(新名称) 法と公正手続きへの基本的理解が欠如した原子力規制委

(旧名称) 九州電力第三者委員会、郷原委員長、そして枝野経産大臣への疑問

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 原電敦賀破砕帯評価のピアレビュー会合の録画を一通り聞きました。


 もう、冒頭から混乱、混迷を極め、手続き、内容とも「めった切り」になっています。
これではもはや、敦賀の評価書は、規制委として使い物にならなくなってしまったと言えるでしょう。
 
 ・何に基づいて評価するのか?
 ・どういう趣旨でレビューするのか?
・どういうスタンス、方法で評価するのか?
 
こういった点が、従来のスタンスが根底からひっくり返されてしまいましたし、評価内容も、根本的疑問が提起されてしまっています。
科学者の集まりで、ここまで全否定の「全く〜理解できない」「著しく問題」「(根拠や推論が)全く書かれていない」「まず考えにくい」「これは不統一」「科学的ではない」「信じがたい」というように、全否定的表現が怒涛の如く?発せられるというのは、異例ではないでしょうか。
 
驚いたのは、次のような一連の発言です。
 
「通常の論文のピアレビューとは異なる。したがって再評価するような場ではない。コメントをもらうだけ」との座長発言。
②「規制基準等の細かい文言に拘わらず、科学的に判断すればいい」という座長の発言。
③「18年指針と基本的には変わりない」」「公式に準拠すべきは、規制基準とその解釈のみであって、審査ガイド以下は内部指針に過ぎない(から拘らなくてもいい)」との規制庁の発言。
 
 これらは、極めてインパクトのある発言です。

①の点は、それではピアレビューの意味がないと思いますが、それは措くとしても、②と③の
発言によって、これまで、島崎委員長代理(当時)や鈴木康弘委員が、心血を注い
で?再稼働阻止のために仕組んできた点がガラガラと崩れてしまった感がありま
す。

島崎氏と鈴木委員は、昨年の2〜4月頃の規制基準から審査ガイドまでのWGの審議の中で、活断層であることが100%明確に否定できなければ、「将来活動可能性のある活断層」とみなし、即基準不適合=再稼働不可と持っていくための仕掛けづくりに精力を注いでいました。その際の重要なカギとして、審査ガイドとその解説がありました。その具体的内容は、鈴木委員が事務局案を全面的に書き換えて、現在の記述に持って行ったという経緯があります。だからこそ、「この審査ガイドに準拠し、これを拠り所にするのだ」という点は、彼にとっての生命線ともいえます。
それが、今回の規制庁の櫻田部長と小林管理官の発言によって、あっさり否定されてしまいました。審査ガイド以下には拘束されない、そして、18年基準と基本的には変わりがないということであれば、島崎氏と鈴木氏が狙った、事業者側に100%否定の証明を求めるという「悪魔の証明」ということではなく、通常の科学的判断の仕方の通り、活断層であるとの合理的な推論の根拠があって初めて、「安全側の判断」ということになるということになります。
 
 鈴木委員は、昨年の審議当初からずっと言っていますが、「活断層否定の証明方法は原電が考えることであり、規制委側はその証明が十分かどうかを評価するだけだ」とのスタンスです。今回も同趣旨のことを繰り返していました。これは、上記の審査ガイド以下の記述が根拠になっているものです。
 また鈴木委員は、科学の世界の議論とは異なり、審査基準なり審査ガイドなりに即した議論である旨を、11月19日の有識者会合としての評価書案とりまとめの際にも念押ししています。
 
                             (p13〜14)
 
