混沌の時代のなかで、真実の光を求めて

現代に生きる私の上に 仏法は何ができるかを 試そうと思い立ちました。//全ての原発を 即刻停止して、 別の生き方をしましょう。

放射性物質

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索
  早野龍五、坪倉正治氏らの
  ・・・
 についての疑問    (11)
 
 4.預託実効線量というものの問題性(続8)
 
  再び、日本原子力研究開発機構の 2010年3月の報告書:
 を見ていきます。
 
  福島第一原発事故が起こる前から、原子力推進勢力は 事故を想定した 様々な対策を
 用意していたことを示す文書です。
 
  3. 長期的な放射線防護措置とその判断基準
  3.1. 放射線防護措置の目的

   原子力 及び 放射線緊急事態における防護措置の基本的な目的は、短時間で高線量に達するような
    厳しい線量率に曝されている個人の 確定的影響の防止と、より低い線量率で生ずる確率的影響を
    可能な限り低くすることである。 また、被曝が長期にわたって継続する場合には 社会活動や経済活動
    の常態への復帰も 防護措置の目的の一部である。
      本章では、これらの観点の内 確率的影響の低減を 主な目的とする長期的な防護措置の導入
    ついて記述する。なお、本報告書において 防護措置と防護対策は区別して用いられる。防護措置とは
    被曝を低減するために実施される個々の活動 (例えば、移転、除染、飲食物摂取制限のそれぞれ)を
    意味し、防護対策とは 複数の防護措置を組み合わせて実施されるものを意味している 注3)。
      注3) Publication103 でも、個々の防護措置に関する最適化よりも、これらの防護措置を組み合せて
       実施される総合的な対策案の最適化を実施するように述べるなど(ICRP, 2007)、措置(action 或は
      measure)と対策(strategy) を区別して用いている。
 
  3.2. 長期的な放射線防護措置の種類
   原子力事故後の時間区分は、事故の発生から放射性物質の放出までの期間、放射性物質の放出から
    数日程度の期間、及び 数週間後以降の期間に分けられる。
    長期被曝状況とは、この内 事故から数週間以降の期間のことである。この段階での被曝経路は 主に、
  地表面沈着核種による外部被曝、汚染食物の経口摂取による内部被曝に加え、地表面から大気中へ
    の再浮遊核種の吸入による内部被曝も含まれている。  これらの被曝経路に対する防護措置には、
    個人に対して介入することで 被曝を防ぐもの(移転、立入制限)と 線源や被曝経路への措置により
    被曝を防ぐもの (除染、飲食物摂取制限) がある。
 
      以下、これらの措置について簡単にまとめる。
   (1) 移転
      移転とは、地表面に沈着した放射性物質による被曝を回避するために、汚染地域の住民を非汚染地域
  へ移動させることである。 移転と避難は 同様の措置であるが、事故後の導入時期 及び 退避期間が
    異なるので、基本的に 両者は 異なる防護措置である。 避難の場合、住民は宿泊施設や学校等の
    公共施設に 一時的に 数日間滞在するのみであるが、移転の場合、汚染地域への復帰まで数ヶ月から
    数年を要する。又、生涯に予想される線量によっては 永年的な移転も選択肢の一つとして考えられる。
      移転には 高い放射線回避効果を期待できるが、個人の日常生活や共同体での活動が断絶してしまう
    ため 社会的・経済的な混乱や心的なストレスを引き起こす可能性もある。
   (2) 汚染地域の除染
       汚染地域の除染は、一般的に浄化作業が終了すれば 徐々に活動を再開できるため、地域を長期間
     閉鎖する立入制限 や 移転よりも 混乱の少ない措置である。
     除染の目的は、汚染された土壌からの被曝の低減、人や動物への放射性物質の移行の低減、放射性
  物質の再浮遊や汚染が拡大する可能性の低減である。特に、特定の社会基盤を利用する人々や汚染
  地域の作業者に関して 比較的大きな被曝低減効果を期待できる。
  (3) 飲食物摂取制限・農業対策
   事故で環境中に放出された放射性物質が 飲食物に移行し、これを摂取することで内部被曝をもたらす
  可能性がある。この被曝経路に対する措置としては、
    汚染された飲食物の摂取を直接制限する飲食物摂取制限と、汚染された空気、土壌 及び飲料水から
    放射性物質が食物連鎖を通して移行することを制限する農業対策などがある。
    飲食物摂取制限は 各食品に対する介入レベルを設けて 汚染食品の流通や消費を禁止することで達成
    できるが、代替食品の供給、加工品や原材料のモニタリング、汚染食品の処分、食品生産者に対する
    補償等、費用を要する措置である。
      放射性物質の食物連鎖中への移行の制限には、例えば 土壌から植物への移行制限に対しては
    深部耕作、施肥、客土などの農地の処理が考えられ、また 畜産物への移行制限には非汚染飼料の
    給餌、特定の放射性核種の固定 或は排出促進のための薬剤供与などの措置が考えられる。
 
