あそこでは言えないこと〜心理学 言いたい放題〜

しばらく多忙で開店休業状態です。主に心理学について書いてます。投票もやってますのでよろしければご覧下さい。

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念のためのネタバレ注意

作品を見る前に内容を知りたくない人はご覧にならないほうがよいかと思われます。
ただ,私自身が作品を見る前に内容を知りたくないと思っているので,
極力,内容には触れないように書いています。


映画の原作となる森博嗣氏の著作については「スカイ・クロラ」に限らず,
すべてがFになる」を読んで以来のファンで,
文庫を中心にほとんどの作品を読みました。
そして押井守監督の作品については,「攻殻機動隊」シリーズのファンです。
だから,Yahoo!知恵袋でも書いたように,「スカイ・クロラ」の映画化はとても興味深いことでした

毎度書いているように,ず〜〜〜っと忙しい日々が続いていて,
「ナ・バ・テア」以降の著作を読む余裕がなかったのですが,
これだけはどうしても映画館で観たい,と思いましたので,
電車移動中にがんばって(文庫ではないので片手では読みにくい)原作を読み,
スカイ・クロラ The Sky Crawlers」を観てきました。

映画の感想の前に,原作の感想について少しだけ。
「スカイ・クロラ」を読んでからずいぶんたっていたので,
それから読み直すことにしたのですが,読んでみると,
最初に読んだときとは印象がかなり違う…(^^;
初めて読んだときは,今よりも心に余裕がない状態のときに急いで読んだように思います。
今回は,ゆったりくつろいで読めなかった点は同じですが,
それでも最初よりは物語に没入することができました。
感想は,一言で言うと,自由に生き,死ぬことの清々しさとその実践の難しさが感じられた,
といったところでしょうか。
(時間がたつとまた変わるかもしれませんが。)

「スカイ・クロラ」だけなら,ハードボイルドといえばハードボイルドだと思うのですが,
「ナ・バ・テア」以降は,明らかにそれが主ではないように思われました。
「スカイ・クロラ」を気に入った方は読まなくてもよいのではないかとも思いますし,
反対に,「スカイ・クロラ」を読んで釈然としなかった人は「ナ・バ・テア」以降も
読むほうがよいのではないかとも思いました。
全体としては,文章には詩的美しさがあり(たぶん),ミステリィ的要素や,SF的要素もあります。
空戦は大規模戦闘が少ないので,戦争というより武術の達人たちの対決を見るようで,ドキドキします。
全体に親切ではありませんが,面白いです。

飛行機の専門用語が分からないと空戦の描写にはついていけないと思われますので,
エルロン,ラダー(はしごではない),エレベータ(箱型の昇降機ではない),
ストール(肩掛けではない),ヨー,ピッチくらいは調べてから読むとよいかもしれません。
インメルマン・ターン,ロール,キャブレター,トルクなども,
Wikipediaなどで説明を見ることができます(例:エルロン)

さて,映画の感想です。
一言で言うと,良かったけど釈然としない点もありました(^^;

原作の良さ(特に台詞)はたくさん盛り込まれていたように思います。
それに,空戦の描写は期待どおりというか,期待以上というか,とにかく格好良かったです。
「スロットルを切って、エレベータを思いっ切り引く。歯を食いしばって加速度に堪えて、
数を三つ数えてから、エンジンを吹き上げる。機体は上を向いた状態で一度失速し、
バク転したかのように翻る。」(原作「スカイ・クロラ」より)
原作で描かれていた,このようなアクロバティックな空戦が見事に「再現」されていました。
絵的な格好良さだけでなく,動き,音もとても格好良く,映画館で見てよかったと思いました。
絵や音楽は,これまでの押井監督作品好きを裏切らない出来だったのではないでしょうか。

表現方法(演出?)は,これまでの押井監督作品とは異なっていたのではないでしょうか。
モノローグの多い原作をどのように表現するのかと疑問に思っていたのですが,
これまでの押井監督作品とは異なり,語ることによる表現はされていませんでした。
この点は,むしろ押井監督作品になじんでいない方に
親しみやすい表現だったのではないかと思いました。
ただ,表現が繊細すぎるのではないか,
原作を読んでいない方に心情がどのように伝わるだろうか,と疑問に感じました。
原作を読んでいない方の感想をうかがいたいところです。

私が釈然としなかったのは,ストーリー(脚本)です。
原作を読めば分かるように,原作をそのまま映画化することは極めて困難です。
予告などでも,原作とは異なる点が主たるテーマになっていることが見て取れました。
そのことは分かっていたのですが,それでもなお,
ストーリー,特に結末への展開には納得がいきませんでした…。
原作に忠実な表現が多かったために,原作を思い浮かべながら観てしまったからかもしれません。
この点も,原作を読んでいない方の感想をうかがいたいところです。

最後に,お勧めかどうかと言えば,お勧めであるとは思います。
力作であり,見ごたえはあると思います。
絵も音楽もきれいです。
ただ,好き嫌いは好みの問題だと思います。(ありとあらゆる作品についてそう思いますが。)
分かりやすいラブ・ストーリーに食傷している方には特にお勧めかもしれません。
同じ「プロペラ機」と「ラブ・ストーリー」でも,
映画「パール・ハーバー」とはまったく異なるのではないでしょうか。
(私は「パール・ハーバー」を観ていませんが。)

私はDVDが出たら買ってしまうと思います。
とりあえず,もう一度観たいです。きっと,感想が少し変わると思います。
あと,DVDのおまけにも期待しているので…。

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