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人工放射線 と 自然放射線とは、生体に与える影響は同じか違うか?
――― 生体は セシウムとカリウムの違いを認識できているのか?
また、セシウムは 生体の必須元素である カリウムの代りができるのか?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「セシウム(Cs)の体内挙動は カリウム(K)と類似する」という論拠を、 日本保健物理学会 は
「同じアルカリ金属であるから」 としています。 < カリウム40(1)
ただ、先の記事(49) の 青色の文 で注意したことですが、
同じアルカリ金属の カリウム と ナトリウム とでは、その 体内挙動 も 役割も 違いますので、
この論拠( 同じアルカリ金属であるから )は 直ちには成り立ちません。
しかし、
セシウムの化学的性質と体内摂取後の挙動は、生物にとって重要な元素である カリウム と似ている
としており、また ↓にも 日本物理学会は 生理的に類似している と繰り返しています。
この見解の情報源は どこなのか? また、類似とは、何が似ているのか?
セシウム と カリウム について で 日本保健物理学会は、
1) カリウム過剰摂取により 放射性セシウムを体外に除去できるか?
2) カリウム過剰摂取により, 放射性のカリウムが過剰に体内にたまるか?
の2つの問いに答えています。
1)の答え ( 丁寧語は 略 )
体内に摂取された放射性Csを, 生理的に類似しているKで 体外に除去する研究は行なわれている。
さまざまな報告はあると思うが, ヒトの場合, Kを 1日2600mg過剰に 1か月投与しても放射性Csを
洗い出す効果はみられなかったと報告されている。 日本人の食事摂取基準(2010年版)の ミネラル項
のカリウムには, 成人男性で 目安量2500mg/日, 成人女性は、目安量2000mg/日と記載されている。
上記の報告の Kの過剰量は 目安量に匹敵している。
又、ラットにおいては, Kを過剰投与後に, 放射性Csを投与した場合, 放射性Csの高い排泄量が 認められているが, ヒトについては 認められていない。
よって, Kを含む食品を多めに摂取しても 放射性Csを 体外に除去する効果は期待できないと思う。 2)の答え ( 丁寧語は 略 )
・・・
放射性Cs については, ・・・ Kを多く含む食品に 放射性Cs が多く含まれるとは限らない。
※ このCNICの文は、さらに
体内に入ると全身に分布し、約10%は すみやかに排泄され、残りは 100日以上滞留する。
成人の体内にある セシウムの量は 1.5mgで、カリウムの140gの 約10万分の1である。
と続きます。 前記事(51) では、生体内のCs量は 数mgということでしたが、ここでは
1.5mgとなっており、 3万分の1は 10万分の1に変えなくてはならないことになります。
しかし、どちらにしても、
生体内のCs:K は、地殻における比と比べて、Csの割合が小さくなっています。
ということになる訳で、
生体は カリウムとは異なり、セシウムを積極的には取り込もうとしていない
と言えます。
( 生体の正常な生命維持にとって、カリウムは必須元素とされていますが、セシウムは
そうではありません。 ただ しかし、セシウムは なくてもよい元素なのかどうか? 何かに
たいへん重要な役割を演じているということは、絶対に言えないのかどうか? ・・・ ) 上の記述の情報源である
人体放射能の除去技術 挙動と除染のメカニズム 放射線医学総合研究所 1995
には、「 体内挙動が類似する 」とは どいうことか?
を、P 7〜9 により詳しく述べています。 (さらに、 P35〜37 55〜57 に) セシウムは 元素の周期表で ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどと同じ アルカリ金属に属し、化学的性質
が似ているので、体内の挙動にも類似したところがある。 ナトリウムやカリウムは 人体にとって必須元素
であり、体内に広く分布している。この2つの元素は 経口摂取されると 消化管から100%吸収されて
血液中に入り全身に分布する。
同じように セシウムも 消化管から ほぼ100%吸収され、その後 極めて迅速に体内に移動する。 骨に集まる ストロンチウム と違って、セシウム が 特に 高い濃度まで蓄積する組織や器官はなく、全身
に分布するが、筋肉には やや多く蓄積する傾向がある。
アルカリ金属元素は いずれも全身に分布しているが、カリウム と ナトリウムの体内での機能は それぞれ 対照的で、人体中における分布には 著しい違いがある。
ヒトの血液では ナトリウムが 赤血球に少なく 血漿に圧倒的に多いのに比べ、カリウムは ほとんどが 赤血球に含まれる。このように ナトリウムは 細胞外液に、カリウムは 細胞内液に、多く分布する。