   3.3. 放射線防護対策の計画と実施
   3.3.1. 防護対策の計画及び実施に用いられる線量
   原子力 及び放射線緊急事態における個人の被曝線量は、防護措置を実施しない場合に予測される
  被曝線量(予測線量(projected dose))、 防護対策の実施後に 個人が受ける被曝線量(残存線量
  (residual dose))及び 防護措置によって低減された線量(回避線量(averted dose))として記述できる。
     予測線量、残存線量 及び回避線量の関係を図 3.1 に示す。
       予測線量は、防護対策の検討において 最初の入力データとなる線量である。この線量は 緊急時の
     被曝レベル と 汚染の空間分布 及び人口分布の推定に利用でき、支配的な被曝経路や核種の検討、
   対策に必要な人的 及び経済的な資源の評価等に利用可能である。
       残存線量は、対策後の放射線状況を記述したもので、参考レベルを用いた防護対策や放射線状況
     の最適化において重要な役割を果たす線量である(3.3.2 )。 一方、従来のPublication 63(1991b)に
     基づく考え方では 回避線量が重要な役割を果たしており、個々の防護措置による回避線量で表される
   介入レベルが 措置の導入に用いられている。 現在、各国は 防護措置の導入基準を介入レベルで設定
     しており、ICRP Publication 63(ICRP, 1991b)や国際原子力機関(International Atomic Energy Agency:
     IAEA) のSafety Series No.109(IAEA, 1994)に準じた値を採用している。
      しかし、既に述べたように、回避線量は 各防護措置の効果を記述するために便利であるが、個人
     が受けている被曝線量や措置の導入後に残される被曝成分については記述することができないため、
  予測線量や残存線量のような概念と相補的に用いるべき線量である。従って、個々の防護措置の効果
  を確認するために介入レベルが有効であると同時に、防護対策の実施後の放射線状況に関しては、
  参考レベルを用いた状況の管理が求められる
 
  3.3.2. 参考レベルを用いた防護対策の計画と実施
     参考レベルに基づく防護対策の策定は、計画段階と対応段階に分けて実施される。 計画段階では
     予測線量に基づいて防護対策のスケールを特定し、推定される残存線量が 参考レベルを下回る程度
     となるように対策を策定する(図 3.2)。 また、実際に防護対策が実施される対応段階においては、計画
     段階に推定された残存線量と、現実に 個人が受けている残存線量には差があるものと予想される。
     このため、対応段階において 実際の残存線量を参考レベルと再度比較し、もし残存線量が参考レベル
     を上回るようならば 防護対策を見直して追加的な措置の導入が必要となることも考えられる。
       また、残存線量が 参考レベル以下ならば 当該防護対策によって 住民が受けることになる線量分布
     を より低い領域へとずらす等の詳細な最適化を実施する(図 3.3)。
     参考 レベルは、被曝状況に応じて値を設定する必要があり、ICRP Publication103では “緊急時被曝状況
     ”と“現存被曝状況”に対して、それぞれ 20〜100mSv/年 と 1〜20mSv/年の幅を持ったレベルを示して
     いる(ICRP, 2007)。 実際の対応では 上述の幅を参照しながら、必要に応じて 参考レベルの値を変更
     して対応や管理を実施する必要がある。
       例えば、第4章において示すように、チェルノブイリ事故後の状況では 放射線状況や社会状況に応じて
  必要な防護措置の選択肢が異なるため、対策の導入基準は状況に合わせて変化している。
 
   3.3.3. 個々の防護措置に関する介入レベル
    Publication 103(ICRP, 2007)では あらゆる経路を通じて 個人が受ける残存線量の総和に対して
     参考レベルを用いた被曝状況の管理を強調しているが、一方で、従来の介入レベルも 個々の防護措置
  の導入に関して 最適なレベルを検討する場合には 依然 有効な基準であると述べている。
    以下、国際機関 及び諸外国における各防護措置に関する介入レベルの導出方法を示す。
   (1) 移転
       長期的な防護措置の一つである移転の導入基準として、国際機関 及び諸外国が採用している介入
     レベルを表 3.1 に示す。 ICRP は、Publication 63 の中で 約 1 Sv という平均回避線量が移転に対して
     ほとんどいつでも正当とされるレベルとして 利用可能であろうと述べている(ICRP, 1991b)。
       この考え方の根拠については 特に述べていないものの、Publication 60(ICRP, 1991a)による職業人
     の線量限度が 5年で 100mSv であることを考慮すれば、生涯約 1 Sv の回避線量は 生涯を50年とした
     場合の職業人の線量限度に相当し、リスクの観点から 移転を ほとんど 常に正当とするレベルである
     ことは理解できる。 しかし、もっと低いレベルでも正当とされる場合もあるだろうし、非常に重大な事故
     の場合には このレベルより さらに高くなるかもしれないとして、明確な指針は示されていない。
        移転を含む長期の対策を必要とする状況は きわめて多様であり、事故後の状況を評価できるように
     なった段階で 利用可能な選択肢の中から 最良のものを選ぶことが望ましい。
     しかし、公衆への情報提供 と 助言が遅れると 不安の原因となるので、事前に指針の要綱を作成して
     おく必要がある。
       Publication 63 の付属書では、移転に関する最適化の例として、以下のような単純な費用便益分析を
     用いて考察を行っている(ICRP, 1991b)。 
     ・・・
 
                           (つづく)
  早野龍五、坪倉正治氏らの
  ・・・
 についての疑問    (10)
 
 4.預託実効線量というものの問題性(続7)
 
  日本政府は、被曝住民の処置について、2011年3月21日 ICRPの声明を受け、2007年勧告
  の 「参考レベル」 を採用することによって、彼らを その地に住み続けさせる意思を固めた
 ようですが、その間に 政府内でも 相当の混乱があったようです。
 
  先の記事(11) で確認したように、文科省が 福島県に発出した文書で この「参考レベル」
 を適用することを、緊急事態とは言え 一方的に表明したのは、4月19日のことでした。
  そもそも、このような重大決定は 原子力災害対策本部長(菅首相)自らが 国民に向って
 語りかけるべきもので、室内で こっそりオナラをして知らんぷりするように、文科省が 一通
 の行政文書で 「 福島県教育委員会等に発出 」すべき性格のものではないはずです!
   ( この不明朗な文書を発出した経緯については、もっと究明されてしかるべきことです
 
  この20m㏜発出の件に関しては、4月29日に 小佐古敏荘内閣参与が、
 
   この数値 (校庭利用基準の年間20m㏜) を、乳児・幼児・小学生にまで求めることは、学問上の見地
     からのみならず・・・私は 受け入れることができません。参与という形で 政府の一員として容認しながら
     走っていった (基準値引き上げを強行した) と取られたら 私は学者として終わりです。それ以前に自分
     の子どもに そういう目に遭わせるかといったら絶対嫌です。・・・
 
