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早野龍五、坪倉正治氏らの
・・・ についての疑問 (16)
ICRPの ALARA原則について(続)
さらに、1977年勧告(Publication 26)では、 「防護の最適化」⋆という概念を導入して、
すべての被ばくは、社会的・経済的要因を考慮に入れながら
合理的に達成できる限り 低く 被曝線量を制限する
と、より洗練された表現にします。
⋆ 「防護の最適化」 は、1977年勧告において 「個人の線量当量の限度」「行為の正当化
( いかなる行為も、その導入が 正味でプラスの利益を生むのでなければ、採用してはなら
ない ) 」概念 とともに、線量制限体系の基本原則となった。
行為の正当化における 「正味でプラスの便益を生む」 という表現は、Publication 22 で提案
された費用−便益分析の考え方を引き継いだもの。
又、「個人の線量限度」については、従来の「最大許容線量」or「線量限度」が、線量限度に
改められ、全身の均等照射に対する線量限度を設定。 確率的影響は 部分照射(臓器線量)
によるリスクの合計が 均等照射によるリスクを上回らないこと、非確率的影響については
どの組織(器官)も定められた線量限度を超えないことが条件として付加された(表2)。 この「防護の最適化」というのは、
さすが ICRPも、被曝線量、被曝人数ともに できるだけ小さく抑制する努力の必要を勧告
してきました。これは、「 これまでの科学的知見から、晩発性の発ガン等の確率的影響⋆は、
線量に 明確な 閾(シキイ)値がなく、被曝線量を低減すればするだけ 確率的影響を より小さく
できる 」という考えからでした。
この1977年勧告だった。 勧告は、放射線防護の目的を
「 非確率的影響は これを防止し、確率的影響は その確率を容認できると思われる レベルに
まで制限すること 」とし、確率的、非確率的影響の両方を合理的に制限することにより 、
「放射線被曝を伴う行為が確実に正当化されるようにすること」( 上の「行為の正当化」参照 )
を要請している。
しかし、被曝線量をより小さくしようとすると より大きな社会的負担が必要となるわけで、
ここで ICRPは、過度に対策を行うと、得られる便益に見合わない社会的負担( 彼らは、
これを金額ie.数字に換算する!⋆)が発生する可能性があるため、この費用と便益の観点
すなわち、被曝を伴う行為を受け入れることができるかどうかは、費用−便益分析の
結果に基づいて合理的に決定すべし、と・・・。
⋆ 科学は、ものを数字を使って認識することを特徴とします。即ち、「科学的」とは 数字を
使って認識したものということです。西欧的合理性とは この科学的合理性のことです。
しかし、人間の合理性(理に合う)とは、必ずしも 数字によるものばかりではありません。
例えば、極道息子の所業に泣く母親の涙は、その涙で回心した息子にとって、「水分*%、
塩分*%」という 数字での認識ではなく、全く違った合理性として認識されるはずです。
この場合、この母の涙を「科学的or西欧的」合理性で認識すれば、母子の関係を破壊して
しまいます。社会は 人間関係を土台として成り立っている訳ですから、ここに この合理性
を 「科学的」だとして むやみに適用すると、社会の土台を損ねてしまうことになります。
1980年代に稼働した日本の原発は、
女川原発: 1号機 52.4万KW <1984 6月 1日> 東芝
泊原発 : 1号機 57.9万kw <1989 6月22日> 三菱重工
福島第2 : 1号機 110万KW <1982 4月20日> 東芝
2号機 110万KW <1984 2月 3日>
3号機 110万KW <1985 6月21日>
4号機 110万KW <1987 8月25日>
柏崎・刈羽: 1号機 110万KW <1985 9月18日> 東芝
浜岡原発 : 3号機 110万KW <1987 8月28日> 東芝/日立
高浜原発 : 3号機 87万KW <1985 1月17日> 三菱商事
4号機 87万KW <1985 6月 5日> 三菱商事
島根原発 : 2号機 82万KW <1989 2月10日> 日立
伊方原発 : 2号機 56.6万KW <1982 3月19日> 三菱重工
玄海原発 : 2号機 55.9万KW <1981 3月30日> 三菱重工
川内原発 : 1号機 89万KW <1984 7月 4日> 三菱重工
2号機 89万KW <1985 11月28日>
1990年勧告(Publication 60)では、 ALARAの表現は 1977年勧告を踏襲しますが、
さらに ICRPの性格をより明瞭にすべく、
原子力エネルギー利用、放射線診断など 被曝を引き起す人間活動 を 「行為」 と名付け、
これによる被曝を低減させるための 屋内退避、避難など の処置を「介入」と呼ぶことにします。
この「行為」は、 先に述べたように「 利益をもたらすことが明らかな放射線被曝を伴う行為を不当に制限
することなく、安全を確保する 」という矛盾したことを 同時に満たそうとするもので、ここに
さまざまなムリが生じる宿命を抱え込むわけですが、その淵源は もちろん 放射性物質&
放射線から 利益を得ようとするところにあるのは、明らかです。
※ ある行為( 被曝を伴う人間活動 )について、幾つかの選択肢がある時、個人線量限度
( すべての線源からの被曝線量の合計に対する制限 )を超える 被曝が起こると予測される場合
には、その選択肢を棄却することとしていたが、1990年勧告では、当該行為に関係する
線源による線量拘束値( 個々の線源から受ける線量の制限値 )を超える被曝が起こると予測
される場合には その選択肢を棄却するという、より厳しい制限を勧告している。 (未完成)
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放射性物質
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早野龍五、坪倉正治氏らの
・・・ についての疑問 (15)
僕がSPEEDIを気にし始めたのは 3/15 http://t.co/k33UC2ac (それより早く気づいた方
もあったはずだが).3/17に 文科省で鈴木寛副大臣(当時)に面会した際,公開をお願い
したが,文科省は SPEEDIが動いているかどうかすら,知らなかった.
