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放射性物質

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日本学士院紀要 Proceedings of the Japan Academy Series B 89 (2013) 157–163 の抄訳
 
  早野龍五、坪倉正治氏らの
 福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
 ― 福島第一原発事故 7–20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―
 
 についての疑問
 
  この夏にとりまとめられる UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)レポート
 で参照されるという この論文についての 私の疑問について、まとめておきたいと思います。
 
 まず、この論文のポイントは、「概要」に述べられているように、
 
   チェルノブイリ事故で得られた知見をそのままあてはめると、福島県県内の人口密集地で、
  年に数 mSv を超える内部被ばくが頻出することが懸念された。 しかし、ひらた中央病院で
  2011年 10月から 2012年 11月に行った 32,811 人のホールボディーカウンター検査結果は、住民の
  内部被ばくが、この予想よりも 遙かに低いことを明らかにした。
 
 という所にあり、 
 
  汚染食品の摂取による内部被曝の レベル は、地表の放射性物質沈着量に ほぼ比例し、
  『土壌汚染 1 kBq/m2 内部被曝 20 µSv/年』
 
 という UNSCEAR 1988報告が、フクシマには当てはまらないということを主張しており、
 早野氏らが 昨年来 苦労されてきた集大成といったものでしょう。
         ※ ホールボディカウンタについて (2)(5)(6)
 
  すなわち、これは 
  フクシマでの経口摂取による内部被曝が チェルノブイリとは 様相を異にしていて、
 「 福島県内の住民の放射性セシウムの摂取量が、実際に どれだけ低いのかを呈示 」
 するための論文であり、
 「 土壌汚染 と 内部被曝のレベル に大きな違いが見られる理由 」を明らかにすることは、
 「 本論文の範疇外である 」としています。
 
  ただし、この理由に  サンプリングバイアス  なるものは寄与していないと主張することが、
 今一つのポイントになっています。
 この サンプリングバイアス が何を意味しているかは、 この抄訳では、今一つ 不明瞭ですが、
 
      「 十分に食材に注意を払った住民の、自主的な要望による WBC 検査」という、強いサンプリングバイアス
 
   とありますから、
  ① 十分に食材に注意を払うこと    ② 検査対象が自主的な要望者であること  
 の2つの偏り(食材と検査対象)を考えているのでしょう。
  すなわち、検査を受けようとする人々は、
 家庭の食習慣が堅実で 福島県産は 勿論,関東・東北産の食材購入を避けるというような
 より健康に関心のある層が多いというようなことでしょう。
 
  そこで、
 このような偏りのために、 フクシマが チェルノブイリとは違うように見えただけではないのか 
 という反論を退けるために、こうした偏りがない検査事例として、三春町の小中学生の
 ほぼ全員のWBC結果を出して、
 
     これは、検査対象に 行動や食習慣の偏りのほとんどない、サンプリングバイアスフリー な データセットといえる
 
 としています。 そして、
  
  「 2012 年秋の検査では、その全員が検出限界以下であることを示した。 これは
 福島県において、初めて対象のほぼ全数を計測した サンプリングバイアスのない内部被曝評価
 である。 」
 
 と高らかに宣言しています。
 
                ◇  ◇  ◇          ◇  ◇  ◇
 
  では、 幾つか 疑問を提示したいと思います。
 
  1.WBC検査の精度について
    a。 測定時間 : FASTSCAN による 2 分間測定
       検出限界  : 300 Bq/全身(セシウム 134、137 ともに)
       
       週刊朝日の記者が 広島大学原爆放射線医科学研究所で受けたWBC検査
      の記録記事を見ると、
       「(検査は)30分コースで行いましょう。本当は着替えなくても測れますが、私ども広島大学
       では 現在、福島県から被曝した傷病者が搬送される事態を想定してますので、想定どおり
       にやってみましょう」 ・・・ 検査は 時間をかけた方が誤差が少ないという
                  < ホールボディーカウンタについて(3)
 
       多人数を検査するためには、一人に 30分もかけていては 実際的ではありません。
      しかし、2分間で 検出限界(300㏃/body)=測定誤差の3倍 が確保されれば、
      測定値(㏃)は 意味ある数字と言ってよいのでしょうか?
 