    と、涙ながらの 奇妙な記者会見をして辞任したことは、福島の人々に ある覚醒をもたらした
  と言われます。  http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80519.html#more 辞任・記者会見資料
 
   何故なら、すでに 現地では、
  3月19日 佐藤雄平福島県知事の要請で 福島県放射線健康 リスク 管理 アドバイザー に
    着いた 長崎大学の山下俊一氏が、着任早々から
 
   「 100m㏜まで放射線を浴びても大丈夫。今まで通り 子供を外に出して下さい 」
   「 放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。
        これは 明確な動物実験でわかっています。酒飲みの方が幸か不幸か、放射線の影響少ないん
        ですね。決して 飲めということではありませんよ。笑いが 皆様方の放射線恐怖症を取り除きます。 」
 
  と福島県内を講演して回っていたからです。  緊急ひばくしゃ対応支援 活動状況
  氏は、5月3日の二本松市の講演で、
 
     どのように対応すれば 福島を崩壊させずに済むかということが 私が最も腐心した点で・・・
    福島の方々が今、最大に晒されている危険は何かというと、この『風評被害』と『精神的な
   ダメージ』 ・・・  100m㏜以下では 明らかな発ガンリスクは 起こりません。
 
   と語ったと言います。  
 
    氏が、3月18日 自衛隊のヘリで 福島に入った経緯を、
   には、
 
    山下氏 地震直後には 大津留先生と高村昇先生を派遣して大丈夫だと思っていました。しかし
     大津留先生からの電話で、福島県立医大が浮き足立っている、先生方がパニックになっている
     と報告を受けました。 そこで 18日の夜に福島県からの要請で現地に行くことになりました
        熊谷氏 最初の頃、県や国の出先機関などすべてが浮き足立っていました。県内の妊婦さんや
     子供たちを避難させた方が いいのではないかという話し合いが持たれて、そこに放射線の専門科
     として 私たちが呼ばれました。「 ヨウ素剤を みんなにすぐに飲ませた方がいいのではないか 」
           「 すぐに避難を 」という意見が相次いでいました。これは きちんと コントロールできる人が必要だ
           と思いました。
         山下氏 現地には 情報が入りにくく、混乱していました。ひょっとすると20kmでも不十分ではないか
           という話も、かたやありました。しかし 医療スタッフ や 県庁の職員が逃げ出したら終わりです。
           18日夜、医療スタッフたちを集めて話をしましたが、皆 不安の固まり。そんな中 県民がパニックに
         ならないようにしてくれと福島県知事から放射線健康リスク管理アドバイザーの任命を受けました
           これが 最初の役割でした。 20日からすぐに、県内各地を回り始めました。まずメディアに説明して、
     地元紙や地元のテレビ、ラジオに私の話を流してもらうようにしました。
    河野氏 福島県では 放射線のことを ご存知ない方が多かったと思いますが、医療スタッフの皆さん
           の反応はいかがでしたか?
    熊谷氏 もちろん 放射線科の先生はいらっしゃいますし、緊急被曝に対する建物やマニュアルも
     整備されています。しかし、国も含めて 現実問題として捉えられていなかったので、院内にどういう
           体制を立ち上げるのか、実際に 誰がどう動くのかという話はできていませんでした。実際に動いて
           いく中で、実態に合うように 何度も修正を加えて マニュアルをつくりました。
         山下氏 何もない中で、自衛隊と一緒に ルーチンの動きを作っていたことはすごいと思いましたよ。
           非常事態の対応として、マニュアルを超えてやっていたことには 本当に感心しました。
         熊谷氏 僕たちが 最初に着いたとき、福島県立医大のみんなは 安心したのか、泣き出しました。
           その状況は 僕たちにとっても驚きでした。僕は ずっと5月の終わりまで 緑の冬服を羽織っていま
           したので、「 何かあったら緑の人に聞け 」が スタッフの合言葉になってしまい、冬服を脱ぐ訳には
           いかなくなりました。 福島県立医大のスタッフとともに 風呂も入らず、地べたに寝て、一番きつい時
     を過ごしてきました。
     山下氏 風呂に入れない日が続きましたね。3月21日に福島を離れるとき、医大の先生たちが
     僕たちのために ICU に 熱い風呂を作ってくれたんです。嬉しかったですね。長崎の人たちは 県も
           市も 医師会も 大学病院も 皆一緒になって支援にきてくれると、福島県の方たちは驚いています。
     そば屋で 長崎から来たと言ったら無料になったという話も聞きましたよ。
         河野氏 そうした中、4月2日に福島県立医大と協定を結びました。それからも ずっと医師をはじめ、
           看護師や放射線技師を 切れ間なく派遣して、長崎大学との仕事と両立されてきました。皆さんの
           頑張りは大したものだと感心しています。
         山下氏 向こうの医師や看護師の意識やレベルは 確実に アップしていると思います。
         河野氏 長崎大学病院から 医師の派遣は続けていく方針ですが、看護師の派遣は 7月いっぱいで
           終わる予定です。 現地での専門の看護師の育成は いかがでしょうか?
        吉田氏 5月から緊急被曝チームに専従の看護師を1人出してもらって、その方と一緒に 県立医大
     の放射線を知らない看護師たち向けに マニュアル を作りました。まだ 全体の看護師さんに浸透して
     おらず、実践に移すには ためらいがあるようです。
         山下氏 今、情報があふれています。問題なのは そこにいて 安全か安心かというギャランティー
           (保証)を誰がするかということ。 国が 計画的避難区域などを設定していますが、もはや 国への
           信頼が失墜している今、国を盾に話をしても 話がうまく通じません。 「安全」と言うより、「危険」と
     言う方が受け入れられます。大事なことは 県民一人一人の自立した判断。 原発事故の責任問題
           は別として、この困難な状況を 自分たちで どうするかをジャッジしないといけない。そのお手伝い
           をするのが、我々の役割です。 心配なら 県外への避難も一つの選択ですし、否定はしません。
         河野氏 長崎は原爆が投下されて悲惨な状態から、ここまで復興してきた事実がありますからね。
         熊谷氏 長崎で診療していると、被爆者の患者さんたちが自分たちの経験を伝えたい、そんなに
           恐れなくていいと教えたい、と口をそろえて言います。100年は 草木も生えないといわれた長崎の
     地で、子どもの時を過ごして、たくましく生き抜いてきたことを伝えたいと話していました。
    山下氏 私たちが 「安全」と言っているのは 学問的に根拠がないわけではなく、チェルノブイリや長崎
     の多くのデータに基づいて話をしています。このレベルは はるかに小さなリスクなんです。低線量
           の放射線を気にするあまり、精神的に不安になったり 鬱病になったり とそちらを懸念しています。
           原発が収束することが 第一ですが、今は どんなことを言われようとも、地道に 医療関係者や福島
           県民と向き合って 感情を受け止めるしかありません。広島、長崎の言葉を信じて耳を傾けてもらえ
           るかが一番重要になってきます。
    河野氏 この数カ月で 支援の内容は どのように変わってきましたか?
         山下氏 最初は 非常事態でしたので、外来も 緊急時の受け入れ態勢で対応していました。4月に
           入って平常時の業務に戻ってくると、限られたマンパワーで被曝医療を継続するのは難しくなって
     いるようです。 緊急時に備えた医療、さらに 住民の不安や不信がある中での 専門科の外来や
           対応を考える時期にきています。
         河野氏 今後、住民に広げていくための 新たな態勢づくりが必要になってくるわけですね。
          ・・・
         山下氏 20km圏内にあるJ ヴィレッジでの被曝医療を しっかりバックアップできる体制を県立医大
     で整える必要があります。まさに長崎の原研、広島の原医研、放射線影響研究所の体制整備に
     等しいものを作り上げていかないといけません。決して 箱ものを言っているわけではなく、そこに
           投入できる人材をリクルートして、そこで人材を養成できるかだと思います。全国に54基の原発が
     あって、絶対に安全とはいえませんし、同じことが 再び起きるかもしれません。10km のEPZ
     (緊急時計画区域)は 30kmになるでしょうし、それぞれの地域での緊急被曝医療の担い手は
     いないわけです。全国の研修や指導者を福島で養成していく必要があります。それには 長崎、
           広島、福島が力を合わせてパートナーシップを築くことが最低限必要だと思います。人材が 常に
           回れるようなシステムづくりを共にやっていきたいですね。
  
