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放射性物質

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  早野龍五、坪倉正治氏らの
 福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
 ― 福島第一原発事故 7–20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―
 
 についての疑問    (6)
 
 4.預託実効線量というものの問題性(続3)
 
    前記事(7) で、放射線の健康影響について 社会の混乱の原因を、
   「日本保健物理学会 暮らしの放射線Q&A活動委員会 」は、まず
 
   「 明確でないから安全 」「 明確でないから危険 」とする立ち位置の違い
  
    としていました。 
   この「明確ではない」について、「Q&A」の論旨では、
 
   ICRP の言う 「明確ではない」 というのは、
   「 リスクは小さいとはいえ 0ではない 」「 確率が小さいので、その他の確率に埋もれてしまって
    よくわからない
  すなわち、「 低線量では 影響がよくわからない 」という意味で「明確ではない」
 
  と。  「影響」とは、勿論 実効線量(㏜)で表された数字での 生体リスクのことです。 
  
 
  ところで、先に引用した 放射線防護の専門家・小田 啓二氏は、
  ICRPは 実効線量を、
 
    ・ 放射線リスクの疫学研究には用いない
    ・ 被曝した特定の個人の発ガンや死亡確率の評価には用いない
  
  こととしている、と注意しておられます。
   ( 早野氏らの論文が 「疫学研究」と言えるのかどうか、シロウトには分りませんが、
     ご本人たちは どう思われているのでしょうか? 
 
 
  そうすると、どうなるのか?
   「Q&A」では、㏜で表された低線量被曝のリスクが 「明確ではない」 としていますが、
   小田氏は、㏜で表された実効線量の数字を 「特定の個人」の「評価には用いない」と
  指摘されていて、被曝した個人のリスクは ㏜では「明確ではない」のは、はじめから
     当然のことだとされています。
   氏いわく、放射線影響や リスクを表現する役目を期待することには無理がある と。
 
   したがって、
  実効線量の数字が小さければ(低線量なら) 個人のリスクがわからないのではなく、
  そもそも 実効線量は、個人のリスクを言い当てることを 初めから問題としている概念
  ではなかったわけです。
 
  つまり、 「日本保健物理学会 暮らしの放射線Q&A活動委員会 」が 混乱の原因とする
  : 「 明確でないから安全 」「 明確でないから危険 」とする立ち位置の違い
  という問題設定が 間違っているわけでしょう。
 
   本当は、
 
   実効線量を 個人のリスク評価に用いるという 不適切な使用が 混乱の原因である
 
  と言わなくてはならなかったのでしょう。 
  なぜ、放射線防護の専門学会が、このような 初歩的な誤りをするのか? 不思議です。
 
 
 
    しかし、「Q&A」の文を さらに読み進めると、その謎が解けてくるように思います。
 
   それが、混乱の原因の②として 「日本保健物理学会 暮らしの放射線Q&A活動委員会 」が
   挙げている 「 政府によるデメリットに対する補償 」という奇妙な考え方です。
   以下、この考え方を 検討します。 
 
   まず、「Q&A」は、
 
    ICRPでは、100mSv以下の低線量の不確実さを踏まえ、被曝は できるだけ低減するように
   努力しなければならないとしている。
”低減”の度合いの考え方は、2007年勧告に詳しいが、
   その人が生活する上でのメリットとデメリットをかんがみて決めることになる。 危険に見合う便益
   があることが基本である。 ・・・
 
     と言っています。 
 
   ICRPは、「 放射線防護の目的 」を
 
   (1)放射線被曝を伴う行為であっても 明らかに便益をもたらす場合には、
     その行為を不当に制限することなく 人の安全を確保すること。
   (2)個人の
確定的影響の発生を防止すること。
   (3)
確率的影響の発生を減少させるために あらゆる合理的な手段を確実にとること。
 
  と定義し、これらの目的を達成するために、放射線防護体系に
  正当化最適化個人の線量限度 という三つの基本原則を導入することを勧告しています。
    
    @ 行為の正当化: 放射線被曝を伴ういかなる行為も、その導入が 正味でプラスの便益を生むこと
      防護の最適化: 社会的・経済的要因を考慮に入れながら 合理的に達成できる限り低く被曝線量
                         を制限すること(ALARA
      個人の線量限度: 実効線量限度の概念が導入され、放射線被曝影響に関する知見を踏まえて
              線量限度が改訂されてきた
                                                                          ----- 1977年勧告(ICRP Publication 26)
 
    ※ 各国政府に このように勧告する ICRPの思想or立場を、KEK 放射線科学センターは、
 
       放射線の利用は、学術の進歩や産業の発展などに役立つ反面、人体に対し、放射線障害を
       引き起こす危険(リスク)をあわせ持ちます。 この危険を避けるためには 放射線の利用を
       すべて断念すれば良いのですが、一方 私達の社会は 常に発展を望んでいます
        放射線の利用から得られる利益を考えると 放射線障害の発生を最小限におさえつつ、
       その利用を効率的に進めていく必要があります。
        このような観点から 放射線防護の基本的な考え方を 世界中の専門家で議論しているのが
       国際放射線防護委員会(ICRP)です。 ―――放射線防護の考え方 より
 
