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東北電力東通原発の破砕帯評価会合の状況を覗いてみて気が付いたのですが、規制委の会合運営は、一貫性がなく不公正ではないでしょうか。
それは、外部の学識経験者からの意見の扱いについてです。
原電敦賀の評価会合でも、外部有識者の参加については、事業者側の協力者としての立場でしか意見表明や参加を認めませんでした。
同様に、東北電力東通会合においても、7人の識者の見解書が提出され、2人が審議に参加していますが、
<参考資料>
事務局の規制庁の説明は、
「それから、参考資料1でございますけど、東北大学名誉教授、大槻様からのコメント、それから、参考資料2-1〜7でございますけど、これは東北電力側の専門家からの見解書でございます。2-1〜2-7までございます。
(中略)
なお、本日は、事業者側の説明者として、肩書きは兵庫教育大学の徳山名誉教授、それから、首都大学東京の大学院の山崎教授のお二人が出席されています。こちらについては、先日の事業者との面談において、事業者側から、東北電力調査評価に携わった方、協力者として出席させたいという要請がございまして、事務局としても、これまでの東北電力以外の出席者と同様に、第三者の立場ではなく、あくまでも事業者の調査に携わった方として出席を認めることとしたものでございます。」
「第三者としての意見表明は認めない」ということのようです。
しかし、それならば、同時にコメントが配布されている東北大の大槻教授の意見書は何なのか? という疑問がすぐに湧きます。
驚きましたが、大槻教授は、今年になってからの会合では、毎回、意見書を提出しています。そこで何と書いてあるのか?といえば、
「真実により近づくのが専門家の務めであると考え、コメントをしたためました。参考にして下されば幸いです。」
ということは、第三者として、自らの意見を表明しているということです。
これが、2012年11月の日付で、その後も毎回、意見書が提出されています。そして、途中からは、評価会合に佐藤教授が、これについて解説をしています。
上記の事務局説明でも、さらっと、「参考資料1でございますけど、東北大学名誉教授、大槻様からのコメント」というだけで、その位置づけについては、他の識者のような性格付けを述べていません。
この大槻教授の意見提出が認められ、それが正式の議事次第で配布資料として位置づけられるのであれば、他の識者にしても、第三者の立場として意見提出が認められて然るべきです。
学識者の扱いについては、規制委は不公正です。しかも科学的ではありません。
以前にも書きましたが、思いつくだけでも事例が三つあります。
第一は、関西電力の大飯会合で、地質の詳細な専門家がいないということで、評価会合委員3人が一致して依頼した識者の意見を、参考扱いとして、実質的に無視しましたし、
岡田委員らから、自分達ではカバーできないので、もっとその分野の専門家を加えてほしい、との強い要請に対して、島崎委員長はこれを拒否しています。
第二は、大飯・高浜の再稼働申請についての審査で、三連動地震の危険論を主張する中田高教授、渡辺満久教授の見解を、アプリオリに採用して、それに対する反証要求から審議を進めています。それでいて、中田教授の指摘する箇所が調査では見つからないという指摘に対しては、うやむやにしてしまっています。
第三は、原電敦賀の最初の評価書案とりまとめにおいて、首都大学東京の鈴木教授の見解を部分的に援用していました。情報公開請求で、依頼したメールと回答メールの全体について公開請求したのに対して、「私人だから」という信じがたい理由で却下されています。
要するに、規制委側は、自らが誘導したい見解を補強するためには、外部識者の意見を第三者のものであるかのように扱う一方で、電力側の見解を支持する識者からの第三者としての意見提出、表明は認めないという、一貫性を欠くダブルスタンダードの対応を取っているということです。
<!--[if !supportLists]-->●今日の日経の1面下の「春秋」コラムに、「人質司法」について触れられていました。
「町奉行の下で市中の見回りや取り調べにあたる与力に辣腕でならす男がいた。ある日、思い立つことがあって家に帰ると着替えもせず下男を「金を盗んだな」と問い詰めた。無実は承知のうえである。もちろん下男は否認したが、厳しい追及にやがて罪を認めてしまう。自慢の強引な吟味が冤罪を生むのにショックを受けた与力は、職を辞し隠居したという。
逮捕した容疑者や裁判が始まった被告の身柄を捜査当局が長い間拘束する。その間に都合よく供述させたり、否認する限りは自由になれないと脅したりする。そんな批判が「人質司法」の言葉にはこもる。逃げたり証拠を隠したりの可能性を吟味して拘束の是非を決めるはずの裁判所も、検察の言いなりだといわれてきた。」
規制委がやっていることは、「否認する限りは自由になれないと脅したりする」のと同様、「三連動なり、高い基準想定を否認する限りは審査を進めないと脅す」方法であり、文字通りの「人質行政」です。科学的な主張−反駁のサイクルとは程遠いことは由々しい限りです。