○鈴木教授 役割のところの最後のところに、「設置許可基準規則」等に準拠して行っているという、こういう説明で、そのとおりだというふうに思っております。ただ、私の立場としては、これをそういったものまで深く読まない人にも、なるべくわかりやすく説明するというような、そういう立場で、今日は補足の意見をいろいろ言いたいというふうに思っているんですが。
 この規則のところにどう書いてあるかというのは、資料、図の最後のところにもさらにつけ加えられているということはよくわかるんですが、かなりこの規則について誤解している人がいて、誤解したままの活断層の定義で、議論を履き違えている専門家も非常に多いので、そういう意味で、この規則において、「将来活動する可能性のある断層」というのはどういうふうに定義されているかということが、よりわかりやすいほうがいいのではないかというふうに思います。それをここに書くことがふさわしいかどうかは別途御判断いただければと思うんですけれども。
 例えば、従来の活断層の定義ですと、地下の10kmとか、それぐらい深いところまで続いて、地震動を起こすようなものだけを活断層と言うんだとか、あるいは、繰り返しが十分確認されなければ、活断層とは言わないんだとか。
それから、今回、12万年前のところで判断するということですけれども、そこで明確に判断できない場合は、どういうふうに判断すべきかというようなことが、これらの規則には非常に詳しく書いてあるので。そういうところが一般の人にも伝わるように、そういうルールの中で我々が判断しているということを十分に説明をしていただきたいというふうに思います。
この辺りのルールが違ってくれば、それは別の言い方というのができて、そういうことを言っている専門家もかなりいるように見受けられて、それが非常に混乱を招いている原因だというふうに思いますので、準拠して行ったという書き方、ここまででいいのか、あるいは、さらに要点を補うような書き方のほうがいいのかということについて、御検討いただきたいと思います。
○石渡委員 それにつきましては、一応おっしゃったように、基準といいますか、そのガイドについては後ろのほうに添付してございます。実際にこの評価書そのものの書き方が、このガイドに沿って、ガイドの基準に従って論理を進めているといいますか、そういうふうになっておりますので、あまり詳しく、それを改めて書き入れるということが適当かどうかというのは、ちょっと文章構成上の問題もございますので。
 その辺、確かにそういう点は混乱のもとになっているということもわかることはわかるんですけれども、できれば、そこのところはこういう形で審査ガイドをよく御覧いただいて、それに沿ってこちらは判断しているというような記述でまとめたいというふうには思っているんですけども。個々のところで、ここはこの文言を追加したらいいという御指摘がございましたらば、そのようにお願いしたいというふうに思います。よろしいでしょうか。」
 
今回のピアレビューでも、最初と最後で、改めて問題提起が粟田委員からなされ、それに対して、
 ・座長からは、これらの細かい文言に囚われることなく、科学としての議論をすべきで、審査ガイドに準拠というのは言い過ぎで、勘案程度だと言われ、
 ・規制庁からは、規制基準とその解釈が公定のもので、審査ガイド以下は審査官用の内規であり、基準の考え方は18年基準と変わっていないと言われ、
 ・敦賀会合の座長の石渡委員にも、「この部分の表現は、前回評価書でも「勘案して」という表現になっていた」と言われてしまいました。
 
 最後の最後に、鈴木委員は、「審査ガイドに準拠し、拠り所になっていたのであって、そうでないとすると大変だ」との趣旨の発言をしていますが、それが最後の抵抗でした。座長からは、「審査ガイドの解説の「安全サイドで判断する」との文言は、行政の世界での話であって科学の世界の話ではない、これを元にして評価委が事業者側の説明をおかしいだろうというのは科学的議論ではない」との指摘までされています。
 座長は、あたかも鈴木委員の有識者会合での過去の言動(「審査ガイド、解説のここに安全サイドで判断すると書いてあるだろう!」)を知っていて、皮肉っているのかと思うほどでした。
 
 いずれもしても、こういう入口論というか、破砕帯評価の有識者会合の位置づけ、検討の方法、基準等の前提部分のそもそも論について、何らのコンセンサスもなければ、事務局の規制庁幹部までが従来と異なることを言い出してしまったということで、鈴木委員が強く指摘した通り、これまでの有識者会合の審議の準拠対象、考え方が間違っていたということになり、正統性と正当性とを失う、ということになるかと思います。
 
 
●そして、評価書案の内容も、ほとんどめった切りでした。
 正確ではないかもしれませんが、ざっと聞いただけでも、
 
・なぜD-1断層なのか?
・K断層とD-1破砕帯とは性状等が異なる。
・美浜テフラは、発見は新しいが、学術的にも認められている。
・降灰層準として設定することはおかしくない。
・テフラが濃集しないと測れない程度というのはおかしい。分布が有意であればよいはず。
・花粉分析のことをなぜ書かないのか。
・K断層は、浦底断層のどこからどうやって枝分かれしているのかわかるはずだが、それも確認していないのか(それがわかれば、動き方も推定できる)。
・最も肝心の部分を実地に確認していないのは、著しく問題。
 
