )の段階
   で 多く死をもたらし、 より高い放射線が 主に 前-羽化(pre-eclosion) 及び羽化の段階に
   影響することを示した (Fig. 5c).。
  - 内部被曝の生存率( 違った場所の汚染された葉を食べた個体 )
                   ↳ 宇部広野飯館の山地部福島飯館の平野部
     すべてのカーブは 汚染されていない宇部のカーブと違っており、また 広野のカーブは
    福島のとは異なっている。
 ‐ 横軸: 葉の 137Cs の放射能、  縦軸: 蛹の死亡率、 翅の斑紋の異常率
 ‐  内部被曝した個体の 前翅のサイズ(Forewing size)の奇形
      宇部、広野、福島、飯館の平野部、飯館の山地部、   緑色:オス、桃色:メス
 g‐ 内部被曝した個体の異常
      上段: 右触角の奇形(飯館の山地部)、 右口肢の異常(福島)、 凹んだ左複眼
        (飯館の平野部)、 羽化の失敗(福島)          スケールバー 1.0mm
      下段: 曲がった翅(福島)、 曲がった翅(広野)、 翅の斑紋の異常(福島)、
        円斑(discal spot)の傍に黒い逸脱斑(飯館の平野部) スケールバー 5.0mm
    
                          (つづく)
 
      ミミズ  汚染の広がり   毎日   2012年2月6日
                                    

生態系異変(1)

                                          
                                     時事通信   8月10日
  東電福島第1原発事故の影響により、福島県などで最も一般的なチョウの一種「ヤマトシジミ
の 羽や目に異常が生じているとの報告を、大瀧丈二琉球大准教授らの研究チームが 10日まで
にまとめ、英科学誌に発表した。放射性物質の影響で遺伝子に傷ができたことが原因で、次世代
にも 引き継がれているとみられるという。
 大瀧准教授は 「 影響の受けやすさは種により異なるため、他の動物も調べる必要がある。人間
は チョウとは 全く別で、ずっと強いはずだ 」 と話した。
 研究チームは 事故直後の昨年5月、福島県などの7市町でヤマトシジミの成虫121匹を採集。
12%は、羽が小さかったり目が陥没していたりした。  これらのチョウ同士を交配した2世代目の
異常率は 18%に上昇し、成虫になる前に死ぬ例も目立った。 さらに異常があったチョウのみを
選んで健康なチョウと交配し 3世代目を誕生させたところ、34%に同様の異常がみられた。
 
                                                        
                                                          (英語) - Scientific Reports(8月9日)
 
Figure 1: First-voltine collection and abnormalities. http://www.nature.com/srep/2012/120809/srep00570/images_article/srep00570-f1.jpg
 
 a. 2011年 5月13〜18日(事故後約2か月)に、白石、福島、本宮、郡山、広野、いわき、 高萩、
   水戸、東京の10カ所から 144匹(雄111、雌33)の成虫標本を集めた。
 b〜e. ほとんどの個体は、形態的にも行動的にも 正常だったが、 詳細に調べてみると 
  わずかな形態的異状が見られた。
    b‐ aberrant:異常、  c、d‐ forewing :前翅、 ground radiation doze- 地面の放射線量
  
  Full table 
  7地点の全異常率( 9月の2回目調査と比較のため 白石、郡山、東京は除外 )は 12.4%
 
 b‐ 一番左の図は正常、 右の3つの図は異常     スケールバー :1cm
   (1)(2)(3)(4)は それじれ 1番目、2番目・・・の斑点の列、 Dは discal spot
   赤い矢
      左の個体: 斑点の 喪失、 間違った場所、 弱い表現 ・・・いわき
      中の個体: 斑点の 弱い表現、間違った場所       ・・・水戸
      右の個体: 斑点の 拡大                    ・・・水戸
                                            ↑ 採取場所    
 
  ‐ オスの前翅のサイズは 個体によって異なる。 (ANOVA, df = 7, F = 4.0, p = 0.00093)
   福島の個体は、筑波*1、広野、東京、高萩*2に比較すると、有意に小さい。
   *1  (t test with pooled SD, p = 0.00091, Holm-corrected by 28 combinatorial pairs,
     excluding Shiroishi and Koriyama due to small sample sizes)
   *2  (t test with pooled SD, p = 0.018, 0.018, and 0.038, respectively, Holm-corrected
     by 28 pairs as above)  
 
