絵画制作日記

作品制作のために頭の中がどのように展開しているのか

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絵画について

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今日、描いていた絵について「分かんない」と指摘をうけ、つい面倒でそっけない受け答えをしてしまった。僕は、絵は見る人の自由な解釈で見てほしいと常々思っているので、自分の絵について解説はしたくないのですが、たまにはきちんと説明してみるのも、自分のためにもいいのではないかと思い、ちょっと解説してみます。

対象の絵は、この絵です。

題材は「ガリバー旅行記」からとっています。この小説は、ガリバーがたどり着く様々な変わった国の様子やそこでのガリバーの行動によって起こる摩擦を描いた作品です。その中には、きっと当時のヨーロッパの価値観を風刺する意味が込められているのではないかと思います。大人になった今でも十分楽しめる内容です。

この絵の元になったシーンは、ガリバー旅行記最後の章、フウイヌム国の話しです。ガリバー旅行記の中では様々な民族が現れ、それぞれに賞賛、非難されますが、フウイヌムという種族に関してはガリバーはすっかりほれ込んでしまい、尊敬し、ずっと一緒にいることを願います。しかし、ガリバーはその国から追放されてしまいます。理由は、フウイヌム国で最も忌み嫌われている生き物「ヤフー」とガリバーは姿形がそっくりだったからです。この国では、人間に似た生き物「ヤフー」が最も卑しい存在とされ、馬に似た生き物「フウイヌム」が統治しています。この絵はガリバーとフウイヌムの別れのシーンをイメージしました。

なぜ、ガリバーがフウイヌムを尊敬し、最も気高い種族であり、ずっと一緒にいたいと思ったのかは、小説を読んでいただくとして、僕がこの、フウイヌム国記に興味をもったいきさつは、一冊の本にあります。

その本はクッツェーという人が書いた「動物のいのち」という本です。そこには、動物との共感、十全なる存在への尊敬、肉食と菜食という問題が書かれています。この本の中に「ガリバー旅行記」の一節がでていたのです。

絵の中の空間については、西洋的な遠近法は無視しています。空間的なつじつまをあわせるということにはあまり力を入れていません。多少近いものと遠いものは区別していますが、それが同一平面状に配置することはしません。

ある、特定のシーンを想定して、それを再現するというのであれば、きっと写真的な表現になるのでしょうが、ことばで書かれた物語が頭の中でイメージ化されるときというのは時間と空間を超えてしまいます。

例えば、僕の大好きなブランキージェットシティの曲の中にある浅井健一氏が作詞した「3104丁目のダンスホール」の一部を取り上げると

「・・・月へ行く予定だったロケットが湖のほとりに突き刺さった/そこに住んでたペリカンの親子は即死だったらしい/そんなことを口走るような夜はやばいぜ/どこかスカッとするようなところに行かなくちゃいけない/3104丁目のダンスホールに足を向けろ・・・」

ここで、僕の頭の中に展開されるのは、優雅な美しい湖、そこは人の姿が無く自然の静寂がひろがっていて、ひっそりと動物達が暮らしている、そんなイメージと、繁栄しきった大都会の、うらぶれた一角3104丁目のコンクリートと鉄筋でできた暗い地下室のイメージです。問題はそれが同居しているということ。理屈から言えば時間と空間を大きく隔てたイメージです。

たとえば、昔の西洋の宗教画だったらそれを同一空間上に象徴として同居させるかもしれません。この例で言えば、ダンスホールのカウンターの奥のテレビに湖が映っているという具合に。しかし、絵以外に現実を映し出す装置がなかった時代ならそれでいいとして、現代ならばもっと違う方向に「絵とは何か」という追求があってしかるべきです。同一空間・同一時間を再現するという制限から絵は解き放たれていいはずです。ダンスホールの中に広大な湖が広がっていてもいいというか、むしろそう描くのが自然のような気さえしてきます。遠近法を無視して。

そもそも遠近法というのも西洋の価値観でして・・・この辺でやめときます。

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あなたも、ダンスホールに足を向けるが、よかろ。

2007/11/28(水) 午前 0:27 [ ひげSSk ]


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