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玄海原発4号機再稼働との報道がなされ、2011年12月の定期検査で停止して以降、6年半振りの再稼働との記事を読み、実に久しぶりに、自らの本ブログにアクセスしました。
あの当時の枝野経済産業大臣と郷原第三者委員会委員長とにもみくちゃにされて、本当に酷い事態でしたが、混乱を切り抜けて、3号機に続き4号機も再稼働に至ったということには、感慨を覚えます。
改めて、当時の自分のブログ記事をざっと読み返してみましたが、あれは、法治と公正手続きの危機でした。
当時の真部社長らの断固たる意向で、郷原氏や枝野大臣の理不尽な圧力に屈せずに筋を通したことは、九州電力の名誉と信頼の維持のために本当に良かったと思います。今回の久々の再稼働には原発に従事されてきた方々も感慨一入と想像しています。
これで、本来の4基体制での通常運転となりましたので、今後も安全運転に留意されて、地元経済の活性化に貢献していただけたらと願っています。
玄海原発4号機の再稼働と、4基体制での運転実現、本当におめでとうございました。
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玄海原発4号機が再稼働、6年半ぶり 九電4基態勢へ
朝日新聞2018年6月16日 九州電力の玄海原発4号機(佐賀県玄海町、出力118万キロワット)が16日午前、再稼働した。2011年12月に定期検査のため停止してから、稼働するのは約6年半ぶり。東日本大震災後につくられた新規制基準のもとで九電が再稼働をめざした原発4基が、すべて稼働したことになる。
九電は16日午前11時、玄海4号機の原子炉内で核分裂の反応を抑える制御棒を引き抜き、原子炉を動かした。20日にも発電を始める見込み。7月中旬に原子力規制委員会の最終的な検査を終え、通常の営業運転に復帰する計画だ。
九電は当初、玄海4号機を今年3月にも再稼働させる計画だった。だが昨年起きた神戸製鋼所グループの検査データ改ざん問題などを受け、部材の調査のために延期。5月にも冷却水のポンプの不具合で部品を交換するなどし、さらにずれこんでいた。
新規制基準のもとで稼働した原発は国内で5原発9基目。九電は15年に川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)、今年3月には玄海3号機も稼働させている。玄海4号機の稼働により、廃炉が決まった原発などをのぞいて九電がめざしてきた「原発4基態勢」が実現するめどがたった。
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次に、敦賀有識者会合の運営や、島崎氏への事実上の一任、旧体制下での識者の排除などについての質疑が11月12日になされています。
これは、民主党の議員によるものなので、少々驚きましたが、浜野議員は電力労連の出身議員という関係もあるのでしょう。
そこでの規制委側の答弁のポイントは次のようなものです。
①9月4日会合で提出された原電資料は、事業者から十分説明の機会はなかったかもしれな
いが、それにも触れつつ議論もなされており、有識者においてはそれも頭に入れた上で判断がま
とまりつつある状況。
②ピアレビューの会合を開いてその評価の内容に論理的矛盾がないか等について検討していただ
く予定。
③再稼働申請が来れば、改めてもう一度、法的にきちっと検討する。その際、有識者会合の考えは
参考にする。
この時点では、評価書の取りまとめ会合を開くことが決まっていた段階ですから、原電の主張は理解し念頭においた上で、判断できるに至ったと言わざるを得ないでしょう。しかし、それは、事実において、裏切られており、
・島崎氏は、9月4日の席上、事前の事務局との合意に反して、非現実的な1週間前ルールを
述べて、原電からの説明を拒絶していること。
・評価書案において、原電の意見を正しく反映した形で記載していないこと。
といった点が、規制委側の議事録、資料で裏付けられている以上、規制委側の答弁は当を得ていないということになります。
そして更に致命的になったのは、こういう「原電の主張は理解した上で評価書案をまとめた」という答弁をしたにもかかわらず、ピアレビューで、ほとんど全否定に近いような指摘をされてしまったことです。前回の昨年3月のピアレビューでの指摘も踏まえていないことが明らかになりました。
科学的見解の相違ということではなく、敦賀の有識者たちは黙りこくって答えることができなかった場面も少なくなかったですし、活断層であることが合理的根拠によって推論される必要があることが確認された中で、鈴木康弘委員は、「自分たちは合理的推論の根拠を持っているわけではなく、原電の証明が活断層の否定をする上で十分なものか、という点を検討したものである」旨を改めて発言していましたので、その審議の進め方、判断の仕方自体が誤りであったということが、明らかになってしまった形です。
また、座長は「再評価をする場ではない。指摘を伝えて参考にしてもらうだけ」と述べていましたが、その指摘の中で、規制庁が国会で答弁した如く、「論理に矛盾があるか」と点でも、矛盾がある旨の意見もあったわけですので、再評価はしないとしても、敦賀有識者の評価は間違っている、という指摘をされたに等しい話です。
渡辺満久氏が、評価書案を無条件に支持し、もともと立地不適格だったという意見書を出したことも、先の細田議員が指摘した科学的中立性に関する疑念を増幅することになりました。
このように、国会でのやりとりがあり、そこでの規制側の答弁とは相容れないようなその後の展開になっている以上は、もう敦賀会合の評価書案の位置づけを、よほど相対化して軽くしておかないと、規制委は持たなくなってしまっています。
規制委、規制庁の苦衷は察して余りあります。自ら播いた種、運営の根本的ミスだとはいえ、なんとか前に進めなければなりません。