       例えば、6歳の子供(体重:20kg)の場合、
      体内量10㏃/kgを計るためには 検出限界は 200㏃/Body未満が必要です。
          
             ※参考: 放射能・プレミアムドックセンター仙台 は 測定時間 10分
                    成人で、身体全体の数値が 150㏃前後
                     (身体の大きさや年齢によって、下限値は違ってくる)
                    ⇒ 成人(体重60kg)では、検出限界値は 2.5㏃/kg。
 
       すなわち、このWBC検査では 
       6歳の子の体内蓄積量 10㏃/kgは 「検出限界未満」 となっていることになります。
 
       また、WBCは、セシウム134、137のγ線のみを検出しており、両者は β線も
      出しているために、内部被曝量としては β線の寄与も考慮しなくてはなりません。
      これを 預託実効線量(㏜)として求めるのでしょうが、これについては 後ほど。
                              原安協の活動紹介 - 緊急被ばく医療研修
 
 
     b。 なぜ WBCより精度の高い尿検査でないのか?
      矢ケ崎克馬氏は、坪倉正治氏に対する批判 の中で、
 
       WBCの精度が尿検査に比較して少なくとも 2ケタ以上は悪くWBCは 被曝の
      現実を切り捨てて「検査をしてみましたが被曝はありませんでした」と、原子力ムラの
      ご都合に奉仕しているのではないのでありませんか?
 
      と述べています。
               ⋆ ホールボディカウンターと尿検査の精度比較  〜放医研  (4ページ)
               尿検査は10歳児では WBCの約10倍の精度がある
 
      福島県が WBC検査を導入した経緯を 毎日新聞(2012年11月20日付)は、
      
        内部被曝の検査で精度が高いとされる尿検査の実施を国側から提案されながら 県側が難色
       を示すやりとりが追加された。修正前の議事録に全くなく、専門家は 「被害を低く評価するため
       (少しの内部被曝でも検出する)尿検査をやりたくないとの本音を見せたくなかったからでは」
       と批判している。
        尿検査を巡るやりとりがあったと修正されたのは 昨年6月18日第2回検討委(非公開)議事録。
        この検討委では 同県浪江町と飯舘村、川俣町山木屋地区の住民約2万8000人を対象とする
       被曝の先行調査について議論した。修正された議事録によると、ホールボディーカウンター(WBC)と
       呼ばれる大型機器 と 尿検査による内部被曝検査を巡り、オブザーバーとして出席した内閣府
       幹部らが 尿検査を本流に位置づけるべきだ と指摘。 だが、県側は 尿検査より WBCと
               みんなが言っている状況で、尿に舵(かじ)を切れない などと難色を示していた。・・・
                       「福島老朽原発を考える会」会見10/18(内容書き出し)
 
     と報道していて、当初より 県は 尿検査をする選択肢を捨てていたようです。
     そして、ここに 県のWBC検査政策の助っ人として 東京大学から派遣されたのが、
     坪倉、早野両氏だったのでしょう。
 
         参考: 理研分析センターの 検出下限と検査料金: 尿・母乳中の放射能検査 
            @尿の排出量は、水分供給の量によって左右され、大人で 一回 200〜500ml、
              一日約 1.5ℓ だそうです。
 
      また、児玉龍彦氏は、内部被曝の真実と尿検査「低線量被曝でも危険」 で、
               http://www.youtube.com/watch?v=hnh_ogQe47s            
               
        セシウムなどは尿にでてしまうから大丈夫だという説もあるが、前立腺肥大症の500例の
       膀胱の組織を集めた調査(国立バイオアッセイ研究所 福島先生)によって、尿中に 6㏃/㍑ 位
       のセシウムが15年くらい検出された人は ほぼ全員に前癌状態が確認されている
        一回の尿からは 腎臓から汲み出された1/100しか出ず、ある瞬間では セシウムの量は
       少なくとも、セシウムは100回体内を巡るので、膀胱癌や腎癌を凄く誘発する。
        低線量でも、長期間の慢性の被曝は 大きな影響を与えるという問題がある
        
 
         ※ この児玉氏の発言に対して 放射線医学総合研究所は、
          尿中セシウムによる膀胱がんの発生について という反論をしています。
 
     ※ http://www.slideshare.net/RyuHayano/gcm-2012716(早野龍五氏) の 87/130の
       資料を用いて
       を 計算してみました。 
      どなたか、計算が合っているかどうか検証してみて下さい。よろしくお願いします。
 
                            (つづく)
 
 
 