< カリウムの生体内でのはたらき セシウムは ナトリウムと カリウムの中間の分布をしていて、血液中の75%のセシウムは赤血球に含まれている。 このことは、血液中の安定セシウム の放射化分析、或は 大気圏で行なわれた核実験の結果生じた放射性
セシウムCs-137の分析からも明らかにされている。
血液中の存在比の違いについては、これら元素のイオンの透過性の違い、細胞のイオン選択性 或は イオンの移動速度の違いなどと関連があるものと考えられる。
これらの元素に見られる血液中の分布の違いは K-42(半減期12.36時間)、Rb-86(半減期18.66日)、 Cs-132(半減期6.48日)を トレーサーとして ヒトに経口摂取させた実験からも確かめられた。
セシウムの血液中から身体組織への移行は カリウム や ルビジウムに比べて 遅いこと、 図1.4のように
生物的半減期も ルビジウム と セシウム の間で 大きな違いがあること、が ヒューマンカウンタによる測定で
観察されている。
また、経口投与された Cs-132の全身分布は、図1.5に示すように投与後30分で 主として 胃の周辺 に集まっているが、1日、2日と経過するに従い、肝臓、心臓、腎臓 及び ふくらはぎに相当する部分に
放射能のピークが現れ、約7日で ほぼ全身に分布するようになる。
体内に入った セシウムは 主に 尿に、一部が 糞便に、さらに ごくわずかな分布が 汗の中に排泄される。 投与後のセシウムは、ごく短い生物的半減期で減少する部分 と 長い生物的半減期で減少する部分とに
区別することができる。
日本人男子の場合、長い生物的半減期は 約50〜160日、平均85日である。もちろん 個人差や人種に よる違いはあるが、平均値として この範囲に入る報告が多く、ICRP Publ.30では、セシウムに対する生物的
半減期を110日としている。
乳幼児について セシウムの代謝を研究した例は あまり多くない。フォールアウト中に含まれるCs-137は 地面に落ち、根から吸収されて牧草に入る。 この Cs-137で汚染された牧草を雌牛が食べることで、
Cs-137は やがて牛乳中に出現し、Cs-137の含まれた粉乳を飲む乳児の体に Cs-137が蓄積する。
この乳児の全身に含まれる Cs-137の代謝について 成人に対して知られている放射能の摂取と全身に 含まれる量、及び 生物的半減期との関係が そのまま乳児の場合にも成り立つと考え、乳児の全身中
の放射能と粉乳を飲んで 1日に乳児の体に入るCs-137量とから、乳児について セシウムの生物的半減期
が求められている。
乳幼児の生物的半減期は 成人に比べて短く、新生児や乳児で 約10〜25日である。また、9〜15歳 の子供では 40〜60日程度で、成長するにつれて 次第に 成人の約110日に近付いていく。
子供は生物的半減期が 成人よりも短いが、体格からみて飲み物を食べる量が多いことや、発育の途上 にあるために、被曝による影響は 成人よりも大きい。
また、妊娠中は、生物的半減期が60%まで短くなることが知られている。筋肉の萎縮する病気である
筋萎縮症にかかると、妊娠時と同じように 生物学的半減期が短くなる。
チェルノブイリ事故後1年間、ギリシアで 102人の授乳婦から採取した母乳中のCs-137が測定されて いる。この平均汚染濃度は 16.4Bq/ℓで、食品から母乳への移行係数も計算されている。
またフォールアウト中のCs-137について観察した結果では、摂取した放射能の7%が最初の一週間に、
10%が2週間までに母乳中に分泌されている。
食事から摂取する放射性セシウムの量 と 体内の放射性セシウムの量との間に平衡が成り立っている場合、
以上の記述から、
生体は セシウムとカリウムの違いを認識できているのか?
という問には、 明らかに
生体は、セシウムとカリウムの違いを認識している
と言えます。
(つづく)
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放射性物質
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人工放射線 と 自然放射線とは、生体に与える影響は同じか違うか?
――― 生体は セシウムとカリウムの違いを認識できているのか?
また、セシウムは 生体の必須元素である カリウムの代りができるのか?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
先の記事(48) の「日本保健物理学会Q&A」は 最後に、
よって、放射性セシウムが 体内に取込まれた場合、カリウムの量には関係なく、取り込まれた放射性
セシウムの量に応じて内部被曝を受けることになる。
と述べています。
これは、
生体内の カリウム の量に無関係(独立)に、 セシウムは 生体に取り込まれる
ie. カリウムが生体内に飽和していても、セシウムは セシウム自体が 生体に飽和するまで取り込まれる⋆
ということでしょうか? ⋆ < フクシマのお米は 安心できるか4.
