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【ゲノム問題検討会議】
人間の尊厳と有用性 ゲノム編集による受精胚への介入の倫理
加藤和人氏 大阪大学大学院医学系研究科・教授
島薗進氏 上智大学教授・東京大学名誉教授 香川知晶氏 山梨大学名誉教授 天笠啓祐氏 科学ジャーナリスト 昨年11月、中国の南方科技大学賀建奎(フォー・ジエンクイ)副教授らの研究チーム
が、エイズウイルスに感染しないようゲノム編集技術を受精胚に用い、双子の
女児を誕生させたという ニュース が世界中に流れました。中国政府の調査による
と賀副教授は「個人の名誉と利益のため、国が禁止する生殖を目的とした人の
胚(受精卵が発育した)へのゲノム編集を行った」とのことです。一人のエゴイスト
が規範を無視して実験材料にしたというのです。
しかし、どのような規範に背いたとされるのか、必ずしも明らかではありません。 小さな命(受精胚)にも人格が宿んでいると言う考えがあります。また、約30万年前
に誕生して以来、今日まで自然の摂理に従って営まれてきた ホモ・サピエンス の生命
秩序に対して人為的に手を加えて良いのかという問題もあります。
デザイナー・ベイビー、新しい優生学に対して肯定的な考え方をもつ科学者も
少なくないのです。
CRISPR-Cas9のようなゲノム編集技術が安易に人間の遺伝子を改変されること が出来る時代になってきた現在、有用性を基準として、つまりは人間の都合、
利便性、欲望充足に従ってヒトの受精胚に介入して良いのでしょうか。
この度、3月18日にジュネーブで世界的に倫理面の問題が指摘される人間の
ゲノム編集を適切に管理するための国際基準作成に向け、世界保健機関(WHO)
による専門家で構成される諮問委員会が開かれます。そこで、この会議の様子
と、関連の国内外での議論について、日本から参加される、大阪大大学院の
加藤和人教授(生命倫理・医学倫理)に報告していただきます。科学技術の進展
は疾病予防や治療などへの貢献が期待されている点からヒト受精胚へのゲノム
編集技術を用いる研究等の適切なあり方やそのルールの構築についても安全面
ばかりでなく、倫理面社会制度面からも市民も積極的に議論していかなければ
と思います。
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2019年03月28日
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