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頂いたコメントにあるように、西日本新聞の朝刊に、以下の記事が載っている。
九州電力のやらせ問題をめぐり、第三者委員会の郷原信郎元委員長が提案した「公開協議」の実施に向けた調整が難航している。九電は提案を拒否し、書面での質疑のやりとりを逆提案。これに難色を示す郷原氏との間で、同氏が公開協議に出席しないという折衷案が浮上、調整が始まった。だが九電上層部の郷原氏への不信感は根強く、実現のめどは立っていない。
真部利応社長は4日、社内限定のサイトで「メール問題に関する今後の対応について」と題する社員向けメッセージを出した。
真部社長はこの中で、経済産業省資源エネルギー庁側から、「第三者委の報告を踏まえるべきではないか(そのまま受け入れるべきではないか)」などと要請されていることを明かした。
その上で「(第三者委報告書を)丸のみして(佐賀県)知事に責任を押しつけることはうそをつくこと」「ぬれぎぬを着せることは企業としても人間としても断じてできない」と持論を強調。修正作業を進めている国への最終報告書についても「再発防止については100%提言を受け入れ、それ以上の改革を決定している」と主張した。
公開協議については「仮に実施するなら、すれ違いが起きないよう、議論を深める意味でも書面で開催し、(社員の)皆さんに公開すべきだと考える」としている。
一方、新たに浮上した「郷原氏欠席」の代案は▽公開協議には他の第三者委元委員が出席する▽郷原氏は協議後に別途、社員向け説明会を開催する−というもの。だが、九電上層部では「結局は九電の説明の後で批判する狙いではないか」として消極的な声が大勢だ。第三者委元委員の会見やインターネット上で、郷原氏への批判が表面化していることもあり、九電の見解を曲げるべきではないとの“主戦論”が再燃している。
だが、自社見解を維持したまま報告書を修正して再提出しても、枝野幸男経済産業相が受け取るか見通せない状況は変わっていない。取締役の一人は「郷原氏とは討論ではなく、腹を割った話をして妥協点を探りたい」と漏らした。 」(川合秀紀)
=2011/11/05付西日本新聞朝刊=
● その、不安げに「腹を割って妥協点を」云々と言っておられる取締役の方に申し上げたい。
① まず、経産省を恐れるな!ということである。経産省はこのままいけば、枝野大臣とともに心中なのである。争われれば、経産省と枝野大臣が100%負ける。経産省は内心はびびっている。
官庁というのは、反論されること、反抗されることに実は弱いのだ。反論してこないからとタカを括って無理筋のことを言う。それに正面切って反論されると動揺してしまうのだ。
「出るところに出たら負ける」ということは、分かる人には分かっている。
嵩にかかって居丈高に出る人間は、こちらら低姿勢でいるとますます嵩にかかってくる。がしかし、反撃されると意外におとなしくなるというのは、世の中の通例である。
攻撃は最大の防御である。受け身ではなく(受け身だと言い訳にきこえる)、攻勢に出ることが肝要なのである。
経産省は、既に最終報告書を正式に受理しているのである。高原資源エネルギー庁長官が眞部社長からプレスも入った場で、受け取っているのである。正式に受理印も押されていることであろう。
これは、あくまで「やらせメール」事件についての顛末と防止策についての報告書である。本来の原発再稼働の話とは直接の関係はない。その中身について、経産省がおかしいというのであれば、個別具体的に指摘し、理由を述べなければならない。行政手続法の観点からもそれが法的要請である。
「第三者委員会を設置した以上、それをそのまま受け入れるのが当然である」という総論では、経産省は戦えない。その第三者委員会報告書にかくかくの点で疑義があり、その理由はかくかくである、それ以外については受入れましたと言えば、それを覆す材料は持ち合わせていない。
ましてや、第三者委員会内部での分裂が表面化し、報告書の事実認定自体も多々問題があるということが明白になってきた以上、総論の面でも各論の面でも、九電の説明を覆すことは絶対にできない。
それでも、枝野大臣が突っ張ったとしても、定期検査に合わせたストレステストが終わり、安全性がクリアされれば、再稼働させることが政府の義務となる。