その後 何度か 鈴木寛さんとやり取りがあり,ようやく 3/21になって 「SPEEDIは動いている
ようだ」というメールがあった→ http://t.co/yrESOVuz(そしてSPEEDIの公開は3/23)
< SPEEDI 未公表の顛末 2012.3.4
早野氏は、鈴木文科副大臣or文科省に騙されていたか、
もしくは 鈴木文科副大臣or文科省を庇って(?) 嘘をついているか、
あるいは、氏は 文科省のエージェントとして 当初より動いていたかでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
預託実効線量そのものから ずいぶん話がそれてしまったようなので、
「4.預託実効線量というものの問題性 」については、ちょっと置いておいて、
先の 原子力緊急事態時の長期被ばく状況における 放射線防護の実施と課題 流れで、
日本政府が 早い段階で 移住政策を放棄して、被曝限度 20m㏜/年⋆を採用し、
さらに、現在 精力的に進めている 「除染&帰還」政策に 理論的根拠を与えている
ICRPのALARA原則について、すこし見ておきます。
⋆ 20m㏜/年は、空間線量率のみ考慮
児童生徒等の受ける線量を考慮する上で,16時間の屋内(木造),8時間の屋外活動
の生活パターン を想定すると,20mSv/年に到達する空間線量率は,屋外3.8μSv/時間,
屋内(木造)1.52μSv/時間である。したがって,これを下回る学校では,児童生徒等が
平常どおりの活動によって受ける線量が20mSv/年を超えることはないと考えられる。
・・・
23文科ス第134号 平成23年4月19日
ICRP(国際放射線防護委員会)は 永年 放射線防護の基本的な理念 と それに基づく
具体的な基準を勧告してきた国際的な専門家集団の組織ですが、彼らは その放射線防護
の目的を、
放射線被曝を伴う行為であっても 明らかに便益をもたらす場合には、
その行為を不当に制限することなく 人の安全を確保すること
としていることで 明らかなように、放射線の利用を あくまでも進めることを目的にしています。
すなわち、この組織は、例えば 「石綿」の利用を禁止するというように、放射線の利用を
放棄する選択肢を 始めから持っていず、放射線利用への片道切符しか持ちわせていない
わけで、これは きわめて 不健全だと言わざるを得ません。
放射線の人体への影響は 十分に分からないにもかかわらず、その利便性を追求して、
放射性物質 及び 放射線利用を進める 科学・技術者の行為を正当化するために創設された
のが、この ICRPなのでした。
この間、Ⅹ線の医療への応用 や 放射性物質の各種の工学的応用によって、多くの人々に
被害を出しながら (その被害は どれほどの数でしょうか!)、一方で 放射線の人体への影響が
知られるようになると、その勧告内容は 下表のように 徐々に変遷してきたのでした⋆。
⋆ 放射性物質&放射線利用は、片道切符で 見切り発車したのでした! (中川保雄「放射線被曝の歴史」(技術と人間 1990)から抜粋)
※ 100rem(レム)=1Sv(シーベルト)、 0.1rem=1mSv。
表から分るように、放射線作業者と公衆の線量限度は 徐々に厳しくなっています。
ふつう得体の知れないものに遭遇した場合、我々人間は 最初は それに対する警戒
を厳しくし、その相手の正体が分かるにつれて、徐々に 警戒を解いていくものですが、
ICRPの勧告は 人間の そのような性質と まさに 逆をいっています。 ICRPは、なぜ 始めに 厳しすぎるほど 厳しく線量制限をして、それを 徐々に 緩和する
といったことをしなかったのか?