※ 通常の食生活であれば、多少 カリウムを沢山摂取しても、腎臓の排泄機能により、
カリウムの体内量は変わらない。 ホールボディーカウンタについて (48)
このシリーズ(2)で取り上げましたが、昨年8月のホールボディーカウンタの検査結果で、
70代男性からセシウム1万9508㏃ が出ました。
セシウム134と137との合算値が 19,508 ㏃ としか分りませんが、
㏃数が 1:1だとすると、Cs134 と 137 の ㏃数は、各々 9754 ㏃。
比放射能は、Cs137: 3.2×1012、Cs134: 4.8×1013 だから、
体内にある セシウム134の量は、 9754÷3.2×1012 = 3×10ー9 g= 0.000003mg
体内にある セシウム137の量は、 9754÷4.8×1013 = 2×10ー10 g= 0.0000002mg
すなわち、 セシウムの合計は 0.0000032mg。
体重70kgの男性の体内のカリウムは 140g (4228㏃) (厚労省・食品安全委員会)
もあるので 〜この男性の体重がいくらか分かりませんが〜、
セシウムの体内量は、カリウムの 400億分の1 くらいという少なさです。
0.0000032mg/140g=32/1400000000000≒1/40000000000
㏃数だけみると カリウム40 の4.6倍ですが、放射性セシウムの重量は もう微々たるものです。
しかし、セシウムは、天然にも セシウム133(天然のセシウムのほぼ100%)が 存在しており、
生体内にある セシウム133 は、通常 カリウム の 約 3万分の1だそうです。
※人体内のCs133:数mg セシウムの毒性についてQ&A 日本保健物理学会
↑ 5mgとして、5/1000/140≒1/30000
天然のセシウム(Cs133)は カリウムの1万分の1 (地殻)なので、約3万分の1ということは、
生体内のCs:K は、地殻における比と比べて、Csの割合が小さくなっています。
細胞が カリウム40 と 非放射性のカリウム との判別をせずに 自己の内に取り入れるように、
セシウムも 放射性セシウム と 非放射性の セシウム133を判別せずに細胞or生体に取り入れると
したら⋆1、すでに 3.11以前に セシウム133は 体内に カリウムの 3万分の1 しかなかったので、
この男性の細胞にとって、2万㏃近い放射性セシウムの摂取も、3.11以前と 余り変わらない
セシウムの存在状況⋆2だということになります。
⋆1 「植物の種類∧各種により移行係数は異なる。イネ、ジャガイモ、キャベツを試料とした研究では、
安定同位体のセシウム133と比較すると 放射性セシウム137は植物に移行しやすい」 Wikipedia
⋆2 体内に取り込まれた放射性セシウムは、体内 カリウムの量の 3万分の1 (通常のセシウム量) の、
さらに 1/1000000のオーダーなので。
重量だけを見れば、
この男性が 体内に取り込んだ 放射性セシウムは、細胞or生体にとって無視しうるほど僅少です。
したがって、 「日本保健物理学会Q&A 」が第3項 に言っているように、
そのものの存在が 「重さ」だけに還元して考えてよいなら、1万9508㏃ の 放射性セシウムは、
体内のカリウム量と比べると、「太陽の質量」 と 「月の質量の1/1000」 の違いのオーダーになり、
まったくお話になりません。 地球 : 太陽 =1 : 333404、 月 : 地球= 0.0123 : 1 (質量比)
→ 月 : 太陽 ≒ 1/30000000 : 1
しかし、我々は
存在は、重さ(量)だけで考えてはならないという教訓を 色々経験してきました。
例えば、
1945年3月10日の東京大空襲では、325機のB29が飛来し、2時間半にわたって
38万1300発、1783トンの焼夷弾を投下、東京の1/3以上を焼失させた。死者10万余。
ところが、同年の8月6日に米軍が 広島市に投下した原子爆弾 は、たった1機に搭載された
たった1発の爆弾 (総重量約5トン、積載されたウラン 50kgのうち 1kg) が核爆発をして、
一瞬にして市は全滅。人口35万人(推定)の内 9万〜16万6千人が 2〜4カ月以内に死亡。
両者の違いは、際立っています。
たった1機で、一瞬に 325機 2時間半以上の働きをするのは、たった 1kgの放射性物質
のためでした。 これで、一つの大きな市が壊滅したのでした。
それ故に、我々は
放射性セシウムの場合も、「 量が 極めて少ないから 」 と言って 侮ることはできません。
そこで、もう少し 詳細に 事態を見てみます。
先の(47) で、
一回の崩壊で放出される
β線の平均エネルギーの比は、
K‐40 : Cs-137 : Cs‐134 = 3.25 : 1.19 : 1
γ線の平均エネルギーの比は、 K‐40 : Cs-137 : Cs‐134 = 1 : 3.75 : 10 というのがありました。
しかし、原子核が1回崩壊した時に、β線とγ線の放出割合(確率)が、今 よく分からないので
