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早野龍五、坪倉正治氏らの
・・・ についての疑問 (9)
4.預託実効線量というものの問題性(続6)
もう少し 日本原子力研究開発機構の 2010年3月の報告書:
を見ていきます。
フクシマにおいて、政府が 20m㏜/年を導入した背景を、ここに知ることができます。
23文科ス第134号 平成23年4月19日
学校の校舎,校庭,園舎及び園庭の利用の判断について, 現在,避難区域と設定されて
いる区域,これから計画的避難区域や緊急時避難準備区域に設定される区域を除く地域の
環境においては,次のように国際的基準を考慮した対応をすることが適当である。
国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication109(緊急時被曝の状況における公衆の防護
のための助言)によれば,事故継続等の緊急時の状況における基準である 20〜100mSv/年
を適用する地域と,事故収束後の基準である 1〜20mSv/年を適用する地域の併存を認めて
いる。また,ICRPは,2007年勧告を踏まえ,本年3月21日に改めて「今回のような非常事態が
収束した後の一般公衆における参考レベルとして,1〜20mSv/年の範囲で考えることも可能」
とする内容の声明を出している。・・・
2. 国際放射線防護委員会による放射線防護体系の 長期被曝への適用
2.2. 長期被ばくを記述する
線量の評価方法には 状況や目的に応じて 2つの方法がある。 一つは、ある一つの線源に関連付けて評価する方法であり、これを 線源関連評価と呼ぶ。
もう一つは、個人が関係する全ての線源に関連付けて評価する方法であり、これを 個人関連評価
と呼ぶ(1991a)⋆。 長期被曝状況における個人線量の全体像を記述する場合には、個人関連評価
により 現存年線量を評価する。 また、ある線源によって追加される個人線量を記述する場合には、
線源関連評価により 追加年線量を評価する。
⋆ P6 図2.1参照
Publication101では、この評価体系を さらに拡張し、被曝状況を “通常被曝状況”、“現存被曝状況”
及び “緊急時被曝状況”に分類して、状況に応じて 予測評価(prospective)と遡及評価(retrospective)
を実施するように述べている(表 2.2)(ICRP, 2006)。
Publication 103(ICRP, 2007)では、これらの被曝状況と規制の有無を組み込んだ線量評価体系を
示すとともに、図 2.1 のような線源関連評価 及び 個人関連評価を提案して、これらの各カテゴリを
線量限度、線量拘束値 及び 参考レベルと関連付けることで、Publication 101 の線量評価体系を
放射線防護体系へと拡張している。
“制御可能で規制されている線源” による “計画被曝”については、同線源の導入を計画する段階
で、予測評価の結果 と 線量拘束値 及び線量限度が関連付けられ(ICRP, 2007,)、 “緊急時被曝” と
“現存被曝”については、“制御可能であるが 規制されていない線源” による被曝が発見された後の
対応段階で、遡及評価の結果 と 参考レベルが関連付けられる(ICRP, 2007,)。 ただし、表 2.2 に
示したように、“通常被曝状況” における遡及評価に加え、“緊急時被曝状況” 及び “現存被曝状況”
における予測評価も 目的に応じて実施されるべきである。
表 2.3 に 各被曝状況と、線源の性質、線量評価法、評価される線量概念 及び管理・対応のために
適用される基準との関係を示す。
※ “計画被曝”と“通常被曝”は 同義であるようにも思われるが、これらは明確に区別して理解
すべきである。“通常被曝”とは、発生が合理的に期待できる被曝であり、1 か1に近い確率
で起こることが予想される被曝のこと(ICRP,1993)。 一方、起こる可能性はあるが、起こること
は確かではなく、その発生確率を推定することができるが 詳細に予測ができない被曝のことを
“潜在被曝 ”という。 “計画被曝”は、“通常被曝”と“潜在被曝”のいずれも含む被曝のこと
である(ICRP,2007)。
2.3. 長期被曝へ対応する
長期被曝状況において、個人が 高レベルの被曝を受けている場合には、これを低減するために 介入を実施することができる。 従来、防護措置の導入には Publication63(ICRP, 1991b)で提案され
た 介入レベルが基準とされてきたが、同基準は 防護措置の回避線量によって表現されているため
介入を実施した後に 個人に残される被曝線量を考慮しておらず、線量を低減すべき目標を与えて
いない。 Publication 60(ICRP, 1991a)による 従来の防護体系では、“規制された線源” により 個人に