ピアレビューの鈴木座長が、両論併記的まとめ方もあり得ると述べていましたし、田中委員長が12月3日の会見で、同様の趣旨の発言をしていたのは、敦賀会合の窮状?を踏まえての今後の進行に向けての布石だったように感じます。
これだけ国会で手続き面と科学的中立性について批判され、ピアレビューで科学的に厳しく批判されてしまって満身創痍だとしても、敦賀の有識者会合としてはともかく評価書をまとめなくてはいけませんし、規制委自体もそれを了承しなければなりません。
ということになると、考えられる方途としては、有識者会合評価書を、次のような趣旨でまとめることでしょう。
「敦賀有識者会合としては、現時点では、原電提出資料によって、活断層ではないことが十分に証明されたと判断できるまでには至っていないが、ピアレビューでは、〜〜〜等の批判的指摘も含めてなされた。これらの指摘も踏まえて、より総合的に判断をするためには、事業者から提出される追加資料を含め、土壌、花粉、テフラ等の専門家による意見も聴取し、判断がなされることが必要と考える。時間的制約等もあり、現時点で揃った材料を踏まえての判断としてまとめるものであるが、今後、安全審査の中で、審査基準に即して判断する際の参考として活かされることを期待する。」
このような記述で、「名誉ある?撤退」を図るほかないのではないでしょうか。
今後、再稼働の申請を受けての審査をする規制庁にとっても、評価書が審査の妨げというか、無駄な労力を払う要因にならないようにしておくことが望ましいと思いますので、その点で利害は一致しているはずです。
●浜野委員の質疑に対する田中委員長の答弁でびっくりしたのは、委員間で非公式に話し合うことはあることを認めたことです。
これまでは、ガラス張りの公開をモットーに、公式の委員会の席上での議論が概ねすべてで、あと委員同士で話す場合には、3人以上であればその議事録をHPに載せることになっています。それを見てみると、初期の頃は、「ブレーンストーミングをした」と書いてあり、形骸化していましたし、最近のものを見ても、「意見交換した」「情報共有、認識共有した」とあるだけで、そこから更に踏み込んだ議事録にはなっていません。
私は、非公式の議論は当然あってしかるべきという考えで、対外的に公式に出したものとその説明がすべてであり、そこに至るまでの内部での途中経過を、議事録でまとめて公表するようなことはすべきではないと思っています。そうでないと、本当に突っ込んだ検討ができなくなってしまうからです。ブレーンストーミング、頭の体操、ディベート的議論等が活発に行われなければ、本当の検討にはなりません。そういう類いの資料は、情報公開の対象からもはずれているはずです。ですから、非公式の意見交換があるという田中委員長の答弁を批判するつもりはないのですが、しかし、今まではあたかも非公式会合がないかのような発言をして、委員会の席上なり3人以上の会合の議事禄がすべてであるかのように説明していたはずです。その説明を事実上覆したという意味で、今回の国会答弁は意味のあるものかと思います。
ただしかし、3人以上の会合については、非公式的なものでも集まった事実は公表しているわけですから、原電敦賀の有識者会合の運営や評価内容に関する3人以上の会合は記載されていないということは、それらの会合はなかったのか?! これだけ原電から申し入れが繰り返さしなされ、外部からの批判もされている中で、委員長と副委員長、更田委員の3人が会議で相談したことがないということか?! という疑問はわいてきます。断層について、地質学の立場で工学的検討を完全排除する島崎委員と、工学系の更田委員と田中委員長とが一同に会して議論したことがないということか?!ということになってしまいます。実際、その3人で非公式にでも突っ込んだ議論をしたことがあるのかは、非常に関心のあるところではあります。国会でこの点を質問する議員はいないのでしょうか?
本当にしていなかったり、2人以下で相談しているのだと説明するのであれば、内部でもろくに議論もせず、「島崎氏らに丸投げしている」という指摘を裏付けてしまうことになります。実際は非公式にいろいろと議論しているということであれば、今まですべて公開を標榜してきたのにそれを裏切る話ではないのか、意思決定過程が不透明ではないか、という批判を招いてしまいます。
本来であれば、原電に対する対応は、委員5人と規制庁、そして顧問弁護士も入れて、よほど突っ込んだ議論と認識共有をしなければならない次元の話だと思いますが、公開の建前に引っ張られてそれがなされていないのであれば、原子力規制委と規制庁は機能不全に陥っているということです。
いずれにしても、規制委が「委員会はすべて公開」「3人以上の集まりは公開」というように、あたかもすべての意思決定過程がガラス張りであるかのようなニュアンスで今まで説明してきたのが、今になって「そうではなくて非公式の会合がいろいろある」ということを言わざるを得なくなってきたことは、規制委と規制庁の当初の運営方針策定上の大きなミスだったと感じます。
以下、浜野議員の質疑から抜粋します。
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参 - 原子力問題特別委員会(平成26年11月12日)
1 事業者の説明を排除しての結論付け
○浜野喜史君 民主党・新緑風会の浜野喜史でございます。
原子力規制委員会が公正中立の立場で科学的、技術的見地に立って対応していただきたい、しっかりと対応していただきたい、その思いでこれから質問をさせていただきます。
まず、日本原電の敦賀発電所の敷地内の破砕帯をめぐる再審議についてお伺いをいたします。
先月、十月十六日に、私は環境委員会でこの件に関しての質問をさせていただきました。その際、田中委員長、事業者参画の上での会合は必要があれば開かれてよいといったような旨の御答弁をいただいたところであります。そのことも含めて、その後の検討状況がどのようになっているのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(櫻田道夫君) 現在の検討状況ということでございましたので、事務方から御説明させていただきます。 ○浜野喜史君 確認をいたしますけれども、それでは、次回開かれる会合は、事業者参画の下での会合ではなくして事業者参画をさせない追加評価会合であると、そのようにおっしゃったというふうに理解をしてよろしいですか。
