絵画論

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以前、弟と一緒に飲んでいて、
『絵を創作していくにあたっての
自分の方向性みたいなものは
どんなものか』という趣旨のことを
聞かれた。

僕が答えた内容は
「そんなもの、ないといえばないし、
あるといえばあるけど
まぁ簡単にいえば、
僕にとって、絵とは音楽だ。」
と、そう答えた。

どういうことかと言うと・・・

画家って、たいてい
一つのスタイルを持とうとするもので
その人独自の世界観を表現しようとする。

日本でいえば、現代だと、
村上隆でも奈良良智でもいいんだけど
誰がみても、ムラカミであり、ナラヨシトモである。
最近記事にした・・・岡本太郎も
作品は誰がみてもオカモトタロウなわけです。

それはそれで素晴らしいことと思うし、
古今東西、「絵」ってそんな感じの上に
成り立っているところがあって
ゴッホはゴッホ、ゴーギャンはゴーギャンなわけで、
絵をめざす人はおしなべて、
自己の世界の確立を目指そうとするわけです。
いかに、自分風を作るか、みたいな。。。

けれど・・なかにはそのために、
ひとつの世界でみとめられると
もうそのスタイルの中でしか描けないというか、
ひとつの絵が世界で認められると・・
それがサブカルチャーなら
その「サブカルチャー」な世界の絵だけを
えんえんと描いてくことになるわけです。
もちろん、それが好きで信念みたいなものなら
何も問題もないのですが・・・。

でも、音楽って、ちょっと違うではないですか。
ビートルズを例にとっても、
イエスタディみたいなスタイルな曲もあれば
「ホワイトアルバム」の中の
マニアックな曲もあるわけで、
その世界観も詩の世界も違うわけで・・。
大きく括れば、アルバムごとでも
前期・中期・後期でもぜんぜんスタイルが違ってく。
好きなミスチルでいえば
「西へ東へ」みたいな曲もあれば
「GIFT」みたいな曲もあり・・。

そして、たいていどんなミュージシャンも
出すアルバムごとに、
表現するスタイルがどんどん変わったり
する人はけっこう多い。
大好きな佐野元春さんも、過去に
「バーンズ」というアルバムを出す時、
「これは商業的には成功しないと思ったが
でも僕はどうしてもやってみたかった」
ということをいい、
わざわざ、ウッドストックにたくさんのメンバー
をひき連れて行ってアルバムを作りに行った。
そして結局、一番売れなかったアルバムだったよう。
(好きな人は好きなんだけど)。
でもその時、僕はそういう姿勢にいたく感動した。

で、けれども、そうしたミュージシャンの
その一つ一つ違う楽曲スタイルの中に、
それでも、その人の独自性が出ていくものというか・・。

僕は、「絵に対する姿勢」とか
「こうありたい」というのは・・
まさに、ここでいう「音楽」のようなもの。

抽象絵画の世界ひとつとっても、
「サブカルチャー」もあれば「ゆる画」もあり
「半具象」もあれば「シュール」もあり
「フォーブ」もあり、「ミニマム」もあり
「キュビズム」もあり・・そのスタイルは多種多様・・。
絵の具の塗り方にとっても
ゴッホのように、たっぷりどっぷり塗っていくのもあれば、
逆に薄く薄く溶いた絵の具を
何層にも塗り重ねていく描画スタイルもある。。
「線」だってクッキリと輪郭を描いてく描き方もあれば、
すべての輪郭をぼかすような描き方だってある。

でも、あくまで僕の場合だけど
その折々の情感や、表現したいと思ったことを、
その絵に対して、そのとき
一番描きたいスタイルで描いていきたいので、
いつも決まった一定の「カテゴリー」もなければ
「描画スタイル」も「コンセプト」もないのである・・・。
というわけで、時には
「真面目な静物画と、ゆるゆるな空想画を
同時に描いてるときもある」わけで、
一つのアルバムのなかにバラードや明るい曲など
いろんな曲があるように・・
ひとつの時期にいろんなスタイルの絵もあったりする。

とまぁ、そんな説明をした。そして
これって限定してないからこそ、
いつも描きたい世界が山のようにあり、
「何かいていいかわからない・・」とか
「ネタが尽きた・・」みたいな
そういう経験がないことだけは、
すごくメリットだ〜、みたいなことも言った(笑)。

こういう話しをいろいろしたが
少なくとも彼は、すごく共感してくれた。
ちなみに彼は大阪の芸大で音楽していて、
その後の20代はドイツで音楽活動していた。
で今は、日本で「真面目に?」
NHKの地方局でプロデューサー業してはる。
(そして今もかなりの音楽オタクである^^)
そんな経歴の彼なので、
『音楽的スタイルみたいな絵画スタイル』は
とても理解できるようで
「なるほど。なるほど。ブレてないねぇ〜、納得。」
「そしていつも捉われてなく、心が自由だね」
などと、とても賛同してくれた。

彼は、すごい理屈屋の弟なので
(読んでたら、スミマセン^^;)
そんなこと聞かれて
内心、ビクビクしていた兄なのですが・・(笑)。

ともあれ、ここで書いたようなことが
けっして正しいとか、別にそんな風には僕は思っていない。
一つのスタイルをどこまでも追及して在り方も
素晴らしい道だと思っています。
あくまでこれは、
僕のありたい在り方というわけで・・・。

結論していえば、オールジャンル・ペインター
という言い方ができるかもしれない・・(笑)。。
実際・・これまでたくさんの
風景画も描いたし・・・、ポップな空想画も描いたし・・
人物画も描いたし・・・、抽象画も描いた・・・。。。
きっとこれからも、いろんなものを描きながら・・
そしていつか集大成のような、、
それまでを上手く融合させたような世界を描きたいとも
思ってる。。。道は長そうだけど。。。

ピカソもその絵画人生の中で、どんどん変貌を遂げていったけど、、、
そんな、自分に自由な生き方、僕は好きだな・・。


              ♢

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