      と、明確に述べています。
      国家を破滅させるような事故を起す可能性のある原発をも、
 
       ① 私達の社会は 常に発展を望んでいる 
       ② 放射線の利用から得られる利益を考えると 放射線障害の発生を最小限に
       おさえつつ、その利用を効率的に進めていく必要がある
 
      という観点(立場)に立つ 「世界中の専門家」 集団が、ICRPだというのです。  
 
      彼らは、ずいぶん頭のよい人たちなのでしょうが、チョット ふつうの感覚をもった人たち
      とは言えないようです。 否、何か 根本的に 感覚がずれている・・・。
 
      国が破滅しても、なお 「発展する社会」とは 一体 どんな社会なのでしょうか?
      人々が国を失くして、なお 「放射線の利用から得られる利益を考え」 られる人とは、
      一体 どんな人でしょうか?
 
      ――― この異常ともいえる考え方を、
         私は 「 科学・技術信仰 」 と名付けたいと思います。 
         ICRPは、オウム真理教と変わらない,科学・技術信仰を奉ずる狂信者集団
         とは言えないでしょうか? 
 
          ( 米ソを中心に核兵器開発競争をしていた冷戦期、人類絶滅の可能性があった
            にもかかわらず、彼らは このような観点・立場で その仕事をしていました。
            誰かが 「一人殺せば 殺人だが、1000人殺せば 英雄だ」 と言ったそうです。
            我々人間の思考能力の根本的欠陥を 言い当てた言葉でしょう。 オウムは 政府
            からテロ集団として捕えられ、ICRPは 政府に勧告する権威をもっている・・・。 
           ――― この めくるめく アンバランス! 
 
             かの安全委員会委員長・班目氏は、この科学・技術者の立場を 率直に
            「 そんなことを想定していたら、原発を造れないんですよ 」と。 科学・技術は
            破局的な事態を 「想定外」 にすることで、はじめて成り立つものでしょう。)
 
    ※ 又、ICRPの 「行為の正当化」 という尊大な概念にさえも、原発や核兵器、或は 医療被曝など
            が該当するのかどうか? 
 
          行為の正当化に際して 「正味でプラスの便益」を生むかどうかを判定するために考慮
                    しなければならない要因は 極めて多岐に及ぶため、「すべての便益と損害」を それぞれ
         どのように定量評価すれば 合理的な正当化が可能であるかについては、未だ 十分な
         合意が得られていない。そこで、ICRPは 個別の選択肢の便益と損害を評価し、プラス
        の正味便益があることを確認する作業までを 「正当化」の範囲としている。
         最終的な意思決定には 放射線以外の要素を考慮する必要があるため、放射線防護
        の領域を超えた判断を要すると考えられている。 (ATOMICA
 
     だそうで、科学者(専門家)の, 火をつけて 火事場の外に立つ無責任が、ここによく表れています。
       
 
     (閑話休題)
   ICRPの「線量限度」概念について。
 
  線量限度は、個人が様々な線源から受ける実効線量 総量で制限するための基準
  として設定されている。 線量限度の具体的数値は、確定的影響を防止するとともに、
  確率的影響を 合理的に達成できる限り小さくする という考え方に沿って設定されている 
   ・・・
   線量限度は、このうち 医療を除く 計画被曝状況(平常時)のみに適用され、非常時の
  被曝状況には適用されない 平常時においては 職業被曝と公衆被曝に線量限度を設定
  している(表4)。 これらの線量限度の値は 1990年勧告値が維持されているが、適用に
  対しての条件はやや変化している。  
   医療行為によって 患者が被曝するケース も 計画被曝状況に含まれるが、患者が健康上
  の便益を受け、それが 被曝による不利益を上回る(正味にプラスの利益がある)ことを前提
  に行われるので、線量限度は適用されない。 
 
   緊急時被曝状況 (事故などの非常事態での職業被曝と公衆被曝) と 現存被曝状況
  (非常事態からの回復、復興期を含めて 既に被曝が存在する事態) においては、表5
  示すように、計画被曝状況とは異なる防護体系が適用される非常事態では 線量限度
     や線量拘束値を用いずに 状況に応じて適切な参考レベルを選定して、防護活動を実施する。
       なお、参考レベルとは それ以上の被曝が生じることを計画すべきでない線量 又は リスクレベル
  をいう。 
   
   2007年勧告では 1mSv以下、1〜20mSv、20〜100mSvの3つの枠を定義し、状況に応じて
  それぞれの枠内で 適切な線量拘束値 又は 参考レベルを設定し、防護活動を行うことを
  勧告している。 緊急時の公衆被曝の参考レベルとしては、表6に示すように、20〜100mSv
  の枠内で状況に応じて選定することとしている。
   2011年3月の福島第一原発事故において、周辺住民の被曝限度として、国は20〜100mSv
  の枠のうち最小の値である 20mSv/年を選定した。ICRPは、この枠内で 参考レベルを選定
  する場合、放射線のリスクと線量低減活動について 住民に説明し、個人の線量評価を実施
  することを勧告している。 
                                 ――― 以上、ATOMICAより
     
 
 
                           (つづく)
  早野龍五、坪倉正治氏らの
 福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
 ― 福島第一原発事故 7–20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―
 
 についての疑問    (5)
 
 4.預託実効線量というものの問題性(続2)
 
  なぜ 実効線量の 「 不適切な使用 」が まかり通っているのか? 
 