   と。
                           (つづく)
  早野龍五、坪倉正治氏らの
  ・・・
 についての疑問    (9)
 
 4.預託実効線量というものの問題性(続6)
 
   もう少し 日本原子力研究開発機構の 2010年3月の報告書:
  を見ていきます。
  フクシマにおいて、政府が 20m㏜/年を導入した背景を、ここに知ることができます。
 
                                                  23文科ス第134号     平成23年4月19日
                     学校の校舎,校庭,園舎及び園庭の利用の判断について, 現在,避難区域と設定されて
        いる区域,これから計画的避難区域や緊急時避難準備区域に設定される区域を除く地域の
        環境においては,次のように国際的基準を考慮した対応をすることが適当である
          国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication109(緊急時被曝の状況における公衆の防護
        のための助言)によれば,事故継続等の緊急時の状況における基準である 20〜100mSv/年
        を適用する地域と,事故収束後の基準である 1〜20mSv/年を適用する地域の併存を認めて
        いる。また,ICRPは,2007年勧告を踏まえ,本年3月21日に改めて「今回のような非常事態が
        収束した後の一般公衆における参考レベルとして,1〜20mSv/年の範囲で考えることも可能」
        とする内容の声明を出している。・・・
 
 
 2. 国際放射線防護委員会による放射線防護体系の 長期被曝への適用
 2.2. 長期被ばくを記述する
   線量の評価方法には 状況や目的に応じて 2つの方法がある。
  一つは、ある一つの線源に関連付けて評価する方法であり、これを 線源関連評価と呼ぶ。
  もう一つは、個人が関係する全ての線源に関連付けて評価する方法であり、これを 個人関連評価
  と呼ぶ(1991a)。  長期被曝状況における個人線量の全体像を記述する場合には、個人関連評価
  により 現存年線量を評価する。 また、ある線源によって追加される個人線量を記述する場合には、
  線源関連評価により 追加年線量を評価する。
           ⋆ P6 図2.1参照
   Publication101では、この評価体系を さらに拡張し、被曝状況を “通常被曝状況”、“現存被曝状況”
  及び “緊急時被曝状況”に分類して、状況に応じて 予測評価(prospective)と遡及評価(retrospective)
  を実施するように述べている(表 2.2)(ICRP, 2006)。
   Publication 103(ICRP, 2007)では、これらの被曝状況と規制の有無を組み込んだ線量評価体系を
  示すとともに、図 2.1 のような線源関連評価 及び 個人関連評価を提案して、これらの各カテゴリを
  線量限度、線量拘束値 及び 参考レベルと関連付けることで、Publication 101 の線量評価体系を
  放射線防護体系へと拡張している。
  
