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7月の魚料理は
「鰻ひろうす ラタトゥイユ添え」
です。
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今年は7月20日が土用の丑、
ということで、7月の魚料理は鰻をご用意いたしました。

鰻の稚魚が減少しているといわれている昨今、なにも土用の丑だからといって
鰻を食べなくてもいいのにと個人的には思ってしまいますが、
暑い夏、土用の丑には「う」のつくものを食べて精をつけるという風習が
江戸時代からあるので、夏は鰻を食べるのが日本人に定着していますね。

精をつけるという意味では本当は「牛」を食べたかったのでしょうが、
当時の日本では、牛は乳利用、役利用の役割が多く、宗教的政治的な意味からも
食用というのは副次的であったようです。
しかしながら公家や将軍家などは、薬喰いと称して牛肉を食べていたそうですがね。
土用の丑の「鰻」は「牛」の代用品であったとワタクシは推測しております。

ゆば泉は京料理をスピリットにフレンチスタイルでご提供する店なので、
鰻をふつうに蒲焼にするのではなく、京都風に「ひろうす」にいたしました。
「ひろうす」とは豆腐をすりつぶし、刻んだキクラゲや野菜をまぜて丸く成形して油で揚げたものです。
関東でいう「がんもどき」のことですな。
「ひろうす」と「がんもどき」、この二つの料理は、着地点は似ていますが出発点は違ったのではとワタクシの推測です。

「ひろうす」の語源はポルトガル語の「filhos」という小麦粉と玉子を混ぜて油で揚げたお菓子だと
いわれているそうです。

「がんもどき」は漢字で書くと「雁もどき」と書くそうです。
当時、鳥肉といえば雁、キジ、ウズラ、ツルなどを食べていたそうなので
「がんもどき」というのは雁のつくねのようなものを、豆腐で作った精進料理だったようです。
鎌倉あたりの禅宗のお寺で作られていたものが関東地方に広まったと思われます。

京都は西洋文化には寛容なところがあるので、ポルトガルから伝わったとされる
「ひろうす」「てんぷら」「こんぺいとう」などが公家社会で受け入れられ発展し庶民たちにも広まったようです。

今月の「鰻ひろうす」は豆腐生地に刻んだ鰻と白身魚のすりみ、卵黄、小麦粉をまぜて油で揚げて
たれ焼きしております。

ゆば泉の契約農家藤井農園から夏野菜が週二回届くので、それをラタトゥイユにいたしました。
ラタトゥイユとはフランスの家庭料理だそうで、ワタクシのような京料理の職人は最近になってから知った料理ですが、クックパッドなどにたくさんレシピがでているので主婦の方々のほうが専門分野だと思います。

ラタトゥイユ、要は夏野菜の煮込みなので、夏野菜の旨味をシンプルに最大限にひきたてるために
塩とバターを加えて、ただただ煮込んだだけです。
野菜を煮込んだだけで、こんなに美味しくなるんだな〜と思って頂ける逸品です。

和食とは、異文化の良いところを受け入れ日本人のフィルターを通してオリジナルよりも精度をあげた料理だと
ワタクシは思っています。
今やカレーライスやラーメンも和食と云われているそうです。
確かに最近のカレーやラーメンのクオリティの高さ、バリエーションの豊富さは
さすが和風総本家といった感じです。

今月の魚料理
「鰻ひろうす ラタトゥイユ添え」
是非、ご賞味ください。
                   by料理長





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