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軽度発達障害やグレーゾーンの子ども達の、学習支援に奮闘しています。

イクミ

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イクミが風船を嫌いになった理由をイクママから聞いた。
 
まだベビーカーに乗っているころ。
お祭りに出かけた。
イクミは、大きなパンチングボールをはじめて見た。
喜んでいるよう様子だったので、
イクママは買ってあげた。
お店のひとは、かざっていたパンチングボールを取り、
ベビーカーに乗ったイクミにわたすと、
突然バーーーーーン!と破裂!
イクミはすごく驚き、泣き叫んだそうだ。
 
そんな記憶もイクミの中では鮮明に残っていて、
風船=バーーーン!
という怖いイメージなのだ。
 
トラウマなんだと思う。
 
そのせいで、
それ以来、お祭りや風船のあるイベント会場なども行けないそうだ。
 
でも、
命にかかわるバーンじゃないから、
慣れていくことができるかも、と私は考えた。
 
で、
何も教室のイベントがなくても、
ときどき風船をわざとしまい忘れた。
そして、イクミの前であわててしまった。
 
では、
ふくらませていない風船はどうなのか?
イクミがかならず通る入り口のカウンターに、
買ってきたばかりの袋に入ったままの風船を置いておいた。
・・・いつもと同じく入室した。
大丈夫だった。
イクミが帰る前に、
風船を袋から出してカウンターに置いておいた。
・・・「イベントでかざるんですか?」
イクミは普通に聞いてきた。
「そうだよ、あれ、ふくらんでいない風船は大丈夫なの?」
「・・・大丈夫みたいです。さわりたいとは思わないけど。」
 
つまり、
破裂してびっくりするのがいやなのだ。
 
次のときに、
イクミが使わない部屋の奥に風船を置いておいた。
壁もあり、窓から少し見えるくらい。
見つけるやいなや、
「あっ」
と声を出し耳をふさいで廊下をスキップに似た走り方で端までいったが、
こちらに
「風船があります」
と声をかけると、
また見えるところまでスキップ走りをして、
窓からそーっとのぞいている。
両手の人差し指は耳に入ったままだが。
しばらく見ている。
「大丈夫なの?」
私が聞いても、イクミは笑っている。
怖いもの見たさなのか、テンションがあがっている顔だった。
 
以前は、
風船を見つけただけでも
奇声を出して外に走り出してしまっていたのに、
意外な展開。
 
ちょっと興味をもったのか、
克服しようと思っているのか、
いずれにしても、進歩!
 
 
 
 
 

風船が嫌い:イクミ3

自閉症など個性のある子では、
いろいろなこだわりがある子もいる。
 
イクミは風船が嫌いだ。
室内に風船があるのを見つけると、
奇声をあげながら外へ飛び出していく。
 
教室では、
ハロウィンやクリスマスなどのパーティには、
室内にたくさんの風船をかざる。
パーティの後は、
かざった風船をはずして、
部屋にごろごろとさせておく。
50個くらいあるときもある。
部屋中にころがったいる風船で、
子ども達は喜んで遊ぶ。
風船を追いかけまわしたり、
キャッチボールをしたり、
山のように積み上げてかくれてみたり。
子ども達にとっては、
パーティの後しかできない楽しい遊びだ。
 
でも、イクミにとっては大嫌いなもの。
 
なので、イクミが来る前には、
子ども達と倉庫にしまう。
かなり汗だくになって一生懸命しまう。
 
イクミが来る前にしまい終え、
ほっとしているとイクミが来た。
「うわー!」
イクミが奇声をあげて飛び出していく。
なんで?
片付けたでしょ?
 