  フクシマの人々は 着衣から日常的に被曝している
   ――― これは 放射線管理区域から出る時に 衣服を着替え、汚染された衣服は
        放射性廃棄物とされるという  従来 ごく普通に為されてきた放射線防護対策が、
        3.11以降 フクシマでは 為す必要のないものと、
        日本政府によって宣言されたからである。
 
  その被曝のリスクは?
    ――― 坪倉氏は、着衣からの被爆は 大したことはない と言って、
        従来の放射線防護対策の無効を フクシマに宣言した政府の行為を
        「科学的」に追認しているのである。
        すなわち、専門家の知見を基に決められた 従来の国の放射線防護対策は、
        無意味なものだったと、彼は言っているわけである。 
         果して 本当だろうか? 
 
  坪倉氏の感覚を 我々は 容認できるだろうか?    
 
 

《48》 それは内部被曝じゃなかった

                                                             坪倉正治 (つぼくら・まさはる)
 去年の夏頃の検査でセシウム134と137併せて、3000Bq/body程度検出する方がいました。
40代の成人男性で体格はやや細身、職業は事務でした。その時は、何かしら高度汚染食品を
摂取したのかなと思っていたのですが、腑に落ちないところが少しありました。

 このブログでも何度か触れていますが、去年の夏頃から、ほとんどの方が検出しない(検出
限界以下 250Bq/body位)という状況を維持しています。 それこそ 小児は99.9%以上のケース
で、検出限界レベルを超えることはありません。大人であっても、相馬・南相馬なら 90%以上は
検出しない状況です。

  検出する方がいらっしゃっても 高齢の男性が多く、検出値が 4桁に到達することは少ないです。
5桁の値を検出する方は、ごく数名おられましたが、出荷制限が既にかかった食品を、未検査
で継続的に摂取されていることが明らかでした。
その方は、そうした予測からは外れていました。40代で職業は 事務、家庭菜園はされている
といいますが、いわゆる 値の高くなる食材は作っていない。小さな子供もおられ、食生活に全く
気に懸けていない訳でもない。

 なぜだろう、と思いながら 一般的な食事の指導や気をつけるべき点をおさらいし、再検査を
約束して その時の検査は終了しました。再検査を 半年後に行ったところ、値は やや低下傾向
にあるものの、生物学的半減期から予測される減少はありませんでした。

その原因は、スーツに残った汚染でした。実は この男性は 病院のスタッフで、前回の検査は
器械の調子を調べるためのトライアルとして行い、着衣のまま検査をしていました。 今回も
着衣のまま検査しました。その後、着衣を脱いで検査をすると 検出限界以下という結果でした。そして、ハンガーにかけ、ホールボディカウンター(WBC)内に吊るし、着ていたスーツだけを検査する
と、同様の値を検出しました。スーツに付着し残っていた微量の汚染を、体内に含まれる放射能
として器械が検知してしまっていたのです。

そのスーツは、震災直後1週間ぐらいから着ていたといいます。その後 何度も クリーニングに
出し、ずっと着ていたといいます。スーツなので ドライクリーニングでしょうJAEAのデータでも、
水洗いをすると、最初に80〜90%程度の汚染は除けるのですが、残りが繊維の中に入って
しまうからか、取れなくなってしまうことが経験上分っています除染作業服の管理などは
ちょっと気をつけた方がいいかもしれません。

こんなことを言うと、クリーニングだときれいにならない!みたいに思われるかもしれません。
確かに 全ての放射性物質が 洗浄で取りきれる訳ではないようです。 しかし、日常生活で着て
いる服が、どんどん汚れていっているという話ではありません。恐らくは 震災直後に 高度に
汚染された服を 一時帰宅の際に取りに帰ったとして、その服の汚染は洗濯しても 完全には
取りきれていないかもしれない、という状況かと推測しています。
今回のことで言えることは、検査前は着替えましょう。というだけです。

   理論上、この外部被曝の影響を考える必要はありません。たとえば、1000Bqのセシウム137
の(非常に小さい)固まりがあったとして、1mの距離での空間線量は 6.2x10^-5(0.000062)
μSv/hほど上る計算になります。3000Bqの服を身にまとったとして、その体の中の空間線量
の増加分は 0.002μSv/h0.001μSv/h 注)程度と計算されます。空間線量計の精度をご存知
であれば、意味がある数字かどうかはお分かりになると思います。
(IAEA資料 IAEA-TECDOC-1162 88ページ参照)