                                       (原文の丁寧語は kyomu-がカット
   「100mSv以下は安全だ」と言う専門家や、「1mSv以上は危険だ⋆1」という専門家がいて、異なる見解
  が乱立していることが 大きな混乱を社会にもたらしているように思われる。 「100mSv」や「1mSv」は、
   ICRP勧告を基にした数値である。 以下に 「100mSv」や「1mSv」についての ICRPの考え方を整理した。
 
     1mSv、100mSv共に数値の出所は ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告である。これは、国際的な
  放射線防護のための取り決め⋆2 であり、日本の法律は 1990年勧告を取り入れている。
  なお、2007年勧告が最新版として公表されているが、現在、放射線審議会基本部会で法令への取り
  入れについて検討が行われている。
  
   ICRP勧告では、一般公衆が 1年間に計画的に受ける放射線の線量は、自然からうける放射線の影響
  を除いて、1mSvとするとされている。 これは 様々な研究の結果や世界中で人々が通常生活していて
  自然に受ける放射線の線量などを総合して、ICRPが公表したものだ。
 
   一方 100 mSv以上の線量を受けた場合、将来 がんになる確率が明確に高くなるとしている。従って、
  この値(100mSv)を超える被曝が想定される場合は 基本的に防護対策を考える必要があるレベルとして
  いる。つまり、100mSvは 線量が体に悪影響を及ぼす しきい値 (これ以上受けると確実に影響が
    現れる線量) ではなく、放射線防護対策を決めるための参考値である。 
 
   100mSv以下は健康に影響がないという説は、放射線を受けた集団と受けていない集団を比較する
  疫学調査を元にしたものと考えられる。疫学調査では、放射線が原因で将来がんになるリスクは 原爆
  での被曝のように ごく短期間に 200mSv以上受けた際に 影響が統計的に確認されると報告されている。
  
 しかし、これは 200mSv以下では がんになるリスクがない ということを約束するものではない。人間は
  生活習慣や遺伝等、いくつも がんになるリスクを持っている。
200mSv以下の場合は確率が小さいので、
  その他の確率に埋もれてしまってよくわからない、というのが本当である。
   一方、1mSv以上は危ないというのは、上述の 200mSv以下の低線量では影響がよくわからない、
  リスクは小さいとはいえ 0ではない ということを根拠として述べられていると考えられる。
   端的に言うと「 明確でないから安全 」「 明確でないから危険 」とする立ち位置の違いによって、意見
  が分れていると考えられる。
  
    ICRPでは、100mSv以下の低線量の不確実さを踏まえ、被曝は できるだけ低減するように努力しなけ
   ればならないとしている。
”低減”の度合いの考え方は、2007年勧告に詳しいが、その人が生活する上
  でのメリットとデメリットをかんがみて決めることになる。 危険に見合う便益があることが基本である。
   
たとえば、レントゲン撮影では、被曝リスクを受け入れるというデメリットの代わりに、体の悪いところが
  分かるという対価(メリット)を得られるので、その被曝は許容できる、ということになる。 
 
   
ICRPは 福島原子力発電所事故のように放射性物質が一般環境に蓄積し、これによる被曝が明確な
  状況においては、年間の線量を 1mSvとした場合、多数の人に移住等の重大な デメリット が生じるので⋆3
  、20mSv以内で調整することを勧告している。
 つまり、1mSvの被曝の状況では、1mSvの線量を受ける
  デメリット よりも 移住等による デメリット の方が明らかに大きいので、移住しなくていいようにある程度線量
    の値を緩和する必要が生じる⋆4。 ICRPの勧告は、その調整の上限値を 20mSvまでで行いなさい という
   意味である。
今回は 事故なので、この制限を迫られる住民には デメリットしかない。だから、この調整
   は 国が そういったデメリットに対する保障も含めて責任を持って行うべきだが、現在それがなされて
   いるとは言えない状況であるために、このような情報の氾濫を招いていると考えられる。 
                               ( 2011年10月27日 )
 
