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さて、それにしても、規制委の会合は、お粗末でした。委員の誰ひとりとして、意味合いがわかっていないでしょう。コメント欄でのご指摘通り、議事録として、審議したことを記録として残すこと自体が目的の議事進行でした。
※ 41分〜1時間07分まで。
もちろん事前に、事務局から説明は個別に受けていたのでしょうが、一番本体の、「原電の最終報告書の扱いについて、どうするのか?」という点についての、メッセージを同時に発するようにしなければ、委員会としての役割、機能が果たされません。
原電からヒアリングをするという報告を受け、実際にヒアリングをしてから1か月以上経過しています。しかも、ヒアリングを完結させるためには現場の検証は必須ですから、当然それを進めなければなりません。原電からはヒアリング後の現地検証、審議再開の要請が繰り返しされていますし、 検討会合で第三者から意見を聴くと決めていたはずですが、それをどういう形で行うのか?・・・事務局と島崎委員長に課されている宿題は山積しています。
次回の10月9日には、その辺のアクションが報告されるものと思いますし、それもなされず、委員の誰からも状況確認の発言がなければ、委員会は機能不全に陥っているといわざるを得ません。
●なお、10月1日に福井県議会の全員協議会で、原子力規制委の職員が呼ばれて、質疑がなされている旨報道されています。
そこでは、
「日本原電の追加調査結果を有識者会合に諮るかどうかについて渡辺管理官補佐は、具体的なスケジュールは未定とした上で「現場の調査も必要に応じてやりたい」と説明。その後の取材には「担当者が事実確認のために行くこともあるだろうし、有識者が希望することもあり得る」と話した。」(福井新聞)
「敦賀原発の破砕帯問題で、佐藤正雄議員(共産党)が国内外の専門家グループが「活断層は一切ない」とした外部レビュー(評価)のとらえ方を質問。渡辺管理官補佐は「(規制委と)内容に大きな違いはない。解釈の問題で、認識が違う」との見解を示した。」(産経新聞)
となっていて、正確に何と言ったのかわかりませんが、現在の見解を維持するかのような示唆をしているようにも見えます。なぜ、そのような強気の姿勢なのか、さっぱりわかりませんが。
●10月9日になっても、現地検証の動きがないようであれば、別途、
学会や専門家向けに現地説明会を開催する
ということを検討してもいいのではないでしょうか。福井県議会全員協議会で、規制委職員は「有識者が希望することもありうる」といっていましたし、実際、5月15日の有識者会合の際も、最終報告書と現地の確認をしたいと言っていた有識者もいました。
海外専門家チームの報告会は、8月1日に東京で開催されていますが、現地説明会は、プレス向け以外にはやっていないのではないかと思います。
保安院時代の意見聴取会の杉山、遠田両氏も含めて、多くの専門家に見てもらい、客観的なところをつかんでもらうために、広く呼びかけ、1週間程度オープンにして実地確認の機会にしてもらうというのがいいのではないでしょうか。
今後、台風、豪雨、積雪等で保存状態が悪くなるのは問題ですし、そうなる前に、第三者として確認してもらうことよって、「公証人」的役割と、情報発信の役割とを果たしてもらえるのではないかと期待されます。
大きな争点になっている現場ですから、多数の専門家の関心対象だと思われます。
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2013年10月03日
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10月2日の原子力規制委会合で、原電からの異議申立てが却下されました。
10月1日付けの本ブログ記事で、2日の議題は事前に公開されたところでは載っていなかったので、9日になるだろうと推測して書きましたが、争訟案件ということで、事前発表の議題には載せなかったということなのでしょう。
結果は、先日書いた推測どおり、訴えの利益なしで不適法として却下となりました。いわゆる門前払いというものです。
以下が規制委での説明資料(却下決定書案を含む)と、原電の反応です。
却下の理由は、委員会説明資料上は次のようになっています。
「(2)決定の理由
処分に対する異議申立ては、異議申立人が、「異議申立ての利益」を有している場合に限って行うことができるものであり、その異議申立てに対する決定が行われる時点において「異議申立ての利益」が認められないものと判断される場合には、当該異議申立ては不適法なものであるとして却下されることとなる。
そこで、本件異議申立てを行った異議申立人が、当委員会の決定が行われる時点においてもなお「異議申立ての利益」を有しているか否かについて検討した。
その結果、現時点において、以下のとおり、本件異議申立人は「異議申立ての利益」を欠くと判断されるため、本件処分の取消しを求める異議申立ては不適法であることから、(1)のとおり決定する。
①異議申立人から、当該報告徴収命令に対する報告が行われたことにより、法律上の報告義務は消滅したと認められること
②異議申立人に対し、当該報告徴収命令による報告義務が消滅した後に、具体的な法律関係において、現に残存する不利益が存在せず、同命令の法的効果としてとしての直接かつ確定的な不利益がなく、また、同命令の取消しによらなければその回復を図ることのできない状態ではないこと。」
要するに2点であり、
①報告してしまったのだから、処分の効果は消滅し、義務も消滅した。
②義務が消滅したのちもなお残存する、直接かつ確定的な不利益は存在しない。
決定書案を見ると、次のような記述があります。