○政府参考人(櫻田道夫君) 現状においては、今私どもは、次回の会合においては有識者同士の議論を行っていただくと、そういうしつらえにしたいと考えてございます。
○浜野喜史君 それでは、この件、少し更に質問させていただきますけれども、今日は資料五種類配付をさせていただいております。 ○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほど櫻田の方からも返事差し上げましたように、まず有識者会合で見解をまとめまして、判断をまとめまして、そのまとめる過程でとか、そこでいろんな問題点があれば事業者を呼んでその意見を聞くというようなことをするということでございます。ですから、まとめることができないということはないと思っております。
○浜野喜史君 委員長、事実誤認とまで事業者が、これを九月四日の会合の中で提出しているんです。残念ながら当時の座長の島崎座長にこの資料に基づく説明は許されておりませんけれども、資料は提出されているんです。そして、事実誤認がある、まだまだ議論したい点があるんだ、このことに関してやり取りをせずして有識者会合の皆様方が大要の案、取りまとめの案を考える。私はできるわけがないというふうに考えます。 ○政府特別補佐人(田中俊一君) 九月四日に提出されたものは席上で有識者の方にも渡っておりまして、議論されておりますので、そういうことはないと思います。
○浜野喜史君 やり取りをさせてほしいということを事業者は言っているわけです。事実誤認とまで言っているんです。事実誤認じゃないんだということをおっしゃるんであれば、ここで言っていただけたら結構です。言ってください。
○政府参考人(櫻田道夫君) 補足の説明をさせていただきます。 ○浜野喜史君 それじゃ、確認させていただきますけれども、ここで事業者が表明をしているような事実誤認、そして確認したい事項というやり取りは今後行われるというふうに理解してよろしいんでしょうか、お伺いします。
○政府参考人(櫻田道夫君) 改めてこの有識者会合のしつらえを申し上げますけれども、この有識者会合は有識者の方々が御議論をいただく、こういう場でございます。その有識者の御議論の場において、必要な範囲において事業者からデータの提出を受け、説明を受け、必要があれば意見交換をすると、こういうことはございます。 ○浜野喜史君 今の御答弁では、有識者の方々が判断をされて、事業者は事実誤認だとかいろいろ意見交換したいと言っているんだけど、そんなことは全て終わっているというふうに有識者の方々が判断をすればもう意見を聞かないこともあるというふうなことをおっしゃったんだと私は少し聞こえたんですけれども。 ○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほど来少し議論になっているんですけれども、有識者会合はあくまでも私どもが判断するための材料を提供していただくということですので、実際に敦賀二号機につきましては、申請が来ればその時点で法的にきちっと私どもはもう一度議論をしていくということになります。その際、もちろんこういった有識者の意見というのは参考にさせていただくことになると思います。
○浜野喜史君 もう一度だけ確認させていただきます。 ●有識者選任における前体制下の識者の排除、島崎氏への事実上の一任
○政府特別補佐人(田中俊一君) いわゆる担当ということで全く任せるというような形は取っておりません。ただ、効果的な議論が行えるようにそれぞれ委員の専門性を生かして役割を分担をして、規制委員会の議論の基になる検討を行っていただいているところであります。 ○浜野喜史君 議事録をいろいろ関係するところを見せていただきますと、しっかり五名が参画の下、重要事項を決めておられるということは私も認めます。しかしながら、本当に実質的な議論がなされて重要事項が決められているのか、これもう甚だ疑問だというところも散見されます。 ○政府特別補佐人(田中俊一君) この破砕帯の調査につきまして、敦賀の場合にはいわゆる浦底断層というのが、ちょうど原子炉建屋の二百メートルぐらい離れたところに大きな断層があります。そういったものは従来は断層ではないと、今は断層でないと言う方は誰もおりませんけれども、断層でないというふうな判断をされた方が今まで規制に携わってきたわけです。そういった方に、さらに、それが断層で、そこから派生する破砕帯についての調査をお願いするというのは逆に公正な判断ができないだろうということで、こういった島崎委員の提案が適切であるというふうに私どもも判断しまして、そういう委員の選考に至っております。
○浜野喜史君 委員長、私の質問とは少し離れた御答弁だと思いますけれども、そうおっしゃいましたので、それに関連して更に質問させていただきます。 ○政府特別補佐人(田中俊一君) 浜野先生は議事録を大分詳細に御覧になっているようですけれども、議事録に載っていることが全て我々の会話ではございません。様々な相談もすることもあります。ただ、集まって相談するということは禁じられておりますので、いろいろ非公式にいろんなことでお話はさせていただいておりまして、いわゆる従来、活断層だと、本来は活断層であるものを活断層でないという判断をされたいわゆる専門家に判断していただくというのは、これは本人にとってもつらいし、周りから見ても客観性がないというそしりを受けますので、そういうことのないようにということで今回はメンバーを選ばせていただいております。
○浜野喜史君 委員長、ちょっとおっしゃったことが私理解できないんですけれども、この規制委員会の中でやり取りがあったことは全て議事録に載っていますよね。おっしゃったことが議事録には載っていないという場合があるんですか。まずこのことを確認させてください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 三人以上で集まって話をした場合にはその内容を報告すると。規制委員会そのものは公開ですから、全部載っています。それから、それ以外に、規制委員会に向けていろいろ相談することもあります。そういったことは載っていないということです。