〜どなたか教えて下さい〜、β線とγ線を別々に考えることにします。
Cs137 と Cs134 の㏃数は 1 : 1 と仮定すると、上の比は、
β線の平均エネルギーは、 K‐40 : 放射性Cs = 3.25 : 1.1
γ線の平均エネルギーは、 K‐40 : 放射性Cs = 1 : 6.88
となる。
今、この男性の体内には カリウム40を 4228㏃、放射性セシウムを 19,508 ㏃ があるので、
1秒間に カリウム40は 4228回の、放射性セシウムは 19,508回のβorγ崩壊が起きている。
その平均エネルギーの比は、
β崩壊 K‐40 :放射性Cs= 3.25×4228 : 1.1×19,508 = 13741 : 21458.8=1 : 1.56
γ崩壊 K‐40 :放射性Cs= 1×4228 : 6.88×19,508 = 4228 : 21458.8=1 : 5.08
したがって、
カリウム40の一秒間の崩壊で放出される平均エネルギーの総量は、
β崩壊では、0.52MeV×4228= 2198.56 MeV
γ崩壊では、0.16MeV×4228= 676.48 MeV
これが、原発事故以前に この人に限らず 体重70kgの男性が、1秒間に カリウム40で内部被曝
していた放射線のエネルギーです。
ところが、事故以降の放射能汚染によって、特に この男性は、
放射性セシウムの一秒間の崩壊で放出される平均エネルギーの総量、
β崩壊では、2198.56MeV×1.56= 3429.75 MeV
γ崩壊では、 676.48MeV×5.08= 3436.51 MeV
もの内部被曝を追加的に (β線とγ線合わせて カリウム40の2倍以上) することになった訳です。
※ この内部被曝による預託実効線量は、報道によると 0.852m㏜ とされ、
カリウム40 は 0.2m㏜弱なので、㏜の値は一応 上の事態を反映しているかのようです。
しかし、このセシウムによる内部被曝が 「大したことはない」 という主張の根拠に ㏜の値が
使われているのを見ると、この シーベルト なる概念は 本当に放射線の健康影響の尺度になり
得ているのだろうか、と シロウトの私は 疑いの念を深くせざるを得なくなるのです。
因みに、福島県のホールボディーカウンターの結果: 平成23年6月27日〜平成24年12月31日
1m㏜未満 106,070、 1m㏜ 14、 2m㏜ 10、 3m㏜ 2 /106,096人
福島県は、この男性を 最初の1m㏜未満の中に計上しているわけです!
(つづく)
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今、このシリーズの(39) 以来、
人工放射線 と 自然放射線とは、生体に与える影響は同じか違うか?
という 問3.を考えていますが、
ここに、興味深いものを見つけましたので紹介します。
「隠すな、ウソつくな、故意に過小/過大評価するな」
・・・・
悪しき「相対性理論」
放射線被曝の実態を 過小に印象づけるために、人々が受け入れている(と思われる)、 より被曝量の大きい比較対象を持ち出し、正当化しようとする試み
※ 比較対象と持ち出されるものの例
医療上の被曝 しかし、医療上の被曝には、その結果として、「疾病の診断・治療」という メリットが期待される のに対して、原発事故由来の被曝は そうではないので、医療被曝を引き合いに出して、
原発事故の被曝を正当化することには 無理がある。
↓ 対照は、やむを得ず被曝している 「自然放射線」であろう。 と。
情報が不確かな状況下では 「結果として過小評価になる」 ことはあり得るが、「 意図的に
過小評価する 」ことは慎まなければならない。40年余の原発政策批判の活動の中で、
事故当事者たちが「 隠したり、ウソをついたり、意図的に過小評価したり 」した事例を多数
見聞きする中で、そうした行為こそが人々の不信感の原因となることに危機感を感じてきた。
という安斎氏は、「自然放射線被曝」をもちだして、事故による被曝の実態を評価しよう
と提言されています。 しかし、私は やはり いかがなものか? と思います。
事故に責任のある立場の人にとっては、
人の足を踏んづけて骨折させた者が、‘自動車事故で 下半身不随にならなくてよかったね’
と、骨折した人に言っているようなものですし、
無用の被曝を受けた人にとっては、
いつも 親から殴られて厳しく育てられたから、近所の悪ガキに 殴られて 片目を失っても
ガマンしよう、と思うようなものです。
もっとも、権威筋は この子を色々と慰めてくれます。
「 あの子は 君に悪意があってやったんではないんだよ。片目が見えなくなっても ちゃんと
生きていけるから 大したことではないよ 」 とか、「 殴られて目が見えなくなったんじゃないよ。
君の思い違いだよ。何かのはずみに 棒が飛んできただけだろう〜? 」とか、「 見てごらん。
君が ビッコなのは、お父さんの厳しいシツケのためだったろう? 逞しく生きなくっちゃね 」
