kyon's Books&etc Talk

今読んでいる本の感想や映画、マンガの感想などをネタばれ公開

全体表示

[ リスト ]

オリンピックの身代金

イメージ 1

奥田英朗「オリンピックの身代金」を読みました。

前回のご紹介から実に1カ月を開けての更新…
正直、こんなに更新をしなかったのは多分初めてのことなので、自分でもすご〜〜〜く気にはなっていたのですが、何せ仕事が忙しかったのと、体調を崩していたのと、そして4冊の本を並行して読んでしまったために、読了できた本が1冊もないという状態で、Upすることができませんでした。
もっとも、ブログ更新だけをすることは、十分可能だったのですが、そちらは、仕事が忙しかったせいで…

というわけで、気を取り直して、奥田英朗作品を久しぶりに読みました。
伊良部も変な人も出てこない、極めてまじめな作品でした。

舞台は、昭和39年夏。
東京オリンピックのを今まさに迎えようとする東京です。

主人公、島崎国男は秋田出身の東京大学経済学部大学院生。
生真面目で、ハンサムで…しかも東大生。
このまま順当にいけば、将来を約束された…そんな人物だったのでしょう。

しかし、その夏、彼の兄(=秋田から出稼ぎに来ていた)が、オリンピック施設の建設現場で急死します。
その兄の遺体を引き取りにきた国男は、自分の全く知らなかった出稼ぎ労働者の実態を目の当たりにします。
兄と同じ建設現場で働き始める国男。
そこで、働き、暮らしている中で、次第に国男は、この国の矛盾に憤りを感じ始めます。
オリンピック、オリンピック…と繁栄を謳歌している東京と、食うや食わずの生活をしていたり、出稼ぎのために家族が家族として存在することすら困難な故郷の現状。
生真面目な国男が怒りを向けた矛先は、―――東京オリンピック。

東京オリンピックを人質に国に身代金を要求していく。

国男に共感してともに行動していくスリの<村田>

国男たちを追うのは、<落合>はじめとする警視庁捜査課刑事部の面々、<矢野>たち公安、そして警視監<須賀>の二男坊で、国男と同級生の<忠>
国男に思いを寄せる古本屋の娘・<良子>
さまざまな人々の視点で、それぞれの時間が近づいていったとき、オリンピック開会式が開催される。

この物語は、単なる爆発事件をめぐるミステリーではなく、労働者VS資本家、地方VS東京、官VS民…など色々な対立を絡めながら、ストーリーが進んでいく。
また、なんというか、主人公の国男が、はじめハンサムで孤独な正義の人…というイメージから、次第に闇の側に転落していく姿に哀れささえ感じてしまう。

上下2段組みの大作ですので、面白いですが気合いが必要かもしれません。
時間の余裕のあるときにどうぞ。

お勧め度は、★★★★★

惜しむらくは、国男が最終的にどうなってしまったのかが描かれなかった所。
でも、人によっては、「だからいい」と思われるところだと思います。
物語のまとめって、難しいですね(^.^)

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事