○浜野喜史君 委員長おっしゃったことは、事前の打合せの中ではそういうことはやり取りしているということだと思います。それならお伺いいたします。 ○政府特別補佐人(田中俊一君) そういった類いの排除するとかしないとかというものを議論するのが委員会ではないと思いますので、ただ、記者会見、毎週私やっておりますけれども、その中では、どうして選ばなかったかということについては説明させていただいていると思います。
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敦賀の有識者会合の件について、国会でどのような質疑があるのかと思って、検索してみました。
これの簡易検索で、この1年間を期間指定して、「原子力規制委+敦賀」 で検索すると、15件がヒットします。
それで、新しいものから読んでいくと・・・与野党問わず、厳しい批判に晒されていました。
これらの一連の国会での批判が、有識者会合の評価の位置づけを規制委が変えることにつながったと想像ができます。もう、これ以上持たないと判断したのでしょう。
最初の数件のやり取りを読むだけで、そうせざるを得ない事情がわかります。
そこで問題とされているのは、
①鈴木康弘氏と渡辺満久氏の二人の政治的中立性
②敦賀有識者会合での原電提出資料を無視しての議事運営
で、特に前者の点は、かなり決定的な感があります。
もともと、規制委での有識者就任前から、反原発の姿勢や活断層があり危険との考えが明らかな見解表明をしていましたから、彼らが科学性、公正中立性を担保されるべき規制委の有識者会合に委員として参加することに疑念がありました。
この点は、このブログの初期にも取り上げたことがあります。ただし、その際は、変動地形学者の独善性との観点からでした。規制委の有識者として活動していたことは、変動地形学による拒否権を確保するための奪権闘争のようなものでした。
渡辺氏の一連の執筆、講演等を読むと、
・「地層を確認しなくても、『地質学的最近』を判断することは可能である」
・「変動地形とは、最近の『地球内部の本質的な運動』に関する唯一の物的証拠である」
と言っていますから、極めて独善的、唯我独尊的見解です。これでは、変動地形学の学問的信頼性に深刻な疑問符が付いてしまいます。
ただ、この範囲であれば、まだ、変動地形学の専門家としての「科学」的見地からの主張だと言い張る余地が残されていました。しかし、脱原発を標榜する議員連盟の技術顧問ということになると、話の次元が大きく変わってきます。
上記の国会質疑で指摘されているのは、この二人が、社民党、民主党の議員を中心とする「原子力政策「転換」議員懇談会」という議員連盟の技術顧問として、敦賀原発の視察に同行し、敦賀原発直下に活断層あり、原電は全く信用できない、との見解表明をしているとい事実です。
議員は、政治的中立性に疑念があり、予断を持っている学者を、公正中立が求められるべき有識者会合に委員として選んだのはおかしい、審議も公正中立性が損なわれているとの指摘をしています。
これに対して、田中委員長らは、
・関係四学会から学会内外の専門家を推薦していただいている。
・有識者には科学的、技術的な観点から公平公正な御意見をいただくようお願
いしている。
・議員連盟が視察したのは、浦底断層のことで、D-1破砕帯ではない。
等の答弁をしています。
当局として人選の誤りを認めるわけにはいかないので、そう言わざるを得ないのでしょうが、上記のような事実があるのでは、反原発、活断層ありの予断を以て、議論を誘導しているのではないか、との疑念は当然誰でも抱きますし、実際、この2人がやってきたことは、その疑念を裏付けることばかりでしたから、有識者会合の評価も多分にバイアスがかかったものだろうという受け止め方になってしまいます。
それでは、その学会からの推薦依頼から選任に至るまでの過程がどうなのか?というと、この点については、公開がされていません。この点は、やはり最近の国会でも改めて取り上げられていますが、規制委側は、公開を渋っているように思えます。
それは、規制委にとって、大きな不都合があるからです。彼らの矛盾は2点あります。
①第一は、学会から推薦した者を拒否している事実があること。
この点は、第四紀学会の奥村教授の証言から明らかになっています。
②第二は、活断層でないと判断した学者ではなく、大震災後に保安院から活断
層の疑いにつき調査指示を出した際の意見聴取会メンバーまで排除している
こと。
これらの点を突かれると、規制委は窮地に陥ります。
それに加えて、政治的にバイアスがかかっている学者を入れていたということですから、規制委のこの点での信頼性は地に落ちたと言えます。
以下、上記の点に関する国会質疑を掲載しておきます。直近では、民主党の浜野議員による、敦賀の有識者会合の原電が提出した資料を無視した運営ぶりへの批判があります。それは別途ご紹介します。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
1 衆院・原子力問題調査特別委員会(平成26年8月7日)
自民党の細田健一議員による質疑です。
○細田(健)委員 ありがとうございます。
規制委員会が設置した敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合のメンバーである鈴木康弘先生、それから大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合のメンバーである渡辺満久先生、この両先生が、近藤正道参議院議員、これは当時の参議院議員で社民党の先生でいらっしゃいますが、近藤正道参議院議員が主宰する原子力政策「転換」議員懇談会という議員連盟、これは主として社民党、民主党の議員の先生方から構成される私的な議員連盟のようですが、この議員連盟の技術顧問として活動し、平成二十年四月二十七日、議員と同行して敦賀原発を視察された。
