(新名称) 法と公正手続きへの基本的理解が欠如した原子力規制委

(旧名称) 九州電力第三者委員会、郷原委員長、そして枝野経産大臣への疑問

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 昨日の記事で、北海道庁と経産省の第三者委員会報告書について概観し、九電第三者委員会報告書と比較対照してみました。
同じ「やらせメール・質問」に関する第三者委員会の調査といっても、基本的スタンスや調査のスコープの取り方もかなり異なります。道庁や経産省の第三者委員会のように、直接の調査対象事案だけに絞り込んで、直接の証拠に基づいて謙抑的に事実認定していくのか、それとも九電第三者委員会のように、直接の対象事案だけに留まらず、「動機と背景」の分析の名の下に、過去の事案にまで遡って、直接の証拠だけに留まらず推測(憶測)も交えて認定していくのか、どちらの手法をとるかで、おそらく結論まで大きく変わってくる可能性が多分にあります。
 
更に、電力会社や自治体の役割、働きかけのあり方についての基本的スタンスが異なりますから、再発防止策の方向性も異なってくることでしょう
第三者委員会制度というのは、もともとは、証券市場や財務に関係する不祥事における事実解明を任務とするものでしたから、あまり背景や動機というのは関係なく、誰がいつ、どういう行為をしたかという本当の事実関係の認定だけに留まるものが多かったかと思います。ところが、その調査対象が今回のような不祥事にまで広がってくると、その調査スコープにも大きなバラツキが出てきてしまい、混乱が生じたということでしょう。
 
いずれにしても、「九電第三者委員会事件」は、「第三者委員会」の活動の相場を大きく超える(批判する立場から見れば「逸脱する」)ものとして、今後の第三者委員会のあり方の見直し論議の際に多くの材料を提供するものだと思います。
 
※ 私は、国(経産省)の第三者委員会報告書を読んでいて、まとめ部分にある   一文、すなわち「もっとも、法曹界出身者のみによる当委員会としては、改善方   策について総括的な指摘に留めた部分もあるので、今後、各専門分野の知見を  十分に活用しながら、政策やその実行体制の立て直しに当たられることが必要  と考える。」との記述の「謙虚さ」に感銘を受けました。「絶対無謬、異論一切許   さず」の九電第三者委員会報告書に浸っていたあとだけに新鮮な印象でした。
 
 
●「仮想第三者委員会報告書」
 
 最後に、もし、道庁や経産省の第三者委員会が、九電の各事案を評価したらどうなるのか、その認定のパターンや理由を援用して、想像してみました
 再度、北海道庁や経産省の第三者委員会報告書を眺めて、その着目点、論理の運び方、パターン等を頭に入れてから、読んでみて下さい。組織性、計画性は何をメルクマールにするのか、事実と認定する場合の基準はなにか等、何となくパターンがわかってきます。
 
 ○北海道庁第三者委員会報告書要旨
 ○経産省第三者委員会報告書(玄海関連はp11〜12、20〜21)
 
 
<6月26日の国主催説明番組>
 
副社長退任挨拶のために6月21日午前中に知事公舎を訪問した際、前日に国より県に開催連絡があった国主催説明番組について説明が知事よりなされた。その際のやりとりについては、面談後に作成された支店長メモがあり、そこには、知事より「九電にお願いしたい」事項のひとつとして、「発電再開容認の立場からネットを通じて意見や質問を出してほしい」と記載されていた。その趣旨については後に検討する。
 
 関係者の供述を総合すると、面談後の昼食時に副社長以下3人で雑談時に、その説明番組について話題が及び、早期再開を望む取引先等の声、ネットでは反対派優位となりがちな状況等を踏まえて、取引先等に対して投稿要請を行うこととした事実が認められる。また、翌日、副社長からの指示によりその支店長メモを見たD部長以下の段階で、実際に取引先に対して賛成投稿要請が行われた。また佐賀支店からも投稿要請が行われたが、文面の例を示したことにより実質的に賛成投稿要請であったと認められる。副社長や支店長による指示の下に行われたことは事実であることから、九電として組織的に行われた点は否定できない。
 
次に、知事発言の趣旨、当該賛成投稿要請にどのような影響を与えたのかについて検討する。
知事発言の内容を記した支店長メモは、面談時に記した手帳の走り書きをもとに起こしたもので、少なくともそれに合致する範囲では信用性がある(手帳には、「国説明会への意見出し」とある)。他方、「九電にお願いする」旨の記載の意味するところについては、支店長も知事も、それは九電に対するものではなく、「経済界からの再開容認の意見があれば出して行くことが必要ではないか」という一般的な趣旨であって、知事が日頃から述べていたことである旨を一致して供述・回答しているところであり、双方が口裏を合わせた形跡も認められない。したがって、知事面談時の発言が、九電に賛成投稿を要請する趣旨のものとは認められない。
 
