(新名称) 法と公正手続きへの基本的理解が欠如した原子力規制委

(旧名称) 九州電力第三者委員会、郷原委員長、そして枝野経産大臣への疑問

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耐震基準における考え方とは相反する「変動地形学」の「教義」(?)−奪権闘争的色彩の有識者会合での意見
 
 「活断層」に関するこれまでの議論の経過を一通り調べてみたのですが、この作業を通じて、敦賀、大飯、東通の各原発サイトでの断層(破砕帯)の調査をしている有識者会合での「活断層」論議の問題の構図がおおよそ分かってきました。
 議論が恣意的ではないのか?一面的ではないのか?拙速ではないのか?といった印象はやはり正しく、何より、これまでの活断層に関する耐震基準、審査指針についての議論の経緯と結論、そして現在別のWGでおこなわれているその見直しの議論内容を全く無視したかのような検討の進め方、結論の出し方に問題があるということかと思います。
 
 日本原電が、公開質問状で、「変動地形学的観点からだけで結論を出した」と批判していましたが、改めて議論の経過を調べてみると、その具体的意味合いがよくわかってきました。
 あえて戯画的に言うと、この有識者会合やその他会合での議論は、変動地形学者による「奪権闘争」の感を呈しているような印象があります。
 
 ざっくりとした流れをまずご紹介しておきます。
 
    現行の耐震基準は、平成18年に改定されたもの。その後、柏崎刈羽原発が影響を受けた新潟中部地震の教訓を踏まえ、その改定耐震基準を受けた「安全審査の手引き」の改訂作業がなされ、平成2212月にまとまった。そこでは、耐震設計上考慮する活断層の認定については、「変動地形学的調査、地表地質学調査、地球物理学物理探査」より、それぞれ認定することとされ、「いずれかの調査手法によって、耐震設計上考慮する活断層が存在する可能性が推定される場合は、他の手法の調査結果も考慮し、安全側の判断を行うこと。」とされている。
 
    そこでは、以下の点が前提となっている。
  「活断層」は、応力場やテクトニクス的要因、背景が前提
  「地すべり」は、地盤の支持性能の観点からのもので、「活断層」とは別概念。
 
    他方、東日本大震災を踏まえた規制委の「地震・津波に関わる新安全設計基準に関する検討チーム」会合では、新基準案として以下のものが示されている(1227日時点。その内容趣旨は当初から示されていた)。
「内陸地殻内地震に関しては、次に示す事項を考慮すること。
ⅰ)耐震設計上考慮する活断層としては、後期更新世以降の活動が否定できないものとすること。なお、後期更新世の地形面や地層が十分に分布しない場合には、中期更新世以降(約40万年前以降)の地形、地質・地質構造及び応力場等を含め総合的に検討して認定すること。」
ⅱ)活断層の位置・形状・活動性等を明らかにするため、敷地からの距
 離に応じて、地形学・地質学・地球物理学的手法等を総合した十分な
 活断層調査を行うこと。」
 
    大飯の断層評価の有識者会合では、渡辺満久氏は、以下の提案、主張をしている。
  「後期更新世に活動した可能性が否定できないもの」との定義のみで判断し、「地震を起こすもの」とか「揺れにより誘発されるもの以外」などの限定はつけずに、「活動履歴」のみで判断すべき。「重力性地滑り」は活断層とは呼ばないが要注意。
  活断層でないことを示す「明確な証拠」が見つからない限り、活断層である可能性は否定できない。「明確な証拠」は、調査メンバー全員の一致が必要
 
    敦賀の有識者会合では、鈴木康弘氏は、以下の要望をしている。
・「活断層ではないとして矛盾はない」という論理は、活断層の可能性を否定しないことに要留意(審査手引きの文言を引用)。
 
    鈴木康弘氏は、「地震・津波に関わる新安全設計基準に関する検討チーム」会合で、以下の意見を、繰り返し提出している。
・各調査手法の適用限界を考慮して、いずれかの手法で可能性が強く指摘される場合には他の方法をもって否定しないなどの安全側の判断をすること。
「ⅱ)活断層の位置・形状・活動性等を明らかにするため、敷地からの距離に応じて、地形学・地質学・地球物理学的手法等を総合した十分な活断層調査を行うこと。」は削除すること。
 
 以上が事実関係を抽出したものです。
この流れからわかることは、渡辺氏にしろ鈴木氏にしろ、現行及び新基準での、「3つの調査による総合的な判断」という手法に対しては、反対まではいかないかもしれませんが、少なくとも、変動地形学による「活断層」との判断が、他分野の調査による判断によって認められないことは受け容れられないという主張をしているに等しいと思います。「安全側に判断すること」という文言を前面に立てて、「少しでも可能性が否定できないならば、活断層とみなせ」と言っているわけです。
 
 渡辺氏が以下の各種論文で述べるところを引用すると、
 
・「変動地形学は、断層運動によって形成される地形(変動地形)に着目して活断層を認定している」
「地層を確認しなくても、『地質学的最近』を判断することは可能  である」
「変動地形とは、最近の『地球内部の本質的な運動』に関する唯一の物的証拠である」
 
