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「自由主義・立憲主義の憲法である。これが明治憲法の二つ目の特徴だといえます。自由主義的であるという意味合いは「権力分立」ということです。もうひとつは国民代表の「議会を持つ」ということ。主にこの二点によって自由主義的な色彩が出ています。
-中略-
「次に政体法について説明したいと思います。まずは戦前においても三権分立であったことを指摘しておきたいと思います。
司法権に関しては五十七条で「司法権ハ天皇ノ名ニ於テ法律ニ依リ裁判所之ヲ行フ」とありまして、裁判に関しては裁判所に完全委任しています。一応天皇の権限だけれども完全に裁判所に委任していて天皇の知るところではない。
立法権は、五条に「天皇ハ帝国議会ノ協賛ヲ以テ立法権ヲ行フ」、三十七条に「凡テ法律ハ帝国議会ノ協賛ヲ経ルヲ要ス」とあって、議会は天皇(実際には内閣)とともに立法権を担うということになります。ただし、実際をいえば天皇が法律を裁可しない例はありません。不裁可権は一応持っていると考えられるわけですが、裁可しなかったら今度は国体に違反してしまうわけです。したがって不裁可という例は結局生じませんでした。つまり法律を制定する権限に関しては完全に議会に一任していました。
そういうかたちで、天皇の権限とされたものはどんどん他のところに持っていかれたのが実際です。軍事に関してもそうです。軍事は天皇が直接やったのだというイメージを持たれておりますけれども、けっしてそうではない。最近の研究では、軍事に関してもじつはやはり下に降りてしまっているといわれています。十一条に「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」とあるけれども、実際は陸軍の場合は参謀総長、海軍の場合は軍令部長に完全に任されている。
行政権も、実際上は国務大臣に任されていた。したがって「大臣責任論」の問題になります。大臣責任論に関しましては五十五条に「国務大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス」と書かれています。これは「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」という三条とセットになっています。天皇に責任が及ばないように、大臣が責任を取るということです。そして責任を取る代わりに、責任を持って政治をやる。天皇が政治の主体ではなく、大臣が政治の主体としてやっていくのだということです。」
http://inosisi80.iza.ne.jp/blog/entry/135595/
http://inosisi80.iza.ne.jp/blog/entry/135598/
http://inosisi80.iza.ne.jp/blog/entry/135599/

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「■8.天皇は専制権力を持たなかった■

 たとえば、憲法第5条の「天皇は帝国議会の協賛を以て立法
権を行う」、第6条の「天皇は法律を裁可し其の公布及び執行
を命ず」は、議会が議決した法案は、天皇の裁可によって公
布・執行に移されるが、天皇が議会の同意なく勝手に法律を公
布する事も、さらに議会が議決した法律を裁可しないことすら、
憲法違反であると考えられていた。

 行政面でも、第55条(1)「国務各大臣は天皇を補弼して其
の責に任ず」とあるが、そのすぐ後に(2)「凡(すべ)て法律
勅令其の他国務に関る詔勅は国務大臣の副書を要す」と続く。
国務大臣の同意ないままに、天皇が勅令を発することはできな
いのである。

 天皇はあくまで「国民の安寧を追求する」という国家理念の
体現者であり、天皇が独裁的に立法や行政を行って、失政の責
任を追求されるという事態は注意深く避けるように政治システ
ムが作られた。第3条の「天皇は神聖にして犯すべからず」と
は、天皇は神聖な理念の体現者として、現実の政治には関わら
ないので、政治的責任は追及できない、という事である。

 たとえば明治天皇は日清戦争に賛成されず、開戦時には「閣
臣らの戦争にして、朕の戦争にあらず」と言われた[2,p332]。
開戦という国家最重要事ですら、内閣独自の意思決定によって
行われたのである。明治憲法は天皇主権で、天皇が絶対的な専
制権力を持っていたかのような言説があるが、それが誤りであ
ることは、この事実だけで明らかであろう。
■1.欧米で高く評価された明治憲法■

 明治22(1889)年2月11日、紀元節を期して、大日本帝国
憲法(明治憲法)が発布されると、明治政府は早速その英訳を
欧米の著名な政治家や学者に見せて意見を聴取した。その評価
は極めて高いものだった。社会進化論学者として当時の日本に
も広く名を知られていたイギリスのハーバード・スペンサーは
次のように語った。

 日本の憲法は日本古来の歴史習慣を本とし、漸進保守の
主義をもって起草されたりと。然からばすなわちこの憲法
は余の最も賛成する所なり。

 アメリカの連邦最高裁判官オリヴァー・ウェンデル・ホーム
ズは、いくつかの具体的な点を評価しながら、最も感心した点
として、

 この憲法につき、予が最も喜ぶ所のものは、日本古来の
根本、古来の歴史・制度・習慣に基づき、しかしてこれを
修飾するに欧米の憲法学の論理を適応せられたるにあり。

 19世紀ヨーロッパにおける政治・社会学の権威、ウィーン
大学のローレンツ・フォン・シュタイン教授は、日本の憲法は
ヨーロッパの憲法と比べても大変出来がよいが、憲法はその国
の歴史の産物であり、さらに憲法発達の歴史を編纂して示すこ
とが急務であると助言した。

 これらの評価に共通しているのは、明治憲法が単なる欧米の
憲法の引き写しでなく、日本の歴史・伝統に根ざしつつ、「欧
米の憲法学の論理」を適用した、まさに「和魂洋才」の産物で
あったという点にある。」
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h14/jog242.html

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