また、知事発言がなされたのは、副社長退任挨拶の儀礼的な場での雑談の中でのことであった。その前に特段の準備がなされた形跡もなく、事後のフォローを自らした又は担当部局に指示した形跡もなく、また九電側からの報告も特段なされていなかった。したがって、知事において計画的組織的に賛成投稿要請を意図したものとも認められない。
 
また、知事面談後の九電3者による蕎麦屋での様子について、それぞれの供述を総合すると、雑談が中心の弛緩した様子が見て取れるほか、知事発言への言及は一度しかなく、その影響は希薄である。加えて、原子力本部長においては、面談時、蕎麦屋雑談時いずれの会話も記憶がなく、その後社内指示に当たっても知事発言への言及は一切なかった。佐賀支店長においても支店内で知事発言への言及がない。これらの事情及び支店長メモの趣旨についての同支店長の供述を総合すれば、知事発言が、面談した3者において、賛成投稿要請をされたと受け止められたとは認定はできない。
 
 ただし、副社長が昼食時の打ち合わせの際及び社長への報告の際に、「説明番組については知事も気にされていた」旨を述べていることからして、知事から何らかの要請を受けたとは受け取ってはいないものの、知事発言が一切念頭になかったとまでは言い切れない。
 
他方、支店長メモを入手した本店D部長以下の段階で、知事から要請があったかのように認識して、取引先及び社内において賛成投稿要請を行ったことは事実と認められる。
 
以上をまとめると、知事面談時に国主催番組の開催を知り、面談した副社長以下3人が相談し外部に対して投稿要請を行うこととしたが、知事の発言趣旨を十分に反映していない支店長メモが本社の担当部局に渡った段階で、知事からの要請があったとの誤解が生じ、社内外への賛成投稿要請に至ったものと認められる。
 
なお、賛成投稿は行われたものの、それらはユーストリーム画面に流れるように表示されるものであり、パブリックコメントのように特段集計されているものはなく、知事やその他の幹部に提供された形跡もない。知事は、5月17日の保安院説明会で、事前に自ら提示した3つの疑問点に対する国の説明や、地元玄海町の受入意向、県議会での議論、海江田大臣来訪による国の保証等を総合勘案して意思決定したものと認められ、九電の要請による番組への賛成投稿が、知事の意思決定に影響を及ぼした事実は認められない。
 
 
<5月17日保安院説明会>
 
佐賀県統括本部長と九電佐賀支店長とが、5月17日の保安院説明会に関して話したのは、前日の夕方、別件で支店長側から電話したときであることは、双方の供述が一致しており、特段口裏合わせをした形跡もなく、事実と認められる。
 
また、話の内容も、「知事が提示していた3つの疑問点に対する回答も含めて保安院が初めて説明するので、県民に広く見てほしい」という趣旨だったことは、同様に双方の供述が一致しており、また、録画として残っている説明会中継の様子とも合致するので、特段疑う余地はない。
 
支店長から本店のD部長らに保安院説明会中継の件を伝えたのは、当日の開催直前の13:30であった。D部長がグループ長に賛成投稿を指示し、同グループ長が「古川事務所から投稿要請があった」旨の対応を促すメール送信等がなされたことについては、社内資料やメール記録から事実と認められる。この点について九電側は、支店長からD部長への電話連絡に際して誤解が生じた旨主張しているが、佐賀支店においては賛成投稿要請は一切行われていないことから、これを特段疑う理由はない。
 
また、同グループ長の送信メールでは、説明会中継中に要請がなされたかのように書かれているが、佐賀県総括本部長は、当該説明会に出席しており、メール送信可能な状況ではなかったことは録画からも見て取れる。このため、同メール内容は事実ではなく、支店長からの連絡の際に誤解が生じたことによるものと認められる。
 
なお、実際になされた賛成投稿要請は、お祭りがどうというものも含めて約10件であるが、ユーストリームの画面に瞬時にアップされて流れていくものであり、特段集計もされておらず、それを知事や統括本部長らは見てはいない。したがって、それらの賛成投稿が県の意思決定に影響を及ぼした事実は認められない。
 
                        続く

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