とか・・・。
氏は、P10のコメントの最後に、
蛇足だが、勿論 私は「 それでも 被災地産の食品は食べない 」という消費行動をとる自由を
を認めるし、私が 「 過度に恐れず、事態を侮らず、理性的に怖がる 」などと話すことは 「 原発
事故の深刻さを隠蔽する役割を果たすものだ 」と断じて、安斎育郎を 「御用学者」 に分類する
自由も認める。
40年この方、国策としての原発政策を批判する自由さえ十分に認められなかったことが、この
事態を招く根本的な原因の一つに相違ない と痛感しているからである。
と述べていられます。
氏は、主観的な善意の人だとは思いますが、やはり 色々と 楽観の人だと思います。
※ 「色々」とは、
①人間の心に対して ②自己自身に対して ③氏の科学的知見に対して
↑ ICRPの思想的立場に無批判
今は 特に ③について、私は
放射性 セシウム など人工放射線による被曝 と カリウム 40などの自然放射線による被曝とを
同列に考えることが 「理性的」 「価値中立的」とするのは、相当 乱暴だろうと考えます。
そして、まさに このことを、今 考察しているわけです。
しかし、今一つ 氏の考え方が、
何があっても あくまで 放射線を利用しようとする立場と通底する例を挙げておきます。
日本核医学会 http://www.jsnm.org/japanese/11-03-25
まず、このような原子力発電所事故がなくても、我々が普段口にしている すべての飲食物
には放射性物質が含まれていることを理解する必要があります (日本アイソトープ協会HPより
:出典:文部科学省パンフレット)。 例えば、牛乳やほうれん草には、元々50 Bq/kg、200 Bq/kg
の放射能が含まれています。元々 私たちは 微量の放射能に囲まれて生活しているのです。
さらに、私たちの身体には 必須元素として 体重1kg当たり 2gのカリウムが存在しますが、
その0.01%は β線を出す カリウム40 です。 ですから、体重60㎏の人では 1秒間に 3,600 Bq
に相当する放射線を出しています。 このように、私たちは、生まれてから生涯、放射線を
出す様々な環境の下で生活していることをご理解下さい。・・・
この文は、
乳児については、飲料水に含まれる放射性 ヨウ素に関する暫定規制値の上限は 100 Bq/kg
となっています(上述のように これが最も厳しい上限設定です)。この飲料水で調整したミルク
を1回 200ml、1日5回飲んだとします。1日1,000 ml ですから 体内に 約100 Bqの放射性ヨウ素
が乳児体内に入ることになります。仮に1年間飲んだとして 100×365Bq ie.36,500Bqです。
国際放射線防護委員会ICRP報告にあるとおり、約120,000 Bqの放射性ヨードが体内に入った
状態(甲状腺線量0.020Gy程度)でも子供達の甲状腺癌発生が増加する危険はありません
ので(平成23年3月18日)、このような条件であっても、子供達には影響はでないことがお分り
いただけると思います。・・・ と続きます。
また、昨年4月からの新基準値策定に際して 食品安全委員会は
放射性物質を含む食品による健康影響に関する Q&A の P17・P22・P24に
「 低線量の放射線による発がんリスク 」を、「 100m㏜未満については、現在の知見では
健康影響の言及は困難 」としつつも、
4. なお、今回の原発事故による放射性物質を含む食品を摂取したことによる被曝線量は、
厚労省による暫定的な推計によれば⋆、1年間で0.1m㏜程度とされています。
また、原発事故とは 関係なく、私たちは 自然放射性物質(放射性カリウムなど)を、年間
0.4m㏜程度、通常の食生活において摂取してきています。
⋆ 食品衛生分科会放射性物質対策部会審議会資料(2011年10月31日) 資料4 (P1)
と言って、両者を比較することで
「 食品からの実際の被曝線量は 相当程度小さいものに留まると評価することができる」
と結論付けています。
↑ 問はリスクは? しかし、答えは線量は・・・と苦しい言い方です。
※厚労省は 天然の放射性物質について、↑のP25に
日本人の男性(体重65.3kg)の体内には 約7900㏃含まれているとしています。
内訳は、カリウム:3956㏃、 炭素:3599㏃、 ルビジウム:267㏃、 ウラン:1㏃、
Po‐210 :18㏃、 Pb‐210 :15㏃
@カリウム40の計算: カリウム1g当り 30.2㏃、体重70kgの男性の体内のカリウムは140g。
故に、140× 65.3/70 ×30.2=3944.12・・・しかし、なぜ 3956?どなたか教えて下さい
(つづく)
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カリウムとセシウムの違い (続)
−116℃で反応するほど反応性に富み、自然発火する。安定同位体を持つ元素の中で、最小の
電気陰性度を持つ。 他の(放射性でない)アルカリ金属に比べ、原子量が大きく電気的に陽性
なので、性質にわずかな違いが生ずる。セシウムは、安定同位体の中では最も電気的に陽性なもの。
セシウムイオンは より軽いアルカリ金属のイオンに比べて より大きく、軟らかい。そのイオン半径の大きさ
に起因して、他のアルカリ金属元素より多い配位数を取る傾向がある。このような、セシウムイオンの高い
配位数を取る傾向とHSAB則における酸としての軟らかさは、セシウムイオンを 他の陽イオンから分離
するために利用される。
鉄、ニッケル、コバルトなどの重金属元素のフェロシアン化物は、Csに対し 大きな カチオン交換吸着特性を
もっており、ナトリウム、カリウム、ルビジウムの分配係数が、それぞれ 1、10、1000であるのに対し、Csは
10000以上である。 (放射線医学総合研究所 P56) 以上、
カリウムとセシウムは、同じ アルカリ金属ですが、その物理学的・化学的性質に 微妙な違いが
あることの一端を見ました。
互いに 体液浸透圧や酸塩基平衡の維持の役割を担っており、前記事(48)の
「カリウムとセシウムの違い」の表ように、その物理化学的な数値の ほんのちょっとした
違いを利用して、生命活動を行っています。
したがって、セシウムとカリウムが、同じ アルカリ金属類であるから 同じ体内動態をもつとは、
直ちには言えません。 カリウムとナトリウムの体内の動態or役割は まったく違うのです。
(記事(48) の「日本保健物理学会Q&A 」の第2項)
また、この両者の天然におけるあり方には 決定的な違いがあり、
① カリウムは、カリウム40という放射性同位体を天然にもつが、セシウムは ほぼ100%
安定同位体(非放射性)の133だけである。
@ 天然のナトリウムも ほぼ100% 安定同位体
しかし、この度の原発事故で 人工の セシウム134や137が、広汎な自然環境に
大量に⋆存在するようになった。
⋆保安院発表の放出量 Cs134:18×1015 ㏃、 Cs137:15×1015 ㏃ で計算すると、
信じられないほど小さい値です。ただ、外国の研究者は この2倍以上と試算しています。
② 天然のセシウムは、カリウムと比べ 1万分の1のオーダーの 極めて微量な元素
である。(地殻中の元素の存在度)
ということも見ました。 < カリウム40 (2)
こうしたことを踏まえながら、当面の問題は
生体内での,両者の生理学的なあり方or違いです。
ここで、仙台赤十字病院呼吸器内科 岡山博氏の言葉を引用します。
氏が問題にされているのは、
① セシウムが カリウムと同様に 全身に均一に分布するか否か
② セシウムの細胞への取り込みが、カリウムと同様か否か
ということでしょう。
「 セシウムは筋肉に多く含まれる 」と解説されることがあります。 大まかには 正しいのですが、
かなり あいまいな言いかたです。
例えば、屍体から摘出した臓器のセシウム放射能を測定して他の臓器や組織よりも、筋肉組織 (骨格筋)のセシウム放射能が高い という研究結果があります。
発表された測定値は おそらく事実と思います(中には嘘を発表する人がいることはご存知の通り)。 おおまかには 正しく、重要な知見ですが、これだけで単純に、「 骨格筋細胞内のセシウム濃度は 他の細胞よりも高い 」と結論できません。評価、結論するには 以下の考慮すべきことがあります。
・ 骨格筋組織重量の大部分は 細胞(骨格筋細胞)である。
一方、腱組織などは、細胞が作った、コラーゲンなどの細胞外成分が大部分を占め、細胞が占める 割合は少ない。多くの組織はこの間にある。
だから、重量当りの腱組織のセシウム濃度が筋肉より低くても、腱を構成している細胞内のセシウム濃度 が低いとはいえない。
また、消化腺など、分泌機能を持つ細胞では、細胞内に 分泌顆粒という袋があり、その中には、 細胞内液とは 組成が異なる成分がある。だから 臓器や組織の重さと セシウム放射線を測って計算した
重量当りの放射線量の結果は、正確には 細胞内のセシウム量や濃度を意味しない。
・ カリウムの生体内分布: 一部は 蛋白などと結合して 水に溶けない状態で存在するが、カリウムの大部分はイオンとして 水に
溶けて 体中に分布し、細胞内液には 細胞外液より はるかに高い濃度で分布する(約20倍)。
この細胞内外の不均等分布は、主に、 ① ナトリウムを細胞外に、カリウムを細胞内に エネルギーを使って輸送する細胞膜にあるポンプ蛋白の働きと、
② 細胞膜が ナトリウムを通しにくいために 細胞外の ナトリウムイオンが高いまま保たれる結果、細胞外の
陽イオンが高く、細胞内陽イオンが細胞外液と均等になるように、細胞膜を通過しやすいカリウム
(陽イオン)が 細胞内に多く移動して分布することなどによる。
・ 細胞膜は 脂でできているので、ナトリウムやカリウム、カルシウム、ブドウ糖など、水溶性の物質は 細胞膜を透過しない。 細胞膜に浮かんで存在している それぞれの機能を持つ蛋白と結合したり、
それぞれのイオンを通す穴の役割をするイオンチャンネル蛋白を介して、細胞膜を通過する。
ナトリウムチャンネル、カルシウムチャンネル、カリウムチャンネルなどは それぞれ複数の種類があり、
細胞の種類による分布や働きが異なる。
・ セシウム放射能が 筋肉組織に多く含まれることのメカニズムは、セシウムが細胞内の水に多く溶けて 分布していることと、骨格筋組織は 細胞成分の割合が多いことによる。
これに加えて、筋細胞は 他の細胞よりも セシウム濃度が高い可能性があるが、発表された文献を よく吟味しないと、骨格筋細胞が、他の細胞よりも高濃度にセシウムを含有しているかについて、今、
私は断言できない。
・ 細胞内外のセシウムの不均等分布のメカニズムの中心は、セシウムを運ぶポンプの働きよりは、 恐らく、セシウムが 細胞膜のカリウムチャンネルを通過することだろう と私は推測しているが推測
である。推測の理由は 省略する。
どの程度まで分っているのか 文献を調べれば分るが、今のところ文献を調べるだけの余裕がない から調べていない。
・ セシウムが ナトリウムチャンネルは通過せず、カリウムチャンネルを通過することが、セシウムが 細胞内に多く分布するメカニズムと考えた場合、複数あるカリウムチャンネルの どれもセシウムの
通過させやすさは 一様か、異なる種類のチャンネルにおいて カリウムの通過しやすさ と セシウムの
通過しやすさは同程度かなどの問題がある。
・ 酸素や血流がなくなると、細胞膜にあるナトリウムポンプは エネルギー供給が途絶えて働かなくなり、 その結果 細胞内から細胞外へのナトリウムくみ出しが減って、細胞内のナトリウム濃度が高まる。
細胞内ナトリウムが増えた結果、細胞内外でのナトリウムイオンの濃度差減少によって 細胞内外の 陽イオン濃度の不均衡が減少し、その結果、カリウムは細胞内から細胞外へ拡散移動して細胞内濃度
は低下する。
おそらく セシウムも カリウムに似た挙動をするだろうが その速さ、程度は カリウムとは異なるだろう。 臓器や細胞によって異なるが、心臓が止まって 人が死亡しても、細胞は 数時間から数十時間は 生きている。その間、細胞の様々な機能は低下し、やがて死ぬ。 死後摘出した臓器は このような条件
で得られたものなので、セシウムが カリウムと似た動きをするのであれば、死後、細胞内のセシウム
は 細胞外に移動するはずだから、そのとき 測定した細胞内のセシウム濃度は 正常に細胞が生きて
いる状態から変化している。
細胞外に移動しても、血流が途絶えているので、細胞付近に かなり留まっていると考えれば、臓器 の組織重量当りのセシウム意量は あまり変化しないと考えてもよいかも知れないが 断定はできない。
参考: < カリウムの生体内でのはたらき
(つづく)
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体内のカリウムは その98%が細胞内に、残りの2%が 細胞外に存在するが、
この細胞外に存在するカリウムが ある濃度以上になると カリウム過剰症になる。 しかし、通常の食生活であれば、これは希な症状。 なぜなら、カリウムを多く摂取
した場合は、腎排泄の調節機能により、その分 多く 体外に排泄されて
体内量が コントロールされていているからである。
ただ、その調節機能を担う腎臓に障害を抱えている場合は、カリウムの過剰症になる危険性
がでてくる。また、糖尿病により細胞内へのカリウム移行が スムーズに進まなくなる場合も
また過剰摂取が問題化する。( カリウム欠乏症・過剰症) カリウム
食物として摂取されたカリウムは、その大部分が小腸で 速やかに吸収され、門脈を経て 肝臓に
運ばれる。そして、一部は 肝臓に蓄えられるが、大部分は筋肉、骨、腎臓、脳など 全身の組織に
運ばれる。
カリウムの排泄の調節は、腎臓の働きと、副腎皮質ホルモン の作用が密接に関連して行われる。 腎臓や副腎の機能の悪い人では、カリウムの排泄がうまくいかず、過剰に カリウムを摂取した場合 高カリウム血症 (血漿中のカリウム濃度が上昇し、心臓症状がみられてくる) をおこす危険がある。
尿中へのカリウム排泄量が減少し、血漿カリウム濃度が上昇して、徐脈、不整脈など心臓の症状が
あらわれ、血圧が低下し、ついには 心拍動停止をおこす危険がある。
したがって、
カリウムを いくら摂取しても、カリウムの体内量は 通常は 一定に保たれている。
建康な人では、食事で 通常の 5〜10倍のカリウムを摂取しても、血漿カリウム濃度は変わらない
カリウムの多量摂取により ナトリウムの排泄が促進され, 高血圧のリスクは低下する
食品中のカリウムは 調理により 多く失われ、煮ると 約30%のカリウムが溶出する。
セシウムとカリウムは、 < カリウム40(1)
ともに 周期律表で 第1族・アルカリ金属であり、互いに化学的性質が よく似ていますが、
それでは、
生体は セシウムとカリウムの違いを認識できているのか?
また、セシウムは 生体の必須元素である カリウムの代りができるのか?
生体が、カリウムとセシウムの区別をつけられないなら、セシウムをカリウムだと誤認して
細胞内に取り込みますし、また セシウムが カリウムの代りに その役割を担えるなら、
カリウムとセシウムの区別をつける必要もないわけです。
※ 自然界にあるセシウムは、ほぼ100% 放射能のない セシウム133であり、 かつ カリウムの
1万分の1 ほどという少なさである(地殻中の元素の存在度)。 生物が、放射能のある
同位体をもつカリウムを 敢えて 必須元素として採用したのは、地殻の2.6%を占めるほど
大量にあるということが、大きかったであろう。
因みに、今1つの必須元素・ナトリウムは 地殻の2.8%を占め、放射性同位体を天然にもたない。
天然の炭素の 1.2×10-8 %が 放射性同位体C‐14(半減期:5730年)である。
日本保健物理学会Q&A の言。
放射性セシウムとカリウムの置換について 2012年3月14日
カリウムは 人体の必須元素の一つであり、成人の体内(体重70 kgの場合)には 約140 gのカリウム
(39K、40K、41K) が存在する。体内のカリウム量は、腎臓の機能が正常であれば 過剰に摂取された
カリウムは体外に排出されるため 体内のカリウム量は一定に保たれるという性質がある。このカリウム
の中には 約0.012%の割合で 放射性のカリウム (40K)が含まれている (体重70 kgの場合、約0.017 g)。
※ 体重70kgの成人の体内にある (140gのカリウムに含まれる) K‐40 は、
140×0.012×1/100g×2.6×105 ㏃/g=4368㏃
↑ 0.0168g
カリウムとセシウムは 化学的な性質が似ていることから、セシウムが体内に取込まれた場合、体内の
カリウムと同じ様な挙動 (筋肉への集積など) を示すことが知られているが、 前述したとおり、体内の
カリウム量は 一定に保たれるという性質のため、たとえ、放射性セシウムが体内に取込まれたとしても、
体内のカリウムの同位体比 (39K、40K、41Kの存在比率)は 不変*。
* この記述は、間違い。体内のカリウム量が一定に保たれているから、体内の
カリウムの同位体比が不変なのではなく、一定に保たれていようがいまいが、
同位体比に変わりはない。
又、放射性であるか否かによって元素の化学的性質は変わらないので、たとえ、セシウムが カリウム
に置換されたとしても、安定元素である 39Kのみが選択的に置換されることはない。また、仮に 1MBq
(1,000,000 Bq)の放射性セシウムが 体内に取込まれたとしても、その質量は 約31μg しかない⋆
ので、成人の体内に存在する カリウムの質量(約140 g)に比べると 無視できる量となる。
⋆ この数値の計算は、前記事(47)を参照。 ただし、前記事では 10㏃分の
カリウム40の量のため 0.00000000313mg。 (1μg=10-6g=10-3mg)
※ 1M ㏃という大きな数字が出てきたのは、追記①参照。
よって、放射性セシウムが 体内に取込まれた場合、カリウム の量には関係なく、取り込まれた放射性セシウム
の量に応じて内部被曝を受けることになる。
追記
Q4:セシウムが筋肉に蓄積するとされるが、 チェルノブイリでも セシウムの被害については明確な結果
を得られていない。もし 身体に影響があるとすれば どの位の量が体内に取り込まれなけれ
ばならないか。 また、その影響の現れ方は?
A4: セシウムは 特定の器官に蓄積するのではなく、全身に分布する。 人体では 筋肉の重量が
大きい⋆ので 筋肉に含まれるというように代表している。 セシウム137を含む食物を経口摂取した
とすると、1Bq当りの被曝線量は0.000013mSvに相当する。 がん発生リスクが上昇し始める
のは 100mSvなので、逆算すると 7.7MBqが体内に取り込まれなければならないことになる。
⋆ 基礎栄養学 (筋肉:体重の40%) ※ 15歳以上の人を考えて、セシウム137の実効線量係数は 0.000013mSv/Bq。
100m㏜÷0.000013m㏜/㏃=7.69×10^6 ㏃≒7.7M㏃
(権威筋がみな、子供・幼児の数字をあげない所に、ある立場を感ぜざるを得ない。) カリウムとセシウムの違い
カリウム セシウム ナトリウム
原子量(g/mol) 39.09 132.905 22.99
融点 63.38 ℃ 28.44℃ 97.72
熱容量(25℃) (J/mol/K) 29.6 32.2 28.2
電気陰性度(ポーリングの値) 0.82 0.79 0.93
イオン化エネルギー (kJ/mol)
第1 418.8 375.7 495.8
第2 3052 2234.3 4562
第3 4420 3400 6910.3
原子半径 227 pm 265pm 186pm
共有結合半径 203±12 pm 244±11pm 166±9 pm
ファンデルワールス半径 275 pm 343 pm 227pm
電気抵抗率(20℃) 72nΩ·m 205Ω·m 47.7 nΩ·m
熱伝導率(300 K)(W/m/K) 102.5 35.9 142
熱膨張率(25℃) (μm/m/K) 83.3 97 71
※ カリウムの電子配置は[Ar] 4s1であり、電子を1つ失うことで 非常に安定なアルゴンと同じ希ガス型
の電子配置となる。そのため、カリウムの第1イオン化エネルギーは 418.8 kJ/mol と非常に低く、容易に
電子を1つ失い K+ の陽イオンとなる。 対照的に、電子を 2個失えば安定な希ガス型の電子配置が
崩れるため、第2イオン化エネルギーは 3052 kJ/mol と非常に高く、+2価の酸化状態の化合物は容易
には形成されない。
アルカリ金属類の 窒素以外の試薬に対する反応性は 電気陰性度が低いほど高くなるため、
カリウムの化合物は、K+ イオンの水和エネルギーの高さのため 水に対する溶解性が非常に高く、
従って カリウムイオンを沈降分離させることは 困難である。
(つづく)
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