これは、配付されている新聞記事、資料の一、福井新聞の記事でございますが、平成二十年の四月二十七日に議員団と同行されて敦賀原発を視察され、議員とともに記者会見に応じて、敦賀原発直下に活断層があるというふうにされていた事実を原子力規制委員会は認識されていらっしゃるでしょうか。田中委員長の答弁を求めます。
田中(俊)政府参考人 先生御指摘の、二〇〇八年四月に行われました原子力政策「転換」懇談会による敦賀発電所の調査において、敷地内破砕帯調査に関する有識者会合のメンバーである二名の先生が同行されたということはお聞きしております。 ○細田(健)委員 ありがとうございます。
技術顧問として入られたかどうかというのは認識していないということなんですが、今回資料には出しておりませんが、この両委員の方を技術顧問として敷地内に入れてほしいという許可を求める文書というのは私の手元にございます。これは、いかなる求めに応じて今後提示させていただいても結構でございます。
そもそも、何の縁もゆかりもない学者の方を敷地内に軽々に入れるということはあり得ないのであって、これは原電サイドに確認をしていただきたいと思いますが、技術顧問という肩書で活動しているというふうに先方がおっしゃったからこそ、原電も、この両先生を敷地内に入れて、議員の先生方とともに視察をすることを認めているわけでございます。これが事実だろうと思うんです。
こういう、いわゆる党派的な偏りのある活動に参加されて、議員と一緒に視察をされて、この福井新聞に書いてありますが、議員と一緒に記者会見をして、いろいろな御見解はあると思いますが、敦賀原発の直下に活断層があるのは間違いない、あるいは原電が信用できないというふうにおっしゃるような方々、党派的な活動に参加されている学者の先生方を、原子力規制委員会の活動には高い、非常に高い政治的中立性が求められておりますが、こういう方々を原子力規制委員会のその調査の委員に選任するのは問題じゃないでしょうか。即刻このお二人を委員のメンバーから解任すべきではないかと思いますが、委員長の明確な答弁を求めます。
○田中(俊)政府参考人 先生御指摘の経緯については詳細に承知しておりませんけれども、一般的に申し上げますと、有識者、私もそうでしたけれども、さまざまな団体が主催する各種勉強会等に招かれて専門家としての意見を述べるということはたびたびあることであります。そのことが政治的中立性を損なうかどうかということについては、そういうものではないというふうに考えております。 ○細田(健)委員 これは、勉強会に招かれてどうのこうのというのと全く質的に違うと思います。 ○細田(健)委員 ○櫻田政府参考人 委員長の答弁の前に、事実関係の御説明を少しさせていただきます。 ○細田(健)委員 私の質問に全くお答えになっていただいていないんですが。時間がもったいないですね。 ○田中(俊)政府参考人 ただいま櫻田部長の方から御説明がありましたように、現在行っているのは、原子炉建屋直下を通るD―1破砕帯と呼ばれるものの活動性についての調査であります。 (中略)
○細田(健)委員 ○田中(俊)政府参考人 敷地内破砕帯調査の有識者会合については、原子力規制委員会が判断を行うに当たって、その参考として、活断層の調査等に係る専門的知見を有する外部有識者からの御意見を伺うために設けているものでございます。その設置に当たっては、メンバーあるいは役割について、あらかじめ原子力規制委員会で議論し、了承しているところでございます。したがって、メンバーの選任あるいは議論の進め方に関して問題があるというふうには承知しておりません。
○細田(健)委員 確かに、三条委員会ということで、なかなか限界があると思いますが、ぜひこの問題について引き続き注視していただきたいというふうに考えております。 ○田中(俊)政府参考人 私どもは、以前から申し上げておりますように、政治的な観点には立たないで、科学的、技術的な観点、中立性を持って判断するということに努めております。 ○細田(健)委員 政治的な中立性は大事だと言いながら、先ほどるる申し上げたように、それをみずから破壊するようなことをしておられるわけですね。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
参 - 原子力問題特別委員会(平成26年11月12日)
質疑者は、民主党の浜野議員です。
○浜野喜史君 委員長おっしゃったことは、事前の打合せの中ではそういうことはやり取りしているということだと思います。それならお伺いいたします。
なぜ、排除をしたなら排除をしたということ、これ非常に大きな問題だと思うんですよ、やるならやるで。そのことの意味合い、理由を公開の規制委員会の場において議論をしないなんということはいいんですか。まずそれをお答えください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) そういった類いの排除するとかしないとかというものを議論するのが委員会ではないと思いますので、ただ、記者会見、毎週私やっておりますけれども、その中では、どうして選ばなかったかということについては説明させていただいていると思います。 ○浜野喜史君 田中委員長、それはちょっと私は問題発言だと思いますよ。
責任ある規制委員会でこれ重要事項をお決めになっている、それは私も認めているんです。重要事項を決める上において、私も先ほど申し上げましたけれども、このスタートを切った二十四年の九月と十月の二回の会合、極めて大切だと思います。