――― ここに、キュリー夫人を聖女として讃える この国際的専門家集団の 非健全性or
非人間性が 特徴的に見られます。
前置きは これくらいにして
■ ALARA原則について
この国際的専門家集団は 1965年勧告(Publication 9)で、自己の本質を 鮮明にして、
経済的 及び 社会的な考慮を計算に入れた上で、
すべての線量を 容易に達成できる限り低く⋆保つべきである
⋆ As Low As Readily Achievable ;ALARA
と表現しました⋆⋆。
これは、人間の健康と命に問題が生じても、それに目をつむって 原子力利用を
優先して進めるのだ という、背筋も凍るほど冷酷な ICRPの意志を示したものです。
⋆⋆1954年勧告では、「最大許容量」(許容できる被曝線量の上限値)を勧告する一方で、
勧告の根拠となっている科学的知見が不完全なものであること、並びに確率的影響に
関して、直線・閾値なし(LNT:Linear No-Threshold)モデルを仮定していることから、
線量制限は、それ以上リスクを低減することがもはや困難であると認められる程度まで
十分に低いレベルに設定されるべきであるという考え方が採用された。
1959年勧告では、全ての線量を実用可能な限り低く(As Low As Practicable:ALAP)
保つべきであるとした。
※ マスコミや女性たちは、キュリー夫人は讃えても、慰安婦問題で 喧々囂々ですが、
昔から今日まで 基本的には変わらない ICRPのこの姿勢を 声高に問題とすることがない
のは、大変 奇妙なことです。
この年以降、日本は 原発の稼働を開始します。
< >内: 運転開始年月日
東海原発(コールダーホール型) 16万KW <1965 5月4日> 英国
敦賀原発: 1号機 35.7万KW <1970 3月14日> GE
美浜原発: 1号機 34万KW <1970 11月28日> WH/三菱原子力
2号機 50万KW <1972 7月25日> 三菱原子 福島第一原発: 1号機 46.0万KW <1971 3月26日> GE
その後、1973年 Publication 22 において より具体的に、
線量低減による経済的・社会的便益が、線量低減に 必要な経済的・社会的費用
と等しくなるようにすることで、すべての線量を 容易に達成できる限り 低く制限できる
と表現して、費用−便益分析 を提言します。
また、readilyは、より正確には reasonably(合理的に)の意だとして、以後 ALARAは、
合理的に達成できる限り 低く⋆
⋆ As Low As Reasonably Achievable ;ALARA
とされるようになったと言います。
これは、合理的に達成できなければ、線量低減の努力は どうしようもないので 放棄する
ということであり、そのような事態が発生する可能性があるけれども、原子力利用は 放棄
しないという宣言でしょう。
当時は、米ソを中心に核軍拡競争をやっており、核戦争で 国家・人類が滅ぶ可能性を
含んで 全ての事が進められていました⋆ので、被曝による健康と命がどうのこうのという
ことは、そんなに大した問題とは感じられない 狂気の時代でした。
⋆ 当時の日本は、高度経済成長の真っ只中で、家電製品や自動車が 次々と庶民の家庭
に入り込み、今太閤・田中首相の唱える日本列島改造論に沸き返るなど 華やかな世相の
なかで、人類絶滅の危機を語ることは 杞憂の戯言とされ、科学者らは「 たとえ、そのために
滅んでも、人類は 科学を発展させるよう 自然法則として運命づけられているのだ 」と
ウソブイテいました。
東西冷戦という政治的な枠組みに タガをはめられて、人々は 自由な思考を奪われ、
一方で 商品経済が農村を巻き込で 過疎化を進め、列島は 物質的豊かさの大洪水に呑み
込まれていたのでした。
この間、列島のあちこちで、原発の建設準備も着々と進み、次々と稼動を始めました。
福島第一: 2号機 78.4万KW <1974 7月18日> GE
3号機 78.4万KW <1976 3月27日> 東芝 4号機 78.4万KW <1978 10月12日> 日立
5号機 78.4万KW <1978 4月18日> 東芝 6号機 110万KW <1979 10月24日> GE 浜岡原発: 1号機 54万KW <1976 3月17日>
2号機 84万KW <1978 11月29日>
美浜原発: 3号機 82.6万KW <1976 12月 1日> 三菱商事
大飯原発: 1号機 117.5万KW <1979 3月27日> WH/三菱商事 2号機 117.5万KW <1979 12月 5日> WH/三菱商事 高浜原発: 1号機 82.6万KW <1974 11月14日> WH/三菱商事 2号機 82.6万KW <1975 11月14日> 三菱商事 島根原発: 1号機 46万KW <1974 3月29日> 日立 伊方原発: 1号機 56.6万KW <1977 9月30日> 三菱重工
玄海原発: 1号機 55.9万KW <1975 10月15日> 三菱重工 東海第2 : 1号機 110万KW <1978 11月28日> GE/日立/清水 ふげん(新型転換炉) 16.5万KW <1978 3月20日>
(つづく)
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早野龍五、坪倉正治氏らの
・・・ についての疑問 (14)
4.預託実効線量というものの問題性(続11)
6.2. 長期被曝状況における防護措置に関する判断
長期被曝状況において 個人の被曝線量は 必ずしも正確に評価することができず、事故時の条件、 生活地域の地理条件や生活様式に応じて 多様な被曝経路が存在し、また 対象となる個人の特徴に
応じて 放射線感受性が異なるため、これら全ての不確実さを 適切な範囲で考慮し記述するための
一般的な方法は存在しない。
例えば、ある地域の汚染状況は モニタリングによって 一般的に描写できるが、これまでに述べてきた