  という見解を述べています。
  ここで 混乱の原因として挙げているのは、
 
   ① 「 明確でないから安全 」「 明確でないから危険 」とする立ち位置の違い
   ② デメリットしかない住民への保障などに、国が 十分に責任ある行動を為さない 
 
  の2点です。
 
   しかし、この文自体も
  「 大きな混乱を社会にもたらしている 」 見解の一つのように、私には見えます。
 
    この文が 社会に混乱を助長していると思われるのは、例えば 下線部 ⋆1〜⋆4 ですが、  
 
        ※ ⋆1  「100mSv以下は安全だ」と「1m㏜以上は危険だ」ではなく、
              被曝は どんなに少なくても 危険(リスク)はあるという論と 100m㏜以下は 
              リスクを無視できる という論でしょう。 
              論点の 矮小化 ・ 局在化 ・ 戯画化は イタダケマセン。        
           ⋆2  ICRPの勧告は、「国際的な取り決め」ではありません。日本政府&専門家集団が 
              勝手にそう思い込んでいるだけの主観的事柄にすぎません。条約もありません。
              ICRPは イギリスの非営利団体(NPO)として公認の慈善団体」です。
                        国際放射線防護委員会(ICRP) - ATOMICA -
           ⋆3  「 多数の人に 移住等の重大な デメリット が生じる」 ――― どうして 被曝より
              移住がデメリットなのか? 国は 事故の加害者なのだから、移住のデメリット
              を最小限に抑えるべく努力するべきはずのものである。しかし、移住を 個人の自由
              とすることで 家庭・地域を分断し、国の政策にしないのはなぜか? 個人の自由は 
              汚染地に残ることにおいてのみ認められるべきであろう。
               そもそも 移住によるデメリットを被る人々は、原発被災住民だけなのか?
              むしろ 今まで原発を推進してきた勢力ではないのか?
              このデメリット論も 矮小化 ・ 局在化 ・ 戯画化して、論点をすり替えています。
              ――― 福島県の住民の祖先を辿れば、移住者でないものは それほど多くは
              ないでしょう。移住者の子孫たちが多い。今さら 何がデメリットか!
          ⋆4   「1m㏜の」は 「1m㏜を超える」の間違いではないのか?
 
 
   しかし、これらは 枝葉末節。 
  この文が 社会の混乱を助長させている本当の原因は、
  混乱の原因を この2点と考える所にあるのでしょう。 
 
   即ち、日本保健物理学会の 暮らしの放射線Q&A活動委員会 は、 
  原因を まったく見誤っているか 或は 敢えて見誤っているフリをしているか 
  のどちらかだろうと思います。
 
 
 
    参考: ICRPの福島への介入 (ICRP通信から)
     第5回福島ダイアログセミナー (2013 3/2-3/3、伊達市保原市民センター)
    ー  福島原発事故による長期影響地域の生活回復のためのダイアログセミナー
      「 帰還 ーかえるのか、とどまるのかー 」
      -> ダイアログセミナーの結論と勧告(英語と日本語) 
 
     つまるところ 大部分の人々が真に求めているのは、自らの生活の営みを続けることでは
     ないだろうか。 そして 人々は それを実現することをのぞみ、(時には多少の助言によって)
     それを実現しうるのではないだろうか。      ICRP Pub 111
 
           参加者は、決定を行う上で非常に大きな負担が住民の肩にのしかかっていることを認識し、
           経済的な制約のため、人によっては帰るしか選択がないという事実を、受け入れた。
           最終的な決断は個人にあり、その決断は倫理の基本に照らして、尊重されるべきである。
           この決断は単独でなされるべきでなく、コミュニティーの支援と議論を通じて、対話を通じて
           なされるべきである。
 
 
             2012年11月3日(土・祝) コラッセふくしま
       主催 環境省(The Ministry of the Environment)
       協力 国際放射線防護委員会(ICRP) 福島県立医科大学(the Fukushima Medical University)
        対話集会概要
 
                             (つづく)
  早野龍五、坪倉正治氏らの
 福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
 ― 福島第一原発事故 7–20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―
 
 についての疑問    (4)
 
 4.預託実効線量というものの問題性(続)
 
     ※ もし、この人278〜325㏃/kg) が亡くなった場合、その遺体は どうなるのか? 
          (動物の遺体についても 同様なことが考えられる)
       
     日本には、クリアランス制度( 平成18年から運用 )というのがあって、
 
          原子力施設の解体工事が 本格化し多量の廃資材が発生するが、原子力利用に伴い
         発生する廃棄物の安全かつ合理的な処分及び資源の有効利用を図るため、これらのうち、
         放射能濃度が著しく低い・・・、場合には、・・・「 放射性物質に汚染されたものとして扱う
        必要のないもの 」として、普通の再生利用、産業廃棄物と同じ扱いが可能。
 
      だそうで、そのクリアランスレベルは、
 
          様々な再生利用、処分のケースを想定し、そのうち 最も線量が高くなるケースでも
         年間0.01ミリシーベルトを超えない
 
      とされ、 セシウム134、137 では いずれも 0.1 Bq/g 即ち 100㏃/kgです。
       すると、この人の遺体は、クリアランスレベルを軽く超えていて、特別な処置が
       必要になるのでしょうか?     
 
  
   ここで、3.11後の 稲わらの暫定許容値について見てみると、
                                新旧対照表 (平成24年4月1日施行)
       飼料用稲わら: (牛)100Bq/kg,(豚)80Bq/kg,(家きん)160Bq/kg
                  飼料は製品重量,粗飼料は水分含量8割ベース
       家畜敷料用稲わら: 400Bq/kg(製品重量ベース),100Bq/kg(水分含量80%換算)
                  この他に例外規定あり
       土壌改良資材用途の稲わら,堆肥原料となる稲わら: 400Bq/kg(製品重量ベース)

           平成24年産稲わらの放射性物質調査結果について(宮城県農林水産部畜産課)
                                            2012年10月18日
    ということになっており、 
    これを見ると、
     先の記事(5) で 従来の クリアランスレベル を超えた放射性セシウム 278.7〜325㏃/kg
    が蓄積された 人間や動物の死体は、これを 「 放射性物質に汚染されたもの 」として 
    特別に隔離しなくてはならないものとはならないようです。
 
    このことが意味することは、
 
     3.11 福島第一原発事故を境として、原発を廃炉にする際 出てくる 放射能に汚染
     された多量の廃資材において、従来 「 放射性物質に汚染されたもの 」と していたものも、
     「 汚染されていないもの 」 としてよいということになりかねない。
 
    ということでしょう。
 
     農水省は、この許容値に 慎重に 「暫定」という言葉を冠してはいますが、
    行政の都合で、国民の健康を守る基準が変わりうるという前例を作ったことは、
    そして、中央・地方の行政が音頭をとって「安心・安全キャンペーン」を張っていることは、
    もはや、放射能に対する国民の警戒心を 元に戻すことは、たいへん難しいことに、
    なったのではないでしょうか?
 
