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なんか更新が微妙に空いてしまいモチベーションが下がってしまっているかもしれません。
ヘンなテンションで進んでいくかもしれませんがよろしくお願いします。
 
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発電室の壁には発電機から発電された電気の流れる母線がびっしり。
発電機周りにはあまりそういった導線の類が見られないのでどのようにつながっているのかは分かりません。
この母線群、碍子を通して壁の向こう側、母線室に流れていきます。
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母線室の母線群
ここに来ると廃線が結構物々しいことに。変圧器や高圧碍子が圧倒する室内にはパネル展示で水力発電所やその原理などの説明を見ることができます。
手前階段を上がると配電室になりますが、そっちはここまで物々しさはなく、展示内容も郷土資料館としての性格が強くなってきます。
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母線室にあったパネルの一枚
八百津町から木曽川上流部方向(恵那市方向)にかけての航空写真のパネルです。
パネル状にシールが貼られているヵ所は左から八百津発電所・沈砂池・取水口になります。
航空写真自体はすでに丸山ダムができた後の物ですから沈砂池・取水口ともに水没してしまっていますがどれだけ離れているかは分かるかと思います。
その長さは実に9km以上。
取水口のあった場所は恵那市川平地区で導水路の大半は無圧導水トンネルだったといいます。
今でこそこの長さの導水路は決して長いとは言えませんが(短くもないけど)この発電所が運転を開始した当時は非常に長い導水路でかつその全長の6割がトンネルと言う破格の設計でした。
当然ながらコストがかさみ発電所の建設費用を圧迫する結果になりました。
また、長い導水路は水を流すため緩やかながら傾斜も必要で結果的に水力発電の重要な要素である落差を犠牲にしてしまうことにもなります。
丸山ダムの完成によりこれらの導水路や取水口は水没してしまい、その代替として丸山発電所の取水口のそばに新たに取水口が設けられましたが元々、無圧導水で上部水槽まで導水していたためダムの高さを生かすことはできなかったようです。
 
配電室から木曽川を眺めると発電所のすぐそばにもう一つ小さな建物があることに気付きます。
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木曽川に面して建てられたモルタルの建屋。水こそないものの水槽と思われる構造物の端に位置して建てられています。
この建物は八百津発電所を象徴する建物のひとつであり、同時にこの発電所が持っていた致命的な欠陥の一つを象徴する建物である放水口発電所になります。
実は八百津発電所は木曽川に直接面しているわけではありません。
木曽川の水面よりも10m近く高台に設置されているのです。
これは、設計当時、暴れ川で名をはせた木曽川の水害を懸念しわざと高台に発電所を設置したためでした。
当時はまだ水車を発電機より高い位置に設置する技術がなく高価な水車や発電機を水害から守るために意図的にそうしたのでしょうが、結果として約10m分の落差をムダにしてしまうことになります。
発電所の建設から数年後、電力需要の増加に伴ってこの落差を利用するため設置されたのが放水口発電所でした。
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八百津発電所の4基(実稼働は3基)の水車を通って排出された水は木曽川に面した放水口より放出されます。
開業当初はこのままタキのように木曽川に流れ落ちていたそうですが放水口発電所ができてからはそのまま川に沿って流れ
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スクリーンを通って放水口発電所のある水槽に導かれます。
既に使用されてはいない為、水ではなく草が生い茂っていますが現役時代は水が満たされた水槽にまるで発電所が浮いているような感じだったのかもしれません。
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実はこの水槽は上部水槽と呼ばれていません。
それはこの発電所の水車の設置の仕方に理由があります。
そもそもこの放水口発電所建屋には発電機こそあれ水車は存在していないのです。
暗くて見えにくいかもしれませんが放水口発電所の下部、水槽の底の方に建屋の両側から赤チャビ色の管が伸びているのが分かるでしょうか。
実はこれが水車なのです。
少しアップしてみましょう。
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夏草に埋もれかかっているもののガイドベーンとそれを動かすリンク機構が見えます。ガイドべーンのある場所が流入口、その内側にはフランシス水車があります。
発電所の片側に水車が4つそれが両側で計8個の水車が1つの軸でつながれています。
あまり例を見ない4連8輪の水車構成ですがこれにも理由があります。
放水口発電所建設当時、世界では低落差向けの水車の研究がおこなわれていた時代でした。
しかし、当時の日本にそのような最先端の研究はまだ行われていませんでした。
ようやく自力でフランシス水車や発電機を作れるようになった時代です。
最新鋭の水車の研究などまだまだ荷が重かったのです。
かといって外国から最新の水車を買ってくることはおろか、その情報すらまともになかったのでしょう。
そこで、既存の技術を応用する形でこのような水車構成となったのです。
聞くところでは発電機、水車とも日立製の物になるそうです。
既存技術の応用、と言えばかっこはいいのですが、最新の技術を自力開発できなかった当時の苦心の作と言った方が正しいのかもしれません。
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少し離れたところから(と言っても同じ諸田公園の一角ですが)八百津発電所本館建屋と放水口発電所を見てみます。
放水口発電所の木曽川に面したところに口をあけているのは放水口発電所の放水路。
八百津発電所の設置された位置の高さが良く分かります。
放水口発電所の有効落差は6.67m。
木曽川にまだダムがなく、暴れ川でもある木曽川の水害から発電所を守ろうとしたためとはいえ結果的には発電性能をロスしてしまうことになったのは皮肉ともいえます。
その後、水力発電の技術は水車と発電機を垂直に結ぶ縦軸水車の開発で水害からの問題を、スクリュー水車(カプラン水車)の登場で低落差大流量向け高効率水車の実現をそれぞれ解決して今に至っています。
その意味では八百津発電所は"失敗した発電所"と言うより"早すぎた発電所"だったのかもしれません。
 
さて次回は最終回。上部水槽に向かって歩いてみたいと思います。
 
 

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