類の不確実さが存在するため、この描写結果をもって 当該地域の汚染状況を代表することは 必ずしも
適切ではない。 もし こうした描写を入力とし、第3章で示したような介入 レベルに基づいて 措置を実施した
場合、その措置は 当該地域の住民に対して 等しい被曝低減効果をもたらすが、残存線量や健康影響
に関しては 不平等な結果を与えることとなる。 すなわち、被曝線量や健康影響の程度に 分布が存在
するため、等しく措置を導入しても、もともと受けていた影響の大きな個人 と 小さな個人では 残される
影響が異なることになる。 このため、放射線防護措置については、放射線被曝に起因する健康影響の
予防や低減を目的とする性質上、措置を 平等に導入するよりも 個人に生ずることとなる被曝線量や
健康影響を 一定に保つことの方が重要であり、合理的であると考えられる。
このように考えた場合、長期被曝状況での対応において必要なことは、 現実に 個人が受けている被曝 線量を正確に評価することと、残存する影響を 一定に保つための目標となる基準の設定である。
線量の評価については、地域や個人を特定して 局所的な観察を行うことで対応できる可能性があること
を既に述べた。 一方、目標となる基準については、防護体系上、参考レベルが 同役割を果たすものと
考えられるが、チェルノブイリ事故後の状況に基づき分析したように、同レベルは、防護措置の導入に関する
判断だけでなく 社会的・経済的な補償とも関連付けて認識される可能性があるため、これらの判断との
関連において 個人の被曝線量を 合理的に達成可能な範囲において低減すべき目標を検討しなければ
ならない。 例えば、チェルノブイリ事故後の状況では このような基準として 1 mSv/年が採用されているが、
“規制されている線源”の線量限度⋆ として用いられている同値を “規制されていない線源”である原子力
事故による被曝へ適用することは放射線防護の観点からは不適切である。
⋆ 第2章及び第4章で述べたように、線量限度は あらゆる “規制された線源”による個人への追加線量
を制限するために計画段階で用いられる基準であって、原子力事故のように “制御可能かつ規制され
ていない線源”に適用される基準ではなく、まして 放射線被曝による安全と危険を区別する役割を担う
ものではない。
したがって、健康影響の程度 或は 社会的・経済的な補償のための基準として 1 mSv/年を採用する
根拠は、放射線防護の観点から考えると 必ずしも明確ではない。一方で、ICRP は 予防原則に準じて
LNT(linear-non-threshold)仮説を健康影響評価に採用しており、どれだけ低線量であっても 影響が
生じる可能性は否定できないことになるので、たとえ 1mSv/年であっても、影響や汚染の有無を判断する
基準を設定した場合には、その基準を下回る被曝を無視する根拠が必要であろう。
このように長期被曝状況において参照される 防護措置の導入に関する基準は、多様な判断や目標
としての役割を担うこととなり、必ずしも 放射線に起因する健康影響の程度や経済的な費用便益分析に
根拠を求めることは困難であり、科学的 及び数量的に根拠付けることができない性質を有している。
このような状況では、 他の観点から判断の根拠が示されるべきであり、決定の正当性を担保する必要が
ある。 5.2で紹介したThe Villigen Workshopの議論では、このような正当性について、汚染地域に生活
する住民のような非専門家を含む 多様な利害関係者が参加して 手続き的に付与する方法を検討して
いる。 “誰が参加するのか”、 “誰が運営するのか” 又は “結果がどのように利用されるのか” 等に
よって 決定の正しさは 大きく左右される。
例えば 意思決定会議の場合、国家レベルで防護措置の導入に責任を有する者が参加しているため、
同プロセスで決定された内容が 現実に実行される可能性が高いという点において実効的であり、また
必要な費用や得られる効果について考慮しているため効率的であるが、事故の影響を受けている住民
の意見を取り入れるプロセスがなく、一般的な措置の導入によって 結果としての不平等が存在する点を
考慮していない。 一方、ETHOS プロジェクトでは、汚染地域に生活している住民が 自身の生活環境を
自分たちの決定に基づいて改善することに成功しているが、意思決定会議のように防護措置の実施に
関する責任者が参加しておらず、必要な費用や資源の供給を前提としているため、実践的でなく、効率
の低い措置となる可能性も否定できない。
7. まとめ
原子力緊急事態の長期被曝は、“制御可能であるが 規制されていない線源” によって生じる被曝 であり、“制御可能で かつ規制されている線源” を対象とした従来の放射線防護体系では 適切に対応
できない被曝である。 各住民の被曝線量 及び健康影響を 一般的に記述する方法はなく、汚染地域の
地理的条件や生活条件に応じて 多様な被曝ネットワーク が存在するため、被曝線量や影響の程度には
不確実さがともなっている。
また、防護措置などの対応における判断にも 放射線による健康影響の程度に基づく判断と、社会的・
経済的な特典や補償の必要性に関する判断が混在しており、これらの判断について 独立した基準を
設定することは 困難である。 長期被曝状況では、不確実さをともなった状況の記述を入力として、単一
(あるいは少数)の基準により 多様な内容について判断しなければならない。
このような状況では、状況の適切な記述が求められるとともに、対応の判断について 科学的及び数量的
な方法以外にも 判断を正当化するための方法を確立しておく必要がある。 状況を適切に記述する方法
の一つは、不確実さの原因となっている過度な一般化を見直すことである。
例えば、チェルノブイリ事故後の事例でも示されているように、局所的な観察事実に基づき、限定された範囲
で住民の生活様式に即した評価を行い、状況を正確に記述して 必要な防護措置を導入することで、
効果的かつ継続的な放射線管理が可能である。 このような場合、汚染地域の住民は、自身の被曝線量