  今現在の検査は、着替えをしてから行うことが徹底されていますが、震災直後は そうなって
いない検査も混ざっていたのが事実です。その場合、器械は 誤って 体内の放射能を高く見積も
ってしまうことになります。WBC検査前に、外部汚染を調べる検査を行っていますが、その レベル
では全く検知できませんでした。今後も WBC検査時には 更衣を徹底しなければならないことを
思い知らされた例でした。 他の市町村の方々も、ぜひ気に留めて欲しいと思います。

《編集部から》 
注部分の数字ですが、坪倉先生から修正の依頼があり、訂正してあります。
セシウム137のガンマ線から寄与は、立体角を用いて計算すると、0.002μSv/hとなります。これに、セシウム134、およびベータ線からの寄与も加えて考えると、体の中の空間線量の増加分は0.001μSv/hではなく、0.006μSv/hという評価になります。
 
 
3.2 三春町における WBC 検査 –サンプリングバイアスのない検査による結果–
 ひらた中央病院では、三春町の小中学生ほぼ全員を対象に、これまで 2回の WBC 検査を
行っている。これは、検査対象に 行動や食習慣の偏りのほとんどない、サンプリングバイアスフリーな
データセットといえる。
 三春町(人口約 18,000 人)は福島第一原発から約 50km 西方に位置し、農家数が全世帯の
約20% を占める。 セシウム 137 の土壌沈着量は 9〜160 kBq/m2 (平均 80 kBq/m2 )であった。
三春町民の多くが、高い内部被ばくのリスクに直面した、といえる。
 
 第 1 回目の検査は 2011 年 11月 24日〜2012 年 2月 29日に 1494 人(全体数の 94.3 %)、
第 2回目の検査は 2012 年 9月 3日〜11月 8日に 1383 人(同 95.0 %)に対し行われた(表 4)。
結果として、第 2回では 検査を受けた全員が 検出限界を下回り、検査を受けるべき対象全体
の95% をカバーするという、サンプリングバイアスがない状況で、内部被ばくが非常に低く抑えられていることが示された。
 一方、第 1 回では、1,494人中 54人に有意な放射性セシウムの検出がみられた。 うち、卒業
してしまった 14人を除く 40人は、2 回目の検査で検出限界を下回った(図 7)。
これは、第 1 回の検査後、放射性セシウムをほぼ摂取せず、体外に排泄された結果とも考えられる
が、検出の一部は表面汚染を見ていた可能性もある。この要因について これ以上深く分析は
しない。
 
  表4 三春町の小中学生のWBC検査結果。左が一回目の検査、右が二回目の検査。
   2011 年 8月 25日     2011 年冬の   測定率   137 Cs検出者数
   時点での在校生数    測定者数
    1585          1494       94.3%      54
   ―――――――――――――――――――――――――――――
   2012 年 4月 1日     2012 年秋の   測定率   137 Cs検出者数
   時点での在校生数    測定者数 
    1456          1383       95.0%       0  
 
     図7 三春町の小中学生の WBC 検査で、2011年冬にセシウム 137が検出された方のうち、
   2012年秋の検査も受診した 40人の体内セシウム量の推移のグラフ。
    2 回目の検査では 全員が検出限界未満となった。 直線は、一回目測定結果と二回目測定結果
   (不検出の場合は一律に150Bq/全身として表示) を結んだもので、理論的な意味は持たない。
 
 
4 まとめ
 福島第一原発事故に伴う、多くの人口が住む土地への放射性セシウムによる土壌汚染は、
住民に重大な内部・外部被曝のリスクをもたらす。もし チェルノブイリ事故後と同等の土壌汚染
内部被曝移行があるとすれば、住民の多くが、数 mSv/年 の内部被曝を受けることが予想
される。
 にも関わらず、ひらた中央病院にて施行された WBC 検査では、住民の内部被曝レベルが
極めて低いことが示された。事故後 12〜20 ヶ月にかけて施行された検査では、放射性セシウム
が検出されるのは 受検者の 1.0 % のみ(小児では 0.09 %)であった。
 
 三春町では、全児童生徒のうち 95% の WBC 計測を 町が主導して行い、2012 年秋の検査
では、その全員が検出限界以下であることを示した。これは 福島県において、初めて対象の
ほぼ全数を計測した、サンプリングバイアスのない内部被曝評価である。
 
