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チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被曝影響と指摘
2013年4月3日
福島市や全村民が避難を余儀なくされている福島県飯舘村など、福島第一原原子力発電所
からの放射性物質で汚染された地域で、動物や植物に異常が多く見られることが研究者による
調査で明らかになった。
3月30日に東京大学内で開催された「原発災害と生物・人・地域社会」(主催:飯舘村放射能エコロジー研究会(IISORA))で、東大や琉球大学などの研究者が、ほ乳類や鳥類、昆虫、植物から見つかった異常について報告した。
原発事故による生物への影響についての研究報告は 国内でもきわめて少ないうえ、4人もの
研究者が 一般市民向けに報告したケースは おそらく初めてだ。
稲の遺伝子に異変 まず 生物への影響に関して シンポジウムで最初に報告したのが、筑波大大学院生命環境科学
研究科のランディープ・ラクワール教授。「 飯舘村での低レベルガンマ線照射に伴う稲の遺伝子発現の
観察 」というテーマで研究成果を発表した。
ラクワール教授は、つくば市内の研究所で育てた稲の苗を、福島第一原発から約40kmに
位置する飯舘村内の試験農場に持ち込んだ上で、放射線の外部被曝に曝される屋外に置いた
。そして 生長が進んでいる根本から3番目の葉をサンプルとして採取し、ドライアイスを用いて
冷凍保管したうえで、つくばに持ち帰った。
その後、「半定量的RT−PCR法」と呼ばれる解析方法を用いて、特定の遺伝子の働きを観察
したところ、低線量のガンマ線被曝が さまざまな遺伝子の発現に影響していることがわかった
という。 ラクワール教授らが執筆した研究結果の要旨では、「 飯舘村の試験農場に到着してから
初期(6時間後)に採取したサンプルでは DNA損傷修復関連の遺伝子に、後期(72時間後)では
ストレス・防護反応関連の遺伝子に変化が認められた 」と書かれている。
「 稲に対する低線量被曝の影響調査は 世界でも例がない。今後、種子の段階から影響を見て
いくとともに、人間にも共通する メカニズム があるかどうかを見極めていきたい 」と ラクワール教授
は話す。
動物に現れた異常については、3人の研究者が、蝶、鳥、サルの順に研究成果を発表した。
蝶について研究内容を発表したのが、琉球大学理学部の大瀧丈二准教授。「 福島原発事故の
ヤマトシジミへの生物学的影響 」と題した講演を行った。
・・・
通常のウグイスなら、見たこともない「おでき」が… 石田准教授らは、福島県阿武隈高地の中でも 特に放射線量が高く、現在、「帰還困難区域」
に指定されている浪江町赤宇木地区(福島第一原発から約25キロメートル)で 2011年8月に
野生のウグイス4羽を捕獲したところ、「 うち1羽から 今までに私自身、ウグイスでは見たことも
ないおできが見つかった 」(石田准教授)。これまで 350羽あまりを捕獲した経験のある石田准
教授が驚くほどの病状で、このウグイスには 血液原虫も寄生していた。また、捕獲したウグイス
の羽毛を持ち帰って放射線量を測定したところ、セシウム134と137を合わせて最高で 約53万
㏃/kgもの汚染が判明した。
石田准教授は その後も 自宅のある埼玉県横瀬町と福島を 15回にわたって行き来し、鳥類の
定点観測や自動録音による野生動物のモニタリングを続けている(なお、研究成果の一部は、
中西友子・東大大学院教授らの編纂した英文書籍で、シュプリンガー社から3月に出版された。
電子ファイルは誰でも無料で自由に読める。(こちらからご覧いただけます)
ニホンザルの白血球数が減少 そして 4人目の講演者として登壇したのが、羽山伸一・日本獣医生命科学大学教授。
「 福島県の野生二ホンザルにおける放射性セシウムの被曝状況と健康影響 」と題した講演を
した。 28年にわたってサルの研究を続けている羽山教授は、ニホンザルが北海道と沖縄県を
除く全国に生息している点に着目。「 世界で初めて 原発の被害を受けた野生の霊長類 」
(羽山教授)として、ニホンザルは 被曝による健康影響の研究対象としてふさわしいと判断した。
羽山教授は、約3000頭近くが生息する福島市内(福島第一原発から約60km)で農作物被害
対策のために個体数調整で捕獲されたサルを用いて、筋肉に蓄積されているセシウムの量を
継続的に調査。性別や年齢、食性との関係などについて検証した。
福島と青森のサルを比較すると… 11年4月から13年2月にかけて 福島市内で捕獲された396頭のサルと、青森県で 12年に捕獲
された 29頭を比較。 土壌中のセシウムの量と筋肉中のセシウム濃度の関係を検証した。
その結果、「 土壌汚染レベルが高いところほど、体内のセシウム蓄積レベルも高い傾向がある
ことがわかった 」(羽山教授)。 また、木の皮や芽を食べることが多く、土壌の舞い上がりが多い
冬期に、体内の濃度が上昇していることも判明したという。なお、青森県のサルからは セシウム
は検出されなかった。
「 注目すべきデータ 」として羽山教授が紹介したのが、血液中の白血球の数だ。避難指示区域
にならなかった福島市内のサルについては、外部被曝は 年間 数ミリシーベルト程度の積算線量
にとどまるうえ、内部被曝量も 10ミリグレイ程度にとどまるとみられると羽山教授は見ている。
にもかかわらず、ニホンザルの正常範囲より白血球数、赤血球数とも減少しており、白血球は
大幅に減少していた。
「 特に気になったのが 2011年3月の原発事故以降に生まれた子どものサル(0〜1歳)。
汚染レベルと相関するように白血球の数が減っている。造血機能への影響が出ている
のではないかと思われる 」(羽山教授)という。
シンポジウム終盤の討論で羽山教授はこうも語った。
「 本日の講演内容が にわかに人間の健康への研究に役に立つかはわからない。ただし、現在
の福島市内のサルの被曝状況は、チェルノブイリの子どもたちとほぼ同じ水準。チェルノブイリの子ども
たちに見られる現象がニホンザルにも起こったことが明らかにできればと考えている 」
「福島原発事故と柏崎刈羽原子力発電所〜騙された大人が今なすべきこと〜」 小出裕章さん講演 at 南魚沼 4月20日 http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/05/06/minamiuonuma-2013apr20/#more-5929 ↑ 改めて 聞いてみて下さい 時間:1時間45分程 |
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2013年05月10日
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