     否、フクシマ(放射線管理区域相当の地)の人々の被曝限度を、ICRPの勧告どおり、
    文科省&政府が 年1m㏜から 空間線量だけで20m㏜に上げた時点で、日本国政府
    は 国民の健康を 厳しく守るということを 放棄したのでしょう。
     しかし、日本国が 主権在民の近代国民国家である限り、政府は 建前上 この
    「 放棄 」を 口が裂けても言えません。
    そのため、事実がどうあろうとも 「 フクシマの人々の, 被曝による健康被害は無視できる 」、
    そこに居住しても 「安全・安心」なのだ と言わざるを得なくなったのでしょう。
 
     そして、
    様々な専門家やマスコミが、「科学(的)」or「国際的」という水戸黄門の印籠を掲げて、
    日本国民の不安・不審の声から 行政を守ってくれているのです。
           近代国民国家における専門家集団の役割は、まさに 「何が何でも 行政を守る」
    というところにあったのですから・・・。
 
 
 
  3.11以降 実効線量(㏜)というものを、我々は さかんに耳にしてきましたし、福島県は
 この㏜を使って WBC検査結果を公表しています。
 しかし、我々シロウトには この実効線量というのは 大変分かりにくいものです。
 
  放射線防護の専門家である 小田 啓二氏は、実効線量というものについて、
 
   (ICRPの)新勧告ドラフトでは,実効線量の適用範囲を明確に言及している.
   利用目的については,
    ・ 防護の計画や最適化のための prospective な線量評価
    ・ 線量限度遵守確認のための retrospective な線量評価
   の2つを挙げている.・・・
   一方,不適切な使用に関しては,
    ・ 放射線リスクの疫学研究には用いない
    ・ 被曝した特定の個人の発ガンや死亡確率の評価には用いない
   と具体的な注意点を与えている. 
                               ――― 線量概念の問題点 (3)
 と述べています。
 したがって、福島県のWBC検査は、
   防護の計画や最適化のため 及び 線量限度遵守確認のため
 になされていることだということになります。
 
    そして、小田氏は また、
   現在の防護量に 放射線影響や リスクを表現する役目を期待することには無理があるし,
  多くの問題点や課題が残っていることも確かである.
  とも語っています。
 
  すると、どうなるのか? 
 早野氏らのこの論文は、「まとめ」 において、
 
  これらのデータは、福島県全体の状況を網羅するものではないが、県内の他の自治体やのデータ
  とも おおむね一致する。 しかしながら、この結果が すべての福島県民を内部被曝のリスクから解放
  したわけではない。 計測の行き届いていない年齢の高い住民の中には、ごくわずかではあるが、
  100 Bq/kg を超える体内セシウムを持つ方が事実おられるのである。
 
 と述べていて、保留をつけながらも、県のデータを傍証しつつ、少なくとも 三春町では
 WBCの結果によって  「 リスクから解放した 」 との意を語っています。
 
 すなわち、実効線量について、
 小田氏は、「 放射線影響や リスクを表現する役目を期待することには無理がある 」と言い、
 一方、早野氏らは、「 リスクから解放された 」と言っています。
 
   早野 外部被曝と内部被曝の比較は 同じ シーベルトを使っている限り、 リスクの度合いは 同じ
       というのが世界的に受け入れられている考え方 だと思います。
       つまり 福島県は、現状では 内部被曝よりも 外部被曝の方が リスクは高いと思うのですが、
       皆さんは いかがお考えでしょうか。

    斗ケ沢 まったく同感です。

    坪倉 僕もそう思います。
  という言とあいまって、 この論文の著者らは、小田氏(or ICRP)の言う「 不適切な使用 」を
  犯しているということになります。 
 
 
   それでは、
  なぜ このような 実効線量の 「 不適切な使用 」が まかり通っているのでしょうか? 
     