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2014年12月06日
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3 それでも規制委は、重要施設への影響評価をせざるを得なくなること。
上記のように、規制委と有識者とは、有識者会合の位置づけ等を巡って迷走してきましたが、基準適合性審査の段階になれば、「有識者会合による評価にかかわらず」、否が応でも、重要施設への影響度合いの評価をした上で判断をせざるを得なくなるでしょう。
有識者会合の判断が「12〜3万年前以降に活動したことを否定できない断層」であるから、基準不適合で不許可という「門前払い」には決してできないと思います。
それは、審査する規制委側に、活断層(「今後活動する可能性のある断層)」であれば、常にすべてが「安全機能に重大な影響を与えるおそれがある」ことを立証する責任を負っているからです。
この点は、こういうことです。
(1)まず、安全基準の大元の規定は、原子炉等規制法にあります。
(許可の基準)
第四十三条の三の六 原子力規制委員会は、前条第一項の許可の申請があつた場合においては、その申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
(一〜三 略)
四 発電用原子炉施設の位置、構造及び設備が核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止上支障がないものとして原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること。
基準制定の考え方として、法律が示していることは、あくまで、
「発電用原子炉による災害の防止上支障がないものとして」
の基準です。
(2)他方、規制委が定めた新基準では、
「第3条
3 耐震重要施設は、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない。」
その解釈として、
「3 第3条第3項に規定する「変位」とは、将来活動する可能性のある断層等が活動することにより、地盤に与えるずれをいう。また、同項に規定する「変位が生ずるおそれがない地盤に設け」るとは、耐震重要施設が将来活動する可能性のある断層等の露頭がある地盤に設置された場合、その断層等の活動によって安全機能に重大な影響を与えるおそれがあるため、当該施設を将来活動する可能性のある断層等の露頭が無いことを確認した地盤に設置することをいう。」
としています。
こういう法令の委任構造の下での規定であれば、立法府の定めた法律を施行する立場の行政府である規制庁としては、
①「変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければ」(断層の態様、規模に関わらず)、必ず「災害防止上支障がある」ことを合理的に証明し、更に、
②「将来活動する可能性のある断層等の露頭がある地盤に設置された場合、その断層等の活動によって安全機能に重大な影響を与えるおそれがある」と断言する形で解釈する以上は、12〜13万年前に活動したことが否定できない断層が、常に必ず、「重要施設の「安全機能に重大な影響を与えるおそれがある」ことを合理的に説明できなければなりません。
③更には、旧基準からあえて考え方を激変させ、既設原発に対しても、即時・遡及適用し、質問主意書への回答(閣議決定)を覆して、活断層の態様等に関わらず一律に、立地・再稼働不可とする合理的説明をしなければなりません。
しかし、この規定と解釈は、原子力工学等の関係学会の総意として提出された意見を無視して定められたものですから、それらの学会から見解を述べられた場合に、規制庁がこれに自ら反証して合理的説明をすることは至難の業です。島崎氏が繰り返した「何が起こるかわからない」というセリフだけでは、通用しようがありません。
要するに、重要施設への影響評価をしないで済ませようとすれば、法律の受任範囲を逸脱して、法の運用をしているということになり、違法ということになってしまう、ということです。
薬事法で、通信販売を不可とする厚労省令が違法とされたことと同じことです。
規制委の違法性は、これまで本ブログで縷々述べているように、憲法の諸原則に抵触するものですから、極めて違法性の程度が大きいということです。
いずれ、不許可処分取消訴訟となれば、こうなることは目に見えています。そうなれば、規制委の行政は大混乱に陥ることになり、その威信は失墜しますから、今のうちに軌道修正をしていく必要があります。
そのことに遅ればせながらやっと気が付いて、徐々に軌道修正を図るために、今回の規制委の方針の「確認的」な整理と相成った・・・ということであれば、歓迎すべき話でしょうが、実態はどうなのでしょうか・・・?