 発言していたのは、多くは、粟田氏、岡田氏がメインで、あとは竹内氏他2-3名の識者が若干のコメントをした程度でした。粟田氏は、昨年2月のピアレビューで指摘していた点(「下盤側に〜〜見られない」云々)も繰り返しており、ほぼ全否定に近い印象を持ちました。また、岡田氏も、評価書案には大きな問題があるという認識だったと思います。
 
 座長が述べる通り、再評価するものではなく、ここでのコメントも参考にして、敦賀有識者会合の責任でまとめるということで、いずれまとまるのかもしれません。しかし、これだけ根幹に関わる諸問題が指摘された事実は重く、それらが解決されるはずもありませんから、科学的ではないという烙印が押されたに等しいですし、鈴木委員が「有識者委員側では、自らの材料がないから証明できない。単に原電の証明が十分かどうか評価するだけ。」との発言は、活断層であることの合理的な推定根拠を持っていないことを図らずも吐露したに等しいですから、今後、再稼働審査の上で、援用もできなくなってしまったと思います。
 
 規制庁櫻田部長と小林管理官の、「公式には基準とその解釈まで。規制ガイド以下は参考」
「基準としては18年基準と変わっていない」との発言は、極めて重要な発言であり、今後の再稼働審査の上で、決定的ともいえる影響を与えたように感じます。
 もちろんそれは、安全審査が本来の姿に戻る方向に働き、然るべく、工学的観点からの重要施設への影響評価を行うということになる・・・という意味ですが・・。
 元々、「設計上考慮すべき断層かどうか」ということの判断だったわけですから、見解が分かれるのであれば両論併記にして、初めからさっさと本筋であるべき影響評価をすればよかったのです。それもやらずに延々と膨大な時間と精力を費やしたことは、本当に空しい作業だったと感じます。
 
 それにしても、渡辺氏が評価書案支持ペーパーを出して冒頭に説明したものの、粟田氏から一言の下に否定されたり、敦賀の有識者たちが、指摘や質問に対して黙りこくってしまうという場面がしばしば見られたり、あるいは委員が評価書とは異なる個人的見解を吐露したりしたことは、視覚的にも、評価作業自体の信頼性に疑問を抱かせるものでした。
 同じことを言われても、原電には居丈高に応じる一方で、ピアレビューでは萎縮した雰囲気になるというのも、あまり好ましい風景ではありませんでした。
 
 原電は、終了後にコメントを出してます。今後のことを考えれば、安全審査の場でよりも、有識者会合の場で決着させておきたいということなのでしょう。


 以上、取り急ぎ録画を見ての感想で、勘違いがあるかもしれませんし、別の見方があるかもしれません。
 お気づきの点があれば、ご指摘いただければ幸いです。


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座長の最後の「安全側に判断という考え方は科学的でない」という趣旨の発言が、印象的でしたね。

内容は、やはりさんざんでしたね。濃集分析を認めないのはなぜか、有識者は根拠を出せないどころか、サンプリングなどの統計学の基礎知識のなさを露呈していましたね。原電はテフラだけでなく、様々な観点で評価しているにも関わらず、テフラのみをもって原電の主張を否定することはできないでしょう。5層の花粉年代を無視、土壌の存在を認めているのに土壌化に有する時間を認めないなど、驚きです。この重要な点について「現地に赴いて確認したんですよね?」的な発言もあって見もしないで結論づけたのか、という雰囲気にもなりましたね。

内容についてはボリュームアップさせるみたいですし、大幅に変更があるでしょう。NHKにも報道されちゃったし…。

今回一番驚いたのは、事務局が「ガイドはきにしなくていい。指針がすべてです」という趣旨の発言をしたことです。ガイドが指針に矛盾してるということを認めたといってもおかしくないですね。ガイドが使えないなら、なにをもとに審査するのでしょうか。それで規制できるのか?非常に不安です。

2014/12/11(木) 午後 6:05 [ とくめいきぼー ]


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