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まず、第三者委員会委員長である郷原氏の行動を、同報告書及び新聞報道から、時系列でみてみる。
7月6日の衆議院での国会質問で、本件いわゆる「やらせメール」問題が明らかになったのち、以下のような流れになっている。
・7月19日 第三者委員会委員長の就任依頼を受ける。
・7月24日 眞部社長と郷原弁護士が会談。6月21日の知事への副社長、支店長ら退任挨拶時のやり取りのメモの存在を、社長から言われる。
・7月26日夜 個人的立場で、古川知事と夜、福岡市内で会談。メモの存在を告げ、「県政に混乱が生じる前に、早期に辞任するなど対応したほうが政治的ダメージは少ない」旨の辞任を「助言」。眞部社長にもメールで報告。
またこの際、知事に、5月17日の国から県への説明会ネット中継時の県からの投稿要請の事実関係について照会。知事は「確認し、翌日返事する」旨応じた。
・7月27日 第一回第三者委員会会合。調査チームの赤松弁護士とともに、佐賀支店長をヒアリング。夜に、佐賀市内で古川知事と面談し、6月21日の副社長らとの会談時の発言について照会。
知事はこの際、「5月に投稿要請した事実はない。辞任する意思はない」と告げ、郷原氏も「違っていたようだ」「もう辞めろとは言わない」と述べた(知事の10月19会見時の説明)
・7月30日 知事が午後の緊急記者会見を開き、6月21日退任挨拶時の面談の事実について公表したことを受け、夜に郷原氏が会見。
・8月1日 自らのメールマガジンで、それまでの社長との会談以降の流れを詳細に記述して発信(7月26日夜の「個人的立場」での知事との面談については、ここでは触れず)。
・8月4日 郷原氏が知事に電話し、支店長作成のメモを全文読上げた。「第三者委員会が公表する前に知らせようと思って」のこと。
・8月6日 6月21日の支店長メモが朝日新聞で報道。委員会も公表。
・8月18日 古川知事から第三者委員会(赤松弁護士)に対して、6月21日
の会談メモに関する詳細な回答文を提出。
・9月18日 赤松調査グループが第三者委員会に対して、6月26日の説明会中継時の投稿呼びかけに関する調査報告書を提出。
・9月30日 第三者委員会報告書提出。
こうやって整理してみて、すぐに気が付く不自然かつ疑問な点はいくつもある。
<個人的立場での接触、誘導など、本来許されない>
○7月26日夜に個人的立場で、辞任を勧めたというが、この時点で、6月21日の支店長メモの存在を社長から知らされていても、具体的内容は知らなかったのではないのか? 支店長のヒアリングもまだ行われていないし、当然知事の説明も聴取していない。事実関係をこれから調べるという段階で、なぜ軽々に、個人的立場で隠密裡に接触して、しかも政治家である知事に辞職を勧めるなどという行為を行い得るのだろうか??
これを国会議員に置き換えてみればすぐに、その重大性がわかるはずである。検察がある端緒をもとに、国会議員の捜査を始めたとする。まだ、正確な事実関係はわからない。特捜部長がその政治家とは以前から知り合いで、その将来に傷が付くことを心配し、入手したメモの存在を国会議員に知らせ、今のうちに辞職したほうがベターである旨、助言した・・・。
こういうケースを想像していただきたい。本件のケースでは、別に古川知事は刑事的容疑者でもなんでもないが、事実関係を調べる第三者委員会の委員長と古川知事との関係の構図としては、同様のものであろう。そのようなことがもし露見したら、その検事は、懲戒免職となることは間違いない。事実関係を公正に調査するという委員会に託された役割の点からみて、それこそ、郷原氏が言及している威力業務妨害でもあり、場合によっては背任とみられる可能性もあるのではないのか?