どのみち、原電からは、矢継ぎ早に、問題指摘と申し入れがなされており、今週早々には、詳細な問題点の分析資料を公表するとのことです。
12月10日にピアレビューが開催されるそうですが、どういう展開になるのか注視したいところです。
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原子力規制委が、12月3日会合で、破砕帯評価の有識者会合の評価と再稼働の安全審査(基準適合性審査)との関係について、改めて整理しています。
破砕帯の活動性については、設置変更許認可の審査の中で可否を決定していくというものですが、これについて、マスコミ報道の一部では、従来方針の見直しと報じるものもありました。
「原子力規制委員会は3日、日本原子力発電敦賀原子力発電所(福井県)、東北電力東通原発(青森県)など、6原発の敷地内断層(破砕帯)が活断層かどうかを調べてきた有識者会合の判断について、「有識者会合による評価にかかわらず、規制委が(安全)審査を行った上で許認可の可否を決定する」との方針を決めた。
再稼働に必要な「安全審査」の前段階で、少数の専門家が活断層かどうか議論する有識者会合の位置付けを事実上見直すもので、現在の仕組みが機能不全に陥っていることを認めた形だ。」(読売新聞2014年12月3日付)
このあたりの位置づけについては、当初から混乱はしてはいましたが、田中委員長は、変更申請が出てこれば審査はすると言っていましたので、それを単に改めて確認しただけだ、というのが規制側のスタンスのようです。
委員会での配布資料には、次のように書かれています。
「2.適合性審査との関係
○有識者会合での評価は、旧原子力安全・保安院が行った調査指示に基づき各事業者が実施した敷地内破砕帯に関する地質調査結果について、有識者が専門的知見を基に評価を行い、原子力規制委員会に報告するもの。
○他方、新基準への適合性審査は、原子力規制委員会が「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づく許認可を行うにあたって、審査会合やヒアリングを通じて審査を行った上で処分を決定するもの。敷地内破砕帯の活動性についても、設置変更許可を行う際の審査項目の一つとして位置づけられており、有識者会合による評価にかかわらず、原子力規制委員会が審査を行った上で許認可の可否を決定する必要がある。」
3.今後の対応
○有識者会合による評価を実施中のサイトについては、可能な限り早期に評価をとりまとめていく。その際、有識者による評価が分かれる部分があれば、その旨 を明記した上で評価書をとりまとめていく。
○新基準適合性審査にあたっては、他のサイトと同様に、原子力規制委員 会が審査を行い、許認可の可否を決定する。この際、有識者会合による 評価を重要な知見の一つとして参考とする他、事業者から追加調査等に よる新たな知見の提出があれば、これを含めて厳正に確認を行ってい く。」
委員会の議事録をみても、当初方針を確認しただけだ、という趣旨を確認しています。
「○更田委員長代理
ここで櫻田部長から、改めて適合性審査との関係を整理とはあるものの、ここの2.で書かれているものは、従来からこういった方針であったはずで、私の理解では、ですから、何も別に変わっていないと受け取りましたけれども、それでよろしいですか。
○櫻田原子力規制部長
原子力規制部長、櫻田でございます。
そのとおりでございまして、改めてというのは、今までこのような形で進めてまいりま16したが、それを確認するためにもう一度整理させていただいたということでございます。
○田中委員長
有識者会合の意見というのは、ここに書いてあるように、重要な知見の一つとして参考にするということについては、これは紛れもない私たちの基本的な姿勢ですけれども、実際に法的な手続からいうと、まず、適合性審査に申請が出てくれば、それについてきちんと対応しなければいけないということだと思います。」
これらの一連のやりとりを見て感じることを、書いてみます。
1 「法的責任がない専門家会合」との批判を意識したと思われること。
前回記事で書いたとおり、敦賀の有識者会合の活断層認定判断については、法律学者の森嶌昭夫教授からも、「法的責任を負わせて判断させるべきだ」「何が足りないのか、ということがわからない」等の批判をされていました。これを意識したであろうことは想像ができます。