 
                          (つづく)
 
 
 
  早野龍五、坪倉正治氏らの
 福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
 ― 福島第一原発事故 7–20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―
 
 についての疑問    (3)
 
 
 4.預託実効線量というものの問題性
 
  論文「1 はじめに のなかで、  
 
  表 1のように、100,000人以上の住民を WBCで計測し、受診者の 99.9%がセシウム134、137
  両方の預託実効線量を足しても  1 mSv に届かない。
 
  とあります。 
  ここでは、表1の代りに 最新の福島県 ホールボディーカウンタによる内部被ばく検査
  を 以下に引用しておきます。
 
                                     平成25年4月1日更新  
    ・平成25年2月分の県が実施している内部被ばく検査結果は下記のとおりで、全員、
  健康に影響が及ぶ数値ではありませんでした。
    ・検査は、18歳以下の子ども、妊婦を優先に検査を実施しています。   
平成25年2月分 検査人数  6,614人    
検査結果
預託実効線量
1mSv未満  6,614人(全員)
実施機関別
県(直営)  4,812人
日本原子力研究開発機構(委託)  1,754人
南相馬市立総合病院(委託)  6人
新潟県放射線検査室(委託)  38人
弘前大学附属病院(委託)  4人
平成23年6月〜平成25年2月 検査人数  118,930人
検査結果
預託実効線量
1mSv未満  118,904人
1mSv  14人
2mSv  10人
3mSv  2人
 
 
    県のWBC検査は、何のためにしているのか 理解に苦しみます。
   南相馬市で 坪倉氏がやっておられるように 検査を一回きりで終わりにせず、時を
   置いて 何回も繰り返し、かつ ㏃数で 結果を評価しなくては、住民にとって ほとんど
   意味がありません
       ⋆ 平時の原発作業者は3ヶ月おきにWBCを受ける。
         3ヶ月前に体内に放射能がなくとも、次で検出されたら、少なくとも最大で 3ヶ月前の
         検査直後の一括摂取が もっとも安全側として預託実効線量を計算できるため。
 
    県の ㏜数だけで十分だとする立場に対しては、この論文でも、
 
    福島県の WBC 結果公表には、Bq/kg もしくは Bq/全身 での細かな分布が含まれて
   おらず、測定された住民が、一日平均何 Bq の放射性セシウムを摂取しているのか、
   ・・・を知ることが出来ない
 
   と指摘しています。
    ただ、この論文は 福島県の検査を その主張の裏付けに使うべく、冒頭に掲げた
 
   受診者の 99.9%がセシウム134、137 両方の預託実効線量を足しても 1 mSv に届かない。
 
   という文を記しているわけです。
 
 
    この 1m㏜/年 という値は、実に 奇妙な感じがするものです。
 
    福島の中通りで 珍しくない空間線量率 0.6μ㏜/hの環境に 1年間いると、
     0.6×24×365=5256μ㏜/年 
   すなわち 5m㏜/年を超える外部被曝をすることになりますが、
    一方、 内部被曝の場合、預託実効線量が 1m㏜/年 というのは、
 
     早野 食品安全委員会は、議論に議論を重ねて、安全基準を 1m㏜に定めました。では 1年間
       に どれだけのベクレルを摂取すると 1m㏜になるか。大ざっぱに言うと、5万㏃です。
       となると、1日に だいたい 100㏃から 200㏃くらいの摂取になります。坪倉先生が測って
       いらっしゃる地区で、1年間に 5万㏃摂取する人はいないのではないでしょうか。

     坪倉 いくら高くても、5万㏃にはなりませんね。でも 非常に汚染された食べ物を食べ続ければ、
       あり得なくはないので、継続的な注意は必要です。 

     斗ケ沢 食べようとしても無理ですよね。

     早野 そうです。 5万㏃も食べられません。仮に 1kgあたり 100㏃入っている お米を年に
       60キロ食べても、6000㏃です。 今の日本で、内部被曝によって 1m㏜に達することは、
       余程のことがない限りありえません。内部被曝に関しては、幸運や皆さんの努力もあって、
       低く済んでいます。このことを 首都圏の方はご存じない。もちろん避けられるものは避けた
       方が良いです。ですから 坪倉先生のような方が、1日に 10㏃、20㏃摂取している方を
       みつけて、指導をしているんです。
                        ――― ホールボディカウンタについて (5)
    というようなことになります。
 
    何か たいへん不思議な感じがします。
    内部被曝と外部被曝のバランスが 感覚的or直感的に悪いのです。
 
    それで、 前(このシリーズ 疑問 (2) )に引用した
 
     早野 外部被曝と内部被曝の比較は 同じ シーベルトを使っている限り、 リスクの度合いは
       同じ というのが世界的に受け入れられている考え方 だと思います。
               つまり 福島県は、現状では 内部被曝よりも 外部被曝の方が リスクは高いと思うのですが、
               皆さんは いかがお考えでしょうか。

        斗ケ沢 まったく同感です。

        坪倉 僕もそう思います。
 
    というような対話が必要になってくるのでしょう。 
 
     そして、福島県がやっているWBC検査は ㏜で値を出している限り、
    はじめから ほとんどが 1m㏜以内に収まることを見越してやっていることになり、
    たんなる 「安心・安全」キャンペーンの一環に使われている 一種の詐欺行為だと
    いう風に見えてきます。
 
 
      ここで、早野氏の、1m㏜/年は 食物摂取が
     
      大ざっぱに言うと、5万㏃です。
      となると、1日に だいたい 100㏃から 200㏃くらいの摂取になります
 
    という発言を検証してみます。
      預託実効線量の計算は、複雑で 手計算では なかなかできないため
    コンピュータの計算ソフト(放医研 作成の「MONDAL」を使って 値を出すようです。
       ⋆ 「吸入か経口か」「年齢は」「吸収タイプ」「急性か慢性か(+不均等慢性摂取か)」
        「体内残留量か尿中排泄率か糞中排泄率か」.「摂取後何日経過しているか(慢性の場合
        何日間摂取して何日後測定か)」「計測された放射能量は(WBC:Bq/body、尿・便:Bq/day)」
        などを考慮する  http://www.nirs.go.jp/db/anzendb/RPD/gpmdj.php
 