    “制御可能で規制されている線源” による “計画被曝”については、同線源の導入を計画する段階
  で、予測評価の結果 と 線量拘束値 及び線量限度が関連付けられ(ICRP, 2007,)、 “緊急時被曝” と
  “現存被曝”については、“制御可能であるが 規制されていない線源” による被曝が発見された後の
  対応段階で、遡及評価の結果 と 参考レベルが関連付けられる(ICRP, 2007,)。 ただし、表 2.2 に
  示したように、“通常被曝状況” における遡及評価に加え、“緊急時被曝状況” 及び “現存被曝状況”
  における予測評価も 目的に応じて実施されるべきである。
  表 2.3 に 各被曝状況と、線源の性質、線量評価法、評価される線量概念 及び管理・対応のために
  適用される基準との関係を示す。
            ※  “計画被曝”と“通常被曝”は 同義であるようにも思われるが、これらは明確に区別して理解
               すべきである。“通常被曝”とは、発生が合理的に期待できる被曝であり、1 か1に近い確率
        で起こることが予想される被曝のこと(ICRP,1993)。 一方、起こる可能性はあるが、起こること
       は確かではなく、その発生確率を推定することができるが 詳細に予測ができない被曝のことを
                “潜在被曝 ”という。 “計画被曝”は、“通常被曝”と“潜在被曝”のいずれも含む被曝のこと
       である(ICRP,2007)。
 
  2.3. 長期被曝へ対応する
   長期被曝状況において、個人が 高レベルの被曝を受けている場合には、これを低減するために
  介入を実施することができる。 従来、防護措置の導入には Publication63(ICRP, 1991b)で提案され
     た 介入レベルが基準とされてきたが、同基準は 防護措置の回避線量によって表現されているため
     介入を実施した後に 個人に残される被曝線量を考慮しておらず、線量を低減すべき目標を与えて
   いない Publication 60(ICRP, 1991a)による 従来の防護体系では、“規制された線源” により 個人に
     追加される線量は管理されているが“規制されていない線源”による線量に制限はなく、このような
   被曝成分が支配的な状況では 必ずしも個人の安全を保証できない。
 
    例えば、線量拘束値は “行為”(制御可能で規制された線源)による追加年線量に対して適用される
   基準であり、線量限度は こうした追加年線量の総和に対して適用される基準であるが、これらの基準
   によって “規制されていない線源”による線量成分は 管理できない。
    ICRPは この点を補足するために 一般参考レベルを提案している(1999)。  一般参考レベルは、
      現存年線量が高く 介入が 常に正当化されるような状況と、現存年線量が低く 介入が正当化されない
      ような状況を識別するために用いられ、現存年線量に基づく個人関連の評価体系 及び防護のアプローチ
    が期待される。
 
         しかし 既に述べたように、現存年線量には 性質の異なる線量成分が混在していることと、事故から
      長時間を経た後の線量レベルに対して 個人の活動を制限する対応が 必ずしも適切でない可能性が
      あるため、一般参考レベルによる介入の実施は 必ずしも適切な判断を下すことができない。
         Publication103(ICRP,2007)では、介入 レベル と 一般参考 レベル に加え、評価や制限の対象として
    これまでの勧告では 明示的に扱われてこなかった“制御できるが規制されていない線源”も考慮して
      新しい基準として 参考レベルを提案している(図 2.1、表 2.3)。
 
    既に述べたように、参考レベルは 主に 対応段階での遡及評価の結果と関連付けられる基準である
      ため、計画段階での予測評価と関連付けられる線量拘束値とは、実践上の意味 或は 合理的な利用法
      が異なっている。
       例えば、線量拘束値は、ある線源の導入時に引き起される個人線量の上限値を与えるものであるが、
      参考レベルは 必ずしも上限値としてではなく 個人線量を管理するための水準としての役割を果たす
      (第3 章参照)。 緊急時や現存被曝状況における線量は、線源が発見された時点で 既に 被曝が発生
   している可能性があり、また、事故条件の他に 社会的条件(人口分布、社会基盤の整備状況等)や
   環境条件(気象条件)に応じても変化するので、必ずしも与えられた線量の基準を超えないようにする
   ことが容易でない。このため、多様な条件に応じて 線量分布を最適化するために用いられるのである。
    逆に言えば、あらゆる条件、あらゆる状況に対して 一般的に適用できる参考レベルの値はなく、
      条件や状況に応じて “適切な”値を選択する必要がある。 参考レベルの選択に関する“適切さ”
    は 長期被曝状況における合理的な対応のあり方における検討課題の一つであり本報告書
   でも、チェルノブイリ事故後の対応の経験を基に この点について考察する。
            
       
     P5  表 2.1 被ばくと線源の分類
          表 2.2 異なる被ばく状況における線量評価の例(ICRP, 2006, Table 2.1)
                    表 2.3 Publication 103 による各被ばく状況の性質(ICRP, 2007, Table 4 に加筆)
                                         適用される基準
                     被曝状況    線源     評価     職業被曝   公衆被曝    医療被曝
       ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
      計画被曝状況   規制線源  線源関連   線量拘束値 線量拘束値 医療上の参考レベルd, e
                          個人関連      線量限度      線量限度         ―――
      緊急時被曝状況 未規制線源 線源関連   参考レベルa 参考レベル             N.A.b
      現存被曝状況     〃       〃          N.A.c          参考レベル             N.A.b
         ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
        a 長期的な状況の復旧は計画された職業被曝の一部として扱われるべきである。
        b “Not applicable”
        c 長期的な復旧作業からの被曝、或は 被曝を伴う地域での長期雇用については、
 それらが
         現存被曝線源に関するものであっても、計画された職業被曝として扱われるべきである。
        d 患者に対して。
        e 見舞い訪問者、介護人 及び 研究ボランティアに対してのみ線量拘束値を適用。
 
           P6    図 2.1 個人関連評価及び線源関連評価と対応する基準(ICRP, 2007, Fig.3)
 
   参考: ATOMICA
                  線量拘束値(最大許容線量・線量限度)            
 
                           (つづく)
 
  早野龍五、坪倉正治氏らの
 福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
 ― 福島第一原発事故 7–20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―
 
 についての疑問    (8)
 
 4.預託実効線量というものの問題性(続5)
 