そして、その中で、今までとは違う考え方、審査に携わった方は入っていただかないんだということを決めたわけです。この是非論は別として、私はそれは取るべき方策じゃなかったというふうに思いますけれども、でも、取るなら取るでその趣旨は何なのか。そのことを、一旦そういう考え方で排除の論理を取った結果、それ以外の審査において、例えば規制委員会がまず審査をして結論らしきものを出された、そうじゃないという意見が出てきたときに同様の対応をするのかといったような問題も出てくるかと思います。そのような規制委員会全体の運営の整合性をどう考えるのか、これは議論をされて当然だというふうに思います。このことについてもお答えをいただきたいと思いますし、それで、さらに関連して質問をさせていただきます。
第一回目の会合では、優先して、そして中心にということだったんです。それが突如として、一か月後の十月の会合では、全て審査に関わった方はもう排除しますということを断定になっているんです。その間に学会の方には依頼状を出しておられたんだというふうに思いますけれども、このような経過でよろしいでしょうか、確認させてください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 大分前のことですから細部までは記憶しておりませんけれども、多分先生がおっしゃったとおりのことでありまして、先ほど来、どうして従来審査に関わった方を、まあ排除するというのは余り適切な言葉ではないんですけれども、そういったように御遠慮いただいたということは、御遠慮いただいたというよりは、新しい方もたくさんおりますので、そういった方に御協力をお願いしたという方が適切だと思いますけれども、そういうことを先ほど来申し上げているところでございます。
○浜野喜史君 繰り返しますけれども、この二十四年の二回の規制委員会、極めて重要な会合だったというふうに私は理解をいたしております、したがってこのことを取り上げているんですけれども。その中でもとりわけ大事なのは、今回の場合大事なのは、メンバーをどのように選んだかということが極めて大切だと思います。どのような考え方に立ってこの有識者会合のメンバーを選んだのかということであります。 ○政府参考人(櫻田道夫君) 手続に関することなので、事務方からお答えいたします。 ○浜野喜史君 検討いただくということでありますけれども、これは是非開示をしていただきたいと思います。 |
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ご参考までですが、昨年3月8日の最初のピアレビューについての記事をご紹介しておきます。
今回のピアレビューと合わせて読んでいただくと、いかに評価内容が恣意的なものであるかが、一層浮き彫りになります。
●敦賀有識者会合評価に大きな疑念が呈せられたビアレビュー(昨年=平成25年3月8日)
昨年ピアレビューでも、「否定できない」「安全側の判断」の意味合いについて議論があり、粟田氏からの繰り返しの確認の質問に対して、事務局の規制庁は、「安全側の判断といっても、活断層であることが、合理的根拠を以て推定できる場合である」旨を認めています。
それに対して、鈴木康弘委員が、「有識者会合は、原電の証明が十分かどうかを審査するのであって、我々が証明するのではない」旨を述べており、やりとりの構図は今回と同じです。
審査ガイドとその解釈に、即廃炉の仕掛けを盛り込んだつもりの鈴木氏、島崎氏にとって、ここが生命線だということですね。
その審査ガイドと解釈を援用して、「まだデータが足りない」 「証明が十分ではない」 と延々と引き延ばし、明白な材料を以て証明ができなかったから、「活断層ではないとはいえない」という結論を出す、というのが、彼らの「戦術」でした。
●以下の記事を読んでいただくと、審査ガイド策定時に、鈴木氏が大幅な修正案を作り、盛り込んだ経緯が理解されると思います。審査基準本体と考え方が乖離している非合理的な考え方を、いかに強引に押しこんだか、ということです。
こういう経緯を知れば、今回の事務局の、「公式には規制基準とその解釈までで、審査ガイド以下は審査官用の内規だ」との発言が、鈴木氏にとって、いかに驚愕に値するものであったかが理解されるでしょう。
本当は、粟田氏も言っていた通り、審査ガイドやその解釈まで含めての基準だろうと思いますが、基準本体との考え方のギャップが大きすぎる非合理的なものになってしまっていることを考えて(「安全側に判断」の運用が、合理的推論の欠如を正当化する根拠になってしまっていることを懸念して?)、事務局として軌道修正を図りつつある一環の発言なのかな?という気がしないでもありません。
ただどちらにしても、
「活断層であることが合理的根拠をもって推論される必要がある」
ということは、前回ピアレビューでも確認されていることですから、それに照らして、敦賀の評価書案の内容は合理性がないということは間違いないと言えるでしょう。 ピアレビューでこれだけの深刻な問題指摘がなされた以上は、評価書としては失格との烙印を押されたに等しいわけですので、ピアレビュー会合が再評価の場ではないとしても、ピアレビューでこのような指摘がなされたことを併記した上で、次のステップに進むというのが適当ではないでしょうか。座長が述べたように、両論併記であってもいいと述べていた趣旨にも合致します。両論併記がなされれば、実質上、評価書は安全審査の際に援用できない無価値な代物になります。
今後の追加材料等は、安全審査の中で判断していく、という方針からしても、そうぜざるを得ないと思われますし、規制庁としても、いずれ訴訟になれば敗訴確実になる点を、そのままにしておくのは不都合でしょうから、今のうちに実質的にも形式的にも棚上げしておくということが、賢明な方策だと思います。訴訟で全面的に対処するのは、事務局の規制庁なのですから、そうしておかないと膨大なマイナスのエネルギーを使う爆弾を抱えることになりかねねません。
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原電敦賀破砕帯評価のピアレビュー会合の録画を一通り聞きました。
もう、冒頭から混乱、混迷を極め、手続き、内容とも「めった切り」になっています。
これではもはや、敦賀の評価書は、規制委として使い物にならなくなってしまったと言えるでしょう。
・何に基づいて評価するのか?
