(新名称) 法と公正手続きへの基本的理解が欠如した原子力規制委

(旧名称) 九州電力第三者委員会、郷原委員長、そして枝野経産大臣への疑問

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3 それでも規制委は、重要施設への影響評価をせざるを得なくなること。
 
 上記のように、規制委と有識者とは、有識者会合の位置づけ等を巡って迷走してきましたが、基準適合性審査の段階になれば、「有識者会合による評価にかかわらず」、否が応でも、重要施設への影響度合いの評価をした上で判断をせざるを得なくなるでしょう。
有識者会合の判断が「12〜3万年前以降に活動したことを否定できない断層」であるから、基準不適合で不許可という「門前払い」には決してできないと思います。

 それは、審査する規制委側に、活断層(「今後活動する可能性のある断層)」であれば、常にすべてが「安全機能に重大な影響を与えるおそれがある」ことを立証する責任を負っているからです。 
 
 この点は、こういうことです。

(1)まず、安全基準の大元の規定は、原子炉等規制法にあります。
 
(許可の基準)
第四十三条の三の六  原子力規制委員会は、前条第一項の許可の申請があつた場合においては、その申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
  (一〜三 略)
 発電用原子炉施設の位置、構造及び設備が核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止上支障がないものとして原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること。
 
 基準制定の考え方として、法律が示していることは、あくまで、
 
「発電用原子炉による災害の防止上支障がないものとして」
 
の基準です。

(2)他方、規制委が定めた新基準では、
 
「第3条
耐震重要施設は、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない。
 
 その解釈として、
 
「3 第3条第3項に規定する「変位」とは、将来活動する可能性のある断層等が活動することにより、地盤に与えるずれをいう。また、同項に規定する「変位が生ずるおそれがない地盤に設け」るとは、耐震重要施設が将来活動する可能性のある断層等の露頭がある地盤に設置された場合、その断層等の活動によって安全機能に重大な影響を与えるおそれがあるため、当該施設を将来活動する可能性のある断層等の露頭が無いことを確認した地盤に設置することをいう。」

 としています。
 こういう法令の委任構造の下での規定であれば、立法府の定めた法律を施行する立場の行政府である規制庁としては、

①「変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければ」(断層の態様、規模に関わらず)、必ず「災害防止上支障がある」ことを合理的に証明し、更に、

②「将来活動する可能性のある断層等の露頭がある地盤に設置された場合、その断層等の活動によって安全機能に重大な影響を与えるおそれがある」と断言する形で解釈する以上は、12〜13万年前に活動したことが否定できない断層が、常に必ず、「重要施設の「安全機能に重大な影響を与えるおそれがある」ことを合理的に説明できなければなりません。

③更には、旧基準からあえて考え方を激変させ、既設原発に対しても、即時・遡及適用し、質問主意書への回答(閣議決定)を覆して、活断層の態様等に関わらず一律に、立地・再稼働不可とする合理的説明をしなければなりません。
 
 しかし、この規定と解釈は、原子力工学等の関係学会の総意として提出された意見を無視して定められたものですから、それらの学会から見解を述べられた場合に、規制庁がこれに自ら反証して合理的説明をすることは至難の業です。島崎氏が繰り返した「何が起こるかわからない」というセリフだけでは、通用しようがありません。
 
 要するに、重要施設への影響評価をしないで済ませようとすれば、法律の受任範囲を逸脱して、法の運用をしているということになり、違法ということになってしまう、ということです。
 薬事法で、通信販売を不可とする厚労省令が違法とされたことと同じことです。
 規制委の違法性は、これまで本ブログで縷々述べているように、憲法の諸原則に抵触するものですから、極めて違法性の程度が大きいということです。
 
 いずれ、不許可処分取消訴訟となれば、こうなることは目に見えています。そうなれば、規制委の行政は大混乱に陥ることになり、その威信は失墜しますから、今のうちに軌道修正をしていく必要があります。
 そのことに遅ればせながらやっと気が付いて、徐々に軌道修正を図るために、今回の規制委の方針の「確認的」な整理と相成った・・・ということであれば、歓迎すべき話でしょうが、実態はどうなのでしょうか・・・?

 どのみち、原電からは、矢継ぎ早に、問題指摘と申し入れがなされており、今週早々には、詳細な問題点の分析資料を公表するとのことです。


 12月10日にピアレビューが開催されるそうですが、どういう展開になるのか注視したいところです。


閉じる コメント(4)

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原電敦賀の破砕帯評価のピアレビューが、明10日に開かれます。どういう展開になるのか、要注視です。
原電は、ピアレビューをにらんで、評価書の問題点についての資料をまとめ、本日提出した旨発表しています。

http://www.japc.co.jp/news/other/2014/pdf/20141208.pdf
http://www.japc.co.jp/news/press/2014/pdf/261209_1.pdf

評価の有識者会合によって、進め方、検討の基準等が一様ではないようですが、他のサイトの有識者の誰が出て、どういう発言がなされるのでしょうか・・。

2014/12/9(火) 午後 10:11 [ kyusyutaro ]

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九電メール問題について、分厚い本が出版されるとのことですが、どういう視点から、どういった考察がなされているのか、楽しみに待ちたいと思います。
あの当時の異様な空気はもうほとんど雲散霧消していますから、冷静に振り返ることができることでしょう。

そして何より、当時の問題を惹起した主役の一人である枝野氏が、今週の総選挙で落選となれば(海江田氏もそうでしょうが)、世は無常、驕る平氏は久しからず、です。
もう一人の主役である郷原弁護士は、美濃加茂市長贈賄事件の市長弁護で、文字通りの活躍をしています。こういう本来の弁護士業務で今後も活躍してほしいものです。美濃加茂市長を冤罪から救うのが今回の活躍だとすれば、九電第三者委員会事件は、九電の行為を針小棒大に脚色し、古川知事を冤罪に追い込もうとした事件ですから、対照的です。
http://www.huffingtonpost.jp/nobuo-gohara/story_b_6216856.html

2014/12/9(火) 午後 10:30 [ kyusyutaro ]

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いつも興味深く拝読させていただいています。立地・再稼働不可とする合理的説明がない、ではなく、立地・再稼働可とする合理的説明を私達が出来ないから不可とされているのが正直なところです。法解釈は私には難解ですが、不可とされている理由はシンプルで、正直、私達はかなり事態を曲げて立地に漕ぎ着けてきたのが実情というか真実です。

2014/12/10(水) 午前 7:18 [ 工学屋 ]

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私が言わんとしていることは単純です。破砕帯による重要施設への工学的影響評価を、文字通り全く行わないままに、わずかでも変位があればその規模、態様を問わず、既存原発でも即時廃炉にするというような審査の在り方は間違っており、安全審査という使命の放棄であるということです。原発建設に携わった工学系の技術者ということであれば、工学的検討を全否定されることについて違和感を感じると思いますが、コメントされた方はそうでもないようですね。・・・と思っていたら、次のコメントが入っていました。「日本の国土のメカニズムを知れば知るほど、再稼働を容認できる論拠は、何一つ見当たりません。」というおなじみのワンフレーズが入ったコメントでした。今まで「事態を(?)曲げて立地にこぎつけてきた」ということで悔みきれないというのであれば、具体的不正内容を以て内部告発でもすればいいでしょう。なりすまし投稿と判断し、倉庫に移送しました。

2014/12/11(木) 午前 1:44 [ kyusyutaro ]


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