  ■ ICRP 1990年勧告(Pub 60)から  2007年勧告(Pub 103)へ
 
  想定外とされた福島第一原発事故の丁度1年前の2010年3月19日、
 この事故を想定した報告書:
 を 独立行政法人『日本原子力研究開発機構』 が受理していました。
       ⋆ 文科省・経産省所管/予算:2191億円(2008年度実績) 
                       常勤職員:3955人(2010年3月31日現在)   Wikipedia
 
  その前文には、 
                         
  原子力緊急事態の長期被曝状況における放射線防護の計画 及び実施と その課題について検討した。
  原子力事故後の長期被曝は “制御可能 かつ 規制されていない線源” による被曝である。
  国際放射線防護委員会(International Commission on Radiation Protection: ICRP)のPublication 60
  に基づく 従来の放射線防護体系では、“制御可能 かつ規制されていない線源” からの被曝への適切
  な対応は困難である。そこで、ICRP のPublication 103 の枠組みをまとめ、チェルノブイリ事故後の
  防護措置 と その導入基準について整理し、事故後に実施された復旧 プロジェクト と意思決定 プロジェクト
  を調査して、長期被曝状況における放射線防護措置の導入や解除に関する決定の合理性について
  検討した。
  長期被曝状況での防護措置の導入においては、放射線による健康影響だけではなく 社会的・経済的な
  補償に関する判断を含む 多様な観点が混在しているため、状況の正確な記述 と 適切な対応が困難な
   状況である。このような状況での判断は、必ずしも 科学的 及び 数量的な根拠だけで 正当化する
   ことができない。これを正当化する一つの方法として、多様な利害関係者の合意に基づく手続き的
   な方法が考えられる。
 
 としています。
 
   原子力ムラは、自ら 「原発の安全神話」 を信じ込んでいたなどという迂闊な連中ではなく、
 〜 中には 迂闊な者らもいたでしょうが 〜 フクシマを起るべきものとして 冷徹な計算のもとに
 原発を推進してきたのでした。
   ‘ 彼らは 迂闊だが 善意の者たちである or ムラの利権を貪る欲深な者だ ’ という印象を、
   我々は 事故後に マスコミなどから受けてきました。 しかし、これは 事態を矮小化したもので
   所謂 「 トカゲの尻尾切り 」―本体の奥ノ院(国際的な原子力利権)を生き延びさせる世論誘導
   (意図的であると否とに関わらず) となっていたことが知れます。 
 
     報告書の「 1. はじめに 」で、
 
    国際放射線防護委員会(ICRP)は、従来、放射線被曝に関する人間活動を「 被曝線量を増加させる
  活動 」“行為” と 「 被曝線量を減少させる活動」“介入” に分類し、これらの活動の導入と継続を3つ
  の原則に準じて 合理的に決定するための放射線防護体系を示してきた(ICRP,1991a)。
  3つの原則とは、正当化、最適化 及び線量限度であり、“行為” と “介入”は その便益が損害を上回って
   いなければ 実施するべきではなく(正当化)、“行為”においては 損害、また“介入”においては 正味便益
   が合理的に可能な範囲で、それぞれ 最小化 もしくは 最大化されていなければならない(最適化)。
   また、あらゆる “行為”によって 個人に追加される被曝線量の総和は、線量限度によって制限され、
  “行為”の最適化においては、個人間の不公平を制限するために 線量拘束値が用いられる。 
 
     しかし、ある個人が受けている被曝は、その全てが “行為”によって引き起こされているわけではなく、
   “行為”に含まれない人間活動による被曝が生ずることも考えられるため、 “行為”に関して 上記 3原則
   の観点から合理的な判断を行うだけでは、個人の被曝を 必ずしも適切に管理することはできない。
   ある状況において 個人の被曝線量が高い場合には、被曝の原因となる人間活動が“行為”であるか否か
   に関係なく、必要に応じて 防護措置等を用いた “介入”によって被曝線量を低減することができる。
  しかし、介入の導入に用いる介入レベル は 措置によって回避される線量で表現されており、介入の実施後
   に残る線量については 議論に含まれていない。このような介入後の残存線量は 線量限度によって制限
   することができるように思われるが、被曝の原因となる人間活動が “行為”でない場合、線量限度の適用
   は やはり妥当ではない。 
     従って行為”に含まれない人間活動によって 個人が受けている被曝が問題視されるような状況
  においては、3原則に準じた “行為” と “介入”に基づく管理では不十分であって、このような状況に対応
   するための防護体系が必要であり、被曝を記述するための線量概念の枠組みと、目的に応じて状況に
   対応するための論理が必要となる。
 
    本報告書では、第一に、このような状況に対応するために ICRP が 2007年勧告(ICRP, 2007)で提案
  した概念と対応の基準を整理した。
    また、長期被曝状況が 実際のものとなった事例として、チェルノブイリ事故後の各国(ロシア、ベラルーシ
   及びウクライナ)の状況を調査・分析して、長期被曝状況での適切な対応のあり方について検討する。
  以下、第2章では、ICRP Publication 60 (ICRP, 1991a)とそれに続く Publication 82 (ICRP, 1999)、
   Publication 101 (ICRP, 2006) 及び Publication 103 (ICRP, 2007)の長期被曝状況に関する防護体系を
  整理する。 第3章には、長期被曝状況における防護措置の判断基準とその根拠について整理した。
  第4章では、実際に長期被曝状況が現出した チェルノブイリ事故後のロシア、ウクライナ及びベラルーシの
   状況と実施された対策等について調査・分析し、得られた知見をまとめた。
   第5章では、長期被曝状況における意思決定事例等について調査・分析した。第6章は まとめであり、
   第2 章〜第5章までの内容に基づいて長期被曝状況における対応の課題等を示した。
   第7章は これらのまとめである。
 
 
    そこで、被曝を適切に管理するためには、
 従来の1990年勧告では、 “制御可能 かつ規制されていない線源” からの被曝への
 適切な対応は 困難であるとは、どういうことか?
 
