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西村京太郎氏に関する書籍やドラマを見たときに書こうと思います.

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西村京太郎氏が初期の頃に短編小説に「いかさま」という話があります。

当然、十津川警部も登場しなければ、トラベルミステリーの要素もない作品です。

この頃、西村京太郎氏はたくさんの短編小説を書かれているようですが、

実はどれも興味深い作品ばかりなのです。

その中の一つ「いかさま」という直球タイトルの作品。

舞台は雀荘。ギャンブル好きの主人公のサラリーマンが、友人同士での麻雀に飽き足らず、

雀荘に出向き、見知らぬ3人と麻雀を打つことになった。

結果的に主人公は勝つことになったが、思い返してみると「發」が一度も自分の手牌に入ってこなかったのだ。

主人公は気になって翌週も雀荘に出向き、その3人と麻雀を打った。

すると今度は「中」が一度も自分の手配に入ってこなかったのだ。。


あの3人はいかさまをしている!


しかし、結果的にサラリーマンはまた勝ち越している…。



まさか西村京太郎氏の中に麻雀を舞台とした作品があるとは思いませんでした。

どの作品でもそうですが、つかみがよくて引き込まれてしまいます。

すると短編ならあっという間に読み終わるんですね。

是非、過去の作品を漁ってみてはどうでしょうか。


ちなみに「いかさま」は下記の本に入っています。

「危険な殺人者」(角川文庫)
「夜の狙撃」(双葉ノベルズ)


西村京太郎データベース:
http://kyotaro-db.com

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毎度のこと久々の更新ですが、今回空いたのは相当ひどい・・半年以上たちます。

「最果てのブルートレイン」という短編3つ入った作品を紹介します。
過去に一度呼んだ記憶はあるのですが、、すっかり忘れていたため再読しました。

タイトルに惹かれる作品の一つではあるのですが、副題に『急行「天北」殺人事件』とありますので、どの列車のことを指しているのかはわかります。

急行「天北」と聞いてピンと来る人は、鉄道好きの人しかいないんじゃないかなあ・・・
過去に札幌〜稚内(日本最北端の町)を走っていた急行列車です。
現在でもこの区間を走っている列車はありますが、名前の通り、過去に存在した「天北(てんぼく)線」経由で稚内に向かう列車になります。
旭川からまっすぐ北へ稚内まで向かうのが宗谷本線ですが、音威子府駅から南稚内までオホーツク海側を走るのが「天北線」でした。
国鉄民営化後に道内大量廃線になった路線の一つです。

また「最果てのブルートレイン」という呼び名の通り、急行「天北」の編成は、機関車(DD51とDE10)+客車(12系と14系)だったそうですが、世代によって編成は変わっていたそうです。
今回の小説に登場するのは、上記の編成、また、「ブルートレイン」という名前で勘違いしてしまうと思いますが、「夜行列車」ではなく「昼行列車」です。

さてストーリーはそんな札幌発稚内行、下り急行「天北」です。

以下ストーリー。ネタバレなし

矢代は妻の京子の死んだ後、急行「天北」に乗って、思い出の稚内へ向かった。
乗車率は低く、席の空席が目立ったが隣に若い女性が乗ってきて、突然「助けてください」と助けを求めてきたのだ。
「何から助ければいいんです?」と矢代は聞き返したが「私にもわからないんです」というあいまいな返事をする女性。
やがて女性は寝台車(14系)が連結されている1号車に消えていった。
矢代は気になって女性の後を追うのだが、1号車の入り口で大男に止められるのだった。
「彼女を追っかけるのはやめるんだ」と。

やむなく矢代は自分の席に戻るのだったが、その後も頭の片隅に残ったままだった。

列車は音威子府駅に到着する。矢代は駅のホームにある、そばを買いにいったん列車を降りた。
すると先ほど助けを求めてきた女性がいたのだ。
矢代は声をかけるが、女性は「え?」とそっけない対応をする。
よく見ると、顔は似ているのだが、服装が先ほどの女性と違っていたのだ。
あわてて詫びを入れるが、列車に戻ってからも矢代は女性のことが気になってしまった。

やむなく再度列車に戻った後、列車内を探したが、女性もさっきの大男も消えていたのだ。

そして翌日、女性は下り「天北」ではなく、稚内発札幌行の上り「天北」で死体となって発見されたのだった…


ブルートレインという列車を舞台に、初っ端から伏線をはりまくる手法は、やはり西村京太郎氏ならではのものですね。
女性は何故矢代に助けを求めたのか、矢代を引き止めた男は何者なのか、女性に似ているあの女性は何者なのか、何故、逆方向の「天北」で殺されたのか。

短編なのでサクっと読める作品の一つです。
列車の時刻表トリックなるものはありませんが、上記に書いた謎も論理的に解決するので、読んでいて安心です。

他2編「餘部橋梁310メートルの死」「愛と死の飯田線」が入っています。「愛と死の飯田線」はドラマ化もされてますね。


西村京太郎データベース:
http://www.kyotaro-db.com


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「真夜中の構図」読了

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久しぶりのブログ更新。

いやー一度書かなくなると本当に、そのまま面倒になっていくのでダメですね。

前回は半年前に愛川欽也氏が亡くなった時のブログを書きました。

半年が経つのは早いなーと思いますが、あと2ヶ月もすれば年末なんですよね。


さて、今回は「真夜中の構図」を読みました。過去に一度読んだことがあったのですが、
どんな内容かうろ覚えだったので、再度読み直しました。

この作品は1979年に刊行。著作リストでは「寝台特急殺人事件」より後の作品ですが、列車関係のストーリーではないのです。

主役は十津川警部ではなく、早川という参議院議員太田垣の秘書。

ストーリーは、太田垣が厚生大臣になる前に、5人の愛人を早川がお金で手切れさせようとした。
しかしながら、大臣夫人の座を譲らない愛人たちは簡単に手をきることは当然しなかった。
早川は色々な策を考えるが、太田垣の愛人が一人、また一人と何故か死んでいくのだった。
やがて早川は警察に目をつけられ、逮捕されてしまうのであった。。