の評価や放射線管理における主体としての役割を果たすこととなる。
また、多様な要因を考慮しなければならない状況での判断に際して、その根拠を 合意形成という形式に
よって手続き的に与えておくことが可能である。 このような手続きを 多様な利害関係者の参加の下で
行えば、網羅的 かつ民主的に判断の根拠を付与することができる。 ただし、長期被曝状況における
あらゆる事柄が 手続き的に正当化されるわけではなく、健康影響の発生確率が 十分に高いと思われる
状況の判断、或は 極端に効率が低く かつ不必要な防護措置の導入など 確定的に言及可能な事柄に
ついては、科学的な知識や費用便益分析に基づく専門家の判断が求められるべきである。
以上
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
(つづく)
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早野龍五、坪倉正治氏らの
・・・ についての疑問 (13)
4.預託実効線量というものの問題性(続10)
以下、チェルノブイリについての章
4. チェルノブイリ事故後の長期被ばく状況と防護措置の実施 .............................................. 21
4.1. チェルノブイリ事故後に実施された防護措置 4.2. チェルノブイリ事故後の対応に用いられた基準
4.3. チェルノブイリ事故後の管理と対応に関する考察 ........................................................26
5. 長期被ばく状況において実施された復旧プロジェクト ..........................................................45 5.1. チェルノブイリ事故後に実施された復旧プロジェクト ⋆ 5.1.1. ETHOS プロジェクト
5.2. 放射線防護に関する意思決定プロジェクトを分析した事例 .......................................72
⋆ チェルノブイリ事故によって 広範かつ長期にわたる影響がもたらされ、特に 欧州諸国は 大きな影響を
受けている。こうした経験から、EU では 大規模な原子力 或は放射線緊急事態による長期的な影響
に対して、国内的 或は 国際的に対処するため調整すべき、以下のような反省点を提示している
(EU ホームページ: http://cordis.europa.eu/fp5-euratom/src/part1.htm)。
・・・ これらの問題点を改善するために、EU は これまで 5期にわたる研究プログラムを実施している (第1期:1985〜89、第2期: 90〜91、第3期: 92〜95、第4期: 94〜98 及び第5期: 98〜2002)。
このうち、本節で 概要を述べる ETHOS プロジェクトは 第4期に実施されたプロジェクトである。
は割愛して、
6. 長期被曝状況に関する論点のまとめ
に飛びます。
6.1. 長期被曝による影響
(1)被曝状況の記述 原子力緊急時の長期被曝状況のように、住民が汚染地域で継続的に生活している場合には、日常生活 の諸活動を通じて被曝が発生している。 このような状況では、生活様式に応じて 被曝線源や経路が異な
っており、個人の特徴に応じて 放射線感受性も異なるため 一般化された方法で 個人の健康影響を評価
することは困難である。 また、モニタリング の結果も 時間的及び空間的な区分に依存して データが変動する
ため、線量評価で要求される測定精度や枠組みに 適切でない可能性がある。従って、各個人に必要な
防護措置を 一般的な観察方法や評価方法に基づいて判断することは 現実には難しい。
個人に着目して対応する場合、被曝を引き起こしている線源に加え、受け手となる個人 と 被曝経路を 特定し、局所的な観察事実に基づいて 限定された範囲で 防護措置を導入することで、現実的な対応を
実施できる可能性がある。例えば、ETHOSプロジェクトでは 子供たちの生活様式や活動様式に基づいて
住民自身が 放射線の測定と被曝経路の特定を行い、被曝レベルや環境の汚染レベルに応じて対策を
実施することで 被曝状況の効果的な改善に成功している。
このような例に鑑みれば、長期被曝状況に対応する方法の一つは、局所的なモニタリング の実施 と 限定
された範囲での措置の導入である。また、住民は防護措置を受ける対象としてだけでなく、必要なモニタリング
や措置の導入における主体であるとみなされるべきである。
ただし、上記の議論は モニタリングや措置に必要な資材等に加え、機器の使用や措置の実施に関する 知識を有する人材が 十分確保できることを前提としており、こうした前提の妥当性を確保するためには
一般化された費用便益分析 や 当局による措置の平均的な実施も考慮する必要がある。
※ 【論考資料】エートス・プロジェクトについて 2012年7月19日
※ ベラルーシとノルウェーの被災地訪問の報告会 2013年2月17日
※ 1)http://echoechanges-echoechanges.blogspot.jp/2012/07/blog-post_409.html
2)http://echoechanges-echoechanges.blogspot.jp/2012/07/blog-post_16.html (2)影響の評価
評価の指標と範囲 防護措置の導入には、目的に応じて 適切な指標を選択する必要がある。 例えば、土壌の汚染濃度は 汚染地域の特定に適した指標であるが、汚染の程度に ばらつきがあり、被曝経路や放射線感受性も
生活様式や個人の特徴に応じて異なっているため、個人が受けている被曝の程度を直接反映することは
難しい指標であって、放射線による健康影響を 同指標のみを用いて適切に管理することは難しい場合が
ある。 又、被曝線量の評価に用いる線量概念に応じて、評価に含まれる住民や時間的な枠組みが異なる