    箱の上と下の横棒で 1/4 と 3/4を 示す。  中央値を 箱の中の中央線で、外れ値を
   点線で示す。 赤点は 平均値、 赤い棒は 標準偏差(SD)。
   
 ‐ オスの前翅のサイズは 捕獲地点における地面の放射線量と 負の相関がある。 
     (Pearson correlation coefficient r = −0.74, df = 8, p = 0.029, Holm-corrected
     by 2 pairs [ground radiation dose and distance from the NPP])  
                                  NPP: 原発のこと              
                                       
 ‐形態学的異常
    左から右へ。  赤の矢は 変形を示す。 
   窪んだ眼(白石)、 歪んだ左目(いわき)、歪んだ右触肢(高萩)、 歪んだ翅(福島)
    スケールバー: 0.50 mm  、最右は 1.0 cm.                                                                                                              
Figure 2: F1 abnormalities.
                           
       ※ ↑の図は見にくいのですが、 元記事の図をクリックすると明瞭なものが見えます。
 
  確立された方法によって、我々は 福島地域で捕まえたメスから生まれた子孫 F1 を得た。
 これ、及び 以下の実験は みな、福島第1原発から1750kmに位置する沖縄で為された。
 ここは、人工放射線は ほとんど見られない。 
  現地で捕まえた親の幾ばくかは、わずかな異常があった。 Supplementary Table 2
 しかし、本宮で捕まえたものは、異常は発見できなかったし、形態的・行動的に健康だった。
 
  第2世代 F1  (Supplementary Tables 3, 4),
  幼虫、先‐蛹(サナギ)、蛹の死亡率 と 成虫の異常 は、いわき、広野、本宮、福島で高かった。
   第2世代の成虫の異常率は、18.3% (Table 1)、 親世代の全異常率の1.5倍。
 
  a‐ The eclosion-time dynamics: 
        縦軸ー羽化した累積個体数の%、 横軸ー羽化までの日数
       @ eclosion: 羽化  pupation: 蛹化
     The pupation-time dynamics (Supplementary Fig. 2a)
    調査した地域の個体数は みな、羽化のカーブが、筑波の個体数の羽化のカーブとは、
  有意に異なっている。 
   本質的に 同様のカーブが 蛹化の場合も得られた。  (Supplementary Figure 2a).
 
  ‐ 蛹の50%が羽化した時間は、原発から捕獲地点までの距離と 負の相関があった。
     (r = −0.91, df = 6, p = 0.045, Holm-corrected by 30 pairs [{ground radiation dose and
      distance from the NPP} versus {abnormality rates of four stages (called “total”),
      adults, wings, colour patterns, appendages, and others; mortality rates of pupae,
      prepupae, and larvae; periods of prepupae and pupae; peak days of eclosion and
      pupation; half days of eclosion and pupation}])
     同様に、50%蛹化の時間も 負の相関があったが、統計的に有意ではなかった。
                                    (Supplementary Fig. 2b).
 
  ‐ 付属器官の異常率 と 原発からの距離のプロット
   ‐ 付属器官の形態的異常の標本       スケールバー:  0.50 mm
      左から 
       ( 赤の矢印: 構造的異常〜ショウジョウバエの末端損傷突然変異体を連想させる )
     左前脚の付け根の小型化(福島)、 左中脚の付け根の未発達(福島)、 同左(広野)、
     触肢の未発達(高萩)
  ‐ 目の形態的異常   両方の複眼の凹み(福島)、 左複眼が棒状に(広野)     
  f‐  翅のサイズと形の奇形          スケールバー:  1.0cm 
       右の後翅が 左のよりずっと小さい(福島)、 翅の折り重なり(高萩)、
      翅がくしゃくしゃ(いわき)
  ‐ 翅の模様の変異              スケールバー:  1.0cm
      上列: 左3個体は いわきの、一番右の個体は 広野の 親からの第2世代
      下列: 左から右へ
           広野、水戸、白石、本宮本宮の親からの第2世代 
        赤い矢印は 変異場所
 
                          (つづく)                                
国会事故調報告書 本文 P343〜
                          
        第4部  被害の状況と被害拡大の要因
 
 4.2.3 病院の全患者避難
                                  
 3) 地方自治体と医療機関が果たした役割の検証
    ・・・
  c. 原発周辺医療機関の原子力災害に対する備え
   7病院中6病院は、県地域防災計画で 原子力災害時に病院が独力で患者の避難を
  行わねばならないと定められていることを知らなかった。 唯一、原子力事故時の避難
  マニュアル を用意していた今村病院においても、全患者の避難や複合災害を想定したものとは
  なっておらず、同病院の関係者は 「 想定外で全く役に立たなかった 」 と述べている。
   その他、マニュアルを準備していなかった病院では、「 そもそも原発から20km圏の病院が
  全患者避難するなんて想定外。行政の支援が必要だった 」「 ライフラインも通信手段もない
  中、病院で避難しろと言われても 手も足も出なかった 」「 10人程度の患者なら話は別だが、
  全患者の避難となると、独自で避難手段や転院先を確保するなんて不可能 」などの声が
  上がっている。県病院協会関係者は、「 地震の避難訓練や原発事故時の訓練でも全患者
   の避難は想定していないし、ライフラインが生きていることが前提で行われている 」と話して
   いる。
 