よくありがちなストーリーであるが、「真夜中の構図」というタイトルどおり、エロ描写が今回は多いです。冒頭で早川とその恋人とのベッドシーンで幕を明けるのですが、その後も早川は何人かの女とベッドにいきます笑。

ちなみに十津川警部は中盤あたりから出てくるので、この作品では早川を手助けしてくれる救世主、と思いきや、

逮捕された早川を取り調べるときも「君の言うことは信じられない」などと、十津川警部までもが早川を有罪だと思ってるような台詞があり、無実の罪を着せられ尚且つ誰も助けてくれない、という絶望を味わうことができますw
十津川警部の主役が多い列車ものもいいですが、こういう「十津川警部以外の視点から見た十津川警部」もなかなか面白いものです。

しかしながら、エロが多めとはいえ、ストーリーに入り込みやすいし、次の展開もすごく気になる作りになっているのは、さすが西村先生といえます。

ちなみにカメさんは最後にちらっとしか出てきません。鈴木刑事という同期の刑事と一緒に登場します。


西村京太郎データベース:
http://www.kyotaro-db.com

先日、愛川欽也さんが80歳で亡くなられました。

西村京太郎関連ですと、言わずもがなですが、亀井刑事役として1981年〜2012年まで実に31年間出演されていました。

1981年〜1999年までは十津川警部役に故・三橋達也さん、2000年〜2012年は高橋英樹さんというコンビでした。

すなわち、46歳ぐらいの時にカメさんを始めたわけで、原作の設定にほぼ忠実だったんですね。

尚、このシリーズは十津川警部主演ではなく、亀井刑事主演であり、カメさんの人柄を前面に押し出すことで他のシリーズとは一線を画していました。


しかし、残念ですね・・・


追悼の意味を込めて、近いうちに愛川欽也氏が出演したトラベルミステリーシリーズを見返そうと思います。


西村京太郎データベース
http://www.kyotaro-db.com

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今回は「寝台特急あかつき殺人事件」について書きたいと思います。
この本は1983年に刊行されています。当然まだJRが国鉄の時代です。

この頃の西村京太郎トラベルミステリー作品は、時刻表トリックや列車トリックがメインとなっており、小説ごとに登場する列車にもそれぞれ個性があって面白いものです。

今回紹介する「寝台特急あかつき殺人事件」の舞台は言うまでもなく、ブルートレインあかつきの事であり、晩年は1往復しか走っていませんでしたが、この頃は、あかつき1号〜4号が走っており、あかつき3号が、この「寝台特急あかつき殺人事件」の舞台となります。

あかつき号は新大阪(晩年は京都)〜長崎・佐世保を結ぶブルートレイン。
実はブルートレインの中では殺人は起きず(タイトル詐欺!!)、佐賀のマンションが最初の殺人の舞台となっています。

そんな佐賀県の事件ですが、登場するのはやはり十津川警部。
佐賀県の殺人事件の容疑者として、十津川警部の元部下・田辺淳元刑事が逮捕されてしまったのでした。それでここぞとばかりに十津川警部は警視庁を飛び出すわけです。

さて、田辺淳刑事は当然犯行を否定するわけです。そして彼はその事件の日は、寝台特急あかつき3号に坂口由美子という女性と乗っていたというのです。
しかし、そのアリバイの証言者である坂口由美子はなぜか田辺とは乗っていない・・・と言い張ります。

なぜ坂口由美子がそんな嘘をつくのか?それは佐賀の殺人事件の犯人が坂口由美子で、田辺に罪をなすりつけたいからなのか・・・?

しかし例えば、坂口由美子が犯人だとするなら、実際は田辺とあかつき3号に乗っていたのです。そう、坂口由美子が犯人であると仮定すると、今度は田辺が坂口由美子のアリバイの証言者となってしまうのです。
なぜなら、田辺は、坂口由美子とあかつき3号に乗っていたと証言しているのだから!

あかつき3号は佐賀駅を通ります。事件のあった佐賀のマンションから佐賀駅はタクシーで5分。だが、あかつき3号の佐賀駅停車は1分・・・
とても人を殺して戻ってくるなんて事はできないのです・・・



というのがプロローグ的な話ですが、
あかつき3号という列車の特性を使った大胆なトリックで面白いですね。当然、このトリックを思いついた西村先生にも拍手ですが、こんな面白い列車を走らせた当時の国鉄に僕はさらに賞賛を与えたい!(笑)

それにしても、ひとつの列車で長崎・佐世保両方に行き先を設定するなんてなかなか気が利いてますよね。
東京始発の「さくら」も長崎・佐世保行きでした。どちらとも、元々は需要がたくさんあったのでしょうね。

ブルートレインは来月の北斗星引退で日本から消えることになりますが、
西村京太郎先生の作品を読むことで、日本人の記憶から消えることはないと思います!


西村京太郎データベース
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