  2. 国際放射線防護委員会による放射線防護体系の 長期被曝への適用
  2.1. 長期被曝とは何か
   被曝は 一般に、線源、経路 及び被曝を受ける個人のネットワークとして認識することができる。
  このネットワークを管理することで 線量を低減できる被曝を “制御可能な被曝” と呼び、その線源を
   “制御可能な線源” と呼ぶ。 従来 ICRP は、“制御可能な線源”に対して 3つの原則(正当化、最適化、
   線量限度)を適用し、“規制された線源” として 計画的に導入するための防護体系を示してきた(1991a)。
 
    しかし、我々が 日常的に被曝している全ての線源が 計画・意図して導入されている訳ではなく、例えば
   宇宙から飛来する放射線のように 自然に存在する線源の他、原子力施設での事故や核実験のように
   過去の人間活動によって放出された長寿命核種による被曝が存在しており、これらは 意図せず偶発的
   に発生した “規制されていない線源” によるものである。このように被曝は、線源の制御可能性や規制
  の有無に応じて多様であり(表 2.1)、ICRPによる放射線防護体系は このうち “制御可能な被曝”を対象
   として適用されている。
 
     本報告書で扱う事故後の長期被曝は、チェルノブイリ事故後の状況のように事故起源の長寿命放射性核種
   で汚染された地域に 人々が継続して生活している状況での被曝である。 この被曝は、適切な防護措置を
   実施することで 線量を低減できる被曝であり、かつ偶発的に発生した被曝であるので “制御可能である
   が規制されていない線源” による被曝として位置付けられる。
 
     従来、長期被曝による線量成分の記述には 2つの線量概念が用いられてきた。一つは、“行為”(制御
   可能かつ規制された線源)により 個人に追加される追加年線量であり、もう一つは、制御可能性及び
   規制の有無に係わらず、特定の状況に置かれた個人が受ける 既存 及び継続する全年線量の和を表す
   現存年線量である(表 2.1)(ICRP, 1999)。
     従来の放射線防護体系が 主に着目していたのは、新たに導入される“行為”(制御可能な規制された
   線源)によって 追加年線量として現存年線量に加えられるか、“介入”によって 現存年線量から回避され
   るか、いずれかの線量変化であってある状況において 既に存在する “制御可能であるが 規制されて
   いない線源” による線量成分には 注目していなかった。
     被曝を適切に管理するためには、被曝の発生及び程度を認識するための線量概念と、対応のため
   の基準が必要であるが、従来の防護体系には “制御可能であるが 規制されていない線源”による被曝
   を記述するための線量概念 や 対応のための基準が 防護体系に含まれていない。 このため、従来の
   防護体系による長期被曝状況の管理は、理論上、現存年線量に基づき “あらゆる線源” によって引き
   起こされる被曝の一部として 実施されることになる。
 
     しかし、こうした防護体系では “制御できない線源” と “制御可能な線源”による被曝を同列に論ずる
   こととなり、また 被曝の起源が “人工の線源”であるか “自然の線源”であるかに関係なく、全てを混同
   して防護措置の導入と解除を判断することになるため、必要な防護措置の形式や規模を誤って判断する
   場合が考えられる。 本報告書でも  チェルノブイリ 事故後の事例から考察するように、被曝をもたらす線源
   の起源は 防護措置の必要性 や 実施責任を議論する際に 重要な論点であり、健康影響の程度に関係
   なく、線源が 人工起源である場合には 防護措置の導入を正当化する根拠となる場合がありうる。
     “規制されていない線源” による 被曝へ合理的に対応するためには、線源の制御可能性や起源を
   考慮し、被曝によって個人に与えられる線量成分を適切に評価して、その結果に基づき防護措置の導入
   を判断するための基準が必要である。
 
   このこと (1990年勧告を修正した 2007年勧告の有効性) を 実地に検証するための
 格好の舞台として、フクシマは位置づけられるわけです。
 即ち、日本国は、ICRPに対して その放射線防護体系を練り上げるための 最高の実験場
 として 「 フクシマの人々の被曝環境での生活 」を提供しているのです。
 
 
 
                           (つづく)
 
  早野龍五、坪倉正治氏らの
 福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
 ― 福島第一原発事故 7–20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―
 
 についての疑問    (7)
 
 4.預託実効線量というものの問題性(続4)
 
   先の記事(8) の最後に挙げた 「線量限度」 について、引き続き考えていきます。
 
     このATOMICAの記述の中に、
    <計画被曝状況>、<緊急時被曝状況>、<現存被曝状況>
  という言葉が出てきました。 
 
 を見ると、あたかも 福島第一原発事故のために  ICRPが 特別に その対処方法を 日本政府
 に用意していたかのように、 ICRP103 (2007年)勧告に 始めて出てきた概念で、
 単一の防護措置の回避線量に着目した ICRP60(1990年)勧告の「行為」と「介入」P10参照
 を転換して、 総合的な防護戦略後の残存線量に着目した 被曝状況における防護体系
 整理したものだと言います。
 
  計画被ばく: 線源の意図的な導入と運用を伴う状況 
  緊急時被ばく: 好ましくない結果を避けたり減らしたりするために 緊急の対策を必要
         とする状況
  現存被ばく: 管理についての決定をしなければならない時に 既に存在する被ばく状況
 
     ↑ 何を言っているのか、隠語のように 一般人には さっぱりわからない日本語ですが、 
      放射線審議会基本部会公表資料 参考資料5 に、詳しい解説がありますので 見て下さい。
         ( これは、資料作成日時がありませんが、内容からすると 2011年8月以降に作成された
         文科省の文書 〜中央官庁の文書には 何故か 作成日時のないものがよくある!〜です )
 
 そして、 正当化 と 最適化の原則 を、この3つの被曝状況の線源に適用することを勧告し、

 最適化原則は、線量拘束値以下で、または 参考レベル以下で 線源に適用
 線量制限(限度)の原則は、計画的被曝状況(除.医療被曝)における個人に対して適用
    (緊急事態の管理には、正当化、最適化の原則は適用するが、線量限度は適用しない) 
 