ため、評価の目的に応じて 適切な線量概念を指標として採用する必要がある。
例えば、回避線量を用いて 防護措置の導入・継続を判断する場合、同指標による評価に含まれている
のは 防護措置の対象となる住民が措置を実施している期間に 回避可能な線量だけであり、その防護措置
の対象とならない住民が受けている線量や、防護措置が終了してから措置の対象となっていた住民が
受ける被曝線量については 評価に含まれていないことになる。
第5章の意思決定会議を例にとると、同会議で提案されている計画案では 防護措置を 2 rem(20mSv) で導入した場合に回避できる線量と措置に必要な資源を比べて 計画案を最適化しているが、措置の対象
とならない住民が受けている 2 rem 未満の被曝は 最適化過程において考慮されていないことになる。
なお、意思決定会議では “影響を受けていない地域”の公衆受容を評価することで、この影響を評価して
いるとも考えられるが、チェルノブイリ 事故後の事例でもみられるように 影響の有無に関する判断は恣意的な
ものであり、その線引き自体が問題となっているのであって、必ずしも適切に “影響を受けていない地域”
の受容性を抽出できるとは限らない。
また、受容性を議論する場合には前提として、防護措置を実施することによって生ずる社会的な影響や
実施後に残される健康影響に関して 十分な知識や情報が住民に対して提供されている必要があり、むしろ
こうした条件を満たすことの方が困難であるとも考えられる。
この他、第3章において紹介した各国際機関や各国の移転に関する基準は 回避線量によって示されて いたが、事故後の各国 や ETHOS プロジェクトでは 年線量(残存線量)も基準として用いられている。
ETHOSプロジェクトに参加した Olmany村の住民達が疑問を抱いているように、長期被曝状況では 汚染地域
での生活によって受ける被曝や健康影響の程度が問題になるのであり、措置を導入することによって影響
を どれだけ回避できるかに関する問いではない。 回避線量は ある防護措置の便益を反映しているが、
その状況において住民が受けている被曝の程度や健康影響の深刻さに関する疑問への対応には適して
いない。むしろ 住民の疑問に応えるためには、回避線量だけでなく 汚染によって追加された線量や残存
する線量の程度など 状況を記述するために適した線量を用いる方が、措置の導入に対する理解が得られ
やすいと考えられる。
評価に伴う不確実さ
線量評価や健康影響評価の結果は、常に 不確実さを伴っている。 例えば 線量評価の場合には、 入力データのばらつきや偏り、知識不足によるモデルの不十分さ、或は 過度な一般化や平均化を含む
事故条件( 事故シナリオ、気象条件 )や社会条件( 人口分布、年齢構成、利用可能資源、地理的条件
など )に応じて 評価結果は変化する。 こうした不確実さに関する情報は、防護措置の導入や解除を決定
する際に 適切に考慮されるべきである。
例えば、ETHOS プロジェクトで確認されたように 汚染地域で入手可能な食品類は 放射性物質によって 汚染されている可能性があり、その汚染レベルは 食品の放射線感受性や生育環境に応じて異なっている。
例えば、キノコやベリー、並びに 肉類(鶏、豚、牛及び魚)は 放射線感受性が大きく、高いレベルで汚染
されている品物が存在する。 これに対して、他の野菜等は 感受性が低く汚染レベルも相対的に低い。
また、高感受性食品の中でも 個体によって 汚染レベルが大きく異なるもの(例 キノコは最も汚染された
ものと汚染されていないもので、放射線レベルが400倍異なっている )と、汚染のレベルが 個体間で ほぼ
一定程度となっている食品が見受けられる。
これらの分布は、各食品の放射線感受性の程度と、生育環境における放射線暴露量によって生じている ものであり、例えば キノコ等の植物類の場合であれば、土壌中の放射性核種濃度や、土壌から個体への
放射性核種の移行等に関する知識に基づき 食物中の汚染濃度を評価できる。
しかし、生活様式や環境条件に応じて 摂取される食物が異なれば 被曝経路も変化するため、食物中の
汚染濃度を正確に評価しても、必ずしも 汚染地域で生活する住民の被曝へ適切に対応できるわけでは
ない。 この食物摂取に関する被曝の例では、いくつかの異なる性質を持つ不確実さが関与している。
一つは、土壌から個体への放射性核種の移行のように、移行先の個体 と 放射性核種、その他 土壌や 個体中の核種濃度等を特定しておけば 実験によって知識を蓄積することで、専門家によって 不確実さの
程度を小さくできる類のものである。もう一つは、住民の食文化のように、地域文化や個人の選好に依存
する類の不確実さである。 各食品の汚染濃度を特定することができたとしても、地域や個人に応じて食卓
に並ぶ食品類は異なっているので、個人の被曝線量を評価するためには これらの点も特定しなければ
ならないのである。 また、もし これらの点を調査し、汚染食品類を特定することができても その地域で
入手可能な食品は限られたものだし、非汚染地域から “きれいな食品類”が提供されたとしても生活様式
や 文化的な側面を変化させることなく 被曝管理を行うことは困難である。 ゆえに、被曝線量の評価に
おいても、また 防護対策の導入/継続においても、地域住民による主体的な活動は欠くことのできないもの
であり、汚染地域における 現実的な生活を反映した網羅的な評価や持続可能な放射線管理において、
住民は 主体的な役割を果たす存在として認識される必要がある。
資料1〜4 原子力施設等防災専門部会 平成23年11月1日
(つづく)
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早野龍五、坪倉正治氏らの
・・・ についての疑問 (12)
4.預託実効線量というものの問題性(続9)
ひきつづき 日本原子力研究開発機構の 2010年3月の報告書:
事故時の住民の「移転」について、国際機関 や各国が どのような基準を設けているか?