・どういう趣旨でレビューするのか?
・どういうスタンス、方法で評価するのか?
こういった点が、従来のスタンスが根底からひっくり返されてしまいましたし、評価内容も、根本的疑問が提起されてしまっています。
科学者の集まりで、ここまで全否定の「全く〜理解できない」「著しく問題」「(根拠や推論が)全く書かれていない」「まず考えにくい」「これは不統一」「科学的ではない」「信じがたい」というように、全否定的表現が怒涛の如く?発せられるというのは、異例ではないでしょうか。
驚いたのは、次のような一連の発言です。
①「通常の論文のピアレビューとは異なる。したがって再評価するような場ではない。コメントをもらうだけ」との座長発言。
②「規制基準等の細かい文言に拘わらず、科学的に判断すればいい」という座長の発言。
③「18年指針と基本的には変わりない」」「公式に準拠すべきは、規制基準とその解釈のみであって、審査ガイド以下は内部指針に過ぎない(から拘らなくてもいい)」との規制庁の発言。
これらは、極めてインパクトのある発言です。
①の点は、それではピアレビューの意味がないと思いますが、それは措くとしても、②と③の
発言によって、これまで、島崎委員長代理(当時)や鈴木康弘委員が、心血を注い
で?再稼働阻止のために仕組んできた点がガラガラと崩れてしまった感がありま
す。
島崎氏と鈴木委員は、昨年の2〜4月頃の規制基準から審査ガイドまでのWGの審議の中で、活断層であることが100%明確に否定できなければ、「将来活動可能性のある活断層」とみなし、即基準不適合=再稼働不可と持っていくための仕掛けづくりに精力を注いでいました。その際の重要なカギとして、審査ガイドとその解説がありました。その具体的内容は、鈴木委員が事務局案を全面的に書き換えて、現在の記述に持って行ったという経緯があります。だからこそ、「この審査ガイドに準拠し、これを拠り所にするのだ」という点は、彼にとっての生命線ともいえます。
それが、今回の規制庁の櫻田部長と小林管理官の発言によって、あっさり否定されてしまいました。審査ガイド以下には拘束されない、そして、18年基準と基本的には変わりがないということであれば、島崎氏と鈴木氏が狙った、事業者側に100%否定の証明を求めるという「悪魔の証明」ということではなく、通常の科学的判断の仕方の通り、活断層であるとの合理的な推論の根拠があって初めて、「安全側の判断」ということになるということになります。
鈴木委員は、昨年の審議当初からずっと言っていますが、「活断層否定の証明方法は原電が考えることであり、規制委側はその証明が十分かどうかを評価するだけだ」とのスタンスです。今回も同趣旨のことを繰り返していました。これは、上記の審査ガイド以下の記述が根拠になっているものです。
また鈴木委員は、科学の世界の議論とは異なり、審査基準なり審査ガイドなりに即した議論である旨を、11月19日の有識者会合としての評価書案とりまとめの際にも念押ししています。
(p13〜14)
「○鈴木教授 役割のところの最後のところに、「設置許可基準規則」等に準拠して行っているという、こういう説明で、そのとおりだというふうに思っております。ただ、私の立場としては、これをそういったものまで深く読まない人にも、なるべくわかりやすく説明するというような、そういう立場で、今日は補足の意見をいろいろ言いたいというふうに思っているんですが。
この規則のところにどう書いてあるかというのは、資料、図の最後のところにもさらにつけ加えられているということはよくわかるんですが、かなりこの規則について誤解している人がいて、誤解したままの活断層の定義で、議論を履き違えている専門家も非常に多いので、そういう意味で、この規則において、「将来活動する可能性のある断層」というのはどういうふうに定義されているかということが、よりわかりやすいほうがいいのではないかというふうに思います。それをここに書くことがふさわしいかどうかは別途御判断いただければと思うんですけれども。
例えば、従来の活断層の定義ですと、地下の10kmとか、それぐらい深いところまで続いて、地震動を起こすようなものだけを活断層と言うんだとか、あるいは、繰り返しが十分確認されなければ、活断層とは言わないんだとか。
それから、今回、12万年前のところで判断するということですけれども、そこで明確に判断できない場合は、どういうふうに判断すべきかというようなことが、これらの規則には非常に詳しく書いてあるので。そういうところが一般の人にも伝わるように、そういうルールの中で我々が判断しているということを十分に説明をしていただきたいというふうに思います。
この辺りのルールが違ってくれば、それは別の言い方というのができて、そういうことを言っている専門家もかなりいるように見受けられて、それが非常に混乱を招いている原因だというふうに思いますので、準拠して行ったという書き方、ここまででいいのか、あるいは、さらに要点を補うような書き方のほうがいいのかということについて、御検討いただきたいと思います。
○石渡委員 それにつきましては、一応おっしゃったように、基準といいますか、そのガイドについては後ろのほうに添付してございます。実際にこの評価書そのものの書き方が、このガイドに沿って、ガイドの基準に従って論理を進めているといいますか、そういうふうになっておりますので、あまり詳しく、それを改めて書き入れるということが適当かどうかというのは、ちょっと文章構成上の問題もございますので。