「本件報告徴収命令については、その根拠規定(原子炉等規制法第67条第1項)が、当委員会は、原子炉等規制法の施行に必要な限度において、原子力事業者に対し、その業務に関し報告をさせることができると規定し、同法第78条第29号及び第81条第2号が、同命令に対する「報告をせず、又は虚偽の報告をした者」に対する罰則を定め、同命令の発令を受けた者による命令の履行を間接的に強制していることに照らすと、同命令が発令されることにより異議申立人は、法律上の報告義務を負うことになり、他方、同命令に従い報告を行えば、異議申立人が負っていた法律上の報告義務は消滅することとなるものと解するのが相当である。」
ということであれば、報告に応じなければ、義務は消滅せず、罰則を受けるおそれがあるという具体的な不利益が残るので、訴えの利益はあったということ言っているように思えます。
この点は、このブログでも懸念した点で、命令に応じて、7月末の報告提出の直前に書いたブログ記事の末尾の注意書きでも触れた点でした。
「報告に応じてしまうと訴えの利益なしとされてしまわないか。であれば、報告徴収命令には応じず、それとは切り離して提出はしておくということがいいのではないか」と書きましたが、原電としては、報告徴収命令に応じた上で、後続処分による不利益を被る可能性の残存という点を前面に出して、理由補充書も提出したという流れでした。
報告徴収命令には応じないが、実質的に同内容のものを提出しておけば可罰的違法性はないということになるでしょうし、異議申立てから取消訴訟で争っている間は、刑事告発はできないでしょうから、加罰の恐れというのはあまり気にしなくてもよかったような気はします。加罰の懸念により報告してしまったがために、それを逆手に取られて訴えの利益なしという決定をされたという構図だったようです。
議事録がまだでていないので、会議映像をみていての記憶ですが、事務局の説明のどこかで、「原電の報告は、性質上、不可逆的である」というような趣旨のことを言っていたかと思います。いったん提出してしまったものは、今更撤回できないから、法的義務=不利益は消滅しているという理屈かと思います。
●これを引き続き、取消訴訟で争うかどうかは、今後原電内部で検討がなされると思いますが、取消訴訟提起は6カ月以内であればできますので、そう急いで訴訟提起するかどうかを決めることもないような気がします。訴えの利益のところの入口以前の部分の議論で延々と精力使うのもなんですし、6か月あれば、状況がガラッと変わっている可能性が多分にあります。
今回の異議申立ては、規制委に対して、「甘くみて強引なことをすると、事業者が強烈に反発し、訴訟提起され窮地に陥りかねない・・・」ということを身に沁みて理解させたということで、大きな目的はまずは達せられたのではないかと感じます。それは確実に他のサイトでの手続きに波及し、慎重なものにさせています。そして、その一連の過程の中で、有識者会合報告書がいかに杜撰なものかを世間、特に科学界に強く伝えることができたという点でも、やはり大きな効果があったかと思います。
10月7日までには、情報公開請求に応じた開示結果が出ます。そこで判断過程の重大な瑕疵を裏付ける材料が出てくることでしょう。また、原電の最終報告書の扱い、ヒアリング後の次のアクション(現場検証、有識者会合の再開等)を、さすがにもう決めなければならないタイミングになっています。それをここ1〜2週間のうちに決めることになるだろうと推測しているのですが、どうでしょうか? それが動き出せば、状況はかなり変わってくると思われます。
●いずれにしても、今回の異議申立て却下決定は、入口に入らずの門前払いですから、入口に入ったあとの科学的非合理性、手続き的不公正性の問題は、なんら是正されていません。次の後続処分を行ったならば、もう訴えの利益なしで却下というわけにはいかなくなります。
後続処分として、追加の報告徴収命令であれは、今度は応じず、報告義務と加罰可能性という具体的不利益が発生しているということで争えばいいのではないでしょうか。移送指示その他何らからの是正措置の命令が発せられたらば、即、それは直接的利益の侵害が生じますから、入口に入って内容の是非が争われる全面的かつ本格的な争いになります。
柏崎刈羽の変更許可申請は受け付けることになりましたし、田中委員長も申請されれば、受理することは法的義務だと2日の委員会で言っています。ですから、原電も再稼働のための設置変更許可申請は準備が整い次第、申請すればいいと思います。そこで、活断層だとの理由で不許可にされたり、長期間審査に入らないという状態が生じれば、それらは違法な処分、行為ですから、そこで本格的に規制委の判断と対応が司法の場で問われることになってきます。「申請を受理することが法的義務だ」と認識しているのであれば、「申請を長期間放置できない」ということも当然認識しているでしょう。もともと、田中委員長は、「再稼働申請の許可の可否の判断の中で、一つの要素として判断していけばいい」という趣旨のことを会見で発言したこともあるくらいですから、その点は理解できると思います。それを事務局が、「破砕帯調査の一定の結論を得ることが審査の前提」などという、およそ法的根拠のないことで覆したこと自体がおかしな話です。それに敦賀の場合は、「一定の結論」を得たことに現時点ではなっていますので、再稼働申請の審査の前提はクリアしたということになります。それで不許可にするならやってみろ、ということです。
原子炉設置許可変更申請を行ってしまえば、規制委側はそれに答を出す義務が生じますので、今のように、現地を検証してくれとか、審議を再開してほしいといった要請をするまでもなく、規制委としてせざるを得なくなります。しなければ、判断過程に重大かつ明白な瑕疵ありということを、更に上塗りする話になってしまいます。
そうなる前に、当然、現地の検証と、有識者や第三者を含めた検討は行われることになることでしょうが、あまりに時間延ばしをする姿勢が露骨になるのであれば、そういう強行策も視野に入れてもいいかと思います。
※ なお原電は、10月2日付で理由補充書を提出しています。入口に入ったあとの判断や手続きの瑕疵の論点ですので、おそらく、異議申立て却下決定書が送致される以前に提出したということではないかと思います。
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