について述べています。
移転の定義:地表面に沈着した放射性物質による被曝を回避するために、汚染地域の住民を
非汚染地域へ移動させること。汚染地域への復帰まで数ヶ月から数年を要する。又、
生涯に予想される線量によっては 永年的な移転も選択肢の一つ。
ICRP は単位時間あたりの移転継続費用a と単位集団線量の費用α を表 3.2 のように評価し、
移転が最適とされる線量率の範囲は 月あたり 5 〜15mSv とした(1991b,)。ただし、ICRP は防護措置
の導入費用と継続費用を区別して扱うと混乱を招く上、区別したとしても導出される介入レベルは 大きく
異ならないと考えており(1991b)、Publication 63 での議論は、移転の導入、継続 及び解除を区別せず
に論じていることに注意すべきである。
本報告書でも チェルノブイリ事故時の判断基準を分析して述べるように(4.3 参照)、移転の解除に用い
られる基準には 社会的 及び経済的な補償に関する判断も含まれることになるので、(1)式で定式化した
正味便益に基づく費用便益分析だけでは 必しも適切な基準を決定できない。 移転の解除については、
解除に伴い汚染地域に復帰した人々が受ける被曝の程度や被災者に対する補償や保護対策等に
必要な費用も含めて考察する必要がある。
費用便益分析による介入レベルの考察は、IAEAでも実施されている(IAEA, 1994)。 IAEA は、移転を
開始した最初の月に 必要な費用として 平均400〜900 ドル、単位集団線量の費用α を10000〜40000
ドル/Sv として、(3)式を用いた以下のような考察に基づき、最初の月に 10〜数10mSv を回避できるなら
ば 移転は正当化されそうであるとした。
・・・
移転が正当とされる介入レベルの算出では、1 人当り一回の移転に必要な費用を10000〜30000 ドル
と仮定し 250mSv〜3 Sv の範囲にあるとした。 これらの分析を基に Safety Series No.115(IAEA, 1996)
では、移転の導入について 30 mSv/月、解除について 10 mSv/月を 最適な介入レベルとしている。
また、1〜2年以内に この介入レベルを下回らない場合には、移住を検討すべきであること、生涯線量
1Sv が予想される場合も移住を考慮すべきであると勧告。
欧州委員会は、移転の導入と復帰に関するガイダンス(EC, 1993)を示し、その中で月当り 10mSv
の線量率を超える場合には、移転を維持しなければならず、それが 数年に及ぶ場合には 移住も考慮
しなければならないとしている。 また、生涯回避線量が 1Sv を超える場合は、10mSv/月の線量率に
至らなくとも移転は 正当化されるとしている。
欧州諸国のうち、ドイツでは、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)が発行した「原子力施設
周辺地域での災害対応に対する基本勧告」(1999)において、一時的な移転の介入レベルとして
30 mSv/月を、また生涯にわたる移転の介入レベルとして 100mSv/年を示している。一時的な移転に
対する 30mSv/月は、短半減期核種(例えば、放射性ヨウ素)による被曝仮定したものであり、これらの
核種による被曝は 物理的な減衰や環境による洗浄効果によって 時間とともに減衰するため、生涯に
わたる移転の100mSv/年よりも 30mSv/月の方が低い線量レベルであると BMU は述べている。
英国では、放射線防護庁(NRPB)、現在の保健保護庁(HPA)が「事故後の復旧に対する介入」 と
題する報告書で長期防護対策について記述している(1997)。同報告書では 長期防護対策を復旧対策
と呼び、環境への放射性物質の放出を伴う事故後の長期的な防護戦略を策定するために、必要な
資源と導入による混乱の程度および線量の低減効果の観点から復旧対策を表 3.3 のように 3つに
区分して、表 3.4 の基準を示した。ICRP、IAEA 及び EC の考え方に基づき、短半減期の放射性核種
による被曝線量として月当り 10mSv が移転の必要性を決定するための上限値として適切であるとした。
また、あらゆる形態の復旧対策に適用可能な上限値を生涯実効線量 1 Sv であるとしている。
米国では、米国環境保護庁(EPA)が発行した防護指針(PAG)マニュアル(EPA, 1992)において、
