今回の旅で一番表現したいのは臨場感。
ピントとか照明とか、そんなものはこの際どうでもいい…と言うか、捨てる。 僕の撮りたい写真。それは何処か遠い憧れよりも、その場に入り込んだような錯覚ができる、まるで体験しているようなライブ感、そしてさらにはその後先のドラマが想像出来るようなワンシーンなのです。 ですからカタログ写真のような豪華な配置やギラギラした照明なんかも必要ありません。今そこにあるものを、感じたままテクニックとかセオリーを意識せず、撮っていきたいのです。 こうしてひとりで旅をするのもきっと何処かに寂しさや切なさが垣間見える瞬間を写したいからなのかもしれません。だけどそれと同時に見えるのは自由や温かさでありたい訳で、その為には自分自身の思い入れや興奮状態が良くないと意味がないのです。 例えば料理写真。ひとりでお店の暖簾をくぐるとまあ大抵はカウンターへ通されます。 カウンターというのはとても親切な場所で、目の前で料理する姿を見せてくれたり、ウエイターをいちいち呼ばなくても注文を聞いてくれたり、料理に合う酒を直接教えてくれたりします。なんという贅沢か!僕は基本的にはお酌とかがあまり好きではないのです。突然何を言っているのかとお思いでしょうが、お酌されるってなんか偉くなったような気がしてくすぐったい。だいたい僕はエロくはなりたいが、偉くはなりたいと思わない。人間が単純なもので、偉くなっちゃったらすぐ舞い上がり、人の心がきっとわからなくなる。 よかった、偉くなくて。 話しは脱線したけれど、今回の旅で大事にしたいその「臨場感」ですが、カウンターの片隅だとすごく気持ちが上がるのです。あ、今作ってるのが俺の頼んだやつだ!他の客の注文したやつ何アレうまそう!なんて作業を眺めている時間の楽しいこと。素材がひとつひとつ組み合わさっていく瞬間。出来上がりの安堵感。提供される「あいよ!」の合図。その瞬間を撮りたい!まあ、仕事でもなければなかなか撮れるもんではありません(笑)。それにはっきり言って失礼かもしれませんし。 ですからほんの一瞬呼吸を整えます。その美味しい瞬間をクールに撮りたいという矛盾と闘い、折り合いをつけます。それこそが臨場感! まだ旅は始まったばかり。行きもあれば帰りもある。…って考えるとうわ〜ってなるけど、がんばろう♪ 長々とすいません。 さあ、二日目が始まります♪ |
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