 4) 大規模原子力災害に備えた医療機関の避難改革の問題点
    これまで述べたように、原子力災害による患者避難において、患者への負担の軽減のため
   には、早期の避難先と避難手段の確保が決定的要因となる。 しかしながら、本事故における
   避難先・避難手段の確保は、各病院の個別の努力に依存しており、制度として 担保された
   ものではなかった。 今回避難先と避難手段が確保できた病院においても、再度原子力災害
   が発生した時に 避難先・避難手段を確保できる保証はなく、原子力災害に備えた仕組みの
   整備が求められる。 
 
   a. 避難先・避難手段の確保における制度的担保の欠如  
    今回いくつかの病院で避難先と避難手段が確保できた要因は、オフサイトセンターに近く情報が
   取得しやすかった、 自衛隊に緊急の災害派遣を要請することができた、 避難先の病院との
   交流があったなど、 病院固有の事情によるところが大きく、制度的に担保されたものでは
      なかった。 
   ① 県立大野病院の避難先・避難手段の方法
     大野病院は オフサイトセンターに近く、加えて 初期被曝医療機関に指定されていることから、
    原発事故の防災訓練などで日頃から交流があった。通信が途絶えていたものの病院職員
    が病院と オフサイトセンター を行き来し、避難指示に関する情報の入手や、バスの確保などを
    速やかに行うことができた。 そのため患者の病院からの退避は、大熊町民の避難よりも
    早い12日の午前中に完了した。 受け入れ先は バスで移動しながら探し、川内村の保健
    福祉医療複合施設に決まった。
   ② 双葉厚生病院の 〃
     双葉厚生病院の場合、震災後に県庁を訪れた福島県立医科大学付属病院の医師が、
    医長の旧友だったことが幸いした。 同医師は 災害派遣医療チーム(DMAT)の隊員であり
    発災後 県災対本部に駆け付けた
    同医師は 原発が危ない状況であることを 院長に電話連絡するとともに、自衛隊に「県知事
    の命令で病院患者の救済に向ってほしい」と伝え、自衛隊ヘリを向かわせた。 その結果、
    同病院からの退避は 13日午前中には終了した。
        ↑ この医師の行動は、不可解です。 なぜ 他の病院にも 情報を伝える努力を
                しなかったのか? 自衛隊を 他の病院にも向かわせなかったのか?・・・と。 
    ※ 欄外の記述
     県立医大病院医師ヒアリング
     「 県知事の命令はなかったが、 原発が危険な状況で 病院の患者を助ける方法は
      それしかなかった 」
     なお、医師は その後も 病院からの入院患者の指揮をとり、今村病院、西病院へ向けて
     も 同様に自衛隊ヘリを要請したという。  
 
 

 
3.1 事業者としての東電の事故対応の問題点    p207〜
 
 7) 2号機 SR弁による減圧操作によって むきだしになった燃料棒    P229〜 
   ・・・
   当時の2号機のS/Cは高温状態にあり、ベントを行う前に SR弁による減圧操作を行うと、
  注水可能な圧力まで減圧されない状態で 急速に 水位が低下するリスクが懸念されていた。
  このため、第一原発では 既に SR弁による減圧操作よりも格納容器ベントを優先して行う方針
  で ベント操作が試みられていた。 このような状況に対し、斑目委員長からベントよりも減圧
  操作を先に行って 注水するよう指示があり、一度は 水位低下リスクを理由に従前の方針で
  ベント操作が続行されたが、格納容器ベントが成功しない様子を見た清水社長が、斑目委員長
  の指示に従うことを命じた。 SR弁による減圧操作が行われた結果、注水が行われないままに
  水位が急速に低下し、短時間で燃料がむき出し状態となった。
   減圧操作後に注水が行われなかった要因の一つとして、海水をくみ上げるポンプの燃料が
  切れていたことや、最終的に2号機の格納容器ベントを行うことができなかったことなどを考慮
  すれば、当該意思決定が 2号機の状態悪化に どの程度影響を与えたかを評価することは
  難しいが、少なくとも 第一原発で 当初から懸念していたとおり、SR弁による減圧操作の後に
  急激な水位の低下を招き、燃料露出のタイミングを大幅に早めたと言える。
   清水社長は、格納容器ベントが困難である状況を感じ取ったという事情があるにせよ、自ら
  現場の意思決定に従う旨の宣言をした後に これを翻意し、第一原発及び本店での意思決定
  に反して、斑目委員長の意見に従うことを命じた。 
  仮に、斑目委員長が 原子炉に関する豊富な知見をもっていたとしても、事故当時の原子炉の
  状態や 現場の 様々な状況を考慮できるほどの情報を知り得る状況ではなく、第一原発で
  検討された意思決定よりも、斑目委員長の意見が優先される合理的理由は見当たらない。
  東電本店は、現場の判断が最優先という立場を標榜しながらも、現実には 官邸からの指示を
  優先させた結果、実際に 判断を誤り 事故の進行に影響を与えた事実が認められる。
 