   さらに、P14には、 「 線量拘束値 と 参考レベルの枠組み 」と題して、
 
    100mSvよりも高い線量では、確定的影響と、がんの有意なリスクの可能性が高くなる。
    参考レベルの最大値は 急性 又は 年間100mSv ( ICRP103, (236) )
 
       拘束値と参考レベル                被ばく状況の特徴と防護の要件
     のバンド(急性又は年間)
   ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
   20 - 100 mSv    • 制御できない線源により、あるいは線量低減のための対策が不釣り合いに
                 混乱しているような状況により被ばくした個人。
                  • 通常、被ばく経路の対策で 被ばくを制御。
                                     • 線量の低減を考慮すべき。 線量が 100mSvに近づいた場合は なお一層の
                                     低減を努力すべき。
                                     • 放射線リスクと線量低減措置の情報を提供すべき。
          ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   1 - 20 mSv        • 個人は 通常、被ばく状況から便益を受けるべきである。
                                     • 線源 あるいは経路の対策で被ばくを制御。
                                     • 個人の自らの線量低減のために 情報を入手可能にすべき。
                                     • 計画被ばく状況では 被ばく評価や訓練を実施すべき。
        ------------------------------------------------------------------
   1 mSv以下        • 個人には 便益はないが、社会一般に便益をもたらす線源による被ばく。
                                     • 通常、線源に対する措置によって 被ばくを制御。
                                     • 被ばくレベルの一般情報を提供すべき。
                                     • 被ばく経路を定期的にチェックすべき。
         ――――――――――――――――――――――――――――――――――
     ※  線量拘束値は計画された被ばく状況に適用する。緊急時の被曝状況と現存する被曝状況
        においては、線量拘束値に代えて、参考レベルを適用する。 (行為と介入
        参考レベル: それを超えたら 何か特定の対策 または 決定を実行すべき測定量の値
                                     (限度とレベル - ATOMICA -
  と、2007年勧告をまとめています。    
 
     しかし、2011年の事故時には、わが国は この2007年勧告ではなく、
    当時、「10〜50m㏜までは 屋内退避、それ以上は 避難」と報道されていたように、
    および、IAEA BSS (1996)の最適化された一般的介入レベル
      屋内退避: 10 mSv  避難: 50 mSv 安定ヨウ素剤投与: 100 mSv
   を採用していました。 
 
    ※ 「介入」 :被曝を低減させる人間活動    (P10)
     – 介入の正当化(対策は常に幾分かの不利益があるが、害よりも大きな益をもたらすべき)
     – 介入の最適化(対策の形と規模及び期間は、正味の便益を最大にするように最適化されるべき)
     ✔ 線量限度を介入の根拠に使うことは、得られる便益と釣り合わない方策を含む可能性があり、
       正当化の原則に矛盾
          ※ 「介入レベル」 :それを超えた場合 または 超えると予想される場合に 介入措置が必要である
      と考えられる線量。 屋内退避、避難、飲食物摂取制限など。
 
      食品の規制値については、
       原発から大量の放射性物質が漏れ出るなかで、あわてたのは 厚生労働省と農林水産省
       だった。「 原発の近くの農産物が市場に出回ってもいいのか 」という問題が浮上したからだ。
       折しも、春物の野菜の出荷シーズン。だが、規制するにしても、何を根拠にするのか──。
        有毒・有害な物質が一定の基準を超えて含まれる食品は、食品衛生法で販売が規制されて
       いる。 しかし、放射性物質については この法律上の規定がなかった。
       政府は内外の基準を調べたすえ、震災6日後の3月17日になって、原子力安全委員会の
       防災指針にある指標値を 「暫定規制値」 として流用することに決め、自治体に通知した。
       ・・・
        防災指針は さらに ICRPの1990年勧告もふまえた上で、放射性のセシウム類とウラン、
       プルトニウムで それぞれ年間5m㏜、ヨウ素については 甲状腺にたまる量で年間50m㏜
       という数値を飲食を制限する目安に採用。それを上回らないようにするため食品を数グループ
       に分けて必要になる指標値をはじいた。
         この指標値の流用を決めた後、厚労省は、食品安全委員会に 放射性物質についての
       リスク評価を依頼した。食品安全委員会は、牛海綿状脳症(BSE)での混乱をふまえてつくられた
       組織。 ここでの科学的な評価をした上で、厚労省などが規制値を定めるのが本来の筋なの
       だが、非常事態で順序が逆になった。
        委員会は 依頼から9日後の3月29日に「緊急とりまとめ」を公表。セシウムとヨウ素について、
       防災指針の考え方を「 食品由来の放射線曝露を防ぐうえでかなり安全側に立ったもの 」などと
       追認した。 ・・・
                     飲食物摂取制限に関する指標(2007 原子力安全委員会)
                                               第 9 回 放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ
                                                                      2011年7月26日  食品安全委員会
 
 
           平成24年6月  原子力災害対策本部  原子力被災者生活支援チーム
               ※ 6月9日(土)「 双葉地方町村及び福島県と国との協議会 」、「 原子力被災自治体
         (双葉町村以外)及び福島県と国との協議会 」にて配布した資料
        ――― ということで、住民が被曝を受けた自治体は、国から 「科学」 の名において
             こういうことを聞かされているわけです。
              私は、これを読んでみて、腹の底から 不愉快さを感じます。 このことについては
             時間が許せば、また 稿を改めて シリーズ記事を作りたいと思っていますが、
             本来は 福島県の人が 国の横柄・無恥の,人をなめきった,この資料に対する
             見解を表明すべきことではないか、と考えます。
 
         
                             (未完成)
 
 
 
 

.
kyomutekisonzairon
kyomutekisonzairon
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
検索 検索

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事