昨年5月の敦賀の有識者会合による活断層判断の際には、規制委会合で、ほとんど議論もなく、有識者会合の評価を追認し、冷却用配管が全壊するという前提で影響を報告徴収させていました。
また、田中委員長は、再稼働申請が出てこれば審査はするけれども、結果は見えているかのような示唆的な発言をしていたかと思います。
そういう流れだったことからすれば、今回、「従来方針の確認」と言いながら、
「有識者会合による評価にかかわらず、原子力規制委員会が審査を行った上で許認可の可否を決定する必要がある。」
としたことは、有識者会合の評価の比重をかなり落としたような印象を強く受けます。
そもそも、今回の規制委ペーパーにあるように、許認可の審査の中で、
「事業者から追加調査等による新たな知見の提出があれば、これを含めて厳正に確認を行っていく。」
ということであれば、昨年5月の時点で、再稼働の許認可申請を受理してその中で原電からの追加的知見も含めて審査を行うとの方針を打ち出せばよかったはずです。
電力の安定供給確保のためにも、審査の早期促進のためにも、そして何より評価内容、手続きが行政手続き、行政処分として、法的に責任のある訴訟で争い得るものとして位置づけられるという点で、適切だったと考えられます。
しかしそうはならず、ずるずると時間ばかりが空費され、あげくにろくな根拠もないままに、「そうとは限らない」「別の解釈余地もある」という極めて曖昧な理由で活断層判断をしてしまいました。当然、原電からも強硬な批判がなされ、法学者からも批判がなされたことによって、遅ればせながら、リスクと問題性に気が付いたのかもしれません。顧問弁護士にでも相談すれば、「持たない」という指摘はなされていることでしょう。
田中委員長の記者会見での発言も、かなり持って回った言い方に終始しています。
「○記者 もう一つ確認ですけれども、今回有識者会合の評価は重要な知見の一つとして参考という形で明文化されましたけれども、そうすると、有識者会合で出る結論と審査会合で出る結論がこれは違っていても、これは問題ないという認識でよろしいでしょうか。
○田中委員長 問題があるかどうかということよりも、有識者会合の結論と違うような結論になるかどうかということについては、これは今後の進展を見ないと何とも言えないと思います。問題あるかないかということは今の時点で予断を持って言うことはちょっと今できないかなと思います。
○記者 問題云々というより、可能性としてありうるということでよろしいですか。
○田中委員長 だから、もともとこの活断層があるかどうか、動くかどうかという調査については、保安院のときに問題提起がされてそれをずっとやっているわけですね。だからそれをきちっと調べることは我々の一つのミッションとして引き継いでいるわけですから、そういう要するにクエッショナブルなところ、疑義のあるところについて始めたわけですから、それを本当に明確に大丈夫か、白か黒かという言い方が正しいかどうか分からないけれども、そういうことが明確になるようにするのが本当の姿なんだけれども、なかなかそれが出来がたいところもあるわけです。既にプラントが建ってるんで。そういう中で、どういう判断をするかというところですから、あまり予断を持って何かしなければいけないというわけでもないと思いますが、最終的には、法的には変更申請が出てくれば我々は法律に基づいて審査の結果を示すことになりますので、そういう手続きに入った方がいいのではないかというところもあります。」
2 依然として、破砕帯有識者会合の位置づけは曖昧であること。
今回の規制委での「確認」にも拘らず、この有識者会合の評価の位置づけは、依然として混乱していると思います。
今回の規制委資料では、次のように、保安院の調査指示に基づく調査結果を評価し報告するものとしています。
「○有識者会合での評価は、旧原子力安全・保安院が行った調査指示に基づき各事業者が実施した敷地内破砕帯に関する地質調査結果について、有識者が専門的知見を基に評価を行い、原子力規制委員会に報告するもの。」
しかし、ここで言及されている保安院の調査指示内容と、有識者会合がやっている検討内容とは乖離しています。