追加される線量は管理されているが、“規制されていない線源”による線量に制限はなく、このような
被曝成分が支配的な状況では 必ずしも個人の安全を保証できない。
例えば、線量拘束値は “行為”(制御可能で規制された線源)による追加年線量に対して適用される
基準であり、線量限度は こうした追加年線量の総和に対して適用される基準であるが、これらの基準
によって “規制されていない線源”による線量成分は 管理できない。
ICRPは この点を補足するために 一般参考レベルを提案している(1999)。 一般参考レベルは、
現存年線量が高く 介入が 常に正当化されるような状況と、現存年線量が低く 介入が正当化されない
ような状況を識別するために用いられ、現存年線量に基づく個人関連の評価体系 及び防護のアプローチ
が期待される。
しかし 既に述べたように、現存年線量には 性質の異なる線量成分が混在していることと、事故から
長時間を経た後の線量レベルに対して 個人の活動を制限する対応が 必ずしも適切でない可能性が
あるため、一般参考レベルによる介入の実施は 必ずしも適切な判断を下すことができない。
Publication103(ICRP,2007)では、介入 レベル と 一般参考 レベル に加え、評価や制限の対象として これまでの勧告では 明示的に扱われてこなかった“制御できるが規制されていない線源”も考慮して
新しい基準として 参考レベルを提案している(図 2.1、表 2.3)。
既に述べたように、参考レベルは 主に 対応段階での遡及評価の結果と関連付けられる基準である
ため、計画段階での予測評価と関連付けられる線量拘束値とは、実践上の意味 或は 合理的な利用法
が異なっている。
例えば、線量拘束値は、ある線源の導入時に引き起される個人線量の上限値を与えるものであるが、
参考レベルは 必ずしも上限値としてではなく 個人線量を管理するための水準としての役割を果たす
(第3 章参照)。 緊急時や現存被曝状況における線量は、線源が発見された時点で 既に 被曝が発生
している可能性があり、また、事故条件の他に 社会的条件(人口分布、社会基盤の整備状況等)や
環境条件(気象条件)に応じても変化するので、必ずしも与えられた線量の基準を超えないようにする
ことが容易でない。このため、多様な条件に応じて 線量分布を最適化するために用いられるのである。
逆に言えば、あらゆる条件、あらゆる状況に対して 一般的に適用できる参考レベルの値はなく、
条件や状況に応じて “適切な”値を選択する必要がある。 参考レベルの選択に関する“適切さ”
は 長期被曝状況における合理的な対応のあり方における検討課題の一つであり、本報告書
でも、チェルノブイリ事故後の対応の経験を基に この点について考察する。
P5 表 2.1 被ばくと線源の分類
表 2.2 異なる被ばく状況における線量評価の例(ICRP, 2006, Table 2.1)
表 2.3 Publication 103 による各被ばく状況の性質(ICRP, 2007, Table 4 に加筆)
適用される基準
被曝状況 線源 評価 職業被曝 公衆被曝 医療被曝
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計画被曝状況 規制線源 線源関連 線量拘束値 線量拘束値 医療上の参考レベルd, e
個人関連 線量限度 線量限度 ――― 緊急時被曝状況 未規制線源 線源関連 参考レベルa 参考レベル N.A.b
現存被曝状況 〃 〃 N.A.c 参考レベル N.A.b
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
a 長期的な状況の復旧は計画された職業被曝の一部として扱われるべきである。
b “Not applicable” c 長期的な復旧作業からの被曝、或は 被曝を伴う地域での長期雇用については、 それらが 現存被曝線源に関するものであっても、計画された職業被曝として扱われるべきである。
d 患者に対して。 e 見舞い訪問者、介護人 及び 研究ボランティアに対してのみ線量拘束値を適用。 P6 図 2.1 個人関連評価及び線源関連評価と対応する基準(ICRP, 2007, Fig.3)
参考: ATOMICA
線量拘束値(最大許容線量・線量限度)
表3 線源・被ばくの制御の可否と線量限度の適用・不適用:ICRPの現行勧告(1990年勧告)
図1 ICRPの被ばく制限の体系(1958年勧告〜1977年勧告) 図2 ICRPの現行勧告(1990年勧告)の放射線防護体系 (つづく)
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県内24箇所の校庭等における空間放射線量の定点測定結果
平成23年11月30日実施 単位:μSv/h
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