 これらのデータは、福島県全体の状況を網羅するものではないが、県内の他の自治体や県
のデータとも おおむね一致する。 しかしながら、この結果が すべての福島県民を内部被曝の
リスクから解放したわけではない。計測の行き届いていない年齢の高い住民の中には、ごく
わずかではあるが、100 Bq/kg を超える体内セシウムを持つ方が事実おられるのである。
 土壌汚染と内部被曝のレベル に大きな違いが見られる理由を解明することは、本論文の範疇外
であるが、今回の結果は、日常食からの放射性セシウム摂取が低い、とする、いくつかの陰膳検査
等の結果とも一致する。
 
 いずれにせよ、内部被曝レベルを低く保つ為に、食品の検査・スクリーニング 及び WBC 検査は、
福島県において 継続的に施行されていく必要がある。
 
                          (おわり)
 
 公益財団法人・震災復興支援放射能対策研究所
  ○2012年4月1日から7月31日までにWBC検査を施行した全年齢の方(8,200名)の内訳
              セシウム137 ㏃/kg  ( )内: %
   検出限界未満  0〜5    5〜10  10〜15  15〜20  20〜25  25〜30  30〜35
   8127(99.11) 12(0.15)  41(0.5)  14(0.17)  2(0.02)    1(0.01)     0      0
    35〜40   40〜45   45〜50  50〜
      0        0       0     3(0.04)
 
 
○図3:前回公表分と今回公表分の対比(全年齢)
 
○図4201241日から731日までにWBC検査を施行した12才以下の方
3,850名)の内訳
 
○図5:前回公表分と今回公表分の対比(12才以下)
以下は、
ayammt さんからご紹介いただいた、三春町の小中学生のWBC結果についての論文です。
 
日本学士院紀要 Proceedings of the Japan Academy Series B 89 (2013) 157–163 の抄訳
 
福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
― 福島第一原発事故 7–20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―
                          (1)
                      早野龍五:東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻
            坪倉正治:東京大学大学院医学系研究科 生殖 · 発達 · 加齢医学専攻
                      宮崎 真:福島県立医科大学 放射線健康管理学講座
                      佐藤英夫、佐藤勝美、正木 真、佐久間裕:ひらた病院
                             2013 年 4 月 11 日 オンライン掲載†
 
 
                           概要
 福島第一原発事故は、福島県内の土壌を放射性セシウムで汚染した。チェルノブイリ事故で得られた
知見をそのままあてはめると、福島県県内の人口密集地で、年に数 mSv を超える内部被ばくが頻出することが懸念された。
  しかし、ひらた中央病院で  2011年 10月から 2012年 11月に行った 32,811 人のホールボディー
カウンター検査結果は、住民の内部被ばくが、この予想よりも 遙かに低いことを明らかにした。
特に、2012 年秋に、三春町の小中学校の児童生徒(1383人:在校生の 95 %)を測定したところ、
全員が検出限界未満(< 300 Bq/全身)であった。 これは  「サンプリングバイアス」 が無い測定で、
住民の内部被ばくが 低いことが示された初の結果である。この結果は、福島県全県を代表する
ものではないが、福島県や、県内自治体で これまでに得られた結果等と矛盾しない。
 
1 はじめに
 東日本大震災と津波を契機とする福島第一原発の重大事故は、多くの放射性物質を放出し、
それらは 福島県と周辺地域の地表に降下した。文科省の航空機モニタリングによれば (図 1)、
セシウム 137 の地表沈着量は、福島市(人口約 28万人)や郡山市(同約 33万人)などの人口密集
地帯においても、60〜300 kBq/m2 に達する。
 チェルノブイリ 原発事故後の知見では、汚染食品の摂取による内部被曝の レベル は、地表の
放射性物質沈着量にほぼ比例する。UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)
1988報告によれば、土壌汚染(kBq/m2)の程度と、事故後最初の 1年におけるヨーロッパ成人
の平均的な預託実効線量(µSv/年)の係数は 20、つまり
            『土壌汚染 1 kBq/m2 → 内部被ばく 20 µSv/年』
とされた。 もし これが 今回の事故でも 同様ならば、福島市のような土壌汚染 〜100 kBq/m2 の
地域では、事故後最初の一年間の 慢性経口摂取被曝量は平均で  2 mSv/年と予想される*1 。
            UNSCEAR 1988 REPORT
           Annex D: Exposures from the Chernobyl accident ( Tables & References)
 