原電敦賀に関しては、平成23年11月の最初の保安院指示には、次のように書かれていました。
「貴社敦賀発電所については、文献調査から天正年間に若狭地域に大きな津波が到来した旨が記載された古文書の存在が明らかとなったこと及び地震・津波に関する意見聴取会において周辺斜面の安定性評価も必要であるとの指摘があったことを踏まえ、当院は、同地域における既往津波に関する調査とそれを踏まえた津波の影響評価及び基準地震動の変更に伴い、周辺斜面の安定性の再評価と当該再評価を踏まえた安全上重要な施設等への影響評価が必要であると考えます。
また、貴社は、耐震審査の改訂に伴う耐震安全性評価結果中間報告書において、同発電所敷地内を通る浦底断層及び原子炉建屋直下に存在する破砕帯の活動性については、地形・地質調査の結果に基づき否定しているところです。
しかしながら、当院は、当該地震に伴う想定以上の地殻変動により、広域にわたって応力場に影響を与え、正断層型の地震も発生していることを踏まえ、浦底断層の活動に伴う破砕帯も含めた地盤の変位について原子炉建屋等への影響について評価すること、また、貴社東海第二発電所については、従来、耐震設計上考慮していなかった断層についても、活動性の再評価が必要であると考えます。」
破砕帯が活断層(設計上考慮すべき断層)かどうか、ということよりも、あくまで、
「浦底断層の活動に伴う破砕帯も含めた地盤の変位について原子炉建屋等への影響について評価すること」
という実質に主眼が置かれていたことは明らかです。実際のところ、保安院指示後は、意見聴取会の中で調査計画、評価方法等について審議していましたから、原子炉建屋等への影響評価までを念頭においていたことは明らかだったと思います。
ところが、保安院から原子力規制委に引き継がれた途端に、有識者会合の趣旨は、「設計上考慮すべき断層かどうかの認定」だけに変質してしまい、その先の肝心の「原子炉建屋等への影響評価」ということについては、どこかに飛んでいってしまいました。
「(趣旨)
関西電力(株)大飯発電所では、発電所敷地内の破砕帯について本年7月の原子力安全・保安院の指示に基づき追加調査が行われているところ。
当委員会としては、同破砕帯について自ら確認と評価を行い、耐震設計上考慮する活断層の認定に係る判断を行う。」(平成24年9月26日資料)
話がややこしいのは、原子力規制委での有識者会合が、「設計上考慮すべき断層かどうかの認定」にあったとしても、旧基準下では、そうだとしても、その先に原子炉建屋等への影響評価があったことです。国会での質問主意書への政府答弁書により、その旨は明らかでした。
「発電用原子炉施設が「活断層の上」にあることのみをもって立地指針に不適合となるものではない。なお、発電用原子炉施設の耐震安全性については、新耐震指針等に基づいて、活断層が発電用原子炉施設にどのような影響を及ぼすか、また、それに対してどのような耐震安全設計を講じるかを厳格に評価した上で、判断するものである。」
ということでしたので、この前提に立てば、
有識者会合=活断層か否かの認定、
適合性審査=原子力施設等への影響評価
という役割分担に変更したのだろうとも解釈することはできました。
ところが、有識者会合での検討開始後に、新基準とその運営指針、審査ガイドが定められ、活断層上の立地は不可であるかのように定められたため、そこから先の影響評価が何らなされないままに推移するということになってしまいました。
「今後活動する可能性のある断層=12〜3万年前以降に活動したことを否定できない断層」とし、その否定の絶対証明がなされない限り、活断層と認定され、その影響評価はなされないままに、廃炉に追い込めると鈴木教授や島崎副委員長らは踏んだのでしょう。
東北電力の東通原発の破砕帯などは、有識者委員自身、そして島崎氏自身が「活断層だとしても大したことのない断層」との趣旨の発言をしていましたが、新基準の運用方針では、活動性の大小を問わず、立地不可とするという趣旨ですから、ひどい話です。
ともかく、有識者会合の位置づけ、役割は曖昧になったまま、現在に至りました。今回の「確認」的整理によっても、曖昧さが払拭されたとは言えないでしょう。
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