<クライアントから受託した調査の途中経過を、なぜ個人のメールマガジンで発信できるのか?>
○次におかしいと感じるのは、8月1日付の、メールマガジンの発出だ。これは、郷原氏個人のものであろう。この調査は、もともと九州電力から委託を受けて行っているものであろう。すべての関係者の調査と委員会での検討が終了した段階で、まずはクライアントである九州電力、そして社会に対して説明するというのが順序であろう。
しかも、そのメールマガジン(vol.7)の副題が、「佐賀県知事、「原発容認意見期待発言」公表の経緯」というものである。この時点というのは、支店長メモの存在を知ってほぼ1週間、知事がその存在を知った旨を公表した会見の翌々日である。委員会として支店長に最初のヒアリングをして4日目である。調査は、文字通りまだ始まったばかりの時点なのだ。この時点で、なぜ、このような決め付けができるのか。
知事発言の趣旨として、九電側も、古川知事も、誰も、そのようには認めていないし(現在も認めていない)、知事の詳細な回答は、それから3週間後の8月18日なのである。
第三者委員会として検討・判断する材料も揃っておらず、実際委員間での議論もなされていないだろう中で、いかに先走っているかということは明らかであるし、それを、個人のメールマガジンで発信するなど許されることではない。
<検事の悪癖である「見立て」に基づき強引に肉付けられたものであることは明らか>
上記の流れからもわかるように、これは、郷原委員長及び調査グループの弁護士らによる事件の「見立て」が早期に行われ、それを裏付けるための資料収集とその解釈、説明会、発言等の意義付けについての誘導的解釈が行われたことを強く示唆するものである。
支店長メモの存在を知って、たかだか1週間である。自らの上記メールマガジンで、その存在を眞部社長から告げられたときの様子を驚きをもって綴っている。知事に対して、そのメモをその時点では見せることもなく、口頭でその存在を告げ、一次的反応を得ただけの段階で、すべてはこれから本格的に調査をするという時点である。
それを何ら経ない初期も初期の段階で、このような個人的ブログを公にして、古川知事の発言を、「原発容認意見期待発言」とのレッテルを独断で張ったのである。このような案件については、手続的公正さが求められる。しかし、それを全く顧慮することなく、政治家である知事に、不公正発言のレッテル張りを行うことは許されることなのか??
郷原氏及び弁護士グループの「見立て」は、根本的に間違っている。後ほど述べるが、この6月26日の国主催説明番組の趣旨、意義についての解釈が、郷原氏らは全く間違っている。狙いは、あくまで論点を出し尽くす、それらをめぐる賛否の意見も出し尽くすということなのである。古川知事は、一貫して、賛否それぞれからの「論点」を出すことの必要性と強調している。これは、キーワード中のキーワードである。
報告書添付のプルサーマル計画実施に際しての知事の一連の行動及び発言を見ても明らかではないか。九電、国、県と、何回も説明会を開催し、パネリストにも、推進、反対、中立の立場に者をバランスよく参加してもらい、時間をかけて議論を煮詰めていっている。最終的にゴーサインを出したのも、「論点が出尽くした」と判断したからであり、そのように、報告書添付のインタビュー番組等の中でも語っている。6月26日の国主催説明番組にしても、限られた直接参加者についても、その工夫は同様であった。
そういう姿勢でこれまできていた知事が、突然、この局面で、「原発容認意見を提出させよ」という指示をするわけがないではないか。経済界からも意見があるのであれば出したらどうか、という趣旨であることは流れからして明らかであろう。当時、夏の需給逼迫が大きな懸念であり、供給に支障が生じるならば、経済活動そして国民生活に多大な影響が生じることに大きな不安が広がっていたことは皆記憶しているだろう。その影響としてこういうものがあるのだ、ということも大事な「論点」になる。議論を含め、賛否両派相互の、そして地域住民全般の理解を深めるためには、論点を出し尽くす必要がある。そういう論点があるのであれば、出す事が必要であろう、という一般論を言っているというのは、流れからして容易に想像できることだ。
だいたい考えてもみてほしい。もし、原発推進に偏った露骨な誘導的意図があるのであれば、番組のわずか5日前の、それもウィークデーで言えば僅か中3日しかない時点で、初めて働きかけるか????