 8) どうしても実施したかった2号機D/Wベント   
   14日夕方頃より 炉水位が低下し、一時は有効燃料下端(BAF)まで到達した2号機も、
  14日 21時には注水が開始され、少しずつ炉水位を回復していた。 しかし その後、ベントライン
  が構成できずに炉圧の上昇及びD/W圧力が徐々に上昇し、注水継続不可となり、圧力容器
  破損が懸念される危機的状況へと進行していった。
 
    D/Wベントの経緯
  3月14日
   22:40  炉水位: −700mm、 炉圧: 0.428MPa、 D/W圧力: 0.428MPa
   22:50        −1600         1.823              0.54
   23:00        −1700         2.070              0.58
   23:05  中央操作室から確認に行ったところ、2号機SR弁が1つ閉っており、炉圧が高い
         ために、注水ができていない状況であった。SR弁を開けるためには バッテリーと
         空気圧が必要であるため、保全班と当直で調整し、速やかにSR弁を開ける手段を
         確保することにした。
   23:29  炉水位:ダウンスケール、炉圧: 3.159MPa、 D/W圧力: 0.70MPa
   23:34  2号機のSR弁及びW/Wベントラインが閉まっていることが判明
   23:35  炉圧: 1.913MPa、D/W圧力: 0.73MPa
          吉田所長、D/Wベントの実施を指示
   23:36  第一原発で2号機のD/Wベントの操作に尽力するも成功しない状況が続く中、
         本店では 怒声と共に ひたすらベント命令が繰り返された。
       本店顧問: 「 できたら すぐやってよ。こっちでは、だって それやってんだけど、現場
            から それできないって言ってんだから。 ずっと、この2,3時間 」
       本店武藤副社長: 「 それは違う。 バルブの話 」
       吉田所長: 「 違うんです。 それは別の・・・ 」
       本店顧問: 「 吉田所長、 吉田所長 」
       吉田所長: 「 はい 」
       本店顧問: 「 本店ですけどねぇ。D/Wぶっ壊したらまずいからさぁ、早くD/Wの
            小弁だけでも 開けてくれよぉ 」
       本店顧問: 「 1Fの皆さん、考えてほしんですけど、D/Wの圧力はね、S/Cの
            圧力より高いのはおかしいですよ。だから、S/CはD/Wの圧力が高くなって
            いるはずですから、そこをよく考えて 操作してほしいんですけど 」
       吉田所長: 「 ・・・まっ、いいから操作に集中して 」
   23:41  本店からは、ベント操作について指示が出されるものの 現場の状況 及びベントライン
         の構成について 十分に把握されていないためか、的を得ない指示が散見された。
       本店高橋フェロー: 「 僕が心配しているのは、208弁の小弁を開けるのはいいんだ
            けど、その先にまだ、大弁のAO(電気作動)弁の207っていうのがあるのよ。
            これ2つ開かないと、ベントできないんじゃないかって心配しているんだけど 」
       第一原発:  「 いや、小弁は 大弁のバイパス弁ですから、小弁が開けばいくはず
            です 」
       本店高橋フェロー:  「 いや、それ分かってんのは、その先に もう一つ207弁は。
            要するに、207弁のバイパスがあって、それを今言っているんでしょ? その
                     先に まだAO弁があるの、フェールクローズの 」
       第1原発:  「 それはないです 」
       本店高橋フェロー:  「 ないの? 」
       第一原発: 「 その先にあるのはMO(電気駆動)弁で、MO弁は既に開けてあります 」
           本店高橋フェロー:  「 了解。じゃ頑張ってくれ。ありがとう 」
        
                             (つづく)

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