最初の年の地表面沈着からの外部被曝と再浮遊物質の吸入による預託実効線量が 2rem(20mSv)
以上と予想される場合には、移転が正当化されるとしている。さらに、長期的には 次年以降は どの1年
も 0.5rem(5mSv)を超えないこと、50 年間での積算線量が 5rem(50mSv)を超えないことが目標と
されている。PAGマニュアルは 2010 年2 月現在改訂作業中でありが、改訂版には 事故後の復旧に
関する記述も加えられる予定とのことである(DeCair et al., 2007)。
この他、フランスでは これまでのところ長期防護対策の指針が示されていなかったが、現在、広範な
検討が行われているところである(Matouk et al., 2009)。 また、オーストラリアでは IAEAの勧告を適用
している(ARPANSA, 2004)。
表 3.1 移転に関する判断基準(表中の線量は、断りのない限り回避線量)
一時的な移転 生涯にわたる移転
ICRP(1991b) >1Sv:つねに正当とされる 5-15 mSv/月:最適な範囲
IAEA(1996) >30 mSv/月:正当とされる >1 Sv:生涯予測線量 <10 mSv/月:解除
EU(1993) >10 mSv/月:正当とされる >1 Sv:生涯回避線量 英国(NRPB, 1997) >10 mSv/月:正当とされる >1 Sv:生涯回避線量 ドイツ(BMU, 1999) >30 mSv/月:外部実効線量 >100 mSv / 年:外部実効線量* 米国(EPA, 1992) 2 rem(20mSv)/ 年:1 年目 (予測線量) オーストラリア(ARPANSA, 2004) >30 mSv / 月:最初の月 >1 Sv:生涯予測線量 >10 mSv /月:以後
* 地表面に沈着した長半減期核種からの被ばくを仮定
※ 5-15 mSv/月・・・6.94〜20.8μ㏜/h、 10 mSv/月・・・13.9μ㏜/h
緊急時環境放射線モニタリングやSPEEDIネットワークシステムによる予測結果などにより、
住民が受けると予測される実効線量 又は 等価線量が一定のレベル(防護対策指標)を超える
ような場合には、地域住民の屋内退避、コンクリート屋内退避、避難の指示が出されます。
と、諸外国に比べて 曖昧です。
その上、 実際は 予測線量で 屋内退避や避難指示が出たのではなく、
のごとくでした。
Q.10は、新たに発足した原子力規制委員会のHPにある 「原子力防災 Q&A」 です。
規制委員会は、福島第一原発事故における実際について 一言もなく、
安全委員会の文面を引き写しています。
規制委員会自らが
このコーナーでは 原子力防災に関する様々な疑問に対して 解りやすくお答えします。
と述べているように、ここに 規制委員会の感覚が 「解りやすく」現われています。
※ 500マイクロシーベルトで即時避難 原発事故、避難基準合意 - MSN産経
2013年1月21日 原子力規制委員会の検討チームは21日、原発事故が起きたときに即時に住民を避難させる
放射線被曝線量を毎時500μ㏜などとする基準で合意した。 国際原子力機関(IAEA)の毎時
1000μ㏜よりも厳しい基準とした。 2月中に原子力災害対策指針に盛り込み、3月末までに
関係自治体がつくる防災計画などへ反映させる。
基準では、主に 原発の半径5〜30キロ圏の住民避難を想定。 5キロ圏内は、原発で 全交流
電源が 5分以上停止した場合などに 避難を準備し、原子炉を停止できない事態などに避難する。
事故から数時間以内に取る対策として、放射線量が毎時500μ㏜となった場合、避難や屋内退避
を実施。 また、毎時0.5μ㏜を超えた地域では、食品中の放射性物質濃度を測定し、基準を
上回る場合は 摂取制限を行う。
東京電力福島第1原発事故では、IAEA基準の 1千μ㏜は 原発敷地内で観測されただけで、
「 放射線量の高い地域で 即時避難を実施するための基準としては高すぎる 」とみなされた。
福島第1原発事故で、計画的避難区域の設定が遅れた反省から、毎時20μ㏜となった地域を
1日以内に特定。 地元産の食品摂取を制限し、1週間以内に一時避難する。
今後は 放射線計測器での測定値が基準を超えれば すぐに避難指示を出せる。従来の指針で
は、避難基準を 年50m㏜などと定めていたが、事故発生直後に判断しづらいため、避難が遅れる
などの問題があった。
(つづく) |