それも、九電側からの退任挨拶のときに、そんな大事なことを、初めて言うか??? しかも知事が呼んだのではなく先方から来たのである。しかも、相手は退任していく人間である。
世間常識を持ち、基本的想像力がある人間であれば、この局面でのやりとりであれば、一般的雑談だった、ということは容易に想像できるであろう。
「佐賀県・知事主導で、九電に露骨な世論誘導をさせた」という検察の見立ては、もとい、郷原・第三者委員会及び調査担当の弁護士グループの見立ては、文字通り、牽強付会な空中楼閣である。
・・・そういえば、「検察が描いた空中楼閣」という非難は、たしか、郷原氏が徹底擁護する小沢元代表の秘書である石川議員が言っていたような・・・。
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日弁連が策定した「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」(以下、ガイドライン)というものがある。法令のような強制力はないが、郷原氏がメールマガジンを利用したことが妥当なのか疑問がある。
まず、ガイドラインによれば第三者委員会の調査はすべてのステークホルダーのために行われるものとされている。電力会社のステークホルダーには九州の住民老若男女すべてが含まれることは自明であるが、公益性の高い基幹産業であり一部上場企業であることを考えれば国民全てを対象とすべきだろう。従って、いわゆるデジタルデバイドの観点からは、調査内容の公表は、マスコミに対する記者会見、証券取引所への報告、九電の事業所での閲覧などの方法が妥当であり、特定の者を対象としたメールマガジンで特定の情報を提供したことは、妥当性を疑わざるを得ない。
郷原氏が問題のメールマガジンを発出するにあたり、第三者委員会でどういう議論があり、どういう根拠で了解されたのか、郷原氏及び第三者委員会は明らかにしてもらいたい。また、日弁連の見解も知りたいところだ。
2011/11/3(木) 午後 6:45 [ 日弁連ガイドラインに照らして ]
続きです。
更に、郷原氏は八木啓代氏との対談の中で、第三者委員会の調査内容について口外しているが、そのような場で口外することや口外する内容について、事前に第三者委員会や九電の了解を得たのだろうか?また、口外した内容が事前の了解事項と相違なかったことを、録音や議事録などで事後に確認しているのだろうか。そもそも、そういう場で口外することが妥当なことなのか、日弁連の考えを知りたい。
なお、原子力発電所の運転は電力会社の経営にとって重大な事象であり株価にも影響を与えかねない。郷原氏は、このようなことに関係する可能性のある内部情報を、メールマガジンの読者という特定の対象にリークした訳である。従って、郷原氏がリークした情報の内容や相手先が、インサイダー取引を誘発する虞がなかったか、洗う必要があるとさえ言える。
2011/11/3(木) 午後 6:54 [ インサイダー取引も誘発しかねない行為 ]
九電がクライアント?その時点で間違っているね。
被告人だよ。で、このブログ主だれ?九電が操っているとしたら
犯罪だね。
2011/11/24(木) 午後 9:16 [ 大間違い ]
個人的立場での接触、誘導など、本来許されない
→段上、真鍋そのほか九電幹部と古川康はね。
ブログ主、おかしいよ。
上のクライアントしかり。第三者委員会は、マーケティングリサーチを依頼する調査委託会社なんかじゃないんだよ。
一般常識が抜け落ちている。これでは、擁護のための擁護。
2011/11/24(木) 午後 11:58 [ 大間違い ]
ブログ主が第三者委員会を批判する権利はある。
しかし九電は否定する権利なし。それも、自分たちのなお仲間でね。都合の悪いことが出てくると思わなかった、というのが計算違いなんだろ。それにしても、麻原の弁護人みたいだね。
2011/11/25(金) 午前 0:01 [ 屁理屈 ]