ということだそうです。そうすると、地質等をみることなく、他の調査を併せ考える必要もなく、
 
「変動地形学だけで活断層の判断は可能だ」
 
 という学問としての主張になりますので、現行及び改定予定の安全基準の考え方とは相容れないことになります。
 しかも、彼らが「この地形は怪しい」と言えば、地質調査なり物質探査等を経るまでもなく、「活断層の可能性あり」ということになりますから、「安全サイドに判断すべし」という台詞とあわせて、「その地層のズレは、活断層である」という結論になってしまいます。
 つまり、かれらは、
 
  変動地形学者だけで、活断層判断をさせよ!
  変動地形学者に、強力な拒否権を与えよ!
 
 と声高に主張しているということです。渡辺氏及び鈴木氏の意見書は、そのための「檄文」のような位置づけでしょう。
 
 広島工大の中田高氏は、浦底断層に関する評価資料の中の最終ページで、より直截的表現で、変動地形学の「優位性」を訴えているのは印象的です。
 
「「変動地形学的調査のみによって浦底断層を活断層と認定できないというのであれば、「新指針」の基本方針は決しては生かされない」

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規制委員会での変動地形学者の態度を見ていると、科学的な正否よりも私怨とも言える偏狭なものに国のエネルギーが振り回されているようで、腹立たしいものがあります。

話は変わりますが、戦後の地質学界で起こった奇異な出来事を紹介します。欧米で1970年代に主流となったプレートテクトニクス(PT)が日本の地質学界へ浸透するのに10年以上の年月を要した事です。

その背景を分析した文献(1)は、日本の地質学界は戦前から地域主義・地史主義が強く、戦後の研究民主化の中で地質学界の中心的存在となった『地学団体研究会』は「地質学は歴史科学である」との主張のもとソ連への傾倒を強めていった。その後PTが世界的に浸透し支配的となっても日本の地質学界には根強い拒否反応が残ったが、それはPTへの科学的な批判と言うよりは、英米が主導する学説であるPTに対する政治的反発の色を帯びていた、と分析しています。

反主流派と主流派の違いはありますが、変形地形学者の心中を読み解く上で、ヒントとなるかもしれません。


(1) 泊次郎『プレートテクトニクスの拒絶と受容』(東京大学出版会)

2013/1/25(金) 午後 8:36 [ 中年九電社員 ]

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原発立地の安全基準に関して、プレートテクトニクス理論が世界で認知されても、応用し導入せず。変動地形学が主流となっても導入せず。これら都合の悪い理論の抗弁、アンチテーゼ作成・流布・工作のために膨大な時間とカネ(税金と電気代がその源泉である)を使い、屁理屈がこねられてきた。さていよいよ当たり前の学説を基軸に安全基準を考えるべき時代がやってきた。本来はとうの昔にすべきだったのだが。しかし、異なる物差しで”安全確保”してきた施設を、使ってこなかった物差しで”安全確保”しようにも、にっちもさっちもいかぬ。かくして膨大な労力を使って再び無益な抗弁が繰り返される。

2013/1/26(土) 午前 11:50 [ 怪人反原発男 ]

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今更、プレートテクトニクス理論や変動地形説の是否を語る意味は認められぬ。また、変動地形学者の私怨で物事がまわることへの懸念は、イイタイコトが相変わらずよく分からぬ。第一、事業者はそんなものの歴史を辿るよりなにより、施設の安全性について具体的に検証し語るべきであるが、またしても核になる部分の論争よりもその周縁に散らばるトピックをつまみ上げ、変動地形学者の暴走を止めるべしという訳の分からぬアクションをされようとしているのか。また、九州電力の第三者委員会のアクションは不適としながらも、規制委員会のアクションには第三者機関を設置し監視すべきという理屈も、まこと自己都合この上ない。既存の電力事業体系が解体に向かっているが、安定供給の指示を司る機関を設置しちゃっかり電力族の受け皿を美辞麗句とともに準備している霞ヶ関の動きまた恐るべし。電力関係者諸兄は、原発反対・賛成の二元論をしているうちに、自分たちの組織を支える頂上集団が、自分だけの立ち位置を確保するための脱出ボートをとうに準備しており、組織の構成員を支える気など毛頭ないことに気づかれるべし。

2013/1/26(土) 午前 11:51 [ 怪人反原発男 ]

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中年九電社員さん、”電力会社の態度を見ていると、科学的な正否よりも私益に国のエネルギーが振り回されているようで、腹立たしいものがあります。”
の間違いではないでしょうか。
国策というから一生懸命やり始めたらカネ儲けの仕組みがおいしくまわりすぎてもうやめられなくなり、しまいには監督者である国を凌駕し虜にするまでに成長しましたね・・・。今回の事故は惜しかった。それに尽きるのでしょうが、遅かれ早かれ起きていたどこかで起きていた事故でしょう。それももっと酷い形であったかもしれません。

2013/1/26(土) 午後 1:30 [ スイシンジャー ]


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