郷原、枝野両氏が言う「社会的要件、要請」という話は、再稼働の要件でも何でもなく、そもそも政府が判断する話ではない。
全体の構図、流れをよく踏まえてほしい。
経産省は、緊急安全対策でゴーサインをいったんは出したのである。県執行部向け、県民向けにも国の責任において説明をしたのである。
その後、行政指導ベースでストレステストが課せられたが、それが終われば、再稼働をしない理由は全くなくなる。
社会的要件とか地域の信頼とかいうことは、電力会社自らが自らの判断で対応する話であって、政府がそれを判断し、ストップをかける筋合いでは全くない。ましてや、郷原氏という一個人が判断するものでももちろんない。政府は、あくまで安全性についてのチェックと判断を責任もってやることが役割であり、それにとどまる。
もし、それを越えて、九電の経営体制を批判し続け、再稼働を拒否するというのであれば、政府は膨大な法的リスクを抱え込むことになる。
・行政手続法違反(行政指導を押しつける)
・電気事業法違反(定期検査の審査・検査を遅らす、判断しないのは不作
為による法的責任が発生)
・上記による国家賠償請求
・威力業務妨害(たび重なる干渉、指導で円滑な事業運営が阻害)
・名誉棄損(根拠なき誹謗中傷)
このまま枝野大臣が突っ張ったとしても、いずれ、上記の法令違反のリスクを自覚せざるを得ない時が必ずやってくる。
ここは、筋論に立った対応を粛々と進めて行くことによって、いずれ道が開けるということをよく念頭において、枝野大臣の強面にどぎまぎして動揺しないことである。九州人の肚の坐った姿勢を見せ続けるのである。
今は、ストレステストのクリアに向けて最大限の精力を注げばいいのである。
② 次に、郷原氏への対応である。
第三者委員会は、九電から委託を受けた以上、その報告書について、そのクライアントからの疑問には当然答える義務がある。
議論の土俵を設定するのは、本来クライアント側であって、受託者側ではない。
報告書の多々ある問題点について確認をしようとすれば、当然のように文書になるのである。裁判でも、準備書面がない裁判はなく、1回2回の口頭弁論だけで済ます裁判ももちろんない。基本は文書に決まっているのだ。一般的要請から言っても、公開性、アクセス容易性、網羅性、理解容易性の点で格段に優れている。
そもそも、「第三者委員会」という統一的な実体がもうなくなってしまっているのである。報告書内容の見解についても郷原氏が代表する状況ではもはやない。あえて旧第三者委員会側と意見交換するのであれば、個別に各委員の見解を聞くほかない。それをすべて公開すれば、世間も郷原氏の独走、独断に気が付くことであろう。
本来、内容の照会であれば、郷原氏と協議するようなことではない。文書を委託者たる九電の判断で、各委員に発出すればいいのである。そしてそれを公開すればいいのである。
億単位の報酬を受領してまとめた成果物について、委託者側からの照会に回答しないことは、もちろん許されない。
以上のように、枝野大臣に対しても、郷原氏に対しても、筋を通して、毅然と対応していれば、必ず道は拓ける。
第三者委員会報告書及び郷原氏の杜撰さ、不公正さ、政治的色彩は、いずれ必ず世間に知れ渡る日がくる。
もう少し時間はかかるかもしれないが、必ずこれは、第二のがせネタ国会質問事件(永田事件)となり、第二の松本サリン冤罪事件となり、第二の厚労省局長冤罪事件となって、責め立てていた側が突如窮地に陥るという同じ結末になるであろう。
ここで、一時的な苦しみを逃れたいがために、佐賀県及び古川知事を貶めるようなことをしたら、それこそ、九電の威信は地に落ち、末代まで苦しむことになることを知るべきである。
九電は、枝野大臣や経産省に支えられているのではない。九州の人々に支えられているのである。ここで九州の人々、分けても玄海原発が立地する佐賀県を不当に貶めることは、絶対にしてはならない。
わかっているであろう。佐賀県民は派手さはないが、真面目に仕事に取り組むことでは天下一品だという。九電にも多くの佐賀県民の社員が働いているのである。
今まで、九州電力が、他の電力会社とは異なり、大きな原発トラブルも起こさずに、ましては報告逃れ、隠ぺいなどの不正行為はほとんどみられなかったことには、佐賀県民の社員の貢献も多々あったのではないのか?