 すでに、幾つかの測定結果が その予測に反して内部被曝量が十分に低いことを示唆している
が、その一つが、福島県が 2011年 6月から始めた WBC 測定である。
表 1 のように、100,000人以上の住民を WBCで計測し*2 、受診者の 99.9% がセシウム 134、137
両方の預託実効線量を足しても  1 mSv に届かない。
 ただし、福島県の WBC 結果公表には、Bq/kg  もしくは Bq/全身 での細かな分布が含まれて
おらず、測定された住民が、一日平均何 Bq の放射性セシウムを摂取しているのか、そして
それが地表に降下した放射性物質の濃度と関連するのかを知ることが出来ない
  以下では、福島県内の住民の放射性セシウムの摂取量が、実際に どれだけ低いのかを呈示
する。
 
 *1 UNSCEAR の係数は セシウム 137 のみに対するものである。福島原発事故ではセシウム 134
  も考慮しなければならないため、予想値は これの約 2.5 倍、即ち 5 mSv/年程度となる。
  *2 論文投稿時に 福島県 HP に掲載されていた資料より。現在は 更に人数が増えている。
 
  表1 福島県 HP に掲載されたホールボディーカウンター検査結果(2013年 1月 31日公表)
                 全期間(人数)   2012 年 1月 31日以前      2012 年 2月 1日以降
                       (急性吸入摂取を仮定)     (慢性経口摂取を仮定)
   <1m㏜    106,070      15,383             90,687
   1〜2m㏜       14          13                  1
    2〜3m㏜        10                      10                  0
   3〜4m㏜        2           2                   0
  
2 方法
  〇 FASTSCAN による 2 分間測定
  〇 検出限界 300 Bq/全身(セシウム 134、137 ともに)
  〇 身長 110 cm 以下: 20 cm 踏み台を使用
    身長 125 cm 以下: 12 cm 踏み台を使用
  〇 検査前にサーベイメーターによる評価あり
  〇 2012 年 3 月 1日より全更衣あり
  〇 2011 年 10月 17日〜2012 年 11月 30日の期間に総数 32,811 人を検査(図 2)
   (ちなみに、このデータは、福島県が HP で公表している統計には含まれない
  〇 総数中、福島県民が 73 %、茨城県民が 23 %
  〇 図 3 に 福島県民居住地と土壌へのセシウム地表沈着量の関係を示す
 
 
  図2 WBC受診者の年齢分布 (4歳〜93歳、中央値 12歳、平均 19歳)。横軸は年齢、縦軸は人数。 
  図3 WBC受診者のうち、福島県内在住者がどの程度の土壌セシウム 137沈着量の所に居住して
   おられたかを示す分布。 横軸はセシウム 137 の沈着量 kBq/m2 、縦軸は人数。
       
3 結果
 
3.1 全体像
 有意検出者のセシウム 134・137 比は 放出初期に およそ 1:1であったが、時間経過に伴い
セシウム 134 が減衰する様子が WBC で捉えられている(図 4)
 以下、本論文では、セシウム 137 の計測結果のみを示す。
ひらた中央病院のデータでは、2012年 3月を境に 急激な陽性率低下があるが、3月 1日から
全員にガウン更衣をした効果と類推される (表 2、図 5、および図 6 を参照)
つまり、2011年 10月から 2012年 2月までの 5 ヶ月間に検出された 15 % の陽性者の中には、
着衣の表面汚染がある割合で含まれていた可能性が高い。しかし、その定量的評価はでき
ない。そのため、2012以降のデータの解析を主に行うこととした。
 
表 2 、図 5、および図 6 から言えることは
 1. 福島県の内部被ばくレベルは 土壌汚染のレベルに比して非常に低い。
 2. ことに小児においては、2012年 5月以降に受診された 10,237人で、検出限界(300 Bq/
  全身)を超えた方がいない*3
 3. ごくわずかに、100Bq/kg(数千 Bq/全身)を超える放射性セシウムを保有する方がおられた
  が(表 3)*4 、天然のキノコ やイノシシ、川魚などの食材を日常的に、未検査で摂取していたこと
  が分っている。 これらの方々は、汚染食材の摂取を控えることで、生物学的半減期に沿った
     体内放射性セシウム量の減少が確認されている。
 
 これらの結果は、実効線量が極めて低いことを示唆しているが、これが「 十分に食材に注意
を払った住民の、自主的な要望による WBC 検査」という、強い サンプリングバイアス によって得ら
れている可能性は 否定できない。
そこで、次のセクションで、サンプリングバイアス のないデータではどうか、ということを示す。
 