イクミが外の窓から指をさしているその先に、
風船が一個。
しまい忘れだ。
 
ごめんごめんとしまい、
イクミを迎え入れた。
 

悪魔の言葉:イクミ2

イクミが理科実験のクラスに入ったが、
はじめはとても大変だった。
とはいえ、クラス担当は私ではない。
実験担当スタッフだ。
実験終了後30分くらいは疲れきって話もできないほどだった。
 
なにが大変かというと、
実験に使うものの成分表示や器具の製造マークなどを、
すべて確認しなければ先に進めないのだ。
自分のだけではなく、
一緒のクラスの子全員分のものを。
制止すると、
「クソ、死ね!」
などと小声で吐き捨てる。
担当スタッフはその発言を『悪魔の言葉』と言っていた。
 
イクミが『悪魔の言葉』を吐くのは、
自分の衝動を制止され、
我慢の代わりにでたものだと思った。
イクミの日常を母親から聞くと、
特別支援学校のクラスでは、
暴言を吐きまくっている子どもが多く、
暴れたり壁や自分の頭をたたいている子もいるそうだ。
毎日のイクミの環境が、
おだやかな言葉ではなく暴言ならば、
イクミもそう言うのが当たり前になるのだろう。
 
この教室の中で、
イクミがイクミとしての存在を認められ、
安全でおだやかな時間がすごせれば、
変化がでるのではないかと、
担当スタッフを励まし、
頑張る決意をした。
 
 
 
3年前のこと、
理科実験のクラスに
タクロの同級生のイクミの弟(当時小学3年生)が入って2ヶ月ほどたったとき、
母親から相談があった。
「お兄ちゃんは知的しょうがいがあり、特別支援学校に通っています。
理科的なことに興味をもっているのですが、
学校では実験はもとより理科の授業すらありません。
もしできることなら、こちらで理科実験をやらせていただけないでしょうか。」
 
母親よると自閉症だそうだ。
病院のテストでは知的年齢7歳。
小学校低学年から特別支援学校なので、
普通学校のような授業はない。
教室に参加できるかどうかは会ってみなくては判断ができないので、
ひとまず次の週に体験授業を保護者つきで受けてもらうことにした。
 
体験授業の日、
入室するなりあちらこちらうろうろ・・・
かなり落ち着かないようだった。
限りなく彼の自由にさせ、様子をみる。
実験がはじまり、
それぞれの子の前に実験道具を入れるプラスチックのトレーを配った。
すると・・・
イクミはトレーを裏返しトレーの成分表示を読み始めた。
「まだ、さわっちゃダメだよ。」
と制す言葉を聞かずに、
イクミは他の子のトレーも裏返して読み始める。
同じものなのでどれも同じことが書いてあるのだが、
次から次へとトレーを裏返して読む。
母親が制しても落ち着かない。
全員のトレーを裏返して読み終わると、
全部同じで安心したのか、あきらめたのか、
「まだ、さわっちゃダメだよ。」
の声がやっと耳にとどいた。
 
何度も脱線しながら授業が終わったあと、
エコマネーが渡され、駄菓子コーナーで買い物に。
・・・置いてある『すべての』というくらいの駄菓子の袋を裏返し、
成分を読みはじめた。
普通の子から見ると奇異な行動。
母親に制されても、
また駄菓子コーナーに来て袋を手に取り読む。
ただ、知識や発言から見ると、
7歳ではない。
さあ、どうしよう。
 
平日の理科実験以外の子が多い日は、
イクミの行動を監視することも難しいし、
イクミ自体が落ち着かないだろう。
どうなるかわからないが、
しばらく授業を受けさせてあげたい。
 
さあ、どうしよう。
他の子が来ない土曜日はどうだろう。
しかし、イクミ一人だけのために土曜日に教室を開けるのか。
数日そんなことを考えていた。
 
そうこうしているうちにイクミの母親から提案があった。
「タクロの兄弟はイクミのことをわかったくれているので、
一緒に土曜日のクラスならどうでしょうか。
その他、軽度しょうがいをもった子も平日以外なら誘えます。
そこも兄弟で参加するので6人でのクラスを作っていただけないでしょうか。
3家族ともそれぞれの子の個性はわかっているので大丈夫です。」
 
そこまでしていただけるのだったら、やってみましょう。
当面は、何か起こるといけないので、保護者つきで。
そんなこんなで、
特別支援学校に通っている自閉症の子と
普通級に通っている軽度しょうがいの子2人
普通の子3人
のインクルージョン理科実験クラスがはじまった。
 
 
 

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