その佐賀県を不当に侮辱し、貶めるようなことをすれば、社の内部、外部を問わず、経営陣の信頼は失墜し、社員の士気にも多大な影響を及ぼすことであろう。
郷原氏及び枝野大臣は、もはや活動家となったと考えるべきである。
法律家ではない。法治を根本否定する活動家である。
九電を貶め、電力の安定供給という、地域と国民、産業を支える使命を阻害する活動家である。
そういう活動家を相手にするときは、断固とした姿勢で戦わなければならない。
「肚を割って」云々などという生易しい状況では、もはやまったくないのである。
今この瞬間が、九電の末代までの評価を左右することになる剣が峰だということを肝に銘じて、毅然たる態度を取り続けていただくことを切に願う次第である。
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書面による協議に賛成です。
第三者委員会の報告書と九電の報告書を書面で読み比べることで見えてきた事実がありました。
私たち一般の市民が、マスコミの検証不足の情報を鵜呑みにすることなく、何が本当のことなのかを知るためにも、書面で協議は有益だと考えます。
2011/11/6(日) 午前 8:56 [ もみじ ]
素晴らしい文章ですね。感動しました。
自分の夫は最初、省庁には逆らえないと言っていました(普段の許認可の仕事に関して)
会長、社長が辞めることで事態を収めることが1番会社の為になるとも…
しかし現在は違います。会社がさまざまなマズいメディア対応を繰り返したのは確かですが、ハッキリと主張するべきはしないといけないと言っていました。九州太郎さんの影響かもしれません。
感謝しています。
2011/11/6(日) 午後 2:38 [ うー ]
九電が枝野を糾すべき理由はまだある。
それは、311震災による福島原発事故の賠償責任の問題だ。現在、東電に全ての責任があるかのような扱いがなされているが、実は、東電と国のどちらの責任なのか、法的根拠のある結論は出ていないのだ(参考:エネルギーフォーラム2011.11-p34与謝野馨氏インタビュー)。譬えるなら、交通事故で過失割合はおろか原因すら確定しない段階で、一方の当事者に全額負担を強要しているようなものである。そして、そういう横車を押し続けている張本人が、菅内閣の官房長官であり現経産大臣である枝野なのだ。
その上、枝野は根拠のない「貸手責任」まで持ち出して東電の債権者は債権放棄すべきとの暴論を唱えているばかりか、東電に対して一方的なリストラまで押しつけようとしている。このような無理筋がまかり通れば、日本の金融・産業の根幹が揺らぐばかりか、対外的な信頼を失墜して燃料の調達さえままならぬ状態に陥るだろう。
九電は法匪枝野を糾さねばならない。そうすれば、東電や財界も枝野に対する反撃に踏み切る筈だ。これは九電と枝野の闘いではない。日本の電力や経済・産業を死守するための闘いの一歩なのだ
2011/11/6(日) 午後 5:52 [ 九州次郎 ]
絶対、書面の方がいいでしょう。
郷原氏が書面を嫌がるのは、じっくり見られると自らの矛盾や不合理が露呈するからだと思われます。
2011/11/6(日) 午後 9:34 [ ごーちゃん ]
眞部社長、頑張ってください。応援しています。
「誰の指示かは問題ではなく、自分の責任」とか言ってた最初の記者会見もマスコミの偏向報道で悪意に取られたけど、人としては決して間違ってなかったと思います。経営者としての模範解答ではなかったかもしれませんが。