    そうして、例えば 2012年8月の福島民報に
    という記事が出ましたが、 
    体内に セシウムが 1万9508㏃で、預託実効線量は 0.852m㏜と評価されています。
       (この人の体重が、例えば 60〜70kgとすると、278.7〜325㏃/kgとなる
 
     この男性は 日々の食物からの摂取が 何㏃として 預託実効線量を計算したのか
    分かりませんが、事故後 1年近く経った時点での体内セシウム量が 1万9508㏃ という
    ことは、 http://www.slideshare.net/RyuHayano/gcm-2012716(早野龍五氏)の P86の図から
    10㏃/日の摂取で 300日後 1200㏃余の体内量ですので、 19508÷1200=16.26 
         少なくとも  日々 160㏃以上の食物摂取があったと推測できます。 
                                      
      実効線量係数は、大人の場合 Cs137 :1.3×10−5、 Cs134 :1.9×10−5 ゆえ、
     両セシウムの量の比が 1:1として、 放射性セシウムの実効線量係数は 1.6×10−5 。
      1÷1.6×10−5 =0.625×105 すなわち 62500 (6万2500)㏃の一回摂取
     で 1m㏜ になりますが、 
 
     大人が 毎日同量の摂取で、1年の摂取累計が 5万㏃になるには、
    1日に 137㏃(50000÷365=136.99)ずつ摂取していくことになり、早野氏の図から
    10㏃/日の摂取で 1年後に 1300㏃、 2年後に 1400㏃の体内蓄積量なので、
        1年後の体内蓄積量は、 1万7810㏃ (137×1300÷10=17810)
        2年後以降の 〃    、 1万9180㏃ (137×1400÷10=19180)
     となり、
     もし、早野氏の言が正しければ、 これが 年1m㏜の内部被曝に相当する
    ということなのでしょう。 
 
     70代男性の場合と比較してみると、数字が チグハグですが、当らずとも遠からず・・・。
 
     しかし、
    この預託実効線量(㏜)というのは、何がどうなっているのか? シロウトには 摩訶不思議
    な代物です。 
          
      
                           (つづく)
 
  早野龍五、坪倉正治氏らの
 福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
 ― 福島第一原発事故 7–20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―
 
 についての疑問    (2)
 
   この「福島県内における大規模な内部被曝調査の結果」は、日本学士院紀要に投稿された
  英文の学術論文ですので、現実を ある切り口で述べたものと見ることもできますが、
  その現実とは、今現在 被曝環境で 日常生活を送っている子供たちの運命の全体です。
   そういうモノを 研究対象とするという営みのキワドサに、この論文の著者たちは、
  どれほどの自覚があるか? ということは、研究者以前の人間としての重要な問題です。
    
   勝れた科学研究の論文を書くことと、その科学者が倫理的に勝れていることとは、
  一般には イコールではありません。 この2者には 相関関係がないか、或は
  倫理的な問題を抱えなくては 勝れた研究論文を書くことができないということも 多く
  あります。 
 
    早野、坪倉両氏らの 日頃の言動に、何だか 腑に落ちない所を、私は感じてきました。 
   この理由を より明瞭にしようとして、 この 「疑問」 シリーズを始めたわけです。
 
                ◇  ◇  ◇          ◇  ◇  ◇ 
 
  2. セシウム134のデータを抜いているのは 何故か?
        「3 結果 3.1 全体像」の始めに、
     
     有意検出者のセシウム 134・137 比は 放出初期に およそ 1:1であったが、時間経過に伴い
     セシウム 134 が減衰する様子が WBC で捉えられている(図 4)
     以下、本論文では、セシウム 137 の計測結果のみを示す。
 
   とあります。
    三春町の小中学生が第2回目のWBC検査を受けたは、 2012年 9月 3日〜11月 8日
   でしたので、2011年3月11日から 543〜609日目のことになります。
          t日後の Cs134/Cs137=Aとすると、 logA=−19.4t/22630=−0.000857t
          543日後:  logA=−0.000857×543=ー0.47  A=0.63
            609日後:  logA=−0.000857×609=−0.52  A=0.59
    すなわち、単純計算で、
     この間 セシウム134は 当初の 63%から 59%に減衰していることになり、
    セシウム134のベクレル数は、セシウム137の ベクレル数の 約60% はあるはずです。
   
     したがって、例えば 体内のセシウム137が <300㏃/Bodyだった場合、
    セシウム134は、<約180㏃/Bodyはあるはずで、セシウムの合計は <480㏃/Bodyです。
                                     < : 未満のこと
    ※ この場合、Cs137もCs134も 不検出ですが、例えば 
         体重30㎏の子供(9歳)では  <16㏃/㎏(Cs137〜10、Cs134〜6 )
         体重20㎏の子供(6歳)では   <24㏃/㎏(Cs137〜15、Cs134〜9)  
      の体内量です。  
       そして、  
        http://www.slideshare.net/RyuHayano/gcm-2012716(早野龍五氏)86/130 の図は、
       9歳の子では、恒常的に 毎日<10㏃を食物から摂取している可能性を、
       6歳の子では、食物から それ以上の恒常的な摂取か、或は 検査前に 一時的に
      高い㏃数のものを食べた可能性を示しています。
            しかし、このような実態の可能性は 三春町のWBC検査では見逃されています。
 