その辺、確かにそういう点は混乱のもとになっているということもわかることはわかるんですけれども、できれば、そこのところはこういう形で審査ガイドをよく御覧いただいて、それに沿ってこちらは判断しているというような記述でまとめたいというふうには思っているんですけども。個々のところで、ここはこの文言を追加したらいいという御指摘がございましたらば、そのようにお願いしたいというふうに思います。よろしいでしょうか。」
今回のピアレビューでも、最初と最後で、改めて問題提起が粟田委員からなされ、それに対して、
・座長からは、これらの細かい文言に囚われることなく、科学としての議論をすべきで、審査ガイドに準拠というのは言い過ぎで、勘案程度だと言われ、
・規制庁からは、規制基準とその解釈が公定のもので、審査ガイド以下は審査官用の内規であり、基準の考え方は18年基準と変わっていないと言われ、
・敦賀会合の座長の石渡委員にも、「この部分の表現は、前回評価書でも「勘案して」という表現になっていた」と言われてしまいました。
最後の最後に、鈴木委員は、「審査ガイドに準拠し、拠り所になっていたのであって、そうでないとすると大変だ」との趣旨の発言をしていますが、それが最後の抵抗でした。座長からは、「審査ガイドの解説の「安全サイドで判断する」との文言は、行政の世界での話であって科学の世界の話ではない、これを元にして評価委が事業者側の説明をおかしいだろうというのは科学的議論ではない」との指摘までされています。
座長は、あたかも鈴木委員の有識者会合での過去の言動(「審査ガイド、解説のここに安全サイドで判断すると書いてあるだろう!」)を知っていて、皮肉っているのかと思うほどでした。
いずれもしても、こういう入口論というか、破砕帯評価の有識者会合の位置づけ、検討の方法、基準等の前提部分のそもそも論について、何らのコンセンサスもなければ、事務局の規制庁幹部までが従来と異なることを言い出してしまったということで、鈴木委員が強く指摘した通り、これまでの有識者会合の審議の準拠対象、考え方が間違っていたということになり、正統性と正当性とを失う、ということになるかと思います。
●そして、評価書案の内容も、ほとんどめった切りでした。
正確ではないかもしれませんが、ざっと聞いただけでも、
・なぜD-1断層なのか?
・K断層とD-1破砕帯とは性状等が異なる。
・美浜テフラは、発見は新しいが、学術的にも認められている。
・降灰層準として設定することはおかしくない。
・テフラが濃集しないと測れない程度というのはおかしい。分布が有意であればよいはず。
・花粉分析のことをなぜ書かないのか。
・K断層は、浦底断層のどこからどうやって枝分かれしているのかわかるはずだが、それも確認していないのか(それがわかれば、動き方も推定できる)。
・最も肝心の部分を実地に確認していないのは、著しく問題。
発言していたのは、多くは、粟田氏、岡田氏がメインで、あとは竹内氏他2-3名の識者が若干のコメントをした程度でした。粟田氏は、昨年2月のピアレビューで指摘していた点(「下盤側に〜〜見られない」云々)も繰り返しており、ほぼ全否定に近い印象を持ちました。また、岡田氏も、評価書案には大きな問題があるという認識だったと思います。
座長が述べる通り、再評価するものではなく、ここでのコメントも参考にして、敦賀有識者会合の責任でまとめるということで、いずれまとまるのかもしれません。しかし、これだけ根幹に関わる諸問題が指摘された事実は重く、それらが解決されるはずもありませんから、科学的ではないという烙印が押されたに等しいですし、鈴木委員が「有識者委員側では、自らの材料がないから証明できない。単に原電の証明が十分かどうか評価するだけ。」との発言は、活断層であることの合理的な推定根拠を持っていないことを図らずも吐露したに等しいですから、今後、再稼働審査の上で、援用もできなくなってしまったと思います。
規制庁櫻田部長と小林管理官の、「公式には基準とその解釈まで。規制ガイド以下は参考」
「基準としては18年基準と変わっていない」との発言は、極めて重要な発言であり、今後の再稼働審査の上で、決定的ともいえる影響を与えたように感じます。
もちろんそれは、安全審査が本来の姿に戻る方向に働き、然るべく、工学的観点からの重要施設への影響評価を行うということになる・・・という意味ですが・・。
元々、「設計上考慮すべき断層かどうか」ということの判断だったわけですから、見解が分かれるのであれば両論併記にして、初めからさっさと本筋であるべき影響評価をすればよかったのです。それもやらずに延々と膨大な時間と精力を費やしたことは、本当に空しい作業だったと感じます。
それにしても、渡辺氏が評価書案支持ペーパーを出して冒頭に説明したものの、粟田氏から一言の下に否定されたり、敦賀の有識者たちが、指摘や質問に対して黙りこくってしまうという場面がしばしば見られたり、あるいは委員が評価書とは異なる個人的見解を吐露したりしたことは、視覚的にも、評価作業自体の信頼性に疑問を抱かせるものでした。
同じことを言われても、原電には居丈高に応じる一方で、ピアレビューでは萎縮した雰囲気になるというのも、あまり好ましい風景ではありませんでした。
原電は、終了後にコメントを出してます。今後のことを考えれば、安全審査の場でよりも、有識者会合の場で決着させておきたいということなのでしょう。
以上、取り急ぎ録画を見ての感想で、勘違いがあるかもしれませんし、別の見方があるかもしれません。
お気づきの点があれば、ご指摘いただければ幸いです。
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