   *3  なお、検出限界における推定実効線量の最大値は、
    〜10 才 : 21 µSv/年( 5.8 Bq/日 )
    〜15 才 : 13 µSv/年( 2.7 Bq/日 )
   ※( )内は 一日平均摂取量
        である。
 *4 最も高い方であっても、その実効線量は、約 1mSv/年程度であり、前述の チェルノブイリ事故後
  の係数を用いた予測値よりも低い。
 
  表2  ひらた中央病院での WBC 検査結果。 n は受診者数、ndet はセシウム 137 検出者数、
    ndet /n はセシウム 137 検出割合。左側に全受診者の結果を、右側に 15 歳以下の子供の結果を
    示す。また、表の上半分は、全員更衣前、下半分は全員更衣後の結果である。
  表3 ひらた中央病院でセシウム 137 の体内量が最も多かった 4 名の方々のデータ。
    最初の検査結果(左)と、二回目の検査結果(右)の比較。 
   図4 ひらた中央病院のWBCで測定されたセシウム 134:セシウム 137 の比率の経時変化。
    横軸は事故後の日数。実線は事故直後の比率を 1:1 と仮定し、物理学的半減期で計算した結果。
     図5 セシウム 137 の検出率の経時変化。 黒は受診者全員、赤は子供。
    図6 セシウム 137 が検出された方の、体内セシウム 137 濃度 (Bq/kg) の分布。
    上の二つが全受診者、下の二つが子供。左の二つは全員更衣前の 2012 年 2 月までの結果、
    右の二つは 全員更衣後の 2012 年 3 月以降の結果。セシウム 137 が検出されなかった方は、
         このグラフに表示してないことに注意。   
 
                          (つづく)
人工放射線 と 自然放射線とは、生体に与える影響は同じか違うか?
――― セシウムは 生体の必須元素である カリウムの代りができるのか?
 
 カリウムの生体内での役割
 
4.エネルギー代謝
  エネルギー代謝をスムーズに行わせ、細胞が正常に活動する環境づくりを行う。
   ※ 生体は 摂取した栄養分を、細胞内で ATP(アデノシン 3 リン酸)という有機化合物に変えて 生命活動
     に必要な エネルギー を得ている。 ATPは 酵素(生体触媒)の力を借りて 複雑に絡み合いながらも、
     整然と制御された化学反応を経て生産される。 このように栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質)を
     分解しATPを生産する過程を エネルギー代謝と言う。

                           

      アデノシン三リン酸
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/10/ATP_chemical_structure.png/250px-ATP_chemical_structure.png

    ATPは アデノシンという物質に 3個のリン酸が結合したもので、リン酸とリン酸の結合部 (高エネルギー
 リン酸結合) に エネルギーが貯えられており、この結合が 1つ解かれて ADP(アデノシン2リン酸)とリン酸が
 1個に分解されると エネルギーが供給される。人間、動物、植物、バクテリアも 筋肉の収縮や生体構成物質
 の合成、細胞のカリウム・カルシウムくみ出しなどに ATPが使われる。約60兆個の細胞からなる人間の
 場合、成人男性が 1日に使う ATPは 40kgにもなる(40kgのATPが存在しているわけではなく、延べ数)。          ⋆ すべての真核生物が ATPを直接利用する
                 ↑ 身体を構成する細胞の中に細胞核を有する生物のこと。真核生物以外の
                  生物は 原核生物と呼ばれる。       
 
           ATP + H2O → ADP(アデノシン二リン酸) + Piリン酸
           ATP + H2O → AMP(アデノシン一リン酸、アデニル酸) + PPiピロリン酸)  
 
   
   ヌクレオチド : ヌクレオシドリン酸基が結合した物質。
               ↑ 五単糖の1位に プリン塩基 orピリミジン塩基グリコシド結合したもの。
                リン酸と結合して デオキシリボ核酸 (DNA) やリボ核酸 (RNA) を構成する
                脱水素補酵素として多くの生体反応に関与する。
    アデニンはシアン化水素アンモニアを混合して
    加熱するだけで合成されるため、原始の地球でも
    ありふれた有機物であったと考えられる。
            
                            ※ DNA: デオキシリボース(五炭)とリン酸塩基 から構成される核酸
 
                           (未完成)

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