 
     この論文が、UNSCEAR 1988報告での チェルノブイリの内部被曝と土壌汚染の関係が
    フクシマでは当てはまらないことを指摘することが眼目なら、UNSCEAR に合せて
    Cs137だけを論じていることに、問題はありません。
     しかし、WBC検査では Cs134も計れているにもかかわらず、「ひらた病院」の発表 も 
    三春町のHPの発表も、Cs137の値だけしか公表していないのは 何故なのか?
       ※ 南相馬市のWBCの結果(2012年4月〜9月末) を見ると、
        これも Cs137のみの発表です。(検出限界:Cs134 220Bq/body、Cs137 250Bq/body)
 
     今 被曝環境で生活している住民にとっては、当然 放射能の健康への影響に
    関心があるわけですから、体内にある 放射性セシウムの合計こそ 問題なのであり、
    Cs137のみにおいて、「 全員が 検出限界未満(< 300 Bq/全身)であった 」と
    言っても、ピントがずれた感じのするのが ふつうでしょう。
 
      被曝の現実総体の 一断面のみ見せて  「安全・安心」を強調する姿勢は、
    「彼らは 被曝による健康被害のリスクを 本当に減じようとしているのだろうか?」
          ということにならざるを得ません。
 
     また、「検出限界未満」であることは、「放射性セシウムの健康影響がない」ということ
    ではなく、WBC機器の性能の制約であり、また 検査人数の多さと時間の短縮という
    技術的な制約のために  偶々 「検出限界未満」 となっているだけ、「安全」を保証して
    いるのでは、必ずしも ないのはもちろんです。
 
 
 
 
  3. 衣服からの被曝
    論文の「3.1 全体像」には、
 
      ひらた中央病院のデータでは、2012年 3月を境に 急激な陽性率低下があるが、3月 1日から
     全員に ガウン更衣をした効果と類推される。
     つまり、2011年 10月から 2012年 2月までの 5 ヶ月間に検出された 15 % の陽性者の中には、
     着衣の表面汚染がある割合で含まれていた可能性が高い。しかし、その定量的評価はできない。
 
   と述べています。 これは、WBC検査の精度を上げようとして 彼らが 色々な試行錯誤
   をしてきた跡なわけです。 
    別の場所(それは内部被曝じゃなかった 〜坪倉正治 )で、坪倉氏は この苦労を
   語っています。 そして、
 
     今後も WBC検査時には、更衣を徹底しなければならないことを思い知らされた例でした。
     他の市町村の方々も、ぜひ気に留めて欲しいと思います。

   と。
    ( 彼らは WBCの取り扱いには 当初 シロウトでした。 国内には この取扱いに
     詳しい独立行政法人がありますが、何故か 福島のWBC検査を指導したのは、
     東京大学のシロウトでした。奇妙なことです。) 
 
    被曝環境に置かれている人々は、
   この論文の主題である内部被曝ばかりでなく、外部被曝にも晒されています。
   この事態を、この論文の著者らは 「ホールボディカウンタ(5) 」引用の対話で、
 
    早野: ・・・外部被曝と内部被曝の比較は 同じシーベルトを使っている限り、 リスク の度合いは 同じだ
     というのが世界的に受け入れられている考え方 だと思います。
     つまり 福島県は、現状では 内部被曝よりも 外部被曝の方が リスクは高いと思うのですが、
     皆さんは いかがお考えでしょうか。

    斗ケ沢: まったく同感です。

    坪倉: 僕もそう思います。
    
    と語っています。 
   そうならば、何故 彼らは 
   ・「よりリスクの高い」と 自ら語る外部被曝に対する取り組みをしないのか? 
   ・内部被曝が チェルノブイリと比べて それほどではないということを強調するのか?
   ・比較することで、被曝による健康影響の問題が解決するかのような印象を与える言動
   を さかんに しているのか?
 
    WBC検査において、衣服からの影響で、その結果に影響を与えるほどの線量がある
   ということは、日常生活では 空間線量だけではなく、着用する衣服から 相当量の
   外部被曝を受けているということです。
    WBCで 着衣からの被曝量を除けば、それで済むとしているかのような 早野・坪倉両氏
       の言動には、当地の人々の被曝を トータルに軽減しようという姿勢を感じられません。
 
    もし、被曝を軽減しようとするなら、
   「 衣服からの被曝量(㏜)は大したことはない 」と言うのではなく
   WBC検査で ガウン更衣の対策をして カウント数を減らす前に、日常の衣服からの
   被曝をなくす対策をするように 人々や行政に呼びかけるべきものでしょう。
                ⋆ それは内部被曝じゃなかった 〜坪倉正治
 
    しかしながら、 現地は これに 手が回らない程の 何から何まで 放射能に汚染されて
   いる被曝環境なのでしょう。 このことが あからさまに語られていない状況こそ、実は
   最大の問題ではないでしょうか?
 
    
                             (つづく)
       
   

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