2011/11/6(日) 午後 9:39 [ 九電末端社員 ]
九電の書面協議の主張について、郷原氏「公開の場で議論する能力がないと言ってるに等しい」(11/8読売新聞)と言い放っています。社会人として常識、配慮に著しく欠けた発言であり、人間性にも問題あると言わざるを得ませんね。マスコミはどんな思いでこの発言を掲載しているのでしょうか?悪乗りしているのか、無自覚なのか。。。いずれにしてもマスコミのレベルの低さにあきれます。
2011/11/8(火) 午前 9:19 [ きゅうでん社員 ]
>郷原氏「公開の場で議論する能力がないと言ってるに等しい」(11/8読売新聞)と言い放っています。
ありえないコメントですね。
そもそも『議論』をする必要性を全く感じません。普通にビジネスの場で考えても書面でのやりとりを拒否する方がおかしいな話です。
逆に言えば「自分(郷原氏)には書面でやりとりをする能力がないと言っているに等しい」ということではないでしょうか。
2011/11/8(火) 午前 10:51 [ たばた ]
kyusyutaroさんのブログを拝読し、今回のメール問題は、枝野経済産業大臣の支援のもと郷原氏の野心達成への知名度向上に利用されたとの思いを強くしております。また、真実を追求し公正中立的な立場で報道すべきマスコミも郷原氏の発言に疑問を持つことも無く、一方的に古川知事と眞部社長のバッシングに走っており、その姿勢には疑問を持たざるを得ません。幸い、岡田氏のみは御本人の意見を公開されましたが、他の元委員の声が聞こえないのは何故でしょうか。
眞部社長を始め全役員・社員の皆さん、こんな理不尽な誹謗圧力に負けること無く正義が貫かれるよう頑張って下さい。
2011/11/8(火) 午前 11:40 [ シーシング ]
たばたさんの仰るとおり!!
そもそも弁護士などのコンサルタントは、クライアントに代わって専門的な業務を行うプロフェッショナルとして説明を行う立場にあり、議論しようという発想自体がナンセンスです。
例えば自宅の耐震診断をした建築士の調査報告書に疑問があった。書面での照会を求めた場合、建築士は「書面は嫌だ、議論しよう」と言うでしょうか?そう考えると、郷原氏がいかに非常識なことを言っているか分かると思います。
ツイッターも含め、最近は郷原氏の悪態が目立ちますが、本音としては真っ当な反論ができなくて焦っているのでしょう。郷原氏の論理の破綻が明らかになったいま、九電は挑発に乗らず正攻法でじっくり質していきましょう。
2011/11/8(火) 午後 0:33 [ 中年九電社員 ]
郷原氏の目的は、公開協議を行い、そこで経営陣を論破したような空気を作りだし、
こんな頼りない経営陣では駄目だと、社員に認識させることにあると思いますね。
つまり、社内からの崩壊がベストだと考えているのでしょう。
そうでなければ、執拗に公開協議にこだわる理由がない。
郷原氏の品性、悪態については、これ以前からのことなのでまたかという印象ですが、より本音を引き出すために、徹底抗戦するのが最善の方法かと思います。
かなり焦ってる感じですね。正当性がない人間は、無意味に攻撃的になるものです。
2011/11/8(火) 午後 0:42 [ 頑張れ社員 ]
このブログで社内は、周囲は主戦論に統一されていくのではないのでしょうか。
もともと、「社長批判を展開する社員・役員」は、郷原氏とマスコミが大きく取り上げているだけで、少数派なのですが。
2011/11/8(火) 午後 1:27 [ そら ]