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問曰 若心滅者 云何相続、若相続者 云何説究竟滅
答曰 所言滅者 唯心相滅 非心体滅
如風依水而有動相 若水滅者 則風相断滅 無所依止
以水不滅 風相相続 唯風滅故 動相随滅 非是水滅
無明亦爾 依心体而動 若心体滅 則衆生断滅
無所依止 以体不滅 心得相続 唯痴滅故 心相随滅
非心智滅
ーーーーーーーーーーーーーーーー(よみかた)ーーー生滅相2.ーーーーーーーーーーーーーーーーー
問うて曰く。もし、心 滅せば、云何ikanが相続せん。もし、相続せば、云何が究竟じて滅すると説くや。
答えて曰く。言う所の滅とは、唯taだ 心相の滅にして、心体の滅には非aらず。
風の 水に依yoって 而sikaして動相あるが如し。もし、水滅すれば、則ち風相 断滅して、依止する所なし。
水 滅せざるを以って、風相は相続す。唯だ 風滅するが故に、動相は随いて滅す。これ水の滅には非aらず。
無明も また爾sikaなり。心体に依りて 動ず。 もし、心体滅すれば、則ち衆生は断滅して、依止する所なし。
体 滅せざるを以って、心 相続することを得。唯だ 痴 滅するが故に、心相は随いて滅して、心智は滅するに非aらず。
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義記は、
「 疑いを釈する中に、先に 問い、後に 答えるなり。
問いの中に、{ 若 心滅(者)云何相続 }とは、もし、境界滅する時、心体もまた滅せば、無明三細
すでに、それ 未だ尽きず。心体 すでに亡ずれば、さらに何の法に依りて、しかも相続することを得るや?
これは、相応心を疑うなり。
{ 若 相続(者)云何究竟滅 }とは、もし、心体 滅せざるを以って、無明をして相続を得しむと言わば、
心体は すでに それ滅せず。無明は 則ち常に相続せん。云何が、治道に究竟の滅を得るや?
これは、不相応心を疑うなり。
答えの中に、並びて この二に答えるなり。法と喩と合とあり。法の中は総説にして、喩と合とは別説なり。
{ 唯心相滅 非(心)体滅 }とは、境界 滅する時に、唯taだ 心の粗相 滅するなり。心の自体 滅す
るに非らざるなり。 また、無明 滅する時、唯だ心の粗相 滅して、また心体 滅するに非らざるを以って、
これ、通じて二問に答えるなり。
喩のなかに、別して この二を顕すなり。
{ 如風依水而動 }とは、無明の風 心体に依るが故に、動相あることを喩う。これ、無明は 心体を離れて
自ら現ずること能わざることを示すなり。
{ 若水滅 乃至 無所依止 }とは、これ もし、境界 滅する時は、心体をして また滅せしむることを
示すは、則ち 無明の風に動ぜられること無きが故に、業等の三細 則ち断滅すべし。
{ 以水不滅風相続 }とは、境界 滅する時、心体 滅せざるを以っての故に、無明三細 則ち長く相続する
ことを得る。 良makotoに、以omonmiれば、無明 滅するが故に、境界 滅す。境界 滅するを以っての故に、
無明 滅するに非らず。この義に由るが故に、境界 滅する時 無明 心を動じて、三細 相続す。
これ、初の問いの相応心滅の義に答えるなり。
{ 唯風滅 乃至 水滅 }とは、無明尽きる時に 業等の動相 またこれに随いて滅するを以って、静心
の体 しかして また滅するに非らず。これ、後の問いの不相応心滅の義に答えるなり。
合の中に、次第に 前の二種の心を合す。
{ 非心智滅 }とは、下の文は、不覚に対するを以っての故に、名づけて覚となす。則ち、一識に二義あり。
今 痴に対するを以っての故に、名づけて智と為す。則ち、一心に体相あり。不覚の痴相 転utataた滅して、
始覚と成る。本覚の智体 不滅と還源とは、無二無別なり。
上来、染浄生滅の因縁の相を釈し竟んぬ。」と。
海東疏は、
「 問いの中に、{ 若心滅者 云何相続 }とは、外道の説に対して、この問いを作naす。
十巻経に云うが如し。< もし、阿梨耶識 滅せば、外道の断見の戯論keronに異ならず。諸の外道 説かん。
“ 諸moromoroの境界を離れれば、相続識 滅す。相続識 滅し已oわれば、即ち諸識を滅す。 大慧、もし
相続識滅せば、無始世より このかた 諸識 滅すべし。この意は、正しく諸moromoroの外道の説を明かす。
無想天に生ずるが如きは、無想定に入る時、諸の境界を離れて、相続識 滅す。 根本 滅するが故に、
末も また滅するなり。” 如来 破して云わく。“ もし、衆生 無想に入る時、衆生の本たる相続識 滅せば
六・七識等の種子 随いて滅す。かれより還りて 諸識を起すべからず。しかも、かれより出て 還りて
諸識を起す。当に知るべし。無想に入る時、その相続識滅せず。”と。かくの如く、破するなり。>と。
今 この論の中には、これに依りて問う。もし、無想定・滅尽定に入る時、心体滅せば、云何が 還りて相続せ
ん。故に、{ 若心滅者 云何相続 }と言うなり。もし、かれに入る時 心体滅せずして、還りて相続せば、この
相続相何に由りてか 永く滅せん。故に、{ 云何説究竟滅 }と言うなり。
答えの中に、三あり。謂く、法と喩と合となり。
初の法の中に、{ 所言滅 }とは、無想等に入る時の如き、諸識を説けば、ただ粗識の相を滅して、阿梨耶
の心体を滅するには非らざるが故に、{ 唯心相滅 }と言う。また復た、上に説く。{因滅故不相応心滅}とは、
ただ、心中の業相等の滅を説く。自相の心体の滅を謂iうには非らず。
喩の中に、別して この二滅の義を顕す。
{ 如風依水而有動相 }とは、無明の風の 心に依りて動じるに喩うなり。
{ 若水滅者則風断絶 無所依止 以水不滅風相相続 }とは、無想等に入るの時、心体滅せざるが故に、
諸識相続するに喩うるなり。 これ、初めの問いに答えるなり。
{ 唯風滅故 動相随滅 }とは、仏地に到る時、無明 永く滅するが故に、業相等の動も、また随いて滅尽す
れども、その自相の心体は、滅せざるが故に{ 非是水滅 }と言うなり。
これ、後の問いに答えて、究竟滅を明かすなり。
合の中に、次第に前の二義に合す。
{ 非心智滅 }とは、神解の性を 名づけて心智と為す。上の文に{智性不壊}と云うが如きは、